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Credit:NAOJ
ソース
https://www.nao.ac.jp/news/science/2023/20230615-mizusawa.html
00:01
1日10分、宇宙時間をテーマに毎日お届けしております、宇宙話。 今回は、10億光年先にある銀河団同士、銀河の塊同士が交通事故を起こす。
そんなお話をしていきたいと思います。 この交通事故、規模が違います。
10億光年先でぶつかった時の衝撃波、これによって失われるエネルギーは、太陽のエネルギーの1年分であり、
そしてその衝撃波ができた面は、なんと300万光年の大きさを持つ、っていうような、もうわけのわからないスケールで、より宇宙っぽい数字がたくさん出てくる、
ちょっと宇宙に引きずり込まれそうなエピソードになっておりますので、ぜひ最後まで楽しんでいただけたら嬉しいです。
3、2、1、イギネション、マイナス、10、マイナス、10、
日本、2、1、
佐々木亮の宇宙話
2023年6月21日、始まりました、佐々木亮の宇宙話。
このチャンネルでは、1日10分宇宙時間をテーマに、天文学で博士号を取得した専門家の亮が、毎日最新の宇宙トピックをお届けしております。
本日でエピソードが984話目を迎えているというところで、前回はソフトバンクの宇宙への取り組みについて、新しい展開を迎えていそうっていうところだったりとか、
その前は国際宇宙ステーションの利用料金がググッと下げされているというような、そんなお話させていただきました。
結構なんかバラエティーに富んだ話だったのかなと個人的には思っていて、そんな中で今回お話しするのは結構天文寄りのお話になってくるかなと思います。
基本的には1話完結でお話ししておりますので、気になるトピックだったり気になるタイトルとかあれば、ぜひ聞いていただけたら嬉しいです。
でですね、面白いなと思ったら是非フォローの方もよろしくお願いいたします。
ということで、今回お話ししていくのは、大体地球からの距離、結構ですね、これ10億光年離れたそんな場所にある銀河と銀河がぶつかっている場所。
このお話をしていきたいなというふうに思っております。銀河と銀河が衝突する。そもそもなんかあんまりピンとこないような響きでもあるし、
ここに加えてここから一体何がわかるのか、その銀河って何十億何千億っていうような星を抱えている中で、
それらが衝突すると一体何が起きるのか、そのあたりについてもカバーしつつお話ししていければというふうに思っております。
03:02
なんかね、この話リリース出てすぐから結構話したいなと思ってたんですけど、色々ね、その後ニュースとか出ていくの見ていたら、
いろんなニュースサイトに取り上げられてるんですよね。なのでこれは結構世間の注目度としても高いっていうところが伺えるんじゃないかなというふうに思ってます。
何なんでしょうね、この宇宙系のニュースが一般のウェブメディアに取り上げられるかどうかみたいな。そこの線引きってどっち側が決めてるんだろうってすごい思ってるんですよ。
もちろんそのサイト運営してる側の人にめちゃめちゃ有名なというか、有名ってのは変か、めちゃめちゃ宇宙に詳しい人がいてとか、
科学分野に精通してる人がいて、全体のバランスから見てるっていうパターンもありますし、後はインパクトのある論文の雑誌に載っているからっていうパターンもあるし、
研究者側の売り込みが上手いとか、研究者が売り込むっていうよりは大学が売り込むって感じなのかなっていうところが近いとか、
っていうようないくつかパターンあるような気がするんですよね。なので、天文学者の人たちとかプレスリリース担当の方々は、
そういうメディアとかちゃんとピンポイントで打ってるのかなと思うと面白いですよね。僕もそういう連絡欲しいな。いないですか?聞いてる人で。
ぜひですね、そういうのがあったらぜひよろしくお願いいたします。そんな中で、10億光年離れた銀河の姿っていうのを今回は結構高解像度で捉えていったっていうのは、そういう研究になってますね。
で、今回扱うのはこれ、銀河団と呼ばれる銀河が集まっているもの。これを注目していこうっていうところなんですよ。銀河団。これ何かっていうと、銀河団は何千個もの銀河が一つの塊になるような、そういう状態であるものを指すんですね。
