1. 佐々木亮の宇宙ばなし
  2. 915. 2023年日本の宇宙開発を..
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1日10分、宇宙時間をテーマに毎日お届けしております、宇宙話。今回はJAXAが2023年に打ち上げようとしている、かなりインパクトの大きい2つのミッションを紹介していきたいと思います。
1つは、僕ががっつり研究していたX線天文学から打ち上がる人工衛星、クリズムと呼ばれるもの。そしてもう1つは、世界中の宇宙開発トレンドにがっつり乗っている月面着陸船、スリムと呼ばれるミッション、こちら2つ紹介していきますので、ぜひ最後まで楽しんでいただけたら嬉しいです。
2023年4月13日、始まりました佐々木亮の宇宙話。このチャンネルでは1日10分、宇宙時間をテーマに天文学で博士号を取得した専門家の亮が、毎日最新の宇宙トピックをお届けしております。
ということで本日でエピソードが914話目を迎えるというところになっております。昨日は科学系ポッドキャストの日の企画をやらせていただいたんですけど、今日は未来の宇宙ミッションに関するお話をしていきたいと思います。
特に僕が研究をやっていた頃にいたX線天文学って呼ばれる分野ですね。ここで新たな人工衛星が打ち上がる。そしてそことプラスしてアルテミス計画とかっていう月面探査の人工衛星探査機。
こちらも打ち上がるっていうところで結構面白い流れが2023年やってきそうだなっていうちょっと明るいお話をしていきたいなと思っているわけなんですけど、宇宙話たくさんあるんでエピソード。気になるワードとか気になるタイトルから聞いてもらって、そこから宇宙話深めていっていただけたらと思っているわけなので、ぜひ気になるエピソードから聞いてみてください。
そこからフォローしていただけたら嬉しいなというところになっております。
早速ね、今日の本題行きたいと思うんですが、今日の本題はその人工衛星の打ち上げ計画に関するお話をしていきたいと思います。
今回ご紹介するのは、2023年の大体8月とか9月とか、そういったところに打ち上げが予定されている日本の結構なお金がかかった人工衛星たち、こちらを紹介していくっていう形ですね。
今回は、2023年の8月以降とかにJAXAが打ち上げを予定しているH-2Aロケット47号機に搭載するようなミッションになっています。
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で、これなんかパッと今のワード聞いて、あれ?みたいな、この間失敗したやつじゃないの?みたいな話で言うと、先日結構日本中で話題になったJAXAの打ち上げ失敗の話はH-3ロケットって言って、
今まで現役で動いてたH-2っていうタイプから一段進化したバージョンのロケットの試験機だったわけなんですね。そこがダメになっていて、それの影響で、実は本当はこれ4月とか、まさに今ぐらいのタイミングで、今、今回話すようなミッションたちっていうのは打ち上げを予定していたんですよ。
ただ、そのH-3ロケットの打ち上げ失敗の原因究明が優先だろうというところになって、今回打ち上げが流れた、そんな内容になってますね。で、どんな、その8月以降にH-2ロケット、H-2Aロケットに乗せられるミッションっていうのは何なのか。
一つが、X線分光撮像衛星、クリズムと呼ばれるものです。クリズム、わかりづらいですよね。XRISMでクリズムと言います。
で、こちらですね、実は2017年、かな?2017年に打ち上げられた、X線天文衛星、2016年か、に打ち上げられたX線天文衛星のひとみっていうのがあったんですよ。
アストロエイチって当時は呼ばれていて、打ち上げが終わった後にそういうひとみとかっていう名前がつくんですよね。その2016年に打ち上がったひとみなんですけど、2017年に入ってすぐぐらいか、打ち上がって数ヶ月とかだったかな?
