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2023-05-07 22:59

939. はやぶさ2が明らかにする穏やかな宇宙環境【隕石】【リュウグウ】【JAXA】

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1日10分、宇宙時間をテーマに毎日お届けしております宇宙話。今回は、 はやぶさ2が言ったリュウグウという天体が隕石だったり、周りの天体からの衝突に激しく晒されていたのか、それとも比較的穏やかな環境だったのか、こちらについて言及した研究を紹介させていただきます。
リュウグウは、太陽系の歴史、そして私たち生命の歴史というのを、その鍵を握っている重要な天体だと言われています。
その天体が宇宙空間をさまよう間、どういう環境に晒されていたのか、それによって今後の研究の未来というのがどう変わってくるのか、そのあたりについて紹介していこうと思っておりますので、ぜひ最後までお付き合いください。
2023年5月7日始まりました、佐々木亮の宇宙話。このチャンネルでは、1日10分宇宙時間をテーマに、天文学で博士号を取得した専門家の梁が、毎日最新の宇宙トピックをお届けしております。
本日でエピソードが939話目を迎えるというところになっておりますが、たくさんエピソードある中でこちら見つけていただいてありがとうございます。
基本的には1話完結でお話ししておりますので、気になるエピソードとか気になる宇宙の単語とか含まれているタイトルから聞いていただけると、より楽しめるんじゃないかなと思っております。
ですのでね、そちらから聞いていただいて面白いなと思ったら、ぜひフォローとかしていただけたら嬉しいです。
ということで、前回は宇宙飛行士の作業料が時給550万円という話をね、させていただいたんですけど、今回はちょっと天文寄りのお話です。
天文寄りと言ってもタイトルにある通り、みんな大好き、ハヤブサ2のお話になります。
もうこれ何個目なんだろう、ハヤブサ2の研究結果出てくるの。もうなんかすごい量出てくるなぁと思って結構感動してるんですよね。
しかも今回の研究も、ネイチャーアストロノミーっていう雑誌に掲載された論文なんですよ。
もうなんか最近、散々この論文のインパクトというか種類というかの話してると思うんですけど、
ネイチャー系の雑誌に載るっていうのは、天文業界だけではなく、もっと幅広い領域、もう科学とかそういったところの領域にインパクトを残し得る研究だっていうふうに認められた、
そういうイメージなので、こういうのだけでもちょっと聞いていただけるだけで、科学に精通した人間になれるという、もうね、科学系ポッドキャストのど真ん中を行く、そんなお話になっております。
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ということで、今回はハヤブサ2のお話なんですけど、その中でも正直ちょっと地味な、小惑星リュウグウっていうところにハヤブサ2は行ったんですね。
で、そのリュウグウが宇宙空間ふわふわ浮いている間に、いろんな衝突物、地球でいうところの隕石とか、そういうのがどんな感じでぶつかってきたのかなっていう、歴史を探る研究になります。
ね、どうでしょう。地味じゃないですか。まあでもね、これまでいろんなハヤブサ2の研究紹介してきているので、そういったところと時系列にというか、
いろんな角度から見ていくと、やっぱリュウグウって面白いなって思えると思うので、ぜひですね、そちらも気になったら聞いてみてください。
ということで、今回研究対象になっている小惑星のリュウグウという天体、こちらは探査機のハヤブサ2っていうのが実際に行って、
2020年か、2020年の12月にハヤブサ2っていうのは、このリュウグウから物を持って帰ってきてっていうのに成功してるんですよ。
これだから結構、思い出としては新しい部分かなと思ってて、やっぱりアポロ計画とか、なんかもっと昔のスペースシャトルの話とかが、
ほら、宇宙の代表の例としては出てくるかなと思うんですけど、それに比べると結構新しい思い出だし、
2020年の12月ってなると普通にポッドキャストもスタートしてるんですよね、宇宙話も。
なので、確かこの頃、わー帰ってきたね、すごいね、これからどうなるんだろうみたいな話を散々した気がします。
なので、ぜひ当時の面白そうなエピソードがあったらピックアップしてみてください。
そんな感じで、2020年に実際に持ち帰ることに成功したと。
じゃあ、なんでハヤブサ2はリュウグウに向かったのかっていうところをサクッとお話ししておくと、
これ、太陽系の歴史だったりとか、地球の生命の歴史っていうのを探るためっていうのが大きい目標としてあります。
実は、今散々宇宙の研究進んで、天文の研究進んでってなっても、
太陽系ができた40億年前、50億年前っていうような状況を、まだ正確に把握しきれていないんですよ。
ましてや、宇宙空間に地球以外に生命体がいるか、みたいな段階に来ている状態の中で、
そもそも、地球にどうやって生命体がもたらされたのかっていうところも把握できていないっていう状況があります。
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科学研究とか、こういう国家プロジェクト的なものになると、そういう大きな課題に対して、こうアプローチしていきますっていう課題設定が行われて、
それに対してミッションが設計されるっていうことが多くて、ハヤブサ2はそこに対してアプローチするっていう側面を守っている。
そんなミッションになるんですね。なので、これまでハヤブサ2の研究結果として、ビタミンが見つかったって話だったりとか、
あとは一番やっぱ衝撃として強かったのは、タンパク質、アミノ酸が見つかったっていうところですよね。
あそこが結構衝撃としては強くて、いろんな科学系のポッドキャストだったりとか、そもそも科学系のメディアだったりとかでこぞって取り上げられてたと思うんですよ。
なので、見かけた方もいるんじゃないかな。右手型、左手型みたいな話ですね。僕も全然専門分野とちょっと離れていたので、
サイエントークのレンさんを呼んで、ちょっと説明してって言って説明してもらった甲斐があるんで、ぜひそちらも聞いてくださいね。
で、そんな感じでハヤブサ2、いろんな研究結果をもたらしてくれてます。当時、この2020年に粒子を持ち帰ってきたのって、どのぐらいの量だったか、皆さんピンときますか?
