Drinkers Lounge
T&T TOYAMAの事業に関して、我々は知っているんですけど、そこをまず1回詳しく説明してもらってから、
あとは今、例えば、自分たちがコンサルしている蒸留所についていくつか教えてもらったりとかっていう、まずちょっといいかなと。
下野孔明
はい、全然大丈夫です。
まず、T&T TOYAMAが何かっていうところからお話をさせていただくと、私が下野忠明というんですけども、
もともと私のとおりにモルトヤマという坂をやってまして、これが私の下野忠明のTと、
あともう1つのTが、富山に若鶴酒造三郎丸蒸留所っていうのがありまして、そこの今、社長をやっているのは稲垣貴彦さんなんですけども、
稲垣貴彦さんのTを取って、T&Tというふうに名付けたんですけども、
その2人がモルトヤマと若鶴酒造三郎丸蒸留所とはまた離れて、別で会社を作りまして、
もともとはスコッチウイスキーの輸入というか、そういったところから始めたんですけども、
メインとしては、やっぱりジャパニーズウイスキーのボトラーズ事業をやりたいということで始めています。
それっていうのは何かというと、マニアの方が多いんで、皆さんある程度お分かりかと思うんですけども、
いわゆるスコットランドには150年以上前からボトラーズという蒸留所から原子を買い取って、
それを独自に熟成をさせて、ボトリングして独自の商品として売るっていう、
ボトラーズという事業形態があるわけなんですけども、日本にはそれが存在しなかったわけですね。
っていうのは、やっぱりサントリーとかニッカっていう大手の蒸留所があって、
そこは自分たちで作るところ、売るところまで一気通貫で自分でできるわけですけども、
今、日本に100ヵ所以上、蒸留所が計画中のものも含めてできてるという中で、
日本とスコットランドを比べたときに、ボトラーズっていうものが存在していないと。
ってなったときに、ウイスキーのビジネスの難しいところっていうのは、
需要予測がしにくいっていうところと、キャッシュフローがものすごく悪いっていうところなんですよね。
普通の製造業って、作ったらすぐ、物の数ヶ月とかでお金が入ってくるわけですけど、
ウイスキーは最低3年は寝かさなきゃいけない。物によっては5年、10年寝かさなきゃいけないっていうときに、
当時たお金がなかなか戻ってこない、回収できないっていう中で、
ボトラーズっていう存在があることによって、できたばかりのニューポットを買い取って、
それによってすぐ作った段階で、少しキャッシュが入るってことになれば、
それをまた生産量を増やしたりだとか、新しい設備投資に回したりってことは、
蒸留所側ができるようになるっていうのを、
そういう支え合いの産業構造みたいなのがスポットランドにあるので、
もちろんT&Tっていう小さな会社、一社では限界はありますけども、
単に買い取るってこともそうですけど、我々が独自に取り扱わせていただいてる蒸留所の魅力を独自に発信したり、
それこそ海外にも実際にやってるわけですけども、海外に出資する中でセミナーを行って、
こういう蒸留所があって、こういう歴史とこういう設備でこういうウイスキーを作ってますっていうセミナーもやったりしてるんで、
そうやってアピールすることによって、オフィシャルっていうものだけじゃなくて、
ボトラーズのどこどこ蒸留所っていうもののアピール、知名度向上であったり、魅力を知っていただくような機会にもなるかと思うんで、
そういう意味で、2021年から本格的な、本当に自分たちでニポットを買って、
それを自分たちが用意した樽で、それも富山県の南都市の井波っていうところに、
2022年に熟成庫を建てまして、そこでウイスキーを熟成させて、
今年、何かしらまず一つはシングルカスクでリリースをしたいなというところではあります。
Drinkers Lounge
確かに3年経っちゃいましたね。
下野孔明
そうですね、今年3年経つんで、まず何かしら、実はいろいろテイスティングはしてるんですけど、
もともとの狙いの通り、スコッチライクでゆっくり熟成をさせようとしてるんで、
当然熟成のペースが遅いですから、そう簡単に若い状態でガンガン出せるわけではないんですけども、
皆さんにやっぱりT&Tが何をしてるか、まず見ていただくっていうためにも、
何かしら今年はリリースできたらなというふうには思っています。
それを踏まえて、今、ジャパニーズがどうかっていうことですよね。
T&Tのジャパニーズウイスキーのポトラーズ事業をさせていただいて、
今、ざっくり10箇所以上の蒸留所から原酒を買わせていただいてたり、
これから買わせていただくところも出てくると思うんですけども、
それだけじゃなくて、今、ジャパニーズウイスキーの蒸留所への製造とかのコンサルティングもやってるんです。
それは僕自身は製造すること自体がプロフェッショナルというわけではないんですけど、
一緒にやってる三郎丸蒸留所の稲垣さんが、その作りのプロというか、
そういう立場でやってます。
私はやっぱり売る側というか、酒屋として、それもマニアックな飲み手として、
