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2023-08-30 18:37

1056. 【前編】どう世界一になったのか?X線天文学50年の歴史【XRISM】

僕がNASAで研究させてもらったり、博士号を取得させてもらったX線天文学の歴史を紐解いていきます。


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ソース

https://xrism.isas.jaxa.jp/

Credit :JAXA

00:02
1日10分、宇宙時間をテーマに毎日お届けしております。宇宙話、 今回は僕がNASAで研究できた、そして
博士号を取得させてもらったX線天文学っていう分野は一体どんな分野なのか、 その50年の歴史っていうのを遡っていきたいと思います。
宇宙話で、今振り返っているシリーズで見ているX線天文衛星【XRISM】。 この【XRISM】が一体どういうこれまでの研究のもと成り立っているのか。
日本の天文学、X線天文学が世界一になるためにどういう積み重ねがあったのか。 そういったところからまるっとお話ししていっておりますので、ぜひ最後までお付き合いください。
ささき寮の宇宙話。
2023年8月30日始まりました。 ささき寮の宇宙話。 このチャンネルでは1日10分宇宙時間をテーマに、天文学で博士号を取得した専門家の寮が毎日最新の宇宙トピックをお届けしております。
本日でエピソードが1056話目を迎えております。 基本的には1話完結でお話ししておりますので、気になるトピック、気になるタイトルからぜひ聞いていただけたら嬉しいです。
今まさに取り組んでいる宇宙話のメイントピック、そして今僕が一番期待を寄せている将来の宇宙ミッション、こちらが日本が打ち上げを予定している
X線天文衛星クリズムの活躍です。 実はこのポッドキャストでも最近ずっと特集を組んでいて、8月の28日に打ち上げを予定していた
というところで、打ち上げが延期になっちゃったから、いつになるかわからないんですよ。近くに台風とかあってね。なので打ち上げまでどんどんどんどんクリズムの話をしていって、そこからいろいろみんなに興味を持ってくれたら嬉しいなと思っています。
で、前回はブラックホールの時空の果てを見るっていうミッションの話だったりとか、ダークマターとかそういうのに押しつぶされない宇宙の状況ってどんなことなんだろう、みたいな話をいろいろしていたわけなんですけど、今回お話しするのはそのクリズムと呼ばれるX線天文衛星ですね、この歴史に関するお話をしていきたいと思っております。
なので今回は、クリズムのやる科学っていうよりはもうちょっと天文学全体の歴史の話で、特にX線天文学っていうところの話をしていきたいと思っております。
03:01
早速本題入っていきたいと思うんですけど、そもそも今回X線天文学っていうところをピックアップするんですよ。で、この最近特集しているクリズムっていうのはまさにそのX線天文学の最新の人工衛星っていうところになるんですけど、これ
あんまりピンときてない人いるんじゃないかなっていう、そもそもX線天文学って何、みたいな。X線ってついてるから他にもあるんだろうな、みたいな。まさにそういうことで、X星はもう最近たくさん解説してるんで、前回前々回とかの聞いてくれたらいいなと思うんですけど、
まあレントゲンとかに使うあの光ですよね。で、それ以外にも光の種類っていうのはたくさんあって、一般的に想像するのは僕たちの目で見える、それこそ夜空見上げて星が見えるっていうような状況がわかる、ああいう天文学のことをちゃんと言うと賢天文学っていうふうに言ったりして、で、その人間の目で見える光っていうのは紫から赤まで。
これね、実は日本でそこから7種類とかっていうのは日本だけなんですよ、実は。海外だったらこれがもっと細かく言われてたりとか、逆に4種類5種類みたいな色で分けれるっていうのもあるんですけど、まあこう紫から赤までの光っていうのが表現としてはできてくるんですよね。
で、その賢天文学の範囲以外の光っていうのも僕たちが見えないだけたくさんあって、赤色よりも外側の光っていうのを赤外線って呼んだり、で、その近くにあるのが電波って言ったりで、赤外線天文学、電波天文学っていうところがあったりします。
実はそういう光ごとに天文学の分野っていうのがまあ一定分かれていて、で、その赤色側っていうのはどっちかっていうと温度が低い世界。まあなんかよく赤外線カメラとかで見ると人間の体明るく見えるけど、周りのもの暗く見えるみたいなのあるじゃないですか。
あれって赤外線が、結局何だろうな、温度に対して光の対応のものが決まってるって例えば思ったときに、人間の体温のこの30度40度ぐらいの体温っていうのは実際は赤外線で見ると一番明るく見えるみたいなねっていうところで、そのぐらいの温度のものっていうのが赤外線で見るのがちょうど良かったりする。
で、それよりももっと低いものを見たかったりすると、あったり、まあちょっと違ったりもするんですけど、電波っていうものが使えて、で、電波天文学っていう分野もあると。逆に紫側、人間の目で見える光の紫側の外側にあるのが紫外線。
で、なんか紫外線って体に対してすごい悪影響ある。それこそ日焼けしちゃうとか。で、そういったところを考えると、なんとなくこうエネルギー高い感じしますよね。で、その紫外線天文学っていうのがあって、その外にX線天文学っていうのがあって、で、X線天文学っていうのは温度で言うと1000万度とか1億度とか、そういったところの温度のものだったりとか、