これ、5.4グラム持ち帰ってきたんですよ。5.4グラム。多いと思います?少ないと思います?
めちゃめちゃ少ないですよ。めちゃめちゃ少ない。なんでかっていうところをやっていくと、まずこのリューグっていう天体の重さ。
リューグっていう天体の重さなんですけど、これ
10億、100億、1000億キログラム。正確には4.5、4500億キログラムの重さなんですよ。
そのうちの5グラムを引っ張ってきて、ハヤブサ2すごいぞってなってるのが現状。別にすごくないんだぞっていう話をしたいわけじゃなくて、そのぐらいちょっとだけっていう感じ。
人間の髪の毛、ピッて抜いてきたみたいな。そのぐらいの感じだと思ってくれればいいんじゃないかな。
で、これ小惑星って言われるぐらいだから、ちっちゃいんですよね。直径も1キロぐらいしかなくて、もうなんか10分ぐらい歩いたら一周できるみたいな、そういう大きさです。
じゃあ地球がどのぐらいなのかっていうと、地球の重さって、さっきのリューグって0が11個ついてるんですよ。0、11個ついてるから1000億で合ってると思うんですけど、地球の重さは0、24個ついてます。
はい、もういくつやねんって感じですね。そのぐらいの大きさなので、しかも歩いて10分で一周できるとか、そういう大きさじゃないじゃないですか。っていうところを考えて、まあまあ小惑星なんだなっていう感覚だけつかみ取っていただけたら嬉しいなというところを思っております。
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で、そんな感じで5グラムぐらい持って帰ってきた中で、いろんな研究が進められている。そんな中で今回は、この小惑星リューグっていうのが誕生してから、その天体に対して結構やっぱ衝突現象っていうのが起きるんですよ。
太陽系の中をふわふわ浮いている中で、そのリューグっていう小惑星が一体どういう歴史をたどって今を迎えているのかっていうところを研究していくっていう方針で進んでいきました。
で、なんでその歴史っていうのが重要なのかっていうところで言うと、地球上に水だったりとかっていうのをもたらした1個の要因としては、こういう小惑星だったりとか、特にリューグとかって水を多く含んでいる小惑星なんですよね。
で、そういう水とかの要素をたくさん持っているもの自体が、地球に対して何かきっかけをもたらしてくれたんじゃないかっていうような目線で語られていることが多くて、ただそれの、なんだろうな、小惑星から物を持って帰ってくるってまだ新しいミッションだから、結構どういうことなんだろうっていう理解が途中なんですよね。
そんな中で、じゃあ、水をたくさん持っている小惑星ってめちゃめちゃ強い圧力の衝撃が加わる。例えば、1キロのに対してめちゃめちゃ速度同じぐらいの大きさのものがドカーンとぶつかってきたら、単純なぶつかってくる勢いだけじゃなくて、そのぶつかった勢いに対して圧力も小惑星の中にギューってかかるじゃないですか。
外から圧迫されると。で、うわーってなると、その圧力がものすごく高くなると、中の水蒸気とかが爆発するような現象が発生して、その爆発によって粉砕される、粉々になっていくっていうような形で、じゃあその粉々になった状態から宇宙空間にまた水の要素っていうのをまき散らしていくんじゃないかとか、そういったところが考えられていると。
で、実際に地球上で回収されている隕石だったりとか、チリだったりとかっていうのも、こういう強い衝撃を受けてチリジリになったものが地球に到達したんじゃないかっていうふうに、そういう可能性も考えられてるんですよ。
そういったところで、小惑星の衝突の歴史っていうのを探るのは非常に重要であるっていう、そういうモチベーションの下を研究が進んでいるという感じですね。
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で、実際に研究結果まで行くんですけど、これは先に研究結果お話ししておくと、そこまで強い衝撃で物が衝突してきた形跡っていうのはなさそうっていう、そういう研究結果ですね。
それに対しては、大きく2つの結果が得られていて、1つは、この持ち帰ってきた粒子を調べてあげることによって、どういう石で構成されているのか、リュウグウ自体がっていうのを明らかにすることができるじゃないですか。
で、これって、地層みたいなもので、当時どういうものがあったのかっていう情報もそうだし、あとは、その当時、例えば、その土をめちゃめちゃ燃やしてたとかってなると、燃やしてなかった土とは比べると、その土の様子っていうのが変わってくるんですよね。