そういう視点で、やっぱりいろいろ飲む中で分かることとかいろいろあるんで、
そういったアドバイスをさせていただいてます。
現状を今、考察させていただいているのは、岐阜県にあります飛騨高山蒸留所という、
会社としては舩坂酒造店という会社なんですけども、
そちら、日本酒をもともとやられたところなんですけども、
廃校になった小学校の体育館を利用して、学校の校舎も一部使ってますけども、
そこでウイスキーを作ってるところのコンサルティングと、
あともう一つは山形の湯沢の方に、湯沢蒸留所じゃなくて、
月光川(がっこうがわ)蒸留所というのがありまして、
月光川(がっこうがわ)と言うんですけど、月の光の川、月光の川と書いて、
月光川(がっこうがわ)と言うんですけども、月光川(がっこうがわ)蒸留所という蒸留所のコンサルティングをさせていただいてます。
ここはもともとの資本は、日本酒を好きな方だとご存知かと思うんですけども、
日本酒を作る、純米大吟醸だけを作る、楯の川酒造さんという酒造がありまして、
そこのグループ会社というか、一応別会社にはなってるんですけども、
同じ社長さんがウイスキーの蒸留所も始められてまして、
そこのコンサルティングも進んでいただいてるというところですね。
Drinkers Lounge
いや、僕初めてそのT&Tの構想を聞いたときに、
なんか本当に、なぜ誰もやらなかったんだろうと思うぐらい、
今本当に、さっき下野さんが話したみたいに、
Drinkers Lounge
大手が強かったっていうのは、日本のウイスキーの構造にあったからだとは思うんですけどね。
今後の日本のウイスキーの構造とのものを結構刷新するような、
一大事業になり得るなとは結構思ってて、
スコッチウイスキーの産業構造と似たような形にはなっているってことなのかもしれないですけど、
多分それによって生き残る蒸留所というか、
脈々とずっと残り続ける蒸留所とかもきっと出てくるんじゃないかと思ったりとかもしてるんですよね。
下野孔明
そうですね。やっぱり今回この質問というか、
そもそもそのジャパニーズウイスキーがどうなのか、どう思うのかっていう質問に対して答えにもなるんですけど、
やっぱり今はいろんな意味で、
蒸留所が個々にいろんなことを独自にやりすぎてるというか、
蒸留所同士が、会社同士が孤立しすぎてる感じは正直強くあるんですよ。
それは何かっていうと、やっぱりその技術的なこととか、
例えば資材の樽であったりとか、酵母であったりとか、
そういう仕入れの部分ですよね。
大麦麦芽もそうですけど、そういったものを個々の蒸留所が、
個々で各商社にそれぞれやり取りをして、個々で仕入れてやってたら、
やっぱり規模もすごく小さいし、余計なコストもかかるし、
余計な時間もかかるし、余計な遠回りですよね。
例えば製造のコンサルもやってて、いろいろ思うんですけど、
例えば僕自身は、直接普段ウイスキーを作ってるわけじゃないんですけど、
ただ、やっぱりいろいろ勉強したり、いろいろ回らせていただいて、
知ってることもいろいろあるんで、気づくんですけど、
僕が当たり前に知ってることとか、このポイントはおかしいなみたいなことが、
普通に日本のクラフトのウイスキーを製造されてる方が、
全然知らなかったりするんですよね。
こんなことを全然、普段三郎丸稲垣さんと話してたり、
私もしょっちゅう三郎丸行くんで、製造を見させてもらったりとか、
いろいろここをこういうふうに改善したとか、それはどういう理由で、
こういう狙いでこうしたみたいなことも、逐次いろいろ聞いてるんで、
わかってるっていう部分もあるんですけど、やっぱりそういうマニアックなところはともかくとして、
ここはこうしなきゃいけないんですよ、みたいなのって製造であるんですよ。
本には書いてないけど、これは技術の競争とかいうレベルじゃなくて、
みんな知ってるでしょ、みたいな。そういうレベルのことが実は、
もちろんちゃんとやられてる蒸留所もあるんですけど、意外にそういうことがわかってない蒸留所がめちゃ多いので、
例えばそういう技術的な交流ですよね、横の繋がりがあれば、
最低限、これぐらいは別に秘密にしなくてもいい話だし、
お互いにこれこう打ち越してるよとか、こうやってるよとか、こうすればいいんだよって言えば、
時間もお金も全然無駄にならないのに、そのちょっとしたことを気づくのに、
それこそもうコンサルタントも入れてない、他の蒸留所にも見に行かない、話も聞かないっていうことで、
莫大なお金とか時間を無駄にして、変なウイスキー作っちゃってるみたいなところも残念ながらあるっていう。
要はもう個々で勝手にやりすぎちゃってるっていうのは、やっぱりすごくスコッチに比べて弱いなっていうのは思いますね。
Drinkers Lounge
歴史の浅さがやっぱりちょっと出ちゃってるなっていうのはありますね。
下野孔明
そうです。やっぱり本当の作りとか、歴史的っていうようなことはやっぱり影響してると思うんですけど、
本当に作りの大事な部分とか、それこそニューポッドとしてこの味だったらこれはヤバいよねとか、
