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2023-08-31 19:56

1057. 【後編】どう世界一になったのか?X線天文学50年の歴史【XRISM】【H2Aロケット】

僕がNASAで研究させてもらったり、博士号を取得させてもらったX線天文学の歴史を紐解いていきます。


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ソース

https://xrism.isas.jaxa.jp/

Credit :JAXA


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1日10分、宇宙時間をテーマに毎日お届けしております宇宙話。 今回は、日本が世界を牽引する天文学の分野の一つ
X線天文学が生まれてから50年、一体どんな歴史をたどってきたのか、後編になります。 前編は昨日のお話で、1979年から1987年までのお話。
そして今回は、1993年から今現在、2023年までの天文学の歴史、そしてどういう人が育ってきたのかっていう背景。
そのあたりは、もう中にいた僕でしか話せないと思うので、そういったところもお話ししながら、今打ち上げを控えているXRISMがどれだけ面白いものなのか、
そのあたりまでお話ししていきますので、ぜひ最後までお付き合いください。
2023年8月31日始まりました。 佐々木亮の宇宙話。
このチャンネルでは1日10分、宇宙時間をテーマに天文学で博士号を取得した専門家の亮が、毎日最新の宇宙トピックをお届けしております。
本日でエピソードが1057話目を迎えております。 基本的には1話完結でお話ししておりますが、最近はX1000天文衛星XRISM、これから世界を牽引していく、そしてこれから打ち上げを控えている
X1000天文衛星XRISMに関する特集をずっと行っております。 まあ一個一個で聞いていただいても大丈夫なようにはちょっとずつ調整はしているんですけど、
ぜひですね、全部いろいろ聞いていただけたら嬉しいなと思っております。 もう1052話からスタートしているので、1,2,3,4,5で今回が6本目というような形ですね。
一気に聞きたい人は、実はSpotifyのプレイリストとかも作ってるんで、ぜひそちらから聞いてみてください。 で、じゃあ今回どんなお話をしていくのかというとですね、
そのXRISMっていうのが、X1000天文学と呼ばれる天文学の分野をリードしている。 そしてその歴史は50年に及ぶというようなところをお話ししました。
そして前回からスタートしているのは、その50年の歴史っていうところを日本の人工衛星の軌跡を辿りながら
考えていく、そんなトピックでしたね。 で、なので今回はそれの続きお話ししていきたいと思います。
X1000天文学は、宇宙から飛んでくるX1000を見る分野になっていて、そのスタートは日本で言うと1979年。
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そこから約40年50年という歴史を経て、今、最新のX1000天文衛星が打ち上がろうとしているというような状況ですね。
日本は世界のX1000天文学をリードするようなポジションにずっといた。 ただここからはだんだんちょっと暗黒期、暗黒期まではいかないけど、
世界の勢いが強まっていった一方で、なかなかこううまくいかないことが多かったりする。 そんなところのもどかしさみたいなところもちょっとお話ししていければというふうに思っております。
で、前回は1979年の白鳥、1983年の天魔、1987年の銀河っていうところで、8年間でポンポンポンポンと衛星が打ち上がっていったところをお話ししました。
で、それの前に、クリズム、今回打ち上がるクリズムがどんな科学を目指しているのかっていうところで、
アスカと呼ばれる人工衛星の話もしましたね。 今回はちょっとそのあたりからしていこうと思っていて、
1979年からスタートした日本のX1000天文学の歴史。 そこからだいたいこう20年、違うな、14年とか経過してアスカと呼ばれる衛星が打ち上がります。
で、アスカっていうのは、もう日本がX1000天文で世界をリードし始めていて、結構成熟した頃に白鳥とかっていうところの、その初代の衛星たちを作った人たちの弟子ぐらいの世代が大活躍。
弟子ぐらいがリードトップのポジションみたいにいて、今まさに日本のX1000天文を支えているシニアの人たちっていうところが若手として入った時代でもあるんですね。
