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2023-09-06 18:36

1063. 世界をひっくり返すXRISM搭載の検出器を徹底解説【Resolve】【マイクロカロリメーター】

衛星の寿命ってそこで決まるんだ。世界一になるXRISMの最も特徴的な部分は「検出器」です。Resolveというマイクロカロリメーターとは?


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ソース

https://www.asj.or.jp/geppou/archive_open/2019_112_10/112-10_712.pdf

Credit :JAXA


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1日10分、宇宙時間をテーマに毎日お届けしております、宇宙話。 今回は、明日打ち上げを控えるX線天文衛星、XRISM。
このXRISMの最も特色となっている部分。 ここに注目されているから、世界からも一目置かれている。
そんな部分の紹介をしていきます。 その部分は、X線天文衛星の中でも心臓部分となり得る
検出器の部分です。 一体どんな検出器が乗って、どんな検出器が乗っているから、世界一になれるのか。
そんなところ、がっつりお話ししておりますので、ぜひ最後までお付き合いください。
2023年9月6日始まりました。 ササキ寮の宇宙話。このチャンネルでは、1日10分、宇宙時間をテーマに天文学で白紙号を取得した専門家の寮が、
毎日最新の宇宙トピックをお届けしております。 本日でエピソードが1063話目を迎えるというところになっております。
基本的には1話完結でお話ししておりますので、気になるトピック、気になるタイトルからぜひ聞いていただけたら嬉しいです。
ということで、最近は打ち上げを目前に控えているX線天文衛星クリズムに関するお話をお届けしております。
前回はX線天文衛星クリズムが持っている望遠鏡に関するお話しさせていただきました。
ちょっとね、直感的にわかりやすいようでわかりにくい望遠鏡なのかなと思っているので、ぜひね、わかんないところは繰り返し聞いていただいたりとか、
あとは質問とかぜひ投げてくれたら嬉しいなと思っています。 で、このクリズム打ち上がるのが一応予定では明日、
2023年9月7日っていうところになっています。 まあここで打ち上がってくれれば嬉しいけどっていうところなんですけど、
まあ失敗しないことが第一なので、 ゆっくり環境が整うことを待っていくっていうのが
まあ重要なんじゃないかなと個人的には思っていたりしますね。 で、それと一緒にクリズムと一緒に打ち上がるのが月面着陸船スリムっていうところになっていて、
まあこのスリム、もし着陸成功すれば世界5番目の着陸、 そして他の国がチャレンジできていない、どの場所にも着陸できる技術っていうところの実証ができるんですね、スリムっていうのは。
なのでまあそこも注目の一つになっています。 ついでみたいな話しましたけど、結局世の中は今のところ月面着陸の方が注目度は高いので、
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このポッドキャストではクリズムの方をガンガンガンガン押していく。 なぜなら僕がずっとその分野で研究してたからっていうところですね。
そんな感じで、じゃあクリズムのちょっと今回は特徴になり得る部分っていうところを お話ししていきたいと思います。
特に今回お話ししていこうと思っているのは、 クリズムの中でも検出器と呼ばれる部分ですね。
検出器。 簡単に言うと、昨日のエピソードの続きにもなるんですけど、望遠鏡っていうのは光を集める鏡の部分。
そして例えば僕らが目でこうやって覗いて、 土星の輪っかを見たりとか、木星の模様を見たりとか、そういったことをするのに必要な目の部分。
この目の部分に天文学の研究の時っていうのは、カメラだったりとか精密機器をくっつけて、 より詳細なデータを取っていくっていうところに力を注いでいるわけですね。
で、漏れなく X1000天文衛星クリズムもそこに検出器っていうのが搭載されるんですが、
この搭載される検出器が、世界に対して日本が技術力でリードしていく っていうところをしっかりと見せつける、そんな
能力を持った検出器になるんですね。 で、2つ搭載されるんですけど、一つが最も重要なもの。これがリゾルブと呼ばれるものです。
リゾルブ。 またの名を一般的な名称で言うとマイクロカロリーメーターと呼ばれるものです。
マイクロカロリーメーター、聞き馴染み、全くないと思います。 正直僕もX1000天文学の研究をしていて、その分野の中でしか聞いたことないような
そんなものでしたね。もしかしたら他の分野でも使っているのかもしれないけど、 僕ぐらいの学の人間であれば全然知らないというようなぐらいの感じでした。
でですね、このマイクロカロリーメーターっていうのが、なんでそんなに重要視されるのか? っていうところで言うと、
このポッドキャストでは今、クリズムの特集っていうのをずっとやっている中で何度かお話ししている、 クリズムは他のX1000観測器よりも10倍精度がいいっていう話をしましたね。
その10倍精度がいいっていうところの肝になっているのがこのリゾルブと呼ばれるマシンなんですよ。
マイクロカロリーメーターっていうこの装置で観測することによって X1000の光をきれいに分けれる。