これが理想だよねっていうことがそもそもわからないで作ってる方は少なくないんですよね。
だから現状これ飲んで、例えば僕とか稲垣さんが行ったときに、これヤバいなとか、これすごくいいなっていうふうになってても、
現場の人がわかってないってことは多々あるんですよね。
A whisky lovers diary
そうですね。やっぱりドリンカーの常識っていうのがもう、
下野孔明
非常識なことはあり得るんですかね、そういうことです。
いや、残念ながらですね、これは聞いてらっしゃる方もプロの方だったりマニアの方が多いので、
これ全部が全部じゃないんですけど、
やっぱりウイスキーを作ってる人たちが必ずしもウイスキーの味がわかってるとか、
ウイスキーが好きとか、ウイスキーに詳しいとは限らないんですよ。
むしろマニアの方であったり、酒屋さんであったり、
バーテンダーさんの方がウイスキーを作ってる人よりも飲む経験だったり知識だったり、
そういう経験というか知識、経験みたいなものが培われてる場合が結構多いなっていうのは、
いろんなところ見てる。もちろんウイスキーを作ってる方でも、
もともとウイスキー好きでとか、もしくはもともとウイスキーファンじゃなかったけど、
ウイスキーの製造をするにあたってすごく一生懸命、自分でウイスキー飲まれて勉強されてる方も、
これも間違いなくいらっしゃいます。いらっしゃるんですけど、
私が見てる限りではその割合がすごく少ない。
A whisky lovers diary
好みの系統っていうのはあって、当然さっきのフルーティーかボディーが太いやつがいいかっていう違いはあっても、
下野孔明
ダメなものっていうのは存在すると思うんですよね。
ダメなものっていうのはネガティブなものっていうのはね。
好みもありますし、嗜好品なので、絶対的な良し悪しってなかなか論ずることは難しいとは思うんですけど、
セオリーとして、例えば、ここは好みの範囲だねっていうことは当然あると思うんですけど、
ここまでいったら、まずウイスキーとしてはおかしいんじゃないの?っていうことはあると思うんですよ。
この香りがこんなに出過ぎてるのって、さすがにちょっと好きとか嫌いじゃなくて、もう飲めないんじゃないの?みたいなものもあったりするんですけど、
そういうのを言ってもわからないみたいなことは、やっぱりどうしても時折、コンサルしてない常理者さんにも思わず言っちゃうことがあるんですよ。
もっとこうした方が、これはもう好みとかじゃなくて、もうセオリーとして、これはこうするべきなので、
それをやった上で、いろいろ変化を生み出すような工夫とかはあっていいと思うんですけど、
絶対にそこを踏み外しちゃいけないみたいなところってあるんですよね。
それがやっぱりわかってる、わかってないっていうのはかなり差がありますね。
A whisky lovers diary
それは立場上、いろいろ歯がゆい思いを一番しそうな立場かもしれませんね。
Drinkers Lounge
いや、でも結構本質的なというか、ジャパニーズウィスキーブームというか、今後のジャパニーズの、これだけ常理者増えたら、僕とかとしても盛り上がってほしいんですよね、正直って。
下野孔明
だからそういったものに対する、結構本質的なというか、話だなとは思いますよね。
下野孔明
そうですね。ただ、やっぱりジャパニーズはまだまだ発展途上というか、私の中ではですけど、結局このジャパニーズウィスキーらしいって、じゃあどういうことって言われて、明確に答えられる人ってなかなかいないと思うんですよ。
お二人どう思います? ジャパニーズウィスキーらしさって、どういうところがジャパニーズらしさだと思われます?
Drinkers Lounge
それ正直言ってすごく難しいんですよ。 実は。
A whisky lovers diary
僕は非常にドライな人なんで、ジャパニーズウィスキーらしさっていうのはただの幻想だと思ってますけども。
下野孔明
実は、私も全く同じです。ジャパニーズウィスキーらしいっていうもの、そういう概念っていうのは、本当には自分の中でいろいろ考えたんですけど、まだそういうことを飲んでるほど、私に経験がないのかもしれませんが、やっぱりそういったものがまだ存在していないっていうような気がするんですよね。
というのは、やっぱり今のジャパニーズウィスキーっていうものが人気になった理由として、サントリーであったりニッカっていう先行者であるその2社の評価とか知名度っていうところがやっぱり大きいですし、
クラフトといっても先駆けであるベンチャーウィスキーの秩父ですよね。ああいったところの活躍とかっていうものがすごく大きいっていうことはあるんですけど、でもその一方で、何か、どこの何とは言わないですけど、いろんなものが神格化されていったり、
過大に評価されていく中で、幻想が描かれていった部分ってすごく大きいんじゃないかなっていうふうに思うところがあって。その中で、ジャパニーズウィスキーが人気だから、ジャパニーズウィスキーが高く売れるからって言って入ってきてしまった人たちも、もちろん良いものを作りたいとか、そういう思いでやってる方もたくさんいらっしゃるんですけど、