で、そもそも銀河っていうのは、だいたいその1個の銀河の中に、だいたい数千億個の星があるっていうふうに言われていて、それこそ僕たちが住んでいる地球っていうのも天の川銀河っていうのの中にある結構重要な場所にいたりするんですよ。
何千億個っていうふうにあるような星の中の一部が、これ太陽であるっていうところですね。なので、だから星自体は宇宙にめちゃめちゃあるんですよ。だって銀河、銀河同士がくっついているような銀河団っていうのは数千個もの銀河からなるんですよ。
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数千個いて、で、その1個1個の銀河がだいたい数千億個の星を持っていると。
ゼロいったい何個つくんだっていう話なんですけど、まあ単純に、例えば1000億の星を持つ銀河が1000個あったら、これもう100兆ですよね。100兆…1000兆か。ね。っていうような星の数になるわけじゃないですか。
もう結構ゾワッとするような数だと思うんですよ。中豪体恐怖症の人には、なんかもう耐えきれないような星の数がそこに広がっている可能性があるというようなところになっていたりします。
で、そんな中で、じゃあその銀河団っていうのは、まあ1個1個銀河だったりするわけだから、中心にブラックホールみたいなのがあって、そのブラックホールの周りに数千億個の星があって、
で、その星っていうのは、銀河の中で生まれたりしてくるわけですから、その銀河にはまだ星を作るための材料とかも残っているというふうに考えると、その銀河だったり銀河団には膨大な重力のエネルギーを抱えた状態っていうことが考えられますよね。
で、これ面白いのが、銀河団っていうのは銀河団に引き寄せられるというところでどんどん大きくなっていって、銀河団と銀河団同士は互いに衝突を繰り返しながら進化していくっていうふうに考えられてます。
で、その衝突で発生するんですよ。衝突バコーンってすると、めっちゃ重力を持ってる者同士だから、そこ同士がドカンと衝突すると、そこに衝撃波が生まれて、で、その衝撃波の影響で、そこにあった星の、例えば材料になるようなものだったりっていうような粒子っていうのが思いっきり加速されると。
で、これ衝突が続けば続くほど、どんどんどんどん持っていた重力のエネルギーが、その衝突によって運動のエネルギーに変えられるみたいな形で、そこにある粒子っていうのがどんどんどんどん加速されていくんですよ。
粒子が加速されていった先には一体どういう姿が待っているのかっていうところで言うと、これ本当に高速に近い状態で移動するような電子だったりとかっていう粒子が存在するような環境が出来上がってくるっていうのが考えられていたところなんですよね。
で、それ面白いのが、世の中っていうのは僕たちの目に見えている光以外にも光の種類っていうのはたくさんあって、今回で言うと電波天文学っていうところが比較的近い領域になるんですけど、その領域で見るときには高速に近い状態まで加速された電子っていうのが放出する光、電波っていうのが実際にあるので、
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電波望遠鏡って呼ばれるその電波を検出するための機械でこの銀河団を見てあげることで、その加速された電子、衝突によって衝撃波によって加速された電子たちの姿を捉えることができるというようなところが考えられている状態なんですね。
ただ、これ結構重要なポイントがいくつかあって、この電波っていうところが検出できるような天体、これが結構限られていたというか、情報が未だにまだ揃い切っていなかったっていう背景があるんですよ。
特に銀河団っていうのはものすごいスケールで物体同士が衝突するっていう形なので、見つけることがなかなか難しかったりするんですよね。
そんな中でこれまで検出されてきた電波って呼ばれる要素、銀河団が衝突して物が加速されて、それによって出てくる電波の放射っていうのはすごく成熟したものしか見つかっていなかったんですよ。
衝突してからもう本当に何億年何十億年というふうに経っているような銀河の姿ばっかりが見つかっていたと。
で、この時はもう衝突はずっとガーって起こり続けてるんだけど、その衝突は比較的時間が経った状態で衝突した後を見ているから、粒子とかも本当に加速されきったような状態っていうようなところで発見されていたものがほとんどだった。
