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2023-09-08 07:43

62.「同調圧力」があると人はどうなる?どうしたらいい?

今回は社会心理学の分野から、人が集団でいるときに起こる現象のひとつ「同調圧力」についてお話しします。

同調圧力があると、「これちがうんじゃね?」って思っていることにも簡単に合わせてしまうようです。

大きい集団が必ずしも正しい方向に行くわけじゃない中、一個人がどんな風に集団と関わればいいのか、個人主義気味なカウンセラーの意見もちょっと交えられればと思います(笑)

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心理師わたるんの働くをカウンセリングするチャンネル。今回は同調圧力についてお話しします。
みなさん、1週間お疲れ様でした。公認心理師・臨床心理師のわたるんと申します。
このチャンネルでは、みなさんの週末のお時間を少ーしだけいただいて、就職や復職など働くのサポートをしてきたカウンセラーが、
主に社会人の方々に役立つようなカウンセリングの豆知識や、心理師のあれこれを簡単にお伝えしていきます。
あのー、職場でも学校でも、人と人が何人かでいる時って、どうしても暗黙の了解みたいなものって出ますよね。
一昔前の、上司が帰るまで部下は帰っちゃいけない。とか、有給はあってないようなものと思え。とか、でしょうか。
そういう過度な暗黙のルールだとか、なんとなく流れてるその場の雰囲気とかってあると思うんですけど、
それ僕めっちゃ嫌いなんですよね。
あの、なんでその集団が作った雰囲気にこっちが合わせなきゃいけねえんだと。
なんで未人も尊敬できない、恩も受けてない、部活の先輩や顧問に媚び売らないといけねえんだと、よく思っていましたし、なんなら今でも思うことあります。
まあ、僕の話はさておきですね。今回ツイッターの方でピアプレッシャー、つまりさっきお話しした暗黙の了解的な圧力について心理師の視点から解説してほしいとリクエストをいただいたんですね。
これはリクエストというか、慢性的にネタ不足なんで、なんか聞きたいことないか教えてくださいお願いします。
で、小島さんという働く人の立ち話しというポッドキャストを配信している方に泣きついて相手をいただいたんですね。
小島さんその説は本当にありがとうございます。
というわけで、今回は僕の方で人が何人か集まったらどうしても出てきてしまうこのピアプレッシャー、同調圧力について解説をしていこうと思います。
ピアプレッシャーという言葉は実は僕は初めて聞きました。
ピアは仲間、プレッシャーは圧力ですね。
つまりは同調圧力ということですが、同調圧力という言葉がどこから出たものなのか、ちょっとざっと調べただけではわからなかったです。
ただ、心理の世界では似た概念として、性一性の原理というものがあります。
国家性称の性に、1、性は性別の性ですね。
これは社会心理学の集団力学という分野の概念の一つです。
ちなみに集団力学というのはざっくり言うと、グループの中にある人と人っていろんな相互作用で何かしらの流れが生まれるし、それがグループ全体に影響が及ぶこともあるよね。
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その辺を研究する学問領域だよ、というものです。
その中の概念には、今言った性一性の原理以外にもいろいろなものがあって、例えば集団極性化というのもあります。
集団に極端の極、性別の性に分けるの字ですね。
これは人一人の物事の決定より、グループで決めた物事の決定の方が極端な安定、もしくは極端なリスクを取る方に働くんだよ、なんて現象です。
面白いですよね。
それで、性一性の原理、フィアプレッシャー、同調圧力などと言われる概念にも、面白い実験があります。
それは、実験に協力してくれる人一人と桜数人を集めて、選択肢式の簡単な明らかに答えがわかる問題に順番に答えてもらう、というものなんですね。
問題は、左の紙に書いてある線と同じ長さの線を、右の紙の3つの線の中から選ぶ、というものです。
答える順番は、協力者の方は最後から2番目だったかな、と思います。
それで、桜の人たちなんですが、最初の数問は普通に正解を答えるんですけど、途中からみんな同じ間違った答えを言い出すんですよね。
なかなか性格の悪い実験だと思うんですけれども。
そしたら、協力者の人はどうなったのかというと、18問の実験の中で、1回でも桜の人と同じ間違った回答をした。
つまり、同調圧力に負けた人が、全体の75%、4分の3にまで及んだそうです。
これって結構なことですよね。
明らかに正解がわかるのに、周りの同調圧力によって、75%の人が答えを変える。
つまり、集団の力を使うと、75%の人が黒が白、白が黒、という感じで答えることがあるわけです。
なんか怖いですね。
でも、そんな人間の性質がわかると、なんとなく皆さんの職場や学校で、ちょっと、「ん?」って思うような取り気味やルールがあるのもわかるような気がしませんか?
どうやら、集団でいる時の方が人間頭が良くて、人が多い集団であればあるほど合理的である、というわけではないようです。
身近な例で言うと、ブラック企業のそれだったり、歴史を振り返ると、ナチスの過ちなんかは、集団の悪いところが働いた結果かと思います。
そして、それを踏まえると、今所属している組織のルールや暗黙の了解が完璧であることはなくて、自分がそれを真に受けて神経を擦り減らす必要はない、もっと自由にやっちゃっていい、ということでもあるわけです。
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いや、ちょっとこれは言い過ぎかな。でも、正直その方がマイペースに過ごせるから、僕は賛成なんですよね。
何はともあれ、そういう集団力学が生じることがあるとわかっていれば、皆さん一人一人がその集団から一歩引いて、冷静に物事を見やすくなるかもしれないですね。
ちなみに、自分の所属している集団で起こっていることを一歩引いて見てみると、結構面白いと思います。
特に会議なんかでは、いろんな集団力学がバリバリに働く場だと思います。
どんなことが起こっているのか一度客観的に見てみて、もしよければどんなことが起こっていたかお便りフォームで聞かせてもらえると嬉しいです。
さて皆さん今回はいかがでしたでしょうか。
今回はカウンセリングというより心理学のうんちくよりな話になりましたが、働くをカウンセリングする視点で改めて言いたいことがあるとすれば、
こんなに根拠のない職場のルールだったら、真に受けなくてもいいと思いますよ、ということですね。
その組織の一員である以上、組織のルールや雰囲気に巻き込まれるのは仕方ないと思いますし、それがよく働くことも多いかと思いますが、
もし周囲の雰囲気に合わせようとしすぎてしんどい思いをしていたら、今回のうんちくを思い出していただければ嬉しいです。
では今回はここまで。おやすみなさい。ご視聴ありがとうございました。
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