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もうちょっとエネルギッシュなところを見ている。だから高速に近い動きをして見ているものがX線だったりっていうので、まあこういう全体の光によって天文学の世界っていうのが実は分かれてるんですよ。
これ僕、天文の研究するまで全然知らなかったことだから、みんな知っといてほしいなみたいな。天文学好きというか、宇宙話好きのみんなには知っといてもらえたらこれ面白いよなと思ったので、こんな話をしていて。
で、そのX線天文学っていうのが始まったっていうのがいつなのかっていうと、日本が初めて打ち上げた人工衛星が白鳥と呼ばれる人工衛星。これが1979年に誕生しています。
1979年なので、今2023年っていうところから考えると、40年ちょっと前、44年とかいうぐらい前の時に打ち上げられたのが白鳥ですね。
で、まあでもこれの前からX線天文学っていうか、天体をX線で見るみたいなところの流れっていうのができてきたっていうところを考えると、まあ大体50年とかそのぐらいでイメージしてくれればよくて、
60年、50年、60年っていうとアポロ計画とかと同じような感じなので、まあ月短差っていうところとの歴史の深さというか、浅さというか、そういったところは実は一緒だったりするんですよね。
で、その1979年に白鳥っていう人工衛星が打ち上がったことで、まあ日本のX線天文学幕開けとなり、この時点でそもそも世界でもX線天文学っていう雰囲気が出てきたときに、
白鳥っていうのが打ち上がって、で、この時リードをしていた小田実乗さんっていう方ですね。で、この方がもう本当にJAXAの宇宙科学研究所っていうのがあるんですよ、相模原に。そこの宇宙科学研究所の所長をやられた方だったりもして、
まさに今、X線天文学を支えているシニアな人たちとか、それよりちょっと、ほんとそのぐらいか、そのぐらいの、シニアじゃないや、MODだ、リタイアしたぐらいの人たちかなっていうところが、まさに小田実乗さんに教えを受けていた人たちなんですよ。
なので、前世代のX線天文学を支えてくれてたような人たちっていうところを、生み出したのがこの小田実乗さんっていう方で、で、この方が作った観測装置っていうので、すだれコリメーターっていうのがあって、これはもうなんか、X線天文やってる人はみんな1回通る、勉強する場所なんですけど、
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なんか別にそこまで知っておくべきかっていうところもあって、天文学やってる人は知ってなきゃいけないんですよね。すだれみたいな、ほんとに日本のね、昔からあるすだれあるじゃないですか。
あれを使って、あれと同じような要素を使って天体の位置を把握するみたいな、そういう能力、まさにこの地上であるものを宇宙の研究に応用したような形っていうので、実際にすだれコリメーターと呼ばれるものを使って、X線の天体の位置を正確に把握できるようにしたっていうところが、この白鳥での出来事になっていて、
これが高い評価、これによっていろんな天体を見つけられるようになって、評価が爆上がりして、で、日本がX線天文学の世界的にトップの国だ、みたいな雰囲気になってきたっていうのが、この1979年。
なので、この40年50年の歴史の中で、かなり序盤にこの小田実さんが、世界に対してものすごいインパクトを残したことによって、日本はX線天文のほう、一気にトップレベルになったというようなところなんですよね。
で、その後、その勢いのまま、1983年に天魔と呼ばれる人工衛星打ち上がって、で、その後1987年に銀河と呼ばれるような人工衛星が打ち上がる。なので、これ結構スパンとしては短くて、多分今と決定フローが違うんでしょうね。
1979年に1個目が打ち上がり、天魔はそれの4年後に打ち上がり、そして、さらにそれの4年後には銀河っていうのが打ち上がって、っていうので、これも10年以内、8年の間に2つ3つ打ち上がるっていうような感じですね。
っていうような感じで、本当にスピーディーにどんどんどんどん成果を上げていった時代なんですよ。で、特にこの最後に打った1987年の銀河と呼ばれる人工衛星ですね。
この銀河っていうのは、観測開始してすぐの頃に、4世紀半ぶり?4、そうですね、違うわ。4半世紀ぶりだ。4半世紀ぶりに近くで発生した超新星爆発、星が死ぬときの大爆発っていうのを検出することができて、結構盛り上がったんですけど。
これが盛り上がった理由っていうのが実はもう一つあって、日本人がノーベル物理学賞を受賞したニュートリノ検出の話あったの覚えてますか?きっと宇宙好きというか物理好き、理科好きの人はニュートリノって聞くとちょっとテンション上がると思うんですけど、
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本当に今まで考えられていたものの構成している要素よりもさらに小さいっていうような素粒子の分野がそこで幕を開けたぐらいの感じの出来事があったんですけど、そのニュートリノを発した天体でもある。
それを観測的に見つけていたのが銀河っていうところだったんですね。
だからこれ後で話すんですけど、X先天文学、ここでもいいか、X先天文学ってそういうブラックホールとブラックホールが合体して重力波を出した、重力波を見つけたっていうような、