その一方で、なんかウィスキー儲かりそうだから、なんかよくわかんないけど、ウィスキー蒸留所を始めて高くたる、みたいな人たちが一部出てしまってるっていうのはもう現実としてあるので。
Drinkers Lounge
なるほど、もう言っちゃいましたね。
下野孔明
冷静に考えたときに、ジャパニーズらしさって何だろうって言われると、すごく難しいんですよ。ただ、自分の中で、ジャパニーズこのまま本当に、いろんな交流とかもないまま、グラフトがちゃんと足並み揃えるのはいいとは言わないんですけど、
お互いにいい意味で競争し合いながらも協力するっていうのは、何かしら必要だと思うんですけど。ジャパニーズってじゃあ、何が魅力なのか、何が価値があるのか、どこがこっちに勝てる部分なのかなって考えたときに、
一つあるなって感じるのは、これごめんなさい、誤解を招くかもしれないんですけど、同じ単熟で考えたときに、ジャパニーズって味の強さとか重さがあるんですよ。
スコットランドと比較してると。
スコッチ、これはもちろん常理上によって、もちろんそれぞれ違いますし、一緒くたにしてこれっていうのは、もちろん難しい話だっていうのはわかってて言ってるんですけど、
ただ、ざっくりスコッチの熟成の短いもの、ジャパニーズは当然熟成の短いものが多いわけですけども、そういったものを比較して飲んだときに、まだ近年、すごくライト化してきてるスコッチのスタンダードクラスというか、レギュラーなラインナップですよね。
シングルカスクがどうかってっていうのはちょっとまた置いといての話ですけど、そういったものと比べたときに、まだジャパニーズっていうのは、味とか重さっていう香りも含めてるんですけど、そういったコンテンツがすごく豊かなんですよ。
プラスアルファは、これは良い部分、悪い部分、交際あるんですけど、熟成環境としてスコットランドよりも若干暑いので、春の味がすごく乗るんですよ。
これは乗りすぎるとマイナスの部分ってすごく大きいんですけど、その一方で味を強くしたり、個性とかキャラクターを出すっていうことのプラス面にもなっているわけなので、
やっぱりこの味があるっていうのは、すごくジャパニーズがこれからスコットと戦うときに、価格の面では競争しえない。規模の論理ではもう全く勝てないので。
ってなったときに、やっぱり明確に味がある。また、その個々の蒸留所で本当に個性がちゃんとあるかっていうのは別にして、味が出やすいっていうのがあるんですよね。
そこがやっぱりすごく大事なポイントかなっていうふうに考えて。
A whisky lovers diary
やっぱりあえてほとんどのものが輸入で作られるわけじゃないですか、ジャパニーズウイスキーって。である以上、なんでわざわざ日本に引っ張ってきてウイスキー作らなきゃいかんのかっていうのは、これも非常に大事なことだと思うんですよ。
だって蒸留したほうが、大麦麦芽モルトを引っ張ってくるよりも、ウイスキーを引っ張ってきたほうが絶対輸入コストが低くなるわけなので。
なのにあえて日本で蒸留まで、発酵蒸留する意義っていうのはやっぱり、ある程度明確にしなきゃいけないのに、そこを実は誰もというか、歴史的な経緯以上に明確にしなかったっていうのは弱さではあるんでしょうね、ジャパニーズウイスキーが抱えてる。
下野孔明
そうですね。ただ、要はそこに対して、どうやって競争力を持たせていくかっていったときに、やっぱり味があるっていうのは大事なところで、スコッチに味がないって言ってるわけじゃなくて、
スコッチには明確な理由があって、もちろん蒸留所によって味が改善してるところとか、今もやっぱりすごい好みの豊かなところももちろんあるので、全部がダメとかそういうことを言いたいのではなくて、かつてと比べて相対的にライトになってきてしまってるっていうのには明確に理由があるんですよね。
で、そこに対して、ジャパニーズウイスキーは製法的な理由とか規模の理由がいろいろあって、まだ味がちゃんと出てるんですよね。なので、そのチャンスがあるとすれば、それはやっぱりそこだろうなっていうのはあるんですよ。
Drinkers Lounge
なるほど。蒸留所の規模だったりとか、まさにポットスチルの大きさだったりとかっていう。
下野孔明
ポットスチルの大きさも若干関係あるんですけど、メーカーでは、それは結構蒸留上のポットスチルのサイズって、できた時からそんなに大きさを変えることって実はないんですよね。
昔から使ってるものの形、大きさのまま、数を増やしていってるんで。実はポットスチルのサイズがどうとかっていうことは、直接的な要因ではなくて、いくつか挙げられる範囲で言うと、ちょっとごめんなさい。
すごくマニアックな話になって。
Drinkers Lounge
全然いいです。
下野孔明
恐縮なんで。これは、あんまり知ってる方いらっしゃらないかも。ウィスキーの生存の方は、多くの方は知ってるとは思うんですけど。
あとですね、スコッチがじゃあなんでライトになってるかって、これ、いろいろあるんですよ。なんで言うか。
