00:02
1日10分、宇宙時間をテーマに毎日お届けしております、宇宙話。
今回は、ブラックホールから光が見えないギリギリの領域、
自称の地平面と呼ばれるものが一体何なのかお話ししていきたいと思います。
地球をギューってやったら、一体どのぐらいちっちゃくした時に地球はブラックホールになれるのか、
そんなことを頭に思いながら聞いてくれたらかなり楽しめるかなと思いますので、ぜひ最後までお付き合いください。どうぞ。
佐々木亮の宇宙話
2024年4月22日、始まりました佐々木亮の宇宙話。
このチャンネルでは、1日10分、宇宙時間をテーマに天文学で博士号を取得した専門家の亮が、
毎日最新の宇宙トピックをお届けしております。
本日でエピソードが、こちら1290話目を迎えております。
あと10話で1300ということで、かなりそわそわしてますが、引き続きやっていきたいと思います。
で、本日は4月の22日ということで、あと2日で満月です。
あと2日で満月なので、かなり夜空見上げたら丸い月が見えてくるんじゃないかなと思いますので、ぜひ皆さん夜空見上げてみてください。
ということで、じゃあ早速今日の本題に行きたいと思います。
今日の本題は、これリスナーからのある質問をベースに、ブラックホールの光が出れない範囲、この辺りのお話をしていきたいと思います。
まずはちょっと質問を読み上げていきたいと思います。
一回紹介したんですけどね、リスナーネーム激烈ぬぽぬぽ菩薩さんからいただきました。
相変わらず名前いいですね。
亮さんこんばんは。私のポッドキャストの入り口になった佐々木亮の宇宙話全話聞いております。
初めてのお便りを質問で申し訳ありませんが、ブラックホールで気になることがあります。
それは、特異点や裸の特異点、自称の地平面のことです。
よくわからないので、これは亮さんに聞こうと思いお便りさせていただきました。
忙しい毎日かと思いますが、時間があれば解説いただけたらと思いますとコメントいただきました。
ありがとうございます。
そうですね、今回こちらでお話しするのは、自称の地平面と呼ばれるもの。
自称の地平面、こちらについてちょっとお話ししていきたいと思います。
自称の地平面、聞いたことありますか?
ある人もない人もいるかなと思うんですが、この辺りの言葉ってブラックホールの話で出てくることが多いです。
03:04
ことが多いというか、ブラックホールの周りで出てくる言葉ですね。
ブラックホールって、名前の通りで光すらも飲み込むような巨大な重力を持った天体のことを指していて、
僕らの目で見ると、光が出てこないからまるで黒い穴に見える。
これがブラックホールの正体です。
ブラックホールのサイズには様々あって、高性質量ブラックホールというものがあって、
これが大体太陽の10倍とか100倍までいかないぐらいのところ。
で、1万倍以上とかそういう重さを持っている大質量ブラックホールっていうのがあったりします。
これ英語にするとスーパーマッシブブラックホールとかね、言ったりするちょっとかっこいい名前がなるんですけど、
そんな感じで重さによって種類はいろいろあるんだが、
ブラックホールのその黒く見える面みたいなところ、これを自称の地平線とか自称の地平面っていうふうに言ったりするんですよ。
どういうことか。自称の地平面、ざっくり何かっていうと、光すらも出てこれないブラックホールがある中で、
その光が出てこれないギリギリの範囲のこと、ここを自称の地平面って言うんですね。
つまり光よりも重力の引っ張る力の方が強い領域のことを指して、それの境界線のことを自称の地平面って言うんですよ。
で、この大きさ、自称の地平面っていう部分の大きさってどうやって決まるかっていうと、シュバルツシルト半径と呼ばれる言葉がここで出てきます。
シュバルツシルト半径。この自称の地平線、自称の地平面を作り上げる、その面の球体っぽく見える大きさのことをシュバルツシルト半径って言って、
超巨大なブラックホールだったらその分穴がでかく見えるし、高性質量ブラックホールっていうそんなに重くないものだったら、小っちゃい黒い丸に見える。
この2つ大きな差がありますけど、違いは重さだけで、ぱっと見はでかい黒い丸なのか、小っちゃい黒い丸なのかみたいな、そんな状態です。
これもうだから、もう今の説明で勘のいい人は気づいたかもしれないですけど、この自称の地平面っていうのはシュバルツシルト半径のことを言っていて、
このシュバルツシルト半径は星の重さによって決まる、こういう関係性があります。
ある一箇所にものすごい重い天体があったら、その周りって重力めっちゃ強くなりますよね。
06:00
で、そっから離れるとそんなに強くなくなるみたいな、それの強い領域のことを自称の地平面って言ったりするんですが、
つまり、ブラックホールっていうのは一箇所にものすごい塊で質量があるから、その重力が強くなって光すらも出れなくなるんですよ。
そうすると、これ例えばですよ。例えば地球とかも、一応地球ってこう球体でバーンってあるじゃないですか。
で、重さがあって、なった時にこの重さだいたい10の24乗キログラムとかなんですよ。
で、その10の24乗キログラムある地球、これを今地球の大きさじゃなくてもっとぎゅーってちっちゃくしていくと、
あるタイミングでその重さなんだけど、ブラックホールになり得るそのシュバルツシルト半径っていうものが現れてくるんですよね。
一体どれぐらいの大きさなのかイメージつきますか。地球ってめっちゃ軽いじゃないですか。
もう太陽とかだと10の30乗、0が30個つくような桁のキログラムなんですよ。
それよりもさらにちっちゃいと。太陽も全然ブラックホールになれないですよね。
太陽をブラックホールにしようとした時にぎゅーってしなきゃいけない大きさは直径でいうとこれ6キロメートルぐらいって言われてます。
太陽を6キロぐらいまでぎゅーってやったらブラックホールになると。
で、地球はどんぐらいかっていうと地球をもうぎゅぎゅぎゅってやって1.8センチ。1.8センチとかにするとこれブラックホールになるんですね。
ブラックホールになるというか、シュバルツシルト半径よりちっちゃいところにものができるから重力の塊として光を逃さない領域っていうのが生まれるみたいな。
これが自称の地平面って呼ばれる現象を指してるっていう感じですね。
つまり自称の地平面っていう言葉、イベントホライズンって言葉で使われるんですけど、これの話をしたかったらプラスでシュバルツシルト半径っていうものを理解しておくのがいいと。
何なんですかね、このブラックホール周りの言葉だけ。やたら中二心をくすぐるような名前が多いというか、シュバルツシルト半径とか。
あとは自称の地平面も、これイベントホライズンですからね。
すごいですよね。
こんな感じで、実はいろんな現象、共通性見ていくと、別にブラックホールが特別っていうよりは天体をぎゅーっと一箇所に集めたその天体自体が特徴的で、それがたまたま黒い点としてというか黒い領域として見えるっていうのがブラックホールの正体なので、
09:10
ちょっとね、宇宙話聞いてるみんなには、ブラックホールっていう謎のものがあるっていうよりは、いや、なんか重いものが一箇所にぎゅーってなって、
そのシュバルツシルト半径より内側の光が出てこないからみたいな話をすると、周りの人に気持ち悪がられますと。
ということで、ブラックホールはただの穴だと思っておくのが、世の中的には一番いいかもしれませんね。
宇宙話好きな人は、そういうちょっとコアな情報も知っておくと面白いかもしれません。
ということで、今回は質問ですね。激烈ぬぽぬぽ菩薩さんからですね、これ。
自称の地平面、イベントホライズンに関するお話、質問いただきましたので紹介させていただきました。
アフタートークです。
はい、ということでですね、イベントホライズンって名前がついていて、どっかで聞き覚えある人いたらすごいなと思うんですけど、
イベントホライズン、ブラックホールの写真撮ったっていう赤いリングあったの覚えてますか?
あの赤いリングを撮った望遠鏡の名前のことを、あれ、イベントホライズンテレスコープって言うんですよ。
EHTってよく訳すんですけど、
EHT、イベントホライズンテレスコープは、つまり、もうブラックホールを見るぞっていう名前がその望遠鏡に刻まれてるっていうね。
これね、やっぱネーミングとして非常にかっこいいし、絶対にブラックホールを明らかにするっていう気持ちが伝わって、個人的にはすごい好きなネーミングですね。
ということで、まあいい質問いただいたんで、ちょっとそういうネーミングにも関わってるんだよって話もさせていただきました。
ということで、いかがでしたでしょうか。
そうだそうだ、お知らせ1個あります。
今週ですね、水曜日か木曜日、あるコラボエピソードを公開させていただきます。
何かっていうと、なんと科学雑誌ニュートンですね。
科学雑誌ニュートンとのコラボ企画をお届けしていきたいと思います。
このポッドキャスト、科学系のくくりなので、サイエントーク聞いてる方もいるかなと思います。
たくさんいると思います。
サイエントークにニュートン出て、かなり話題になってると思いますが、
宇宙話にもニュートン遊びに来てくれております。
なのでね、こちらぜひ公開するエピソードは楽しみにしておいてください。
今週公開させていただきます。
今回の話も面白いなと思ったら、お手元のポッドキャストアプリでフォロー、フォローボタンの近くにある星マーク、こちらでレビューいただけたら嬉しいです。
番組の感想や宇宙に関する質問については、
Twitterのハッシュタグ宇宙話、またはSpotifyのQ&Aコーナーだったり、概要欄のお便りフォームからじゃんじゃんお寄せください。
12:00
それではまた明日お会いしましょう。バイバーイ。