この時代に今のX1000天文の土台が築かれていると言っても過言ではないと。
で、このアスカっていうところの、この人工衛星が見つけた傾向としては、2回前、3回前とかにお話しした、ブラックホールが時空を歪ませているんじゃないかっていうところのお話に近づいているというようなところですね。
ブラックホールを観測、細かく観測することに成功して、その銀河の中心に巨大なブラックホールが存在することを直接観測で明らかにしたっていうところがあり、さらに
ブラックホールが光を吸い込んでいくような過程を見ながら、時空が歪んでいるんじゃないか。
そういった仕様で得られたっていうのが、このアスカと呼ばれる人工衛星が行った最大な功績のうちの一つっていうところですね。
実は、このアスカの登場によって世界中のX1000天文学の流れっていうのもガラッと変わったりとか、
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あとは、日本もさらに世界を牽引する立場に行くっていうところが実施されたのもこのアスカなんですよ。
1993年。僕、ちょうど生まれる年かな。早生まれだから1994年だけど、まあ93年ですよ。同い年の人たちは。
で、そのタイミングで打ち上がったと。そんな頃に土台を作ってた人たちが、今、世界をリードするようなミッションを作り上げてると思うと、
歴史というかすごいし、成果っていうのは積み重なっていくんだなっていうのを実感させてもらえるような、そんな内容だなと個人的にはすごい思いましたね。
で、このアスカっていうところは初めて国際的な観測スケジュールの公募っていうのを行ったんですよ。
公募っていうのは、公に募集するって書いて公募ですね。実はこれ、世界中でもスタンダードに今はなっています。
どういうことかっていうと、天文衛星っていうのは限られた時間の中で、最大級の、最大の量の科学的な成果っていうのを残さないといけない。
っていうのがミッションとしてありますね。例えば10年ぐらいの観測、あの人工衛星の設計だとしたら、10年間でもうどれだけ効率よく、ものすごく良い成果を残していくか。
っていうところで、一番そういうのを焚き付けるのに良いのが、コンペティションですね。
つまり、誰でも使えるっていうことではなくて、ちゃんと考え抜いて、ちゃんと現実味のある科学的な課題、そしてアスカでしかできない、その人工衛星でしかできないっていうようなものを
提案してきた人に、観測時間を分け与えるというところにすると、その申し込んできた人も成果を上げられるし、それによって人工衛星の評価も上がるというシステムですね。
これ実は、人工衛星だけじゃなくて、地上の、それこそ、地上にある大きい望遠鏡とか、世界一の性能を持っているみたいな望遠鏡とか、そういったところは
もうそういう観測提案とかが利用されていたりする。まさに今の天文学を運んでいく上でのスタンダードの方法として、こういうのが上げられますね。
これだから、このプロポーザルって言うんですけど、このプロポーザルをちゃんと通したっていうのを、成果を持ってるだけで、その頃はじゃあNASAに席を置かせてもらえるとか、
NASAでちょっと雇ってもらえるなんていうこともあったっていうのをチラッと聞いたこともあったりします。 つまり、NASAとかも同じ目線で見ていて、この
厳しいコンペティションを勝ち抜いた科学成果を持っている、 科学成果を創出する可能性のある人っていうのは、どの研究所も抱えたいんですよ。
なぜなら、その観測をうまく実施してデータを分析すれば 高い確率で論文が出せる。で、論文が出るっていうのは研究機関だったりとか
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研究室だったりとかっていうのの評判を上げる、最も直接的な指標なんですよ。 だからこそ、その観測提案を通したことのある人材っていうのは、だったり
今まさに観測提案を通して、半年後に観測が行われて、 で、1年後には論文が出せる、なんていう人は短期間だけどNASAだったりとかに雇ってもらえたりする。
っていうぐらい重要な人材として認められるっていうのがあるんですよね。 で、それの国際的な公募観測っていうのを始めて、日本国内でもスタートさせたっていうところ
っていうのもアスカの功績としては残っていると。 で、しかもこれ全観測データっていうのをNASAとかと協力して世界中の研究者に公開したんですよ。
