1日10分、宇宙時間をテーマに毎日をお届けしております、宇宙話。今回はiPhoneも作れる、月にはチタンがどれぐらいあるのか、月のチタンはどうやって発見されて、今どういう理解度なのか、そのあたりをお話ししていきたいと思います。
今回は、これからの宇宙開発の中で、一番盛り上がりを見せるであろう、月の地質調査、そこに対する現在の理解を整理する、そんなお話になっておりますので、ぜひ最後までお付き合いください。
3、2、1、イクネション、マイナス10、スペース、日本、佐々木亮の宇宙話。
2023年10月2日始まりました、佐々木亮の宇宙話。このチャンネルでは、天文学で博士号を取得した専門家の亮が、毎日最新の宇宙トピックをお届けしております。
本日でエピソードが1089話目を迎えるというところになっております。1100回がもう目前というところですね。早かったなぁ、こないだ1000話いったばっかりな気がするんですけど、毎日やってると早いですね。
ということでですね、毎日お届けしているわけなので、昨日とかは月の地下の物質の話、その前は土星の月、今は亡き土星の月っていうのが、土星の輪っかを作ったんじゃないかっていうようなところで、
この中秋の明月っていうタイミングで、みんながなんとなく月を気にしていそうなタイミングなので、今回は月特集というところになっております。
概要欄に月に関するお話、どんどんどんどん入れていったプレイリスト公開していますので、月好きだなっていう人、ぜひそのプレイリストもフォローしていただいて、
スポーティファイのプレイリスト作っておいたので、ぜひ聴いてみていただけたら嬉しいです。
昨日おとといで話した、この月の立つ林でっていう小説、青山道子さんの小説ですね、その小説の話をしてみたところですね、
実はその小説を読んでから宇宙話見つけてくれたっていう話があって、こんな嬉しいことはないなというふうに思っていたんですよね。
っていうところで、みんな月好きなんじゃん、月探したら宇宙話たどり着けるんだと思ったら、ちょっと月の特集したくなったので、しばらくは月特集というところでやっていきたいと思います。
でですね、じゃあ今回どんな話をしていこうかっていうところになってるんですけど、今回話していくのは、月の中でも月の海と呼ばれる、月の色のついてる部分ですね、あそこに関するお話をしていきたいと思います。
今回の話は、今後それこそ宇宙飛行士がアルテミス計画って呼ばれるこのアポロ計画の後継プロジェクトにて、月に人が行くってなった時に実際に行われる研究の一つになってくるんじゃないかなっていうところを期待してお話ししていこうかなというふうに思っております。
今回お話しするのは月の海っていうところにチタンという物質が豊富に含まれてます。なので今回は月の海の中でもチタンに関するお話をピックアップしてしていくというところですね。
月の海っていうところも気になるところだと思うんですけど、このタイミングでチタンをピックアップしていくっていうところも結構タイミングとしてはいいんじゃないかなと。
チタンって僕人生で一番最初チタンって呼ばれる物質に関わったのって首に巻くやつですね。スポーツ選手が首に巻くやつあれチタンじゃなかったでしたっけ。
ああいうのね、部活とか一生懸命やってってなってると、なんかああいうのつけたいなみたいなあるじゃないですか。っていうところが人生初チタンな気がするな。
それ以降もあんまりチタンっていうところに触れることはないんですけど、最近すごいチタン推しなのを見つけたなと思って、何かっていうとiPhoneですね。
このポッドキャストもApple Podcastでたくさん聞いてもらっているっていうところがあるんで、みんなiPhone使ってると思うんですよ。
そんな中でこれ新しいiPhone15ですね。iPhone15はチタン推しなんですよ。
広告見ました?みんな。広告も宇宙から隕石とかって飛んできて、地球にボーンって衝突したらiPhoneできてるみたいな。
そんななんかすごