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ソース
画像caption : 京都大学
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1日10分、宇宙時間をテーマに毎日お届けしております、宇宙話。 今回は、木材を宇宙に運んだらどうなるの?
そんな10ヶ月にわたる研究結果、紹介していきたいと思います。 将来、京都大学は木造の人工衛星を作ろうとしているみたいなんですね。
じゃあ、木造で作る上で、どんな材質がいいのか、どんな木材を使えばいいのか、 それを研究するために、国際宇宙ステーションの外側に木を3種類放置して、
劣化するのかどうか、諸々を調べた10ヶ月間の研究結果が出てまいりました。 木ってすごいなぁと思うので、ぜひ最後までお付き合いください。
ささき寮の宇宙話
2023年5月18日始まりました。 ささき寮の宇宙話。
このチャンネルでは、1日10分宇宙時間をテーマに、天文学で博士号を取得した専門家の寮が、 毎日最新の宇宙トピックをお届けしております。
本日でエピソードが950話目を迎えました。 キリのいい数字ってのは結構嬉しいですね。950。
こっからもう1000話まで一瞬って感じがするんですけど、 だって1ヶ月半とかですよね。ちょっとワクワクですね。
ちょっと1000話に向けて何かいろいろ盛り上がれるようなことをやっていけたらいいんじゃないかなと思っているので、 ぜひですね、楽しみにしておいてください。
そんなことを言いつつですね、基本的に宇宙話は1話完結でお話ししているので、 気になるトピックだったりとか、そういったところから聞き始めていただいて、
宇宙面白いなって思ったら、ぜひフォローしていただけたら嬉しいです。よろしくお願いします。
そんな感じでですね、早速本題に行きたいかなと思っているわけなんですけど、
950回目だからといって、特に特別なことはなく通常運転という感じになっております。
昨日は、宇宙からインターネットを受け取るっていうので、スペースXのスターリンクとかが有名だけど、
それ以外の会社も今結構いろいろ取り組みが進んでいて、
衛星からのインターネットの通信競争、これ劇化してるねっていう話をさせていただきました。
今回は、もうちょっとかなりか、方向性の違う話で、宇宙に木を持っていったらどうなるんだろうっていう、そういう実験です。
宇宙と木って、あんまりマッチしなくないですか?
個人的には、もう結構かけ離れた存在な雰囲気を感じているんですよ。
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だって、なんでかっていうと、宇宙に物を持っていくって、めちゃめちゃハードル高いんですよね。
で、なぜそんなにハードルが高いのかっていうところで言うと、
例えば、宇宙まで持っていくまでの間に、その物が置かれる状況っていうのがガラッと変わるじゃないですか。
それこそ一番大きいのは、空気があるところからないところに行くみたいな、そんな感じ。
それによって、例えば人工衛星とかもそういう真空実験っていうのをよくやるんですけど、
真空になったときにちゃんと作動するのかみたいな、人工衛星が。
で、地球上で何か物を作ってるときって、そういうことって全然気にしなくていいんですけど、
真空に行くと、例えば何か物を持って行ったときの中にちっちゃい気泡があるとか、
そういった空気の粒がめちゃめちゃ邪魔してきたりするんですよね。
そういった感じで、地球上と宇宙っていうのは大きく変わるんですよ。
宇宙持っていくと空気が周りが真空に近い状態になるから、中の空気が膨張するみたいな。
そうすると、極端な話を言うと、中に空気が包まれてる気泡みたいなのがあったら、
それが大きくなって形を変えちゃうとか、すげー大げさに言うと破裂しちゃうとか、
そういったところになるみたいな感じで、環境の違いっていうのは結構大きいんですよっていう状況があるんですよね。
そんな中で、宇宙に持って行ってる物ってみんなイメージしてくださいよ。
なんか銀じゃないですか。色ですよ。銀っぽい色のやつ多いですよね。
しかも人工衛星とかも金属みたいな感じで作られてるのが多い印象があると思うんですけど、
そういう真空に耐えうるだったりとか、宇宙に飛ばす時のロケットの振動だったりとか、
熱だったりとか、色んなところに対して耐久性を持てるように、
人間が工夫して工夫して作っていった形が、人工衛星の枠組みだったり、
宇宙に飛ばす望遠鏡だったりっていう、そういう特性を実は持っていたりするんですよね。
そんな中で木材を今回宇宙に持って行くってなると、結構勝手が違いそうじゃないですか。
そもそも木材みたいなね、人間が頑張って形として作っていた金属の塊ではなくて、
木を宇宙に持って行けるのかどうかみたいな、そういったところを実際に検証する実験が行われたというようなところになっていて、
これが京都大学のプレスリリースで出ていたので、今回はこちらを紹介していこうかなと思っております。
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だってこれ、なんでそもそも木を宇宙に持って行きたいのかっていうところで言うと、
これ木造の人工衛星の打ち上げを目指そうとしているっていう、そういう状況なんですよ。
木造の人工衛星、もう今まで僕たちが想像したことないような形の人工衛星もこういう時代になってきて出てきているっていうところ。
でもそうすると、もし木でできるってなったりすると、人工衛星に対する概念とかっていうのも結構変わりそうじゃないですか。
っていうような結構最先端の取り組みというか、時代の認識を変える面白い実験っていうのが今構想として出てるんですよね。
木造の人工衛星を作って、地球上の木を観測するんだったかな。
地球上の環境を観測するっていうような、まさに地球に優しいものを使って地球をさらに守っていく方向の実験をしていこうとしていると。
そんな中で、木材を宇宙に持って行くっていうことを行うことで、どんな木材に対する影響があるのかっていうのを現象した実験ですね。
で、これ10ヶ月間宇宙空間に露出させるっていうような形をとって、その後地上に持って帰ってきたって感じなんですよね。
で、これ2022年の3月からスタートした実験になっていて、国際宇宙ステーションでの木材の宇宙暴露実験。
暴露っていう言葉が、被変に爆発の、爆発の爆じゃない。
棒との棒っていうのかな。で、露出の露ですね。暴露っていうふうにあって、この暴露っていうのは宇宙ステーションにも暴露部っていうものが存在するんですよ。
日本の国際宇宙ステーション、日本の実験と希望の暴露部。
これ宇宙関連の仕事に関わってる人だったり、宇宙ステーション詳しい人は聞いたことあるワードなんですけど、
簡単に言うと宇宙ステーションの外側に付けられる部分のことを暴露部って言います。
だから木材を晒したのはまさに宇宙空間で、日本の実験棟って国際宇宙ステーションに筒状のものがスポッってついてるんですけど、
それの外側に付ける実験設備みたいなところを暴露部って言うんですね。
そこに今回木材を置いて10ヶ月間放置してみたっていうそういう実験になります。
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この暴露部っていうところにはいろんな実験装置があって、これ余談ですけど、
もちろん地球を観測するものも確かあっただろうし、
あとは日本のところで言うと、僕が6年間運用に参加していたマキシっていう宇宙からのX線を検知するような検出機とかがついてたのも実はその暴露部だったりするんですよね。
そういった僕的にもちょっとゆかりのある部分に木が置かれていたんだっていうのは結構びっくりで、
これ見たかったなみたいな写真、調べたら出てくるのかなと思うんですけど、
一応プレスリリースの中にも載ってるけど、あんまりパッと見木っぽくはない。
人工衛星普通にカチャってくっついてるかなみたいな感じですかね。
そんな感じで10ヶ月間宇宙空間に木材を放置するっていう実験を行って、
それを2023年の1月に回収して、地上でいろいろ実験というか、表面がどうなってるかとか、材質がどう変わっているのかだったりとか、
あとは木材割れちゃってないかな、反り返っちゃってないかなとか、温度変化で変な形になっちゃってないかな、劣化してないかなみたいな、
そういったところを見ていこうとする実験っていうのが行われた。
これはあくまで一時検査の結果らしいんですけど、これだけで結構面白い結果が出てるんですよね。
今回持っていかれた木材っていうのは1種類ではなくて、3種類の木材を持っていったと。
3種類の木材。1つは3種類あるのが、1つ山桜、ほうの木、竹かんぱっていうそれぞれの3種類を持っていったっていうところなんですね。
山桜、これね、僕もあんまり植物詳しくなかったんで、これ話す前にちょっと調べてみたんですけど、
山桜は日本の桜の原種、日本にある10種類の桜の、一番なんか、素みたいなやつですね。
っていうのらしくて、僕多分、あんま見たことないんじゃないかなと思うんですよね。
なんか、生えてる場所とかの話を聞くと、東北の南部とか九州とかっていうところにある日本の固有種で、
で、一番有名なのは奈良県の吉野山?吉野山?吉野のめっちゃ綺麗な桜ですね。
あれ、山って読むのか山って読むのか僕定かじゃないんですけど、吉野の桜っていうのは、あれ実はほとんどが山桜らしいですね。
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だから、あ、あれなんだみたいな、あれを人工衛星の材料として使えるかが検討されてたんだっていうのが、結構びっくりする部分だったりするんですけど、
で、それを一つ持っていったと。で、続いてはほうのき。ほうのき。
これは、個人的には全く知らんって感じでした。ほうのき。
で、これも、でも、そこら辺に生えてるっぽいんですよね。生息地とか見ると。
なっていて、洛陽紅葉樹らしいです。
なって、わりとそこら辺にありそうっていう感じになってるし、ほうのきの葉っぱは、実は食べれるらしい。
食べれたりするし、漢方にもなったりするし。
で、一番は、やっぱり木材としての性質が非常にいいらしくて、材料が柔らかくて、加工がしやすいだったりとか、
あと耐久性は低いけど、処理がしやすいっていうところが結構重要なポイントとして、木材としての注目のも一定あるっていうような、そういうものらしいんですよね。
それが一つ。で、最後もう一つが、だけかんば。だけかんばっていうのは、かんばって言われるからピンとこないけど、かばなんですよ。かば。
白樺にすごい近いのが、このだけかんば。だけかばって呼ばれるものらしくて、白樺も白かんばって言うらしいですね。
よく寒いところ行ったり、スキー場とか行った時に、これ白樺じゃんって思ってる人は、だいたいだけかんばらしいですね。
そういう地域の中の割と低いところにあるのが白樺で、鉱山の部分、高いところにあるのはだけかんばっていうらしくて、
そう言われたら確かにだけかんばなんじゃないかなって思うような記憶はなんとなくありますね。
見分け方としては、枝まで全部白いのがだけかんばらしいです。
白樺じゃないんかい、みたいになってて。で、白樺は逆に幹は白いけど、枝は黒いらしいですよね。
写真見たら確かにそんな感じになってたんで、意外と植物って面白いなって。
この材料っていう、宇宙視点で材料の話が出てきたから、植物のことを初めて調べたくらいの感じで、結構面白いなと思って。
今回、宇宙空間にはこの3種類の木っていうのが放置された。10ヶ月間放置された。言い方いいのかな?放置されたという状況になっていて。
この山桜、ほうの木、だけかんばっていうのを置いて持って帰ってきて、これらを比較すると。
同じ条件で持っていっていれば、宇宙空間でも同じだけのダメージを受けて持って帰ってきて比較したら、
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それぞれの木によって宇宙空間に対する適性っていうのが変わってくるんじゃないですかっていう、そういう研究でした。
先に研究結果をお伝えします。変わらんっていう結果でした。
別にどれもあんまり変な強い劣化とかが起こるようなことはなかったっていうことみたいなんですよね。
本当に実験できてたの?ってちょっと思っちゃう。
多分、研究者の人も、これ持ってった意味あったかな?みたいになったと思うんですよ。まとめてた時に。
一番きれいなのって、これもちろん実験をやる上ではこういう先入観って捨てたほうがいいんですけど、仮説はやっぱ持つんですよね。
多分これ以外に、この3種類以外にも持っていこうとしていた木材っていうのはあったはずで、その中でもこの3つを何かしらの理由で選んでいると。
多分使う可能性が高かった3つなんでしょうね。
いろんな地上での加工とかを繰り返してみた結果。
それに対して、宇宙に持っていって、これが一番いいって言えたらいいわけなんですよ。
つまり、1個は宇宙空間に持っていくとズタボロにされてしまうみたいな。
宇宙空間って、さっき言った真空状態だったりもそうだし、宇宙船って呼ばれるような放射線が飛び交っていたりして、結構過酷なんですよ。
もちろん人間もずっといれないみたいな、宇宙飛行士の人の障害被曝量みたいなところっていうのは徹底的に管理されていて、
それによってフライト回数っていうのが実は制限されたりもするぐらい過酷な状況なんですよね。
その過酷な状況の中で木がどうやって劣化していくのか。
ボロボロになるものもありそうじゃないですか。
10ヶ月ぐらい放置してたら、人間が外に10ヶ月いたら大変なことになるので、そういった目線で見ると、
差が出ていて欲しかったっていうところになるんですけど、出なかったってなると、
えー、本当にこれ実験うまくいってたのかなーってなっちゃいそう。
けど逆に言うと、木材すごいじゃんっていうすごいポジティブな結果として捉えられるっていう面もあると思うんですよね。
ただ今回3つの種類、結果的には大差ありませんでした。
何をしたのかっていうところで言うと、測定の項目大きく2つですね。
外観を見るっていう方法。
これなんか顕微鏡みたいなやつで見るってイメージですね。
拡大写真で見るのと質量の検査をするっていうところの2つをやってあげた。
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で、これ宇宙に暴露した後の試験体、この木材の3つを目視プラスマイクロスコープっていう機械使って、
割れてないかとか、剃ってないかとか、表面の剥がれてないかとか、
あとは表面の摩耗がないかとかっていうのを諸々評価してあげた結果、
どの木材でも割れ、剃り、剥がれ、表面摩耗などの劣化は全く認められなかった。
機械すごいっすね。
で、もう1個質量検査。
これ木材っていうのは宇宙に放置する前後で質量が変わるのかどうかみたいなところですね。
これ宇宙船だったりとか、宇宙空間にある原子とか、そういったところからぶつかると、
これなんか人間の目には見えないけどやっぱり原子ってずっとぶつかってるから、
ちょっとずつ物がぶつかった衝撃で剥がれ取れたりする可能性もあるんですよね。
宇宙だとありえないけど、地球上で一番わかりやすいイメージで言うと風化かな。風化。
風とかにさらされてたりすると形変わっちゃったりするみたいな、あれですね。
あれはちっちゃい砂粒がずっとぶつかり続けるから角が取れるみたいな、そういうイメージで捉えてくれればよくて、
それの目に見えないちっちゃい粒バージョン。
っていうので木材の表面が失われて化学変化とか起こってとか、重くなったり軽くなったりとかしないですかっていう、
そういうところが検討されたっていうところなんですよね。
その検討された結果は変わらなかったと。質量も全く変わらなかった3種類の中で。
これ減少も全くしていないしっていうところになっていて、木材、この3種類どれもOKそうっていうのが研究結果なんですよ。
そうすると人工衛星にどの材料を使っていくかっていう意思決定をしなきゃいけなくて、
今回これ、木で作る人工衛星はホウの木を採用するみたいですね。
なぜかっていうと、人工衛星作る上での加工、そして木材の耐久性っていうところ。
あとは材料をしっかりと加工できるっていう言い方でいいのかな。さっき加工って言葉使っちゃったしな。
人工衛星作る上で一番この中でランキングがあったんでしょうね。
ホウの木があって、山桜があって、竹かんぱがあって、その中でそもそも1位2位3位っていうのが多分決まってて、
もしこれ宇宙空間でめっちゃ劣化しちゃうんだったら変えようかなと思ってたものが変わらないんだったら、
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もともと1位のものを採用しましょうっていうので、これホウの木が採用されるようになるというみたいですね。
これ打ち上げ予定、木造人工衛星リグノサットか。リグノサットこれ2024年打ち上げ予定みたいですね。
来年です、来年。2023年なので今来年に打ち上げるというところになってるので、
早いスパンで最高ですね、こういうの。今の時代の宇宙開発っていう感じがものすごくするので、
これからどんどんどんどんこうやって人工衛星打ち上がっていく中で木造のものが打ち上がっていく様子っていうのはね、
宇宙話でもしっかりピックアップしていきたいなと思っているので、ぜひ楽しみにしておいてください。
ということで今回は宇宙に木材放置したらどうなるの。実際木ってめっちゃ強そうだねみたいなそんな話をさせていただきました。
次回はブラックホール、みんな大好きブラックホールの話をしていきたいと思います。
ちょっと前にブラックホールの写真撮れたみたいなニュースあったの覚えてますか。
あのブラックホールの写真の続報って感じになってるのでぜひ皆さん楽しみにしておいてください。
今回の話も面白いなと思ったらお手元のSpotifyアプリでフォローボタンの下にある星マーク、こちらからレビューいただけたら嬉しいです。
番組の感想や宇宙に関する質問、木ってやっぱすごいなぁと思ったら、ぜひハッシュタグ宇宙話、宇宙が漢字で話がひらがなになってますので、じゃんじゃんを寄せください。
本日2023年5月18日にですね、僕がやってるもう一個のポッドキャストチャンネル、隣のデータ分析屋さん、最新エピソードを更新しております。
こちらでは、データどうやって勉強すればいいんだろうみたいなリスナーさんの声をピックアップしながら、僕たちの勉強方法だったりとか、いい教材いろいろ教えていってますので、ぜひ楽しんでください。
それではまた明日お会いしましょう。さようなら。
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