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1日10分、宇宙時間をテーマに毎日お届けしております、宇宙話。
今回は、宇宙空間の4分の1を占めてるにも関わらず、正体が全くわからない物質、ダークマターを見つけようとする、そういう研究を紹介していきたいと思います。
正体不明の物質を探るっていう、ものすごくロマンが溢れる研究の中で、
いったい、そういう研究ってどうやって進んでいて、どうやって進歩していくのか、そんな話まで展開していこうと思っておりますので、ぜひ最後までお付き合いください。
2023年3月21日始まりました、佐々木亮の宇宙話。
このチャンネルでは、1日10分、宇宙時間をテーマに、天文学で博士号を取得した専門家の亮が、毎日最新の宇宙トピックをお届けしております。
本日でエピソードが892話目を迎えているというところで、1日10分で1話完結というところでお話ししておりますので、興味のあるタイトルから聞いていただいて、
それでやっぱ面白いなと思ったら、宇宙面白いなってなったら、ぜひチャンネルフォローしていただけると、毎日毎日宇宙の話色々聞けるようになるので、ぜひそちらよろしくお願いいたします。
でですね、今回も最新の研究をお話ししていくわけなんですけど、今日は宇宙で全く正体のわかっていないもの、ダークマターを探す研究、こちらが2月、2023年の2月に公開されていたので、これを発見する研究についての取り組みを紹介していきたいと思っております。
今回この話をピックアップしようと思った理由っていうところは、もう大きいところが一つだけ。これ2つ前の放送の時にAIを使って、今まさに面白い宇宙の研究分野って何なのっていうのを聞いた回があるんですよね。
そこで出てきたうちの一つがこれダークマターだったんですよ。宇宙が膨張しているっていう話が面白いトピックの一つ。
で、もう一つが地球みたいな地球外生命体とかがもしかしたらいるかもしれないっていうところの目線で、太陽系以外の惑星をどんどん発見していく研究。この2つが面白いと言われていて、AIによるとね。
で、3つ目がこれダークマターについての話だったんですよ。このダークマターについての話、いろいろ研究を遡ってみたらですね、2月にちょっとユニークな研究が京都大学で行われていたことを見つけましたので、これを今日は紹介していければというふうに思っております。
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で、そもそもダークマターって何ぞやっていうところが結構皆さん引っかかるポイントかなと思うんですね。ダークマターっていうのはもう宇宙全体のエネルギーの中で言うと、4分の1、25%とかを占めているような物質なんですよ。
私たちの身の回りにあるものすべてこれが物質として理解できると思うんですよ。目の前でまさに今耳に挿しているイヤホンだったり、スピーカーで聞いている方はスピーカーだったり、そもそもそれを流しているスマホだったりパソコンだったりっていうのもすべて物質ですよね。
で、呼吸ができているのもそうだしっていうところがあるものの、発見できているものの量で言うと、これ本当に数%しか宇宙全体でのものっていうのは発見できていないっていうのが現実なんですよ。
つまり、ものすごく断片的な部分の情報から僕たちはそもそも構成されているし、身の回りのものっていうのも作られていってるっていうところなんですよね。そんな中で、じゃあやっぱり未知のものっていうのはどんどん発見していきたい。それが人類の可能性をどんどん広げていく大きな一歩になるわけじゃないですか。
で、そもそもなんでこのダークマターとか、あとはその残りを占めるダークエネルギーとか、そういったところが見つかったのかっていうところなんですけど、これはいくつかこうなければ説明できないっていう状況がいろんな研究で見つかってきているっていうところが大きい部分なんですね。
例えば、このダークマターとかって重力っていうのは持っていたりするんですよ。つまり、何かものを見ようと思ったときに、それの間に大量の宇宙空間、例えば50億年、100億光年先とか、そういう先の天体を見ようと思ったときに、実はここの目に届くまでの間にものすごい数の何かものがあって、
で、それのせいで光がまっすぐ来てないみたいなところが天体をちゃんと観測してくるとわかるんですよね。
でも、なんかその光の経路を曲げるようなものっていうのは、ぱっと見、どこにもないように見える。
