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2023-11-24 16:41

1141. ブラックホールをツールとしてつかうローマン宇宙望遠鏡


集英社が運営するwebメディア「よみタイ」で宇宙ばなしのweb連載がスタートします!連載タイトルは「酒のつまみは宇宙のはなし」

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ソース

https://www.isas.jaxa.jp/feature/forefront/230728.html

Credit : NASA

サマリー

彼らはNASAの将来のミッションについて語ります。2026年に打ち上げられるナンシー・グレイス・ローマン宇宙望遠鏡は、ブラックホールをツールとして使用します。この望遠鏡は幅広い範囲をカバーしながら、200倍の能力で深宇宙を観測することができます。さまざまなレアな現象を容易に捉え、ブラックホールの性質を解明することが期待されています。また、ローマン宇宙望遠鏡にはコロナグラフと直接撮像装置が装備されており、太陽系外の惑星から反射された光を観測し、物質や大気の成分を明らかにする研究が進んでいます。日本が開発したコロナグラフに関する情報も注目されています。

00:01
1日10分、宇宙時間をテーマに毎日お届けしております、宇宙話。
NASAの将来ミッション
今回は、NASAの将来ミッション、2026年に打ち上げようとしている、
ブラックホールをツールとして使っていく、そんな研究、ちょっと面白いね、ユニークな研究なので、
こちら紹介していくとともに、日本がどうやってそこに関わっていくのか、そのあたりについてもお話ししておりますので、
ぜひ最後までお付き合いください。
2023年11月24日、始まりました、佐々木亮の宇宙話。
このチャンネルでは、1日10分、宇宙時間をテーマに、天文学で博士号を取得した専門家の亮が、毎日最新の宇宙トピックをお届けしております。
本日でエピソードが、1141話目を迎えております。
こんなにエピソード数ありますけど、基本的には1話完結でお話ししておりますので、気になるトピック、気になるタイトルからぜひ聞いていただけたら嬉しいなと思っております。
前回は、リスナーの方からいただいた質問を軸にですね、ブラックホールでノーベル賞が受賞された、そんな研究のお話ですね。
具体的には、僕たちのいる天の川銀河の中心にブラックホールがあることをどうやって示したのか、そういう研究の話させていただいてます。
で、その前は、その天の川銀河の中心にいるブラックホール、太陽の重さの400万倍ぐらいの大きさがあるんですけど、
そのブラックホールが限界ギリギリのスピードでぐるぐるーっと回ってる、そんなお話をしておりますので、
まあですね、過去のやつ、遡りながら色々聞いていただけたら嬉しいなと思っております。 そんなこんなで、今回お話しするのはどんなエピソードにしようかなと思ったんですけど、
ブラックホールを使って、将来のミッション、こんなのが展開される予定だよっていう話をさせていただきたいと思います。
ブラックホールを使ってってどういうことなんだろうってね。 なので、なんかブラックホール自体の研究っていうよりは、ブラックホールをツールとして使うみたいな、
結構面白い角度の研究なので、こちら紹介していきたいと思います。 今回紹介するのは、2026年に一応打ち上げを予定している
NASAが進めている大型基幹計画である ナンシー・グレイス・ローマン宇宙望遠鏡、通称ローマン望遠鏡と呼ばれるミッションのお話です。
どうですか、皆さん聞き覚えあるなっていう人とないなっていう人がそれぞれいると思うんですけど、
ポッドキャストでお話ししたのは多分初めてになるのかな。 そうですね。ただ結構注目度が高くて、いろんな宇宙系のメディアでは多分紹介されていたりするんだと思います。
NASAが中心に進めているとはいえ、 JAXAもそこに技術提供という形で参加しているので、結構日本側の期待値も高い。
そんなミッションになってますね。 このナンシー・グレイス・ローマン望遠鏡、ローマン望遠鏡って今回は略していこうかなと思うんですけど、
2026年に打ち上げが予定されていて、光景、大きさですね、これが2.4メートルの大型の宇宙望遠鏡です。
宇宙望遠鏡っていう名前をつけているぐらいなので、基本的には宇宙に飛ばすと。
人工衛星として宇宙に飛ばして、そこからいろんな天体を見ていくっていうような、そういうイメージになってます。
これ面白いのは、ハップル宇宙望遠鏡の上位互換っていう感じですね。 世の中ではよく、ハップル宇宙望遠鏡の後継機というか、
それのアップグレードバージョンは、ジェームスウェップだっていう話をよくされるんですけど、
確かにジェームスウェップはハップルよりもより遠くを見れる、深い宇宙を見れる、そういう特徴があります。
それにメインのミッション自体は、宇宙で一番最初にできた星を発見する、ファーストスターを見るっていう、そういう研究なんですよね。
なので、深くまで見れる能力っていうのが必要になってくるんですけど、
そのジェームスウェップ宇宙望遠鏡、ハップルの後継プロジェクトだってなんとなく言われてはいるもののですね、
実は光の種類が違ったりとかで、正確にこのハップルの後継機かって言えるとなかなか難しい、そんな状態なんですよね。
それに対して今回ローマンっていうのは、ローマン宇宙望遠鏡は比較的そのハップルの上位互換というふうに言ってもいいぐらいの存在になっています。
たぶん確か光の種類もおおむね同じぐらいになっていて、しかも能力が直接比較されているっていうのもあるんですよね。
ハップル宙望遠鏡っていうのは、と同等の光を見る能力、そして物を分解する能力っていうのをローマンは持っています。
同等だったら別に上げなくてもいいんじゃないかっていう、そういう見方をする人もいると思うんですけど、注目してほしいのはその能力ですね。
ローマン望遠鏡の特徴
その能力自体はハップルと同じなんだけど、一個特筆すべき点があって、これが視野。
視野、つまり一度に見える範囲がものすごくでかいと。
ハップル宇宙望遠鏡の今回200倍の視野を兼ねそらえているのがこのローマン宇宙望遠鏡なんですよね。
これができることによって何が変わるのか。
簡単に言うと、広い宇宙を見れるとそれだけレアな現象を捉えやすくなるっていうそういう性質があります。
レアな現象、どういうことでしょうか。
宇宙空間ではたまに爆発が起きたりとか、いきなり閃光みたいなのが光がバーって出たりとか、そういったものが発生するんですよ。
そういうのって基本的には予測が不可能で突発的な現象だというようなところで、なかなかそういう現象っていうのを統計的に掴むっていうのが難しかったりするんですよね。
しかもこれ難しいのが広い範囲をカバーしようとすると、それだけ深く見る能力っていうのが下がっていくっていうような一種、そういうトレードオフがあるんですよ。
そのトレードオフのせいで突発天体に対する研究っていうのは、結構一定進んでいるもののなかなか深くまで見れないっていう、そんな状況がありました。
しかし今回はこの技術発展のおかげで何が起きたかっていうと、ハップル中望遠鏡の目の良さっていうのをそのままキープしながら200倍の広さを見ることができる。
つまり、ハップルで見つけていたような聴診性爆発とか、ハップルが見れたはずの聴診性爆発とか、それこそ僕が研究していて、ポッドキャストでも何度も話している光勢フレア、太陽の表面で起こる爆発現象みたいなやつですね。
そういうのが、ハップルが見つけるよりも200倍見つけやすくなると。宇宙をやっている人間の数字の感覚っていう話をこの間したんですけど、200倍っていうとすごい変わったなって言える。
基本的に天文の研究をやっている人は、10倍より大きくないとなかなかその数字の性質を認めてくれないっていう、そういうシビアな人間たちなんですよね。
なので、200倍って言われると相当いい能力ですね、みたいな。で、この能力こそがローマン望遠鏡の主力装置にあたるものになってきます。
で、これは一体どういうことをしていくのかっていうと、大量の遠方の銀河の形状だったり明るさっていうのの測定をすることができる。
まずそれが一つですね。で、あとはその突発天体である超新星爆発とかっていうのを大量に観測することで、宇宙空間にあるダークエネルギー宇宙論っていうものをどんどん検証することができると。
加えて重力マイクロレンズ効果っていうものを使ってですね、従来発見が困難であった冷たい境外惑星っていうのを発見すること。ここにかなり期待が寄せられていると。
ここでブラックホールが出てきます。マイクロレンズとかそういった重力レンズと呼ばれる効果。これはブラックホールが手前にあって、そのブラックホールが虫眼鏡みたいな役割をして遠くの宇宙っていうのが見えるようになるっていう。
なんとも、ブラックホール自体の研究をするんじゃなくて、ブラックホールを手段として捉えていくっていうような、その目線での深めの研究っていうところなんですよね。これが今後どんどん出てくると。
このローマン望遠鏡で使われていく。つまりブラックホールの分布だったり、それがどういう性質かっていうのも一定その重力レンズ効果っていうのを通して明らかになっていくし、ただそのブラックホールの性質を解き明かすだけじゃなくて、ブラックホール自体の発見もどんどん増えていくだろうというところが期待されていて、このローマン望遠鏡はメインで調べてみると、
メインでブラックホールの話ってそんなに出てこないんですよ。だけど、今このブラックホール特集をやってるし、ブラックホールの理解が進んでいるからこそ、こういうブラックホールの活用の仕方があるっていう目線は宇宙話のリスナーのみんなには結構見といてほしかったなと思って、このエピソードで紹介させていただいたというような感じですね。
ローマン宇宙望遠鏡の装置と惑星の観測