なので最初に話したその銀河同士がとか銀河団同士が衝突して衝撃波が生まれて物を加速してっていうような初期のフェーズっていうのはなかなか研究が進んでいなかったっていう背景があるんですよ。
そんな中で今回はその初期の状態を発見することに成功したっていうようなそういう研究結果が報告されている、そういうところですね。
で今回はこの新しい現象を見つける時っていうのはいくつか方法があって、なんか例えば同じ機械を使っていたら基本的には限界の性能って一緒のはずなんですよ。
例えば今回で言うと電波を見つけるための検出の能力だったりとか、その望遠鏡を使った時に見える空間をどれぐらい分解できるかみたいな能力だったりとか、
そういったところって同じ機械を使ってたら基本的には限界値は一緒だったりするんですよね。
ただこれ解析の方法とかをうまく利用してたくさんあるデータをこういうふうに処理したらこういう目線まで見えるんじゃないかっていうような新たな手法っていうところが開発されて、
12:08
で今回はこれまでの研究よりも10倍高い感度っていうところを成功させた。
これによって例えば今まで見えなかったような細かいスケールでの話が見えたりだとか、あとはより遠くを見るようなことができるようになったりとか、
あとはたくさんの光の種類を取ることができるようになるとか、そういったところが今回の特徴として挙げられているというところですね。
で今回そういう解析方法がアップデートされた状態で新しい研究っていうのが実施されたっていうところから、
10億光年先にある銀河っていうのの衝突現場、まさに最近衝突したっていうような現場が捉えられたというようなところが今回、
観測的にこれが見えたよっていうのが明らかになった、そういう研究が報告されていた感じですね。
でこれ、他の研究も実は一緒のタイミングでプレスリリースが出ていて、
これ面白いのが光の種類ってさっきたくさんあるって話したじゃないですか。
でその中で衝突した銀河同士が加速した粒子を見るっていうのがこの電波天文学っていうのに対して、
この衝突した時に発生する衝撃波っていうのを見るためには、僕が専門でやっていたX線天文学っていうところを深めていくっていうところの方法があって、
同じ日、同じタイミングでこの電波のプレスリリースとX線天文のプレスリリース、両方出てきてたんですよね。
でそのX線天文学の方っていうので色々調査も進んで、電波望遠鏡の方の話も進んでっていうところになってきた時に、
X線の方ではどれぐらいの衝突のエネルギー、衝撃波が発生しているのかみたいなところまでが結構言及されていて、
そうすると、これ面白いのが、銀河談同士が衝突した時には300万光年の広さで衝撃波が発生していたと。
なんかもうすごくないですか。
ドカーンってぶつかった衝撃波ができた面の大きさが300万光年×300万光年ですよ。
意味がわかんないと。
そのぐらい大規模な衝突が起きていたっていうところが明らかになって、この衝撃波が発生していたからこそ、
周りにさっき話したような電波の放射が出ていたっていうところまでが一貫してわかったと。
で今回の研究でこれ重要なのって、光の種類別々のものを使うことによって見えてくる描像が全然変わってくる。
X線を使ったことによって、衝撃波っていうような重力が運動のエネルギーに変わっていく現場をバチンと捉えることができるような、
15:07
ものすごくなんていうんでしょう、エキサイティングな、そしてなんか熱くて激しい宇宙の部分がX線に見えたりとか、
あとはそこから派生して出てきたような光っていうのを電波で捉えることができることによって、
衝撃波の影響で他にどういう変化をもたらしたのかっていうのが電波でわかるというようなところで、
光の種類がたくさんある上で、いろんな光の天文学が発展していかなきゃいけない理由の一つってこういうところにあるんですよね。
X線でしか見えない世界があって、僕たちの目でしか見えない世界があって、電波望遠鏡でしか見えない世界があって、
っていうところで、いろんなそこでしか見えない世界っていうのを解き明かしていくことで、
宇宙の真理というか自然の真理みたいなところにつながっていくっていうところで、
宇宙の研究っていうのが最終的にはすごいアバウトに、私たちはどこから来てどこへ向かっているのか、
みたいなところを解き明かす鍵になっている、そして重要な研究分野であるっていうような言い方がされる、
っていうところですね。やっぱりこの光の種類っていうところが違うことによってこんなことができるっていうのが、