僕たちが目に見える光っていうのが赤から紫までの7色だとしたら、 このリゾルブっていうのを通すことによって光を70色にまで分けれるっていうような
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そんな能力ですね。 他の観測器でも目で見るより10倍いいとかっていうのはできるんですけど、
過去の観測装置に比べて10倍いいっていうことなので、 例えば人間の目よりも10倍いい観測装置が今まで使われていて、
70色見えていた虹がマイクロカロリーメーターを使うことによって700色に見える。 0が1個増えるみたいなね。
そのぐらいの精度を持っている。 で、この精度まで磨き込んだものっていうのが今までなかったからこそ、
今回クリズムっていうのはチャレンジングな研究が行えるっていうところなんですよ。 加えてこのリゾルブっていうのを乗せるためにクリズムっていうのは
2016年に失敗したヒトミ、アストロエイチっていうところの後継機として打ち上がることが決まったんですね。
エピソードで言うと、これ1058話。 1058話でクリズムにつながった重要な科学成果はっていう話をしたんですけど、
まさにそこで話されていた研究っていうのがマイクロカロリーメーターと呼ばれるものを使って観測した銀河団と呼ばれる銀河が数百個とか組み合わさってできているような天体っていうところですね。
そんなマイクロカロリーメーターなんですけど、実は原理ってめちゃめちゃシンプルで、
物質がこうね、X線、マイクロカロリーメーターの検出器があって、X線が入ってくると、そのX線って光だからエネルギーを一定持ってるわけですね。
そのエネルギーを受け取って、受け取ったら熱に切り替わると。 熱に切り替わると、その変わった熱量によってどういうエネルギーのX線がどれぐらい入ってきたかっていうのを明らかにすることができる。
そういう仕組みになっています。 今の話だけだとわかりづらいかもしれないですけど、例えば強い光をずっと当てると物が暖かくなるっていう現象ありますよね。
強いライトやってると焦げるみたいなのもあるし、 あとは太陽の光とかもそうですね。
太陽の光というのが飛んできて、それを例えば食らってるだけでも結構熱いな、ジリジリするなっていう夏の感覚もあるだろうし、
あとは虫眼鏡とか使って一箇所に集中させると、そのエネルギーがより強まって、温度が高くなるなものを燃やせるっていうところの性質もあるじゃないですか。
それぐらいこのあんまり実感もしないかもしれないけど、光って呼ばれるものはエネルギーを持っていて、当て続けると温度が高くなるっていうそういう現象があります。
結局これはエネルギーを受け渡しているだけっていうところなんですけど、 このマイクロカロリーメーターと呼ばれるものはそこの温度の受け渡し、
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エネルギーの受け渡しっていうところに注目して温度変化を精密に測ることができるような観測装置になっています。
このX線を温度に切り替えるっていうところの機能をしっかりと磨き込んだのがマイクロカロリーメーターで、これによって過去に観測されたものとは例を見ないぐらいの
極端にエネルギーの感度の高い現実機が出来上がるっていうところでかなり注目されてるんですね。
でこれ本当に温度を、例えば1度の変化とかを見るんだったらいいんですけど、0.1度とか0.01度、0.001度とかっていうのを
例えば見たいとするじゃないですか。そうすると何が邪魔になってくるかっていうと、その観測機自体が持っている温度っていうのが邪魔になってくるんですよ。
例えばその検出機が20度ぐらいに保たれていた場合ですね。そうするとなんか20度から21度とかに変わっていくような
変化っていうのを見ようとしても、20度からそもそもすごくブレて、たまには21度にもなるし、22度にもなるしってなると、
1度の変化っていうのは全然見えなそうですよね。1度の変化も見えないものっていうのは、0.1度、0.01度の変化っていうのも見えないような天体、
見えないような検出機になっちゃうと思います。 そこでみんながどうやってやろうとしているかっていうと、もうキンキンに冷やす。
キンキンに冷やすことで、温度の雑音というのをほぼゼロにして、そのゼロにした状態でX線の影響のみで
温度が変わった部分だけを検出しようとしているっていうのがこのマイクロカロリーメーターの特徴ですね。
このマイクロカロリーメーターをキンキンに冷やすっていうところが実は超重要で、そのキンキンに冷やすために必要なのが液体ヘリウムと呼ばれるものです。
簡単に言うと液体窒素とかああいうのに近いもので、液体窒素みたいにものすごく冷えて、
普段は液体に見えないのに冷やすことによって液体になっているようなものっていうところを持っていって、この液体ヘリウムっていうので観測装置を冷やし続けるっていう、
そういうところをするんですよ。リゾルブっていうのは、これまでの10倍以上の性能っていうのを出してくれることが期待されているものの、
冷却にものすごくコストがかかってくるっていうところなんですよね。 で、この液体ヘリウムっていうのがなるべく蒸発しないように、
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液体窒素とか見たことある人いると思うんですけど、煙もくもくで例えばバラとか入れたらバラパリパリパリって潰せたり、ボール入れたらクシャって潰せたりみたいな、あるじゃないですか。
あれのヘリウム版で、あれってもくもくもくもく、気体が出てますよね。 あれって結局蒸発しちゃってるっていうのと一緒で、