あとは、ローマン宇宙望遠鏡はコロナグラフ、直接撮像装置っていうのがあるんですよ。難しい言葉が出てきてますね、コロナグラフ。ここら辺は細かい話はまたどっかでしようかなと思うんですけど、簡単に言うと、地球とか、地球から夜空を見上げたときにめちゃめちゃ明るい星を見つけたとき、これが惑星である可能性がある。
これが惑星である可能性って結構高いんですよね。
で、夜空見上げて明るいなぁと思う星って、どっちかっていうと一等星とかそういう星っていうよりは木星だったり火星だったりするじゃないですか。
ああいう太陽から惑星に当たって跳ね返って光、跳ね返った光を僕たちは見ることがたまにあるんですよね。それを太陽系以外の惑星でもやってあげようっていう装置が今回搭載されます。このローマン宇宙望遠鏡に。
そうすると何ができるかっていうと、最近太陽系以外の惑星っていうのを発見する研究がどんどん進んでるんですけど、その進んだ研究の先で結局、じゃあその惑星にどういうものがあるのか。
その星にどういう物質があってどういう大気があってっていうそういう研究がどんどんしたくなっていくんですよね。
そういうのがしたくなっていく中で、このコロナグラフっていうので装置で観測することによって、中心の星から太陽系以外の惑星に当たって反射した光っていうのが捉えられるようになることによってですね、
反射の成分を見ることでその惑星に一体どういう物質があるのかっていうところまで明らかにしようっていうのが今回研究として取り上げられている部分ですね。
これができるようになると、地球みたいな惑星を見つけるぞっていう時みたいに、この星には酸素とかがこれぐらいあって水素それぐらいあって窒素どれぐらいあってみたいな、
そういったところがどんどん解明されていく足掛かりになるんじゃないかっていうのが期待されているのもこのローマン宇宙望遠鏡の特徴の一つですね。
2026年に打ち上げて成果が出てくるのは27年28年とか、そういったタイミングになってくると思うんですけど、
2030年前に人間はどんどん月に行って新しいことをしていくことだけじゃなくて、人工衛星の性質もぐぐぐっと上がっていく、そういったところが期待されているってところですね。
最後に話したコロナグラフっていう装置に関しては、これ日本が開発っていうのを結構メインに行っている部分ではあったりするようなので、
もしかしたらこのコロナグラフっていう惑星に反射した光を見る、この研究については日本語の情報がバンバン出てくる可能性があるというところで、
なかなか楽しみにしたい要素の一つだなというふうに思っている、そんな感じでございました。
ということで今回のメインのお話は、ブラックホールをツールとして使って宇宙を探索していくローマン宇宙望遠鏡に関するお話しさせていただきました。
嬉しいリスナーコメントと情報の拡散
ということでですね、本題は以上なんですけど、昨日の最後に話しためちゃめちゃ嬉しかったことっていうので、
リスナーのしんさんっていう方がですね、スタンドFMで宇宙話のことを音声で別のところで話してくれてるんですよね。
これめちゃめちゃ嬉しくて、宇宙話を聞いて、しかも娘さんと一緒に聞いて、5歳とかだったかな。
聞いて、で、こう僕の一個一個の言葉とかに娘さんがこれって何?みたいな。
研究って何?とか、なんかそういった語りかけをしてくれるんですって。
なんなら止めながら、この言葉何?この言葉何?とかっていう話をしてる。
で、しかもすごいのが、そのX線とかっていう光の種類の話を色々したじゃないですか。
そういうのがだんだん染み付いてるらしくて、5歳で。
だからX線っていうのはね、こういうことでね、みたいな。
なると、とか、あ、レントゲンのやつね、とかっていうのがわかるらしいんですよね。
そんな、なんか娘さんの成長のど真ん中に宇宙話があるっていうのが嬉しすぎて、
しかもこう、それもその話も嬉しかったし、
しんさんがそれをコンテンツにしてくれたっていうのはものすごく嬉しくて、
音声配信を音声配信で別のところから語ってくれるっていうのは、
これなんかどんどん輪が広がっていってる感じがして、ものすごい嬉しいなと思ったので、
ぜひですね、こちらちょっと聞いていただけたらと思います。
概要欄にリンク貼っておこうと思っていて、
それに加えてですね、このしんさんがやっているドロ3F、
ドブか、ドブ3ラジオだ。
こちらですね、ぜひ楽しんでいただけたらいいんじゃないかなと思います。
いろいろね、周囲者の連載の話とかもしてくれて本当に嬉しいです。
ありがとうございます。
ということで、皆さんからのコメントだったり、
こうやった音声配信での別での展開みたいなの、
ぜひぜひ、じゃんじゃん受付中ですのでよろしくお願いいたします。
今回の話も面白いなと思ったら、
お手元のPodcastアプリでフォローボタンの近くにある星マーク、
こちらからレビューいただけたら嬉しいです。
コメント等もじゃんじゃんお待ちしております。
それではまた明日お会いしましょう。さよなら。
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