さっきの観測提案をした人っていうのは、その全世界に公開されるまでに1年とか 1年半とかっていうマージンがもらえて、観測提案を自分で出して観測を成功させた人っていうのは
その人だけしかデータが触れない専有機関みたいなのが設けられて、それが終わったら世界中誰でもそのデータ触っていいよ。
ただ観測データを作った人っていうのは、もう論文出しちゃってるから他にできることを探してね、みたいな。
厳しいような、優しいような、そういう世界が広がってたりします。 だからこれ面白いのが、今まだ実はこのアスカのデータを使って論文が出せたりもするんですよ。
なぜなら、その当時しか見れなかった天体だったりとか、その当時だからこそ見れた天体みたいなのがあって、そのデータだったりとか、
あとは1993年だから今から30年前ですよね。 じゃあ30年間で今同じ天体、アスカが見たものと同じものを観測したらどういうふうに見えるのか
っていうような使い方もされたりするので、 アスカとかこの辺りのデータっていうのは実はまだ出版とかされたりもするっていうぐらい、
実は重要な役割になってるんですね。 このアスカっていうのはさらに世界的に先進的だったのは、
CCD カメラっていうものを搭載したんですよ。 しかもこれはX線を見るためだけのCCD カメラ。
CCD カメラってなんとなく名前は聞いたことないですか? まさにみんなが今このポッドキャストを聞いているスマホのカメラだったりとか、
あとはなんかよくテレビのロケとか行くと、目の前につけてるちっちゃいカメラとかのことをCCDって言ったりしますよね。
CCD カメラ。 これのX線専用のものが搭載されたっていうところが結構かなり
インパクトとしては大きくて、実は今回打ち上げられるクリズムにもこのX線CCD カメラっていうのは搭載されている。
つまり30年間使い続けられるぐらい、 X線CCD カメラっていうのは有用であり、
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より先端的な技術だったっていうところが明らかになってるんですね。 っていうところでアスカっていうのは本当にチャレンジングだったし、
日本が世界を牽引する要因にも必ずなっていたし、っていうところでものすごく重要なわけですよ。
で、そこから12年月日が経ち、スザクと呼ばれる人工衛星が2005年に打ち上がりました。
このスザクあたりの世代っていうのが、今若手で教授になったりとかっていうような、
業界で言うと中堅ぐらいの人たちかな、っていうところが活躍した世代ってところですね。
僕から見ると大体、一番離れてて10個上とか15個上ぐらいの人とかっていうのがこのあたりの世代になってくる感じですね。
で、アスカよりもさらに感度を高めた観測装置っていうのが打ち上がって、これによっていろんなものがわかり始めました。
超新星爆発って呼ばれるものの残骸の中にあるプラズマだったりとか、あとはそのスザクが見たことによって爆発がどんどん広がっていく
衝撃波の存在だったりとか、いろいろあるんですよ。あとは分厚いガスに埋もれた銀河を見つけたりとか、
あとはいろんな銀河の中にある元素の分布だったりっていうところを見て、まさにこのクリズムっていうところに繋がっていくようなベースの化学成果っていうのがどんどん
発見されていったタイミングでもあります。あとは、星が死んだ後にできるブラックホールみたいなの、ちょっと小さいバージョンの中性子星って呼ばれるものがあるんですけど、
それのものすごく地場の強いものっていうので、マグネターと呼ばれる天体があったりとかして、こういったところの気候の解明だったりっていうのがどんどん進んでいったのがこのスザクっていうところですね。
だから僕が結構細かくコミュニケーションとか取らせてもらったりとか、お世話になった人たちっていうのは、教授はアスカ世代。
で、准教授とかじゃなくて、助教とか研究員とかで入っている方っていうのが大体このスザクの世代だったりして、この人たちの発見とか活躍によって今のX1000天文の王道の研究ルートっていうのが一気に切り開かれたような感じですね。
っていうところが面白いポイントでした。スザクっていうのは。で、それが2005年ですね。
で、2016年に、じゃあそれをさらに拡大していこうというところで、アストロエイチ。日本名でヒトミです。日本名というか打ち上げられた後の名前がヒトミですね。
このヒトミっていうのが打ち上がったんだけど、1ヶ月で死んでしまったというところが、かなり悲しい部分になっていると。