液体ヘリウムも常温に置いてたりすると、どんどん蒸発していってしまったりするんですよ。 で、これは循環させて使うことによってなるべく長く観測器を冷やすことに重きを置いているわけなんですけど、
やっぱどうしても観測装置自体も温まってくるし、人工衛星も太陽の光受けて発電とかしなきゃいけないから、
なんとなく温度も上がってくるっていうところがあって、 隙間とかだったりからちょっとずつやっぱ蒸発していってしまうんですよね。
で、それがだいたい今回積載されている液体ヘリウムの量は3年で蒸発してしまうというふうに計算されています。
だいたい3年ですね。なので、ここからX線天文衛星、クリズムの設計寿命っていうのも
だいたい3年ぐらいであろうというふうに言われています。 こういった実は検出器側の問題とか抱えている
そのスペックの問題で実はX線天文衛星とか他の衛星とかの寿命っていうのが決まってきたりするんですよね。
他の人工衛星だと例えば、その人工衛星の姿勢を制御するために必要なスラスター
プシュプシュって言って飛ばして、なんかの空気出したらちょっと宇宙空間、無重力の中で向き変えれるみたいなのあるじゃないですか。
ああいうので姿勢を変える、あのスラスターの燃料がなくなっちゃったら人工衛星の寿命だっていうふうに言われていたりする
ところもあったりして、何かしらの機能の限界を迎えるところっていうのが人工衛星の寿命なんですね。
設計寿命。で、その中でX線天文衛星、クリズムっていうのはこの10倍の感度を誇る超高性能検出器
マイクロカロリーメーター、リゾルブっていうのを冷やすために使う液体ヘリウム、これが蒸発するまでの3年間が
寿命になってくるっていうような、そういうイメージになってます。 これでちょっと、そこ一番シンプルですよね。
メインの検出器を冷やすために液体ヘリウム使ってて、それの寿命が3年なんだってみたいな、これだけでちょっと宇宙
めちゃめちゃ知ってる人っぽくなるじゃないですか。ちょっとね、そのあたりをしっかりと覚えておいていただけたら面白いんじゃないかなと思いますね。
とにかく3年の中で最大級の成果っていうのを残してくれることを信じてですね、 打ち上げもうまくいってくれたら嬉しいなというようなところです。
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で、あともう一つは、エクステンドって呼ばれるような、エッっていう名前がついている X線CCDカメラっていうのも搭載されます。
これは今までX線天文学で使われてきた 一般的な装置の一つになっているので、このCCDカメラっていうところを使ってこれまで同様の成果、
これよりもさらに感度が上がる工夫がされているので、そこからまたさらに良い成果っていうのを出してくれるんじゃないかっていうところを期待してます。
このCCDカメラっていうのは、 X線に対応しているものの、みんなのスマホについているカメラもこれ実はCCDカメラって呼ばれるものだったりするんですよ。
というところで、結構身近なもののX線バージョンとかっていうのも宇宙に飛んで行ったりしてるっていうところだけ、
ちょっと頭の中に入れておいていただいてですね、これからのクリズムの活躍、どんどん期待していければというふうに思っております。
ということでですね、今回はクリズムの最も特徴的な部分である検出器の部分のお話しさせていただきました。
昨日はその検出器に光を集めるための望遠鏡の話しましたし、その前とかだと、どうやって今のX線天文学の発展につながったのかっていうような50年間の研究成果だったりとか、
あとはそのクリズムにつながるような研究成果を残した、アストロエッジの研究とかの話もどんどんしていってます。
で、スポティファイの方でプレイリストを作ってみたりだとか、いろいろやってますので、ぜひクリズム関連のエピソードたすかんたくさん聞いていただけたら嬉しいなと思っております。
そんな感じで今回は以上にしていきたいと思います。次回ですね、明日はクリズム打ち上がってるかもしれないですね。
打ち上がってたら、これまで話してきた内容とかっていうのをまとめてみたりだとか、
まあ、もし延長とかになっちゃったら、またクリズム関連の話でもしていこうかなと。
もうとにかくね、絶対にこれ自信持って言えるんですけど、いろんなメディアの中でX線天文衛星について、これだけの割合でお話をしていけるっていうところはないというふうに自負しているので、
今回の打ち上がるH2Aロケットのミッションですね。スリムではなくてクリズムの方に注目してくれる人が一人でも増えたら嬉しいなと思っております。
ぜひですね、これからも応援よろしくお願いいたします。ということで今回の放送は以上にしていきます。
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番組の感想や宇宙に関する質問については、ツイッターのハッシュタグ、宇宙話またはスポティファイのQ&Aコーナーからジャンジャンお寄せください。
18:03
本日水曜日になっておりますので、僕がもう一つやっているポッドキャストチャンネル、隣のデータ分析屋さん、新エピソード公開となっております。
サウナ好きの人必見という感じですね。サウナが流行っているのかどうか、そんなデータに関するお話ししていこうと思っております。
整うってなんやねんって思っている人必見ですね。それではまた明日お会いしましょう。さよなら。
18:36

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