で、この分かりやすいところで言うと、本当に分かりやすいところで言うと、やっぱり大麦が品種改良されていて、要はその炭水化物ですね、糖質の割合が多い方向に品種改良されていってるわけなんです。
Drinkers Lounge
そのほうがアルコール収率がいいわけですね。
下野孔明
そうです。ここで考えなきゃいけない、前提として考えなきゃいけないのは、いい大麦、まあ大麦麦芽になるわけですけど、
いい大麦って何かって言うと、もちろんその病気にならなくて、同じ面積あたりの収穫量が多いっていうのももちろん大事なんですけど、
じゃあ、同じ量の大麦の状態で何が求められるかって言うと、今言った、要は糖質の割合。
その割合が多いことによって、同じ量の大麦ばっかを使っても、出来上がるウイスキーの量って増えるんですよね、糖質の割合が多ければ多い。
下野孔明
なので、そういう方向に触れていく分、相対的に当然ですけど、タンパク質であったり、脂質の量が減っていくわけですよね。
で、なると、香味の重さになるような部分が失われていって、要は純粋なアルコールみたいなものはたくさんできるんですけど、
その副産物みたいなものの割合っていうのが減るっていうのがあるんですよ。
あとは、有名なところで言うと、やっぱりイーストですね、酵母ですね。
やっぱり酵母も、最近いろいろ、スコッチでもジャパニーズでもすごい工夫されるようになったんで、
エールイーストとディスティラリーイーストっていうものの併用でやるとかっていう工夫されるというところが、結構多くなってきたんですけど、
ただ、ディスティラリーイーストにしても、アルコールをよりたくさん効率的に作ること、発酵力が強いとか、そういったことが重視されて、
副産物としてちょっと非効率なようだけど、実はアルコールを出しながらも一緒にできる副産物みたいなものが、
本当はそのウイスキーの味にすごく重要なんですけど、
どうしてもメーカーの視点からすると、より効率的にウイスキーがたくさん同じ原料からたくさんできるようにしたいっていうのがあるので、
そっちの方向に触れていくと、アルコールはたくさんできるんですけど、香味はどうしても乏しくなってしまうんですね。
Drinkers Lounge
なるほど。
下野孔明
そういう方向に、これは本当にごくごく簡単なレベルの話なんですけど、それだけじゃなくて、結構皆さんこれ気づかれてないことが多いなっていう話で言うと、
一つは高糖度発酵なんですね。高糖度発酵っていうのは何かっていうと、粉砕した大麦から薄地を取って、もの実を作って発酵させて、アルコールを作り出すわけなんですけども、
要は使うお湯というか水というか、量を少なくして、同じ原料から少ない量の水で、糖度が高い状態で発酵させた方が、
要は、もの実を入れるタンクのサイズも小さくて済むんですよ。かつ、少ない量のもの実で蒸留した方が、ポットスチルのサイズももちろん小さいんですけど、
何より、加熱する時に必要なエネルギーの量も減るんですよ。ということは、時間も短くて済むし、かつ燃料コストも抑えられるんですよ。
Drinkers Lounge
なるほど。
下野孔明
ということは、今、スコッチの蒸留場で何をやっているかというと、二酸化炭素、CO2の排出量を減らそうと、みんなやってるんですね。
このために、結局、みんな高糖度発酵と言われている。要は、仕込みに使うお湯の量、水の量を少なくして、糖の濃度が高い状態で公募を入れて発酵させて、
それを蒸留したら、効率的にウイスキーの製造ができますよ。CO2の排出も減らしてるから、すごくクリーンな蒸留場って歌えますよっていうのが、今のトレンドというか支流なんですけど。
実はこれが落とし穴なんですよね。何が悪いかっていうと、仕込む時の糖度が高いと、公募が負荷がかかるんですよ。ストレスがかかっちゃって。
本来、適切な糖度であれば健全に公募が働いて、糖を食べて、そこからアルコールと二酸化炭素と、単純にそれだけ作ってるわけじゃなくて、その副産物がいろいろ生まれるんですけど。
糖度が高すぎると浸透圧が高くなっちゃって、公募に負荷がかかりすぎちゃうんです。それによって、もちろん公募も時間をかけてやれば、適切な温度だったり環境を用意してあげれば、
もちろん糖もある程度食べ切れるので、ちゃんとアルコールも得られるし、二酸化炭素もその副産物として出るんですけど、他の副産物が得られにくくなっちゃうんですね。
そうなると、脂質がすごく軽くなりすぎるんですよ。なので、同じ量のアルコールは理屈的には取れるし、ものすごく高効率でウイスキーを仕込めるんですけど、
その味わいは軽く単調になりやすくなっちゃうんですね。これは結構、皆さん見落とされてる、今のスコッチウイスキーが抱えてるすごい本質的なマイナス点っていうのがあるんですね。
Drinkers Lounge
いやー、それすごい。このポッドキャストめっちゃ勉強になるじゃないですか。今、ふと思ったんですけど、その高糖度発酵という環境を例えば変えないんだとしたら、そうするとそういった環境の中、高負荷でも耐えうる酵母は何か探しみたいなのになったりとかするわけだったりします?