つまり、リュウグウから持ち帰ってきたものをちゃんと調べてあげることによって、分かることは、どれだけ熱が加えられた天体なのかっていうのが明らかにできると。
で、これから熱を加えるっていうのって、要素がいくつかあって、例えば、普通に天体の中に熱源がある可能性もあるじゃないですか。地球とかもそうですよね。
まさに地球っていうのは、その熱源のせいで情報がドロドロに溶けてっていう状況になってるんですけど、この小惑星に対しては、そもそも直径1キロぐらいしかないし、そんなに重くもないので、その熱源を保持しとくようなパワーっていうのがないだろうって言われてます。
なので、そうなると、その説は消えて、もう一つの説。これが外部からの刺激、外部からの力によって熱を持ったんじゃないか。
つまり、これが他の天体からリュウグウに対しての衝突っていう意味合いですね。
で、この衝突が起きることによって加熱する。この加熱の度合いがどれぐらいなのかっていうのを、石の様子を見ながら研究してあげた。
で、その結果、これらの粒子の中には、リュウグウが形成された後に1回も500度を超えるような加熱はされていないっていう研究結果が明らかになったと。
じゃあ、これ熱あんま加わってないんじゃないの?みたいな。そういうところが1側面から見えるわけですね。
続いて、外からどれだけの圧力の力が与えられたのか。 これも土の様子を見てあげることで、形がやっぱり変わるんですよね。
石って小さい粒だから、それらが潰れるような形になったり、引き伸ばされるような形になったり、外から強い圧力がかかると、
まっすぐ10個並んでたものが、圧力によってグニャっとずれてしまったりとか、っていうことが考えられるっていうところがあるので、
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その石の粒子の組み合わせの様子?の断層の様子っていうのを、これ見てあげた。
ってあげた研究結果が出ていて、この研究結果から見ると、外から加わるこの衝撃波に対する圧力っていうのは、約2万気圧であることが分かったと。
2万気圧。 僕たち1気圧で生きてますから、2万気圧ってやばいですよね。
今の、そもそも1だからあんまピンとこないんだけど、気圧がどんどん上がっていく。圧力グーッてなると、もう身動き取れない感じになるのはなんとなく想像つくじゃないですか。
水の中だと圧力増えるみたいな、そんな感じですよね。
あってるよな、あってるあってる。上にある空気が増えるから圧力増えるということになるので、そうなると、どんどんどんどん圧縮されるような力が加わってたけど、これ2万気圧かかってた。
あとは、これ2万気圧がでかいのか小さいのかっていう話じゃないですか。
で、これ、このいろんな研究見ている感じだと、過去の研究含め、そして最初に課題として話した、小惑星自体が強い圧力が加わると水蒸気が爆発して粉々になるって話したじゃないですか。
その粉々になる圧力の度合いっていうのは、30万気圧なんですよ。
一方で、30万気圧で水蒸気爆発みたいな感じで粉々になってしまうっていうところに対して、今回はリューグに対してこれまでかかった圧力っていうのは2万気圧ぐらい。
ってことは、ここに対して10分の1ぐらいの圧力しかかかっていないと。
つまり、この30万気圧の時に発生するような水蒸気がブワーってなるような現象っていうのは基本的には起こっていなかったっていうふうに考えられるので、
今回リューグから見えた研究結果でいくと、そういった外からの強い圧力とか衝突っていうのはあまりなくて、
結構穏やかにぶつかっているのはぶつかっているんだけど、穏やかな衝突しか起こっていないっていうようなそういう研究結果が見られた。
っていうのが今回のハヤブサ2、リューグから見られた研究結果ですね。
まあこれだけでも、やっぱりこのハヤブサ2がリューグに行って、小惑星ではこういう衝突の状態が起こってたっぽいぞっていうのを
示せただけでもだいぶすごいことだからこそ、ネイチャーアストロノミーという雑誌に載っているというのが、今回の研究結果の総括っていう感じですかね。
ただこれって、その序盤に話したみたいに、人の体から髪の毛1本ピチッと取ってとか、皮膚ちょっとピチッと取って、
皮膚取るってグロテスクですね。とにかく体の情報をちょっと取るだけと。