一般的に浸透していくこと自体が実はものすごく重要なんじゃないかなと個人的には思っていて、
そうじゃないと、やっぱり天文学にこっちにもお金使う、こっちにもお金使うっていう風になった時に、
いや、この間もやってたじゃん、天文みたいな。になるんですけど、
ちょっと中を切り分けてみると全然違うみたいな。
なんか病院とかで内科とか下科とかジビ科とか行くけど、あんな感じですよね。
体のここを見たいからここに行くみたいなっていうような感じなので、
ちょっとそういったイメージで捉えてくれたら嬉しいなと個人的には思っていたりします。
はい、そんな感じで今回は大体10億光年ぐらい先にあるところで衝突している銀河同士の現場、
そのレポートが上がってきたのでこちら報告させていただきました。ありがとうございます。
ということでですね、リスナーさんからのコメントを紹介させていただきたいなと思います。
と、ここでなんですが、以前紹介したコメントについてのお話ししていこうかなというふうに思っております。
2回前ぐらい、そして3回前からのこういうコメントの紹介の中で、
宇宙の次元の話だったりとかしたじゃないですか。
宇宙は実は11次元で話されるとか、ひも理論みたいな話とかがあるっていう話をして、
なんかこうリクエストいただいてたんですけど、僕はギブアップしたんですよね。
18:04
無理だなみたいな。僕はずっと天文の観測をやっていて、それに対して、
その超ひも理論とか超原理論と言われるようなところだったり、
11次元で宇宙が記述できるみたいな話とかって、ものすごく理論寄りの話なんですよね。
ここ、理論の中でもすごい複雑というか、宇宙全体をこうやって描画できるみたいな世界観がすごくて、
ポッドキャストの何の情報量もない声だけの説明で、面白く話せる気がしなくてギブアップしたんですよ。
で、うわー悔しいなーと思ってて、いつか紹介できたらなーと思ってたんですが、朗報です。
サイエントークっていう科学系のポッドキャストありますね。皆さんご存知でしょうか。
サイエントークでなんとこの辺りがっつりやってました。
ありがとう。なのでみんなもうそっち聞いてください。
どういうエピソードだったかっていうと、そういった11次元で記述できるとかっていうような話の根底にあるような素粒子とかっていう話があるんですよ。
そういったところを専門に研究している研究機関。KEK、高エネルギー加速器研究機構。
どれかしらのワードで理系のそういうのが好きな人はもしかしたら知ってるかもなーっていうところですね。
スクーバにあるのかな。あっちの方にありますね。
そことのコラボエピソードがなんと紹介されていたと。このタイミングでね。
すごいっていうところで、もしこのポッドキャスト聞いていて、11次元なんやねんとか、そもそもそこに至るまでのちっちゃい粒子の話がものすごくたくさん出てくるんですよ。
そこの説明をしっかりできる自信がなくて諦めたっていうところは結構強かったんですけど、その話もなんとKEKの専門の先生が来ていろいろ話してる。
しかもレンさんがわかりやすく噛み砕いてくれるというような最高の番組エピソードを紹介されてましたので、
もうなんか僕やんなくてもいいかなと思ったので、ぜひ皆さんそちら聞いてみてください。
こうやってね、別に僕が答える必要もないっていうパターンも全然あるので、
リスナーの人からしたらお前が話せよみたいなことにはなるかもしれないんですけど、
僕的には楽しんでくれるのが一番いいかなっていう、科学楽しんでくれたらいいかなっていうふうに思ってたりもするので、
そっち聞いてもしわかんないのあったらレンさんの方に質問するか、僕の方に質問してくれても頑張って答えますというような感じですね。
よろしくお願いいたします。
はい、ということで科学系ポッドキャストの、しかもね、イベント一緒に登壇したレンさんが、
21:00
もうなんかこの質問読んでたかのように最高のエピソード紹介してくれてたので、
本当お友達に助けられたなと勝手に思っております。
はい、ということで今回はそんな感じにしていきたいと思います。
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それではまた明日お会いしましょう。さよなら。
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