下野孔明
そういうことも考えられなくはないんですけど、基本現状、そういう高糖度発酵ができないわけじゃないので、要は、みんな高糖度発酵でもウイスキーはできるんですよ。ただ、もちろん、狙ってライトにするっていうのももちろんあるので、
そのライトなウイスキーがダメとかっていう話を今してるわけじゃなくて、その意図せずにライトになってしまいがちになっちゃうんです、これが。
Drinkers Lounge
いや、わかります。
下野孔明
なので、もともと例えばスコッチでも脂質がある程度重いとか太いとか、その香味が複雑だって言われてたものが、年々こう味がライト化していくっていうのは、一つの理由として、やっぱり高糖度発酵ということで、狙わずしてそういうふうな方向性に行きがちなんですよね。
Drinkers Lounge
いや、ちょっと、このポッドキャストめちゃめちゃ面白いんですけど、これ大丈夫かな?みんなついてこれるのかな、これ。
下野孔明
もう一つ、ごめんなさい、言っておきたいことがあって、大麦の品種改良と、コウボーの品種改良の話、そして高糖度発酵の話をしたんですけど、もう一つ言えることっていうのがあって、これ何かっていうと消泡剤なんですよね。
Drinkers Lounge
たまに聞くんですよね。僕、実は言うとあんまりよくわからないんですよ、その消泡剤って。
下野孔明
消泡剤って何かっていうと、なんかヤバいものじゃなくて、これは食品に使えるシリコンなんですね。シリコンって何かっていうと、消泡剤っていうのは消す泡の消泡剤なんですけども。
これっていうのは、どこで使われるかっていうと、まず発酵するとき、要はウォッシュバックですね。発酵槽にもろみの中に投入して、泡が上がりすぎちゃうのを抑えるというときに消泡剤を入れるんですよ。
これが消泡剤の自体が、例えば味が合って不味くしてるとか、そういう話では実はないんですね。何がよくないのかっていうと、実は酵母がもろみの中で糖からアルコールと二酸化炭素を作るときに泡が出るわけですよね。
消泡剤はその泡を消したいんですけど、実はもろみの中の反応っていうのは、もちろんそのもろみの液体の中でも反応って、もちろん起こってるんですね。いろんな複雑な反応が。でも、すごく重要なのはそれだけじゃなくて、さらに二酸化炭素が発生することによって自然にできる泡の層っていうのが結構高い層ができるんですね。
それで、実は消泡剤を使わないと、小さいウォッシュバックだと泡が溢れちゃうんですよ。これっていうのは、その泡切り器、スイッチャーをつけてても、菌種によってはすごい粘り気の強い泡を作ったりすることがあるんで、泡が切り切れないんです。なので、溢れちゃうといろいろ問題が起きるんで、その泡が溢れないように消泡剤を使うことが常理上によってはあるんですけど。
実は、その泡の層の中で空気を取り込んだり、もちろん二酸化炭素も入ってるんですけど、表面積が泡で大きくなるわけじゃないですか。そしたら、その外気の空気だとか、そういったものに触れて、さらに二酸化炭素とか、取り込んだ泡の状態で表面積が大きい状態で、そのもろみの中の成分が反応していくんですね。
それによって、実は、香味の重さだったり複雑さを司るような成分が、その泡の中での反応で生まれてくるんですよ。それが本当はすごく大事なんですけど、消泡剤を使うと何が起きるかっていうと、泡が立たないんですね。
泡の層ができないので、本来、泡の層で起こってほしい複雑なものの反応っていうものが、起きづらくなっちゃうんですよ。そうなると、やっぱり小海の複雑さとか、味わいの複雑さっていうのが落ちるんですよね。
かつ、消泡剤を使っていると、発酵の段階でのマイナスが起きるだけじゃなくて、もう1つマイナスポイントが起きて、それは蒸留の、それも初流ですね。最初の蒸留の時の、これはすごく難しいんですけど。普通、蒸留すると揮発しない物質って流液に回っていかないんですよ。
どういうことかっていうと、もう少し平たく言うと、小学校の理科の実験で食塩水を作って、その食塩水を三角フラスコとかに入れて、蒸留して、液体にして戻して集めたら、水が得られるわけじゃないですか。
これって、塩化ナトリウムが揮発しないから、水だけ取り除くことができますよっていう理屈なんですけど、実はウイスキーのもの実の中にも、もちろん水とかアルコールとか、揮発性の成分っていうのはたくさんあるんですけど、流液に、実は不揮発性の成分、本来、加熱しても揮発しない、気体に変わらなくて上がっていかないはずの成分も、実は流液に流れるんですね。
Drinkers Lounge
それも面白いですよね。蒸留という概念からすると、揮発性の成分は蒸留されないはずなのに、蒸留されちゃうって話ですもんね。
下野孔明
これは、なぜ、そんなことが起きるかというと、ウイスキーの成分がどうこうというよりかは、加熱をする中で、ポットスチル、蒸留器の中で、上昇気流が発生するわけですね。
上昇気流に、不揮発性の成分が乗っていくんですよ。乗っていくっていうのは、もう少し具体的に言うと、泡とかが弾けた時に発生するミストの状態。
要は、液体の状態では、そのまま簡単に上がっていけないんですけども、小さい泡沫になった状態で、上昇気流に乗って、本当の細かーい液体の状態で、上昇気流に乗って、流液として次のフェーズイコーを流れ込むっていうことが起きるおかげで、
Drinkers Lounge
本来蒸留では入ってこない成分が、実はその流液の方に含まれていくっていうことになるんですね。
下野孔明
これによって、味わいの重さとか複雑さ、これもまた影響してくるんですけど。じゃあ、その泡がもし、消泡剤を混ぜることによって、泡が立たない。
そして、その泡が高く上がっていかないってなると、泡が発生しないので、そのミストですね、その泡沫っていうものが発生しづらくなるんです。
要は、その泡沫が発生しない、ミストが発生しないで蒸留してても、もちろん揮発性の成分は蒸留されていくんですけど、不揮発性の成分で本来蒸留で得ることが出られるはずだったものが、泡が立たないがために流液に流れ込まず、ライトになってしまうっていうことが起きるんですね。
Drinkers Lounge
いや、面白いですね。効率を追求しようと思ってやったこと全てが酒質をライトにしてるって感じの話ですね。
下野孔明
そうなんですよね。実は自然にライトになっちゃうんです。これはもちろん、消泡剤を使うことはさっき言ったとおり、泡が溢れない。要はウォシュバッグから泡が溢れたり事故が起きないっていうことがもちろんプラス面に作用しますし、
もう一つは、処理をするときは、自然にやっていくと泡がすごい立ってきたり突発みたいにすると、要は液体のもろみがそのまま流液に流れ込んだりすると、もうそれを使えないんですね。もうダメになっちゃうんで。
そういう事故を防止するっていう観点においては、消泡剤っていうのはものすごく役に立つので、あともろみの粘度が高すぎるっていう場合に調整するっていう役割においては、
消泡剤っていうのはすごく有用な、すごく使い道のある大事なものなんですけど、それをやたら使いすぎちゃうと、そういうマイナス点が大きく出ちゃうんですよ。
なので、消泡剤を使うにしてもギリギリの量で、できるだけ泡もたくさん発生して泡が上がるような状態で、何か消泡剤をちゃんとうまく触れさせてあげてコントロールするっていうことができてないと、
量らずしてライトな酒質になっちゃうっていう、これもすごく大事なポイントなんですよ。
なので、この3番目と4番目の高糖度発酵とか消泡剤っていうことは、ウイスキーを作ってる人たちと話をしてても、あんまりわかってないでやってるところが多いですよね。
下野孔明
そう考えると、僕やっぱりここ数年飲んでて、それまでの過去の何十年ぐらいとちょっと違うなと思ってるところで、2000年代以降に入ってから、あんまりビッグヴィンテージに出会ってないっていうのがあるんですよ。
Drinkers Lounge
そういうのも関係してくるんじゃないかなとか、聞きながら思いましたね。
下野孔明
たぶん今、4つ繰り返しになりますけど、大麦と酵母と高糖度発酵と消泡剤ですよね。他にもおそらくちょっと理由があったりするんですけど、
本当にざっくり簡単なところで言うと、この4つのところで、ちょっと言えない話もいろいろありますけど、この4つが結構大きく影響してて、
あとは4つの中でも言えないようなところでも、また差が実はついてきてるんですよね。
今言ったのは、秘密が全部あるわけじゃなくて、実はまだ言えないレベルの話で、いろいろあるんです。
Drinkers Lounge
そっちはそんなにいろいろなのか。
下野孔明
でも実は結構、論文ベースで書かれてることとかも中にはあって、別にこれは僕が知ってるだけとか、そういう話じゃなくて、
これは本当に希望を持っていただいていいんですけど、日本のウイスキーの製造されてる方にもちろんちゃんとそういうことは、
なんの当たり前じゃんっていうレベルでやってらっしゃる方ももちろんいますし、ただ残念ながら常住所によってはわかんないでやってるっていう場合もあります。
ただ、繰り返しになるんですけど、スコッチウイスキーは残念ながら、その大量生産の中で、
大量に作ってるのは悪いというよりも効率を求めすぎるがゆえに、
さらに二酸化炭素の排出量を減らさなきゃいけないっていうことを、そこにコミットしようとするがゆえに、
戻すと図らずしてないときになっちゃってるっていうのは、現状だということですね。
Drinkers Lounge
なるほどなぁ。
僕ちょっとあともう一個、ジャパニーズウイスキーについて、ただの予想だったらいいんですけれど、
スコッチウイスキーは、ざっくり言うと地域差あるじゃないですか。
スペインスタイル、ハイランド、アイランドみたいな。
下野孔明
本当にそこはざっくりしてますけどね。
Drinkers Lounge
すごいざっくりですけどね。
そういったなんか、で、ジャパニーズウイスキーも、今本当に北は北海道から南は沖縄まで蒸留所が増えた現在。
下野孔明
これからまた何年かしてくると、そういった地域差って出そうだと思いますか?