まさにこのニュートリノを見つけたっていう研究の重力波バージョンっていうのの研究の時もちゃんとX先天文学ってその共同研究の部分に名を連ねるような、そういう貢献をしてたりもするんですよね。
っていうので、やっぱX先天文学の重要性ってそういうところにも現れていて、実際にその1987年の銀河っていうところだと、こういうニュートリノ検出の話とリンクするような部分もあったというようなところで、ここら辺から国際協力っていうのがしっかりとスタートしていって、っていうところが実は歴史としてあります。
で、この国際協力っていうのが本当に重要で、なんでそんなに重要かっていうと、僕がNASAでX先天文の研究をさせてもらうっていうのも、実はこの宇宙分野が国際的な協力関係がしっかりと作られているからっていう理由が大きくて、
で、プラスでさっき話してたみたいに、X先天文学をリードしていたのはずっと日本だったってなってきたときに、日本に国際協力のもと、日本にX先天文の観測装置を作るだったり、科学をするだったりっていうときに、日本に勉強しに来た研究者たちがたくさんいたんですよね。
この後の1990年代とかっていうところにはそういう人がたくさんいて、で、その国際協力が固まっていろんな人が勉強しに来てて、で、なんと今は各国のX先天文の観測装置だったり人工衛星だったりっていうののリードになるような人っていうのが、当時若い大学院生の頃とか、大学院生終わってすぐの頃とかっていうのは、
今のこの日本のトップレベルの人たちだったところに勉強しに来てたっていう人が多かったりするんですよ。で、それが今、周りに回って、逆に日本の若手がアメリカに行くとかヨーロッパに行くってなったときに、その人たちが受け入れてくれるっていうような状態が作られてるんですね。
僕もNASAに行ったのはまさにそれで、僕が一緒に研究させていただいてた本当に偉い先生がいて、で、そこの、そこに勉強しに来てた人っていうのがNASAで偉くなって、で、人工衛星だった、人工衛星というか、X先を検出する装置を新しく打ち上げるから、これ協力しようよみたいな。で、若手来れるなら来てよみたいな。
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っていうので、じゃあ佐々木行こうみたいな。になっていったんですよね。っていうところがあるんで、本当にこのここで作られた国際協力の関係性っていうのは、ものすごく重要な役割を担っているし、僕も恩返ししなきゃいけない部分だったりするっていうところがあったりします。
こんな1987年で、そういった、スタートから8年でそこまでいったっていうところが、実は今のX先天文学を支えている部分だったりします。そしてそこから1993年にアスカと呼ばれる人工衛星、これ前回のエピソードでも話した部分だし、
2005年にはスザク、2016年にクリズムの前世代のヒトミっていうのがあって、で、今回クリズムが打ち上がるっていうところで、実は銀河の後のアスカ、スザク、ヒトミっていうところで、かなり面白い研究成果残してきてるんですよ。
だからちょっとね、これ今日もまたたくさんたくさん喋りすぎたので、次回はこのアスカが残した研究成果、前回のポッドキャストで話したような部分も含めお話しして、その後スザクの研究結果、そしてアストロエッジの研究結果みたいな感じで、今のクリズムに近づいていく流れっていうところをちょっとお話ししていければという風に思っておりますので、ぜひそちら楽しみにしておいていただけたらと思います。
でですね、このX1000天文衛星クリズム打ち上がったら、本当世界を牽引するまた日本のX1000天文の姿っていうのが一気にググッと上がってくるわけですね。なので本当にみんなに注目してほしいと思っているので、面白いなと思ったらぜひ拡散していただけたら嬉しいなと思います。
僕のポッドキャスト、影響力増えてきたものをX1000天文学に還元していくというところを目指してやっていきたいと思っております。
で、これスポティファイで聞いてくれてる人もいると思うんですけど、スポティファイでですね、プレイリスト作りました。クリズムの話が聞けるだけのそんなプレイリストですね。
クリズム特集っていうのを作って、概要欄にリンク貼ってるので、この話ばっかり聞きたいなみたいな人いたら、ぜひそちらから聞いていただけたら、そして登録していただけたら嬉しいなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
ということで、今回の放送は以上にしていきたいと思います。今回の話も面白いなと思ったら、お手元のポッドキャストアプリでフォローボタンの近くにある星マーク、こちらからレビューいただけたら嬉しいです。
番組の感想や宇宙に関する質問については、ツイッターのハッシュタグ宇宙話、またはスポティファイのQ&Aコーナーだったり、概要欄のお便りコーナーからじゃんじゃんお寄せください。
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本日は水曜日というところになっておりますので、19時に僕がもう一つやってるポッドキャストチャンネル、隣のデータ分析屋さん、ツイッターのバズるっていう行為に関するデータ分析の話ですね、お届けしていきますので、ぜひそちらも楽しんでいただけたら嬉しいです。
それではまた明日お会いしましょう。さようなら。
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