のタイミングで、簡単に言うと故障したと。で、それによってミッションの継続ができなくなったっていうところで、もう何百億ってかかっていた人工衛星がダメになっちゃったっていうそういう事故があったんですよ。
これで、僕その当時、2016年、17年だから、ちょうど研究を始めるみたいなタイミングだったんですよね。で、研究室でみんなでこう、あ、打ち上げうまくいった、すごいみたいな話をしていたときか、っていうのがすごい記憶にあって、
もちろん、周りにいる研究者の人とか、そういう人たちは、みんなそれを中心に今後の研究計画っていうのが立ってるっていうぐらい。そして、こういう実は、天文の業界って、このX線天文学っていう、X線で宇宙を見る業界があったり、望遠鏡、地上にある望遠鏡とかで見るような、
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賢天文学っていうのがあったり、あとは赤外線とか、ガンマ線とか、いろいろあるんですよ。で、その中でも、やっぱりこう、どこにお金を配分していくか、みたいな流れの中で、久しぶりに来たX線天文への巨大な予算だったわけで、もうこれが日本がまた世界で一番、ここの分野をリードするっていうところに踊り出る予定だったものだったんですね。
なので、それがダメになって、結構、仕事が先が見えなくなってしまったとかっていう人もいたぐらい、結構業界的には影響がものすごく強かったんですよ。
それによってまあ、X線天文学自体も結構、オワコンまでは行かないけど、風当たりが厳しくなった時期があって、僕もなかなかあんまりポジティブな雰囲気を感じたことはあったような、なかったような、みたいな、そういう感じの時期だったんですよね。
研究やってた時期って。まあ、そんな瞳のダメになっちゃった時期から、まあもう、ここのタイミングで、7年とか6年とか7年経った今、後継期っていうところを打ち上げられるようになっていると。後継期というか、代替期というか。
今回打ち上げられるこのクリズムっていうのは、瞳の中でもいくつか観測装置あったうちの1つとか2つが載っているような、縮小版みたいな形で打ち上げを予定していて、これを載せて打ち上げることによって、まあX線天文学の新たな扉っていうのは開いてくるかなっていうところですね。
で、なんでそのクリズムの中に瞳で使っていた一部を搭載して打ち上げるような形になったのかっていうところで言うと、瞳が運用停止になったタイミングで、いくつかまだ観測は一定終わってるものがあったんですよ。1ヶ月とか2ヶ月とか運用できていたので。
で、その中で取れていた成果がすごく良かったんですね。もちろんネイチャーとかに載るような、確か論文が出ているぐらいのものだったんですよ。そうなってくると、まあこれだけの成果を残してくれた機能なんだから、これもう1回やってもいろんな研究に発展していきそうだなっていうところが多分見込まれて、こういう風になってるというような状況なんですよね。
なのでまあこれ打ち上げが決まってなかなか嬉しいなっていうところは思っていたりしますが、次のやつ、クリズムって打ち上げ前はそういう名前なんですけど、じゃあ打ち上がった後もし名前変わるってなったらどうするんだろうなーみたいな。
実はあれなんですよね。ひとみっていう名前が決まる時、運用チームとか運用に関わっていた人たちの中に、公募があったんですよ。一般公募もあったのかな?っていうところで公募があった上で、その中からひとみっていう名前が付けられたっていう、そういう流れだったんですよね。
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このひとみっていうのがどういう流れで、なんか熱い宇宙の中を見るっていうテーマがついていて、まあそういうところを見る目っていうところでひとみっていう名前が確かついたっていうような記憶がうっすらとあるんですけど、それよりも僕は結構印象に残っているエピソードは、ひとみってこれ海外の人にもこの衛星はひとみって名前ですっていうような感じで宣伝していたんですよ。
それの前ってアスカって呼ばれるものがあったりとか、結構こう日本のX線天文の衛星はスザクとか、あれ?スザクだった?あってるよ。っていうのがあって、結構こう日本のものは和名がついて海外の人にも使われるみたいな、そういう感じだったんですよね。
で、それでひとみなんだってなって、外国人の人がローマ字でHITOMIって調べると、歌手のひとみとAV女優のひとみっていう人がいるんですけど、その人たちが引っかかると。
で、それを外国人の人が見て、え、大丈夫?みたいな。ひとみってパッて調べて、これ出てくるけどいいの?このネーミングで?みたいなのを言われてるっていうのを他方面から聞いたぐらい、え、ひとみなんだ?っていうところがすげえ印象に残ってる。そんなネーミングですね。
もしかしたら打ち上がったらまた変わるのかもしれんっていうところもありつつ、それが今年2023年打ち上がってくるという状況になってきていて、加えてそれと一緒に打ち上がるのがJAXAが作っている小型月面着陸実証機であるSLIMと呼ばれるものです。SLIMですね。
SLIMってこれ何の略なんだろうな。すみません、ちょっとあんま覚えてないですけど、SLIMっていうのが打ち上がるんですよ。で、SLIMはこれ、ちっちゃい箱みたいなやつが搭載される予定になっていて、箱っていうか着陸船なんでね。
で、その着陸船がガーッと月面まで行って、で月面にたどり着いて、まあどっちかっていうと、ここに着陸するって決めて着陸するみたいな形なんですよ。なのでなんか今までって、なんかとりあえず月面のどっかに降りれればOKみたいな、そういう感じだったミッションとはちょっと違う部分。
そしてカメラとかが搭載されていて、月の例えばこういう斜面に降りたいってなったら、ちゃんとその斜面に対してボディの形をこう傾きをしっかり構えていってスパンと落ちていくっていうような、そういうミッションを検討しているのがこのSLIMなんですね。
これはもう宇宙話の中でも何度か喋っているような、いわゆるアルテミス計画、世界中の宇宙機関みんなで月面目指しましょうみたいな、そういったところの枠組みに比較的近いところだし、まあ世界の宇宙開発のトレンドには乗っているような、そんなミッションなんですね、SLIM。
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なのでここが一緒に打ち上がってくると。そこが一緒に乗っているからこそ、実は2023年の8月以降っていう話になっていて、何でか打ち上げがね。何でかっていうと、地球と月の位置関係、そして太陽との位置関係っていうところに結構左右されるんですよ、月に向かう場合って。
これ目的地がしっかりあって、そこに対して、しかも月と太陽と地球っていう3箇所のバランスを見なきゃいけなくて、それの一番いいタイミングを探るってなると、そんな頻繁にやってこないっていうところで、4月に予定していた打ち上げっていうのが、8月以降っていうような形になるっていうのが今回の発表として上がっていたんですよね。
なので、そういった背景がある2つの人工衛星、探査船というか着陸船というか、実証機というか、クリズムとスリムっていうのが、2023年の中に打ち上げられる宇宙系のミッションの中では、なかなか面白い部類に入ってくるんじゃないかなと思っているので、この辺りちょっと注目していただきながら、
このミッションたちが出してくれる成果みたいなところは、しっかりと抑えていきたいなというふうに思っております。
そんな感じで、今回は2023年8月以降に打ち上げを予定している2つの日本の大きなミッション、X線天文衛星スリムと月面着陸実証機のスリム、クリズムとスリムについて紹介させていただきました。
なかなか面白い明るい未来が待っている。失敗の話からスタートしたから、暗い雰囲気かと思いきや、結構明るいニュースかなと思っているので、こちらぜひ楽しみにしておいてください。
明日はですね、明日のエピソードでは、今日結構いろいろ話させてもらったヒトミっていう衛星、2016年に打ち上がって17年ぐらいダメになっちゃったやつが、今回そのクリズムっていうミッションをちゃんと起き上がらせる、再起させるために残した研究成果、
Natureに掲載されたヒトミが残した研究成果について、こちらお話ししていきたいなと思っております。
明日お話しするのは、地球から太陽系からなんと2億4千万光年も離れたところを観測したヒトミの研究結果になっておりますので、ぜひ楽しみにしておいてください。
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じゃんじゃんお寄せいただけたら嬉しいです。
先日4月12日に、僕が新しく始めたポッドキャスト、隣のデータ分析屋さんの最新エピソード第4話目が公開されました。
こちらですね、映像付きとかで見れたりするので、ぜひ皆さん楽しんでいただけたら嬉しいです。
全プラットフォームで配信してます。
それではまた明日お会いしましょう。さようなら。
佐々木亮の宇宙話。
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