つまり、目に見えてない何かがそこに存在しないとありえない見え方をしているっていうところが研究としてあったりとか、あとは僕たちがいるこの天の川銀河ですね。
天の川銀河。自分たちがそもそも銀河の中にいて、ぐるぐるぐるぐる回されているなんていうのを実感する人もしかしたら少ないかもしれないですけど。
そういう話、ぜひ気になる方は宇宙話過去回聞いていただきたくて。
で、銀河も中心に巨大なブラックホールがあって、その周りを星がぐるぐる引っ張られながら回っているみたいな状態なんですよね。
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ただ、それが回転の仕方だったりとか、天体が外側に逃げていかないだったりとか、いろんなバランスによって、
一箇所に星が集中している、つまりそうやって銀河ができているっていう状況が、今見つけられている星の数から考えても、
うーん、そんなに引っ張れるような重力あるかな、みたいな。そういったところが不思議と問題として浮かび上がってくる。
っていうところを解決するというか、理解するための手段として考えられているのが、これダークマターと呼ばれる物質になるんですよ。
なので、得体の知れないものだけど、宇宙空間の4割はこれでできているっていうところを、
どうしても認めざるを得ない状況証拠がたくさん出てきてしまっているっていうのが、このダークマターに関する研究の大前提としてあるんですよね。
そんなダークマター、やっぱり得体の知れないものだから気持ち悪いじゃないですか。
で、しかも研究っていうのはそういう得体の知れないものを明らかにするっていうところもモチベーションの一つとしてはありますので、
そこを明らかにしていこうという、そういう研究を今回行ったと。
でもこれ実際は、ダークマターの正体を探索していこうっていうのは、素粒子物理学と呼ばれる、
結局、ダークマターも質量を持っているだろうと、重力を及ぼしていたりするから、何かしらのものであるだろうっていうところの仮説はあるので、
素粒子物理と呼ばれる小さい粒を物理学しましょうというような分野があるんですけど、
その素粒子物理学っていうところの中で、最も盛んに行われている研究分野の一つなんですね。
素粒子物理学、もう本当にザ物理の頭のいい人たちみたいなのが、もうすごくかき集められているような業界で、
別に他の分野の人が頭が悪いって言ってるわけではなくて、物理屋さんってイメージする皆さんの物理学者みたいなイメージがあると思うんですよ。
僕からは少なくともめちゃめちゃかけ離れてる。
そういうザ研究者、この人たちが全ていろんなことを解き明かしてくれるヒーローなんだみたいな雰囲気の人たちがめちゃめちゃいるところですね。
なので、多分お知り合いに素粒子の研究をしている研究者の人がいるっていうのはなかなかレアなんじゃないかなと。
もしいたらぜひ教えてくださいね。
ポッドキャスに呼びます。
そんな感じで、素粒子の分野の中では結構メジャーな研究分野の一つになっている、このダークマターを発見するっていう方法ですね。
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なので、めちゃめちゃちっちゃい物質だろうっていうところを仮定して、観測器、いろんなものを作ってるんですよ。
物っていうのは、そのものが存在しているだけで、一種重さっていうところもエネルギーっていうところに変換できるんですよ。
つまり、あるエネルギー、このぐらい小さいエネルギーまで見つける検出器があれば、それだけ軽い物質を見つけられる。
軽いってことは、全体的に見てもスカスカではないだろうから、結構ちっちゃいものだしっていうところで、素粒子物理学の研究分野として深められているってところなんですね。
とにかくちっちゃい、とにかくちっちゃくて、とにかく軽いものっていうのを、今回研究で発見しようというところを行いました。
ではこれ、ダークマターの正体発見した、なんて言ったら大発見だと思っているので、先に結論言っておくと、見つかってはいないです。今回の研究でも。
ただ今回の着眼点としては、ダークマターって、そもそも物質としてどういうものだかわからんっていうのが大前提としてあるんですよ。
なので、素粒子の研究をしている人たちっていうのは、いろんな仮説を持っていろいろ物を探しに行くんですね。
ダークマターの正体はこういうのなんじゃないかっていうので、大体理科の実験とか、理科の授業で聞いたことある陽子、電子とか陽子とかあったと思うんですけど、