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ただですね、このタイミングで今まで見えなかった宇宙の描像っていうのが見え始める。
具体的に言うと、今まで光の種類の話たくさんしてきましたけど、X1000も人間が見る光の虹みたいな感じで、光の種類によって虹色に分けれたりするんですよね。
例えば今までそれがX1000の色を20色に分けれるとするじゃないですか。そうしたら感度っていうのが大体10倍になるような
CCDよりもさらに上の観測装置っていうのが作られたのが、このヒトミのタイミングで実施された観測の特徴だったりして、それによるとですね、なんと
大体20色ぐらいで分けれてたものが200色とかっていうような感じで、10倍の感度を持ってるっていうふうに言われていたりします。
っていうところで、実際に遠くの宇宙を観測してみると、かなり面白い結果が出てくる。特にクリズムが目指している
宇宙のレシピを探していくみたいな話あったじゃないですか。宇宙の科学的な特徴っていうのを明らかにしていく。
で、その科学的な特徴、レシピ、どういう元素が宇宙にどれぐらいあって、僕たちはどうやって作られて、どうやって死んでいくんだろうみたいな。
で、地球っていうのは本当にずっと住みやすい星なのかな、星だったのかなっていうところを検出するっていうので使われたりするんですけど、
そういう観測装置が新しくデビューしてきた。それのおかげで、遠くにある宇宙の蘇生とか元素っていうところが明らかになるっていうのを1ヶ月の間だけだけど、残してくれたっていうのが重大な成果だったんですね。
で、それの期待値がとても高かったからこそ、今回クリズムを打ち上げるに至った。
ただ、時間はかかりましたね。2016年から2023年というようなところになっていて、なかなか難しい部分は多いかもしれないけど、これから世界を牽引していく上で非常に重要な役割になってくれるんじゃないかというようなところが期待されています。
ということで、ざっくり50年分の歴史を遡ってみたけど、活躍する研究者の層とかっていうのも当てはめられたし、個人的には結構前回からの流れは面白い部分多かったんじゃないかなというふうに思ってます。
で、じゃあもうちょっとクリズム特集全然できるんですよ。もういくらでも話せるなっていうところがあるんで、瞳が残した科学的な成果のお話とか、あとは僕が実際にX線天文学で研究していた内容っていうのも、僕はずっと太陽みたいに自ら輝いている星、光星っていうところを研究してました。
それの爆発を研究していたので、なんでX線で見るっていうのが重要なのかみたいなところをお話ししていければというふうに思っておりますので、ちょっと次回どっち聞きたいかみたいな、もう本当今日しか募集できないですけど、いろいろコメントとかで寄せてくれたら嬉しいなと思ってます。
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みんなからの需要が高い方をお話ししていこうかなと思ってます。あとは途中に出たX線CCDカメラとか、今回10倍に感度が上がったCCDを超える観測装置とかね、カロリーメーターっていうんですけど、そういったのもちょっとお話しできるかなと思うので、どんどんリクエスト送っていただけたら嬉しいです。
はい、ということで今回の本題は以上にしておこうと思いまして、昨日ですね、8月30日水曜日は毎週水曜日僕がやってるもう一つのポッドキャストチャンネル、隣のデータ分析屋さんの最新話公開というタイミングになっております。
今回はX、元ツイッターのバズりの法則っていうね、公式が出してるデータっていうのを前編後編で両方公開しました。ぜひですね、一気に聞いていただいて、なんか宇宙みたいなロマンあふれる部分だけじゃなくて、僕たちが普段生活していく中で重要な普段の数字みたいなね、仕事に近いデータ使いとか言われてるところの話してるんで、
どっちも楽しんでくれたら嬉しいなと思っております。今回の話も面白いなと思ったらお手元のポッドキャストアプリでフォロー、フォローボタンの近くにある星マーク、こちらからレビューいただけたら嬉しいです。
番組の感想や宇宙に関する質問については、ツイッターのハッシュタグ宇宙話し、またはスポティファイのQ&Aコーナーだったり、概要欄のお便りフォームからじゃんじゃんお寄せください。
それではまた明日お会いしましょう。さようならー。
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