今回は、太陽系の中にある小惑星がたくさんある領域、この中で今までなかなか見つけられなかったような
比較的サイズの小さい天体っていうのがどんどん見つかっているよっていう、そんなお話をしていきたいと思います。
小惑星っていうのは、地球にぶつかると隕石として扱われますね。
先週のニュースとかだと、地球に対して大体7年後とかに2%の確率でぶつかる小惑星があるとか、そういった話が出てきてますが、
そもそも太陽系の中の小惑星、特に小さいサイズのものっていうのは、実はなかなか観測ができておらず、
それのせいで地球にものがぶつかってくる確率だったりとか、そういったところの計算にブレがあるんですよね。
そこが天文学上の課題になっていたところに、今回新たな手法が登場して、結構大きく場面が変わってくるんじゃないかとなっておりますので、
こちら紹介していきたいと思います。ぜひ最後までお付き合いください。
改めまして始まりました佐々木亮の宇宙話。
このチャンネルでは1日10分宇宙時間をテーマに天文学で博士号を取得した専門家の亮が、毎日最新の宇宙トピックをお届けしております。
今日のエピソードが1585話目を迎えております。
基本的には1話完結でお話ししているので、気になるところからぜひ聞いていただけたらと思いますね。
昨日は10分でできたグランドキャニオンという月表面の地形の話だったりとか、
その前の日のエピソードとかでは月が2つになったっていうのが、実は月の破片だったみたいなね。
そんなお話をさせていただいておりますので、ぜひぜひ気になるところから聞いていただけたらと思います。よろしくお願いします。
ということで、本日2月の12日は2月ど真ん中で満月となっております。
ここから28日が新月なのでどんどん欠けていく姿が見えますが、とにかく今日満月綺麗に見えたらいいですね。
ちなみに11日の夜、昨日のは夕方ぐらいめちゃめちゃ綺麗でしたね。
空気も澄んでて、やっぱ寒波が来てると空気澄んでてすごいですね。
ということで、まあでも雪とかでね結構大変な思いをされた方もいると思いますので、
とにかくお体だけは気をつけて皆さんお過ごしください。
ということでじゃあ早速本題に行きましょう。
今回お話しするのは、太陽系の中にある小惑星の観測結果、これがかなり深まってきてるよねっていう、そんなお話をしていきたいと思います。
地球に衝突する小惑星、これがぶつかったら隕石と言われるわけなんですけど、
それをやっぱ検知するためには小惑星の検出そして監視っていうのは非常に重要な役割を担っているわけですね。
まあ僕らが地球にいる上で宇宙から大きく災害を受けるってなるとやっぱり隕石は大きい要素の一つになるし、
それ以外だと太陽フレアとかそういったところがありますね。
なので僕たちの身を守るためにもこういったものの監視体制っていうのはしっかりと整えられているべきだというような状態なわけですよ。
そんな中でじゃあ、小惑星たくさんあるところでモニターするのに一番注目されている場所ってどこだかわかりますか。
これ、主小惑星帯って言われるもので、カタカナで言うとメインベルトとか言われたりします。
これアステロイドベルトとかっていうふうにも言われていて、一体この小惑星、何のことかっていうと、小惑星がざっくり言うとめちゃめちゃたくさんある場所です。
でこれがどこにあるかっていうと比較的近いんですよ。
火星、地球の1個外側って火星じゃないですか、太陽系の中で。
そしてその外側が木星ですよね。
火星と木星の間にある密度の高い小惑星がたくさんある小惑星帯、これのことをメインベルトと呼ぶんですね。
ここにはもうたくさんの小惑星が滞在していて、そこをしっかりと見ていくことが重要であるというようなことで、
これまで小惑星の監視体制っていうのが整えられてきました。
ただその監視対象っていうのはだいたい直径が1km以上の大きな天体っていうのがなっていて、
理由はもう簡単に見えるから観測がしやすいからっていうところですね。
比較的容易に発見監視できるっていうところでそういった天体たちが監視されてるんですけど、
一方で100mとかの単位だったりとか、ましてや10m未満とかっていうような小さい天体っていうのは、
地球近傍にものすごく頻繁に接近してくるにもかかわらずやっぱり捉えにくいと。
それはもうサイズの影響って感じですね。
これ隕石がぶつかるのもそうだし、あとは地震もそうだし、太陽フレアもそうなんだけど、
規模がでかいものはなかなか起きない。
小さい規模のものはめちゃめちゃ起きるっていうそういう傾向があるんですよ。
つまり小さい小惑星の物衝突、つまり隕石化みたいなものっていうのは、
たくさん発生するんだけど捉えられてないというような状態で、
それのせいで太陽系の中の小惑星を単純に研究するっていう目線もそうだし、
地球に落ちてくる隕石の量っていうのを把握しようとしても、
なかなかモデル化しようとしてもブレが大きくなっちゃう。
なぜなら観測がしっかりできていないから。
そんな中で今回、ネイチャーっていう非常にインパクトのある論文集のカバーを飾った、
すごい大きい研究があって、何かっていうと、
宇宙の果てを見ようとしているジェームスウェップ宇宙望遠鏡、
ポッドキャストでよく出てきますね。
こいつを使って、こいつのデータで太陽系の中の観測っていうのを拾っていって、
小惑星を検知できるシステムっていうのが構築されたんですよ。
宇宙の果てを見るような視力の強いもので、
比較的サイズの小さい小惑星っていうのを見つけていこうというようなところになった取り組みが成功して、
それの影響でメインベルト、火星と木星の間の小惑星体の中で、
138個の比較的サイズの小さい小惑星っていうのを新たに検出することに成功したというような研究結果が出てまいりました。
これは独自の複数の画像を合成するとかっていうような独自の手法をベースにして、
達成することができた検知の方法になっているらしくて、
しかもほとんど未確認って感じですね。
未確認の小惑星を捉えることに成功したっていうところになるので、
地球に衝突する可能性のある天体、
それこそこの間7年後に2%の確率で衝突する可能性がある隕石が見つかったみたいな話出てきましたけど、
ああいうのの監視対象っていうのが増えて、
で、ジェームスウェップってこれからもどんどん観測っていうのを積み上げていく人工衛星になっていくので、
そこで惑星防衛、プラネタリーディフェンスっていうこの地球を守るぞっていう動きですね。
これが一気に加速していくんじゃないかというような期待が込められて、
今回ネイチャーのしかも表紙になっている、そんな研究結果ですね。
いやーこれはなかなか面白い。
しかも100メートルっていうサイズのところで一気にサイズの分布が変わるみたいなところまで見えてきているっていうので、
小惑星の存在確率とか、そういったのの研究もここからガンガン進んでいきそうって感じですね。
ここでジェームスウェップのデータから138個見つかったけど、
これからどんどん観測が増えていった中でもっともっとデータ取得されると思うので、
ここはちょっと期待していきたいポイントかなと思います。
とにかく最近は小惑星だったりとか宇宙をふらついているちっちゃい天体に注目が集まることが多いので、
宇宙話でもそこはカバーしていこうかなと思います。