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だから全体の重さが1000億キロに対して5グラムだから、人間の体でいうともう本当に
毛先の枝毛の先ちょっと切ったみたいな、そのぐらいの量から今、リューグっていうのはこうであるっていう話し方をしちゃってるんですよね。
なので、今見られている様子っていうのが、そもそもリューグ全体を示しているものなのかっていう話もありますし、
あとはリューグをしっかりと示せてると言えたとしても、他の小惑星どうなんだろうみたいな、そういう話にもなってくるんですよね、こっから。
イメージ的にはその髪の毛の毛先1本だけで、人間とはこうであるとは言えないじゃないですか。
あくまでその人の性質はこんな感じっぽいけど、同じ日本人だとしても全然多種多様な人たちがいるし、なんならこれ、外国行ったらもっと違う人たちがいるしっていうところで、
小学生にも人種とまではいかないけど種類があるはずで、それらを本当に共通の性質なのか否かっていうのはこれからどんどん明らかになってくる部分なんですよね。
なので、そういった見方をしていくといいんじゃないかなっていうところと、今2023年じゃないですか。
もしかしたら1年後に聞いてくれてる人もいるかもしれません。そんな中で、2023年の秋には、これNASAが、いつだっけな、それこそポッドキャスト始めてすぐぐらいの頃だ。
僕がYouTubeちゃんと更新してたぐらいの時に、オシリスレックスの話をしたんですよ。 そのオシリスレックスっていうのが、リュウグウと同様に水を多く含むと考えられている小学生、
ベンヌっていうところに行ってるんですよね。ベンヌっていう小学生に対して、今アプローチをかけていて、2023年の秋にはそれを持って帰ってきてくれる予定なんですよ。
そうすると、ハヤブサ、ハヤブサ2、そしてオシリスレックスの研究結果が揃うことによって、またどんどん比較の幅っていうのが広がっていく。
そして、地球に水をもたらしたんじゃないかっていうようなところに対して、よりアプローチがしやすくなるようなベンヌの情報が加わることによって、
研究は発展していくんじゃないかなというふうに思ってるっていう、そういう将来の展望もあるので、結構面白い状態ですね。
なので、ぜひこちらですね、ちょっと楽しみにしておいていただけたら嬉しいなと思っております。 そんな感じで、今回はハヤブサ2が向かったリュウグウ、
そしてそのリュウグウの星の表面で起きた衝突現象は一体どんなものだったのか。
結論、そんなに激しい衝突は起きてなくて、割と穏やかな表面の生活が送れていたんじゃないかなという、そういう研究結果ですね。
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紹介させていただきました。 今回の話も面白いなぁと思ったりしたらですね、
ツイッターのハッシュタグ宇宙話、宇宙が漢字で話がひらがなになってますので、 じゃんじゃんお寄せいただけたら嬉しいです。
次回はですね、これ、スペースX、皆さん大好きなスペースXの話をしていきます。
実際はスペースXに限らず、ロケット、最近のトレンド、何ですか? 再利用ですよね、再利用。
この再利用っていうところが、実はそんなに経済的じゃない。 ただこれ経済的じゃないもののある理由があるからこそ、
ずっと再利用が押し進められているっていうところを、 これ、今まで僕が調べてた内容にプラスして、実はこの収録の前日に、
宇宙系のユーチューバーのうすいクリアさんっていうVTuberがいるんですけど、うすいクリアさんがホリエモンチャンネル、
ホリエタカフニさんのチャンネル出てて、ホリエさんってインターステラーテクノロジスっていう会社やられてるんですよね、ロケットの。
で、そのホリエモンさんと2人で喋って、いろいろロケットについて話している中で、
その再利用ロケットの大きなメリットはこっちなんだよ、本当はっていう話をしてて、それがめっちゃ面白かったので、
今回、明日は、次回ですね、次回はこちらを紹介していこうと思っておりますので、ぜひ楽しみにしておいてください。
みんな大好きなSpaceXのロケット、そして再利用ロケットに関するお話です。
今回の話も面白いなと思ったら、お手元のSpotifyアプリでフォロー、フォローボタンの下にある星マーク、
こちらからレビューいただけたら嬉しいです。それではまた明日お会いしましょう。さようなら。
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