あの陽子ぐらいよりも重いダークマターっていうのが存在するんじゃないかっていう研究がこれまで散々行われてきたんですけど、なかなか決定的な研究結果が出てこないと。
じゃあ、めちゃめちゃ軽いんじゃないみたいな。もっともっともっと軽いんじゃないみたいな。どんぐらい軽いかっていうと、これエネルギーの変換をしてみると、
ゼロが、小数点以下にゼロが35個並ぶぐらいのグラム数。0.000000でゼロが35個グラムですね。ぐらいの重さだと仮定するっていう、そういうぐらいのレベルの精度で研究を行ったっていうのが今回の研究結果で、
つまり、ダークマターの正体が軽いと思って、めちゃめちゃ軽い物質まで見つけられる装置を作ってみたところ、見つからんと。こういうのをダークフォトンって呼ぶんですけど、このぐらい、
小さい物質で、さらに発見するには光を発してくれなきゃいけないので、光にちょっとだけ反応するっていうところで、ダークフォトンと呼ばれるものを探索しに行ったっていうところがあるんですね。そういったものを見つけに行った結果、今回、残念ながら見つけられなかったと。
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で、これ、じゃあなんで紹介すんのよとか、なんで論文として発表できんのみたいな話があると思うんですけど、これが僕も研究を始めてからじゃないと知らなかったことなんですけど、見つからなかったっていうのは、ちゃんと情報を整理すれば、ものすごく前向きな研究結果として捉えることもできるんですよ。
これが研究業界の面白いところで、今回、めちゃめちゃ軽い粒子だと思って、検出器を作って、検出する実験を行ったと。そうしたら、見つからなかったわけですよね。見つからなかったっていうことは、これ、そこではなかったと。
つまり、無限ではないけど、ものすごくたくさん選択肢がある探索範囲の中で、この領域は違うぞっていうところを、後世の人たちに残したっていうところが、研究としては非常に重要になってくると。
過去にいろんな新しいものを見つけた人が、無限にある選択肢の中から一発でポンって見つけたっていうことではなくて、基本的には選択肢が100個とか200個とか1000個とか1億個とかあるような、そういうところから自分の頭で考えて、筋の良さそうな道を決めて、それを研究として遂行していく。
だから、これぐらい筋良いと思ってたんだけど、ここの道進んだら行き止まりだったよっていうのを教えてくれるんですよ、論文として。そうすると、次の人たちはその誤った道を進まないじゃないですか。それだけで100個道があったうちの1個が潰れる。
ってなると、次の人は99分の1で正解を探しに行けるようになりますよね。とか、あとはもっと大きく制限かけてくれるとすると、これ以上はありません。今回でいうとめちゃめちゃ軽い物質まで見つけに行って、もっと軽い天体の物質の可能性が出てきたってなったら、これ以上重い天体は重い粒子っていうのは数えなくていいですよってなるじゃないですか。
つまり、そうすると一気に半分ぐらいで線を引いて、半分から右側も探索しないでくださいみたいな、っていう道筋を作ってあげることができるっていうのが、こういう検出できなかった、何々ができなかったっていう研究の存在意義なんですよ。
こういう研究ってマイナスに捉えられたりしがちなんですけど、あとは素人目に見ると、なんで発表したんだ、何が論文なんこれみたいな、になりかねないなと思っていて、そういった研究もあるので、宇宙話聞いてるみんなには少なくともそういう研究の角度とか解釈の仕方っていうのがあるんだよっていう話をね、ぜひみんなで話していけたら面白いかなというふうに思っているというような、そんな感じでございました。
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まあですね、これまであんまりそういう研究紹介してこなかったなと思ってるんで、宇宙話では積極的にやっていきたいと思っております。そんな感じで今回はちょっと前に宇宙話でも話した、AIが認める面白い宇宙の話の一つだったダークマターを見つける、そんな研究を紹介させていただきました。
こういう研究だったり、研究の仕方ってそういうのがあるんだっていうのが、もし新しく知れた方っていうのはね、ぜひTwitterのハッシュタグ宇宙話とかで感想だったりコメントをつぶやいていただいたら嬉しいです。
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