出ないことはないと思うんですけど、まず地域差よりも、その蒸留所自体の作りの影響の方がまず大きいと思います。
やっぱりそこは本当に仕込みの段階、蒸留までの段階である程度差が出ちゃうので、
そこに共通項がないと地域性っていうのは出にくい部分もあると思うんですけど、
ただ確実に言えるのは、やっぱり日本の熟成環境っていうのはやっぱり特殊で、
スコットランドよりも全体的に基本は高いっていうのはもちろんあるんですけど、
南北に日本は長いので、やっぱり北海道で作っているのと沖縄で作っているのとでは当然ですけど、
やっぱり熟成のスピードというか樽の味の出方っていうのが全く違ってくるので、
そういった面では長期的に見た時に、その樽のニュアンスですよね。
特にシェリー樽とかスパリショークとかファーストフィルのバーボンダルにしても、
味の出方の差、やっぱり短期である程度味濃く仕上がっちゃうっていうのが南の方であれば、
やっぱり北海道はなんだかんだ言って時間がかかって、ある程度の熟成年数になった時に、
進化を発揮するよねっていうことにもしかしたらなるかもしれないですし、
そういった面、それは仮説というか仮の話ですけど、
Drinkers Lounge
まあそれはともかく、熟成環境という点でのテロワールですよね。
下野孔明
まあそういう熟成環境の面での気候的な影響っていうのは少なからず出るとは思います。
Drinkers Lounge
そうですね。僕も樽から樽の成分の出方は気温だったりっていうわかりやすい環境用意によって生じるだろうとは思うんですけど。
下野孔明
気温と湿度が結構影響する。
まあ気温はそうですね。
これは一般論として言えるのは、気温が高いっていうのと、もう一つは湿度が低い、乾燥してるっていうのは、樽の味の成分が出やすくなってしまうっていうことの原因になるんですよ。
この樽の味が出やすい、樽の味がすごい強いウイスキーが良いか悪いかっていうことの概念については、
個々で捉え方が違うと思うんですけど、いずれにせよそういう傾向があるっていうのは、これはもう論文ベースで間違いないことなので。
それを踏まえて考えると、やっぱり日本の北と南で、やっぱり味の傾向に大きな方向性の違いが出るって可能性は大いにあるかとは思います。
Drinkers Lounge
けっこう僕はどちらかというと、希望的観測で出て欲しいなと思ってるタイプで、その気温湿度の関係もそうですし、
アイラみたいな地域のピートを使ってみたいなのはちょっと難しいかもしれないですけれど、それはほんと蒸留の作りによるかなと思うんですけれど。
地域性みたいなものがジャパニーズウィスキーに出たりとかすると、ちょっと面白いなとかですね。
どんな原因で出るかはわからないんですが、おいおい、本当に何十年も先かもしれないですけど、なってくると面白いなとかは思いながら。
下野孔明
そうですね。緯度の、緯度っていうのは北側にあるか南側にあるかだけじゃなくて、あと可能性としてあり得るのは標高ですよね。
ああ、なるほど。
標高が高いと、例えば飛騨高山蒸留所もそうですけど、井川蒸留所ですね。
あそこもすごく標高が高いので、やっぱり標高が高いと沸点が変わってくるので、そこでの浄土される物質っていうか、そこの特性っていうのは若干変わるかもしれないですね。
また、熟成っていうか、そういう観点においても、常温であっても圧力、要は常圧っていう状態じゃないので、一応圧力が低いですから。
ってなると、その成分の揮発、水とかアルコール以外の物質も含めて、揮発の仕方っていうのも若干異なるはずなので。
スコットランドって、ウイスキー作ってるところで1000mを超える山とか、そういったものってないので、そうなると本当に平野部の1気圧というか、標準的な常温、常圧と言われるような環境と、
圧力が低くなってる、相対的に圧力が低いところで、ものすごく標高が高くて温度も下がってくるので、そういったところも影響するとは思うんですけども。
圧力が下がると、また揮発する成分の特性みたいなものが変わってくるはずなので、そこもきっと日本の方が、スコットランドにも地形の起伏っていうのは大きいですから、そこも多少影響していくんじゃないかなっていうのは見たいとしてはあります。
A whisky lovers diary
いや、その通りだなと。
Drinkers Lounge
いやー、めっちゃ面白いなぁ。
いや、めっちゃ面白いです、本当に。
A whisky lovers diary
ということで、下野さんとの第2回目の話ですけども、ここからも続くんですけども、だいぶ長くなってきましたね。
今週はここまでで。
Drinkers Lounge
いや、今回は本当にもうボリューム満点もそうですし、内容としてもちょっと僕たちにとっても結構初めての話っていうのも。
下野孔明
2回の予定でこの時撮ってたんですが、2回じゃ収まりきらなかったので、3回とさせてもらいますが。
Drinkers Lounge
この前3回は本当に聞き応え抜群の回だったですね。
A whisky lovers diary
意外に見てもこういう話っていうのは聞いたことがなかったので、非常に勉強になりました。
ぜひ、飲み手の人もそうですし、いろんな職種の方、ウイスキーに携わっている方でも何かご感想とかいただければ幸いです。
そうですね、ぜひよろしくお願いします。
では前3回となりますが、最後も下野さんのお話が続きます。
また第3回も聞いていただければと思います。
お相手は…はい。
下野孔明
はい、来週もぜひ。
A whisky lovers diary
下野さんにないですが、ウイスキーラバーズダイアリーと。
はい、また来週よろしくお願いします。
Drinkers Lounge
Drinkers Loungeでした。
下野孔明
来週よろしくお願いします。