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始まりました。佐々木亮の宇宙話。
普段、国の研究機関で天文学の研究をしている私が、毎日最新の宇宙ニュースをお届けいたします。こちらのポッドキャスト。
今日の放送は、佐々木亮応援スポンサー1号、まあやさんの提供でお送りします。
まあやさん、どうもありがとうございます。
ということで、本日はメインのテーマとして、金星探査機あかつきというのはどういう仕事をするの?というような人工衛星のお話をしていきたいと思います。
これ、なぜ取り上げようと思ったかというと、3月18日のNHKのコズミックフロントNEXTという番組があるんですけど、
そちらで金星探査機あかつきについて取り上げられるというところがあったので、今回は音声でもそちらあかつきについて、
少しでもコズミックフロントの前に予習ができるような形で情報をお届けできればなと思って、こちらを取り上げようと思いました。
実はこのコズミックフロントですね、自分がNASAにいたときも自分のいたチームに取材が来ていて、少しだけ映ったことがあるんですね。
まあ、そんなことはどうでもいいとして、ぜひ最後まで金星の探査機についてのお話をお付き合いいただければと思います。
よろしくお願いいたします。
まずは毎日恒例の緊急報告、活動報告になりますが、今日はですね、久しぶりに大学の研究室に行きまして、
というのも今日、研究室の所有している天文ドームがですね、新たに一つ建設されるという日だったので、
そういう記念の日だったので、大学に行ってその工事の様子を見守るみたいなことをしておりました。
実はうちの研究室っていうのは、すでに東京都心の真ん中にですね、天体観測ドームを2つ所有しておりました。
1つは星の明るさをずっと見るもの。
もう1つはその中のもっと詳細な原子レベルの光を見るみたいな望遠鏡が置いてあって、
実はこの望遠鏡のドームですね、東京ドームの真横にあったので、
いい角度で見ると東京の都心でドームが3つ見えるというような、そんないい光景が見えていたわけなんですが、
この度新しくもう1つ天体ドームを建設し始めたというところでですね、計3台になるわけなんですね。
この天体観測ドームはですね、今後宇宙で起きた現象っていうのをゲットしたらいち早くいろんな天体を向くような、
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いわゆる完全自動観測システムみたいなのを構築するような予定になっていて、
この後ですね、来年度以降いろいろ学生がいじりながら進捗が進んでいくんだろうなっていうところがあるので、
この先どうやって発展していくのか非常に注目ですね。
ただとりあえずこの新しいドームが建つっていう、いいタイミングで実際の光景を見て非常に良かったなと思いますね。
ちなみに2つメモができたときも自分は修士1年生かなんかのときだったので、
泊りがけで大学にいて早朝からずっと工事を見ていたなという思いでもありますね。
そんな感じでいろいろ設備が進化していって面白いなというところでした。
もし興味ある方ですね、この中央大学のイベントとかでもしかしたらオープンされるときが来たりするかもしれないので、
もしそういうときがあればまたこちらのポッドキャストで紹介させていただきたいと思います。
ではですね、早速今日の本題に入っていきたいと思います。
今日の本題はですね、このコゾミックフロントで取り上げられる予定の金星探査機、
アカツキっていうのがどういうものなのかっていうようなお話をしていきたいと思います。
こちらは人工衛星、どんな科学を明らかにしようとしている人工衛星なのかっていうところをメインにですね、
今日はお話できればと思います。
まず金星に行く理由ですね。金星って夜空に輝いてるところはちらほら見るかと思うんですけど、
どういう星なのかって実はいまいちわからないんじゃないかなと。
そういうところをいろいろ科学を解明していくために打ち上げられたのがアカツキで、
実は金星、地球の兄弟星と言われるような非常に地球に大きさが似た星なんですね。似た惑星になるんですよ。
ただ、実は大気がすごい分厚かったりとか、地球の100倍とかだったのかな。
さらにはすごい温度の高い二酸化炭素で覆われてるみたいなところで、全く生命が進めるような環境とは言いにくいものなんですよね。
さらに金星の特徴というところでもう一つ言うと、金星の上空に異常に速いスピードの風が吹いていると。
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金星が自分で回る時点って言うんですけど、地球も自分で24時間で一周するじゃないですか。
あんな感じで地球も自分で回ってるんですね。
で、その時が大体時速6kmで回っているらしいんですよ。
で、時速6kmで回っているのに対してですね、上空に行くと金星のもっと高い位置ですね。
上空だいたい70kmとか100kmまで行ったときにですね、その高さでの時点の速度というか、風が吹いている部分っていうのが、
なんと時速360kmというところで何十倍?50倍とか60倍とかっていうような速さの風が吹いているようなすごく異常な状態が続いているわけなんですね。
こちらをスーパーローテーションという名前でみんなを呼んでいるんですけど、
なぜこんなに地上と上空で回る速さが違うのか、このスーパーローテーションと呼ばれる現象がなぜできるのかっていうところがすごい謎になっているというところで、
一つここを解明してあげたいというのが大きな課題として残っていたんですね。
さらには、表面がさっき言ったみたいに分厚い二酸化炭素の大気に包まれていて、さらに硫酸の雲があるんですね、上空には。
すごいですよね。人間を一切寄せつけるつもりがなさそうなぐらいの物質。二酸化炭素と硫酸ですね。
大きさだけでは地球の兄弟星なんて言われていますけど、そうはいかないぐらいのなかなかハードな環境だと。
そうするとその大気に包まれている地表の部分っていうのがどういう状態になっているのかっていうのも科学者としては知りたいと。
さらには、半年前ぐらいに金星の大気を地球から観測してあげたときに、
どうも金星の表面に生命がいないと存在することがないであろうと言われる物質、リンカ水素と呼ばれるものが出たんですね。
リンカ水素ですね。そのリンカ水素っていう物質が金星の表面にあるというような、結構衝撃的なニュースが走ったと思うんですけど、
そうするとこのような異常な環境、生命にとってはハードだろうと思われるような環境の中で、どうやってそういう生命がいた痕跡が残っていたのかなんていうところも注目ですよね。
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そして地表表面にはまだ実は火山活動が残っていたりだとか、そういうような可能性まで指摘されてるんですけど、
地球からはどうしてもそれを発見することができないといったところで、
じゃあ実際に、暁と呼ばれる探査機をですね、金星の周りにぐるぐる回らせて、そこにたくさんのカメラを設置して、
そのカメラで観測することで金星の表面っていうのは明らかにしてあげようっていうのが金星探査機、暁の目指している科学的な課題なんですね。
簡単にまとめると、結局は金星のすごくハードな環境、大気がすごくあって、なおかつ地上と上空で異常なまでの回転の差が生じているスーパーローテーションとはどういうものなのかっていうような部分。
あとはですね、地表で火山活動があったりだとか、あとはその雲だったりっていうところで雷なども発生しているのかなんていうような、いわゆる金星の気候を調べるための観測機、これが金星探査機暁になります。
なのでですね、こういったところを観測するためにいくつもの観測機を用意しているんですね。それが実際には6つ、6台の観測機っていうのを搭載しています。
このポッドキャストでいろんな光の種類の話をしていると思うんですが、この赤月っていうのはなんと赤外線、そして私たちの目で見える可視光線、日焼けをする紫外線、これらを観測できるようなすごく幅の広い検出機っていうのをそれぞれいくつか持っていて、計6台持っていると。
こういった感じでいろいろな光で実際に惑星を見てあげることで、その大気の状態であったり気候っていうのを明らかにしてあげようとしていることになります。
こんな感じでですね、金星探査機暁っていうのがどういうことを解決したくて、どういうような目的のために打ち上げられたものなのかっていうのを今日は少し紹介させていただきました。
明日はですね、実際に金星探査機暁の研究結果っていうのがいくつか出ているので、そちらの一つをピックアップして紹介してですね、コズミックフロントネクストより楽しめるような配信にしていきたいと思いますので、ぜひ最後までお付き合いいただけたら嬉しいです。
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ちなみに私はコズミックフロントとは何も関係ありませんので、ただの便乗でございます。
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ハッシュタグ宇宙話、宇宙は漢字で話がひらがなになっております。
今日も一つコメント読み上げさせていただきます。
Twitterネームカラフルさんからいただきました。
宇宙話No.156。宇宙の最後の話のやつですね。
どっちの説も嫌だなあ。潰れたくないし、引きちぎられたくのない。
宇宙が広がり続ける時代に生まれてよかった。
今日はバスの中で書いたものをそのままアップ。
ということですね、カラフルさん、いつもありがとうございます。
カラフルさんは私のポッドキャストをグラレコとして一枚のペラ一にまとめてくださる。
天才なので、もしよかったらTwitterで覗いてみてください。
宇宙の最後の状態、なかなかどっちも嫌ですよね。
私たち人間がいるようなタイムスケールでは実現しえない宇宙の最後の姿。
皆さんも少し想像してみてはいかがでしょうか。
それでは、今日は以上になります。また明日お会いしましょう。さようなら。