00:07
ボイスドラマで学ぶ日本の歴史。ナビゲーターを務めます熊谷陽子です。この番組は、日本の歴史の時々で、命を削りながらも懸命に生きてきた人物にスポットを当てて、ボイスドラマとして再現いたします。
さて、第1回目に取り上げるエピソードは、箱建戦争。時は幕末です。旧幕府勢力と薩摩長州ら倒幕派勢力、これが大正奉還後に政権争いで勃発するのが母親戦争。
この母親戦争最後の戦いが、箱建戦争なんです。1868年1月、京都戸場伏見の戦いから始まって、4月には江戸城が無欠解除されますよね。
この無欠解除後に、新政府の要求で徳川家の所領が大幅に減らされてしまうわけです。これによって行き場をなくした徳川の家臣たち、なんと8万人もの家臣が路頭に迷ったと言われています。
この事態を憂いたのが、旧幕府軍の海軍副総裁であった榎本竹明。この榎本竹明が今回のドラマの主人公なんです。
榎本竹明9名を榎本鎌次郎と言いまして、ドラマの中では鎌さんという呼び方で出てきたりしますけれども、この榎本竹明が江戸地、今の北海道ですね。
ここに開拓で新たな土地を作ることによって、8万人を養っていこうと大胆な計画を画策するんです。そしてこの同じ年の夏、榎本は新政府軍から軍艦引渡しを要請されます。
03:06
しかし榎本はそれを退けます。当時最大にして圧倒的な戦闘力を要した軍艦海洋。この海洋を含む8隻の艦隊を率いて、榎本は江戸を脱走します。
この時共に江戸を脱走したのが陸軍武行並みの松平太郎、そして旧幕府軍の関係者、上野戦争で生き残った将棋隊や遊戯隊、そしてフランス軍。
旧幕府は軍事顧問という形でフランスのジュール・ブルネやアンドレ・カズヌーヴ、こういった人たちを雇っていたんですね。合わせると2000人を超える兵力だったと言われています。この2000人を超える兵力で江戸を脱走しました。
途中ですね、仙台で肘方俊三と合流をします。肘方と言えば新戦組ですね。この新戦組をはじめ東北戦争に敗れた旧幕府軍の残党を収容して、なんと約3500人に膨らんだ軍勢で江戸地に上陸します。
そして函館に新政権を受立するんです。しかしですね、この新しい政権を明治新政府が認めるはずがないんです。翌年の1869年2月には討伐軍を派兵するんですね。
また不運なことに、江戸地平定をする時に江戸元の失策によって最強の軍艦海洋、これとあともう一隻、合わせて2隻が座礁して沈没するというアクシデントがありました。
頼みの綱としていた海洋戦力がぐーんと低下して、新政府軍の江戸地上陸が容易になったことに、江戸元は非常に焦りを感じるんですね。
06:08
この海洋座礁という絶対絶命のピンチから、今回のドラマ「星の新軍」は始まります。
江戸元たけやき、ひじかたとしぞう、そして松平太郎、彼らの生きざまや苦難への立ち向かう姿勢などを感じながら、どうぞ最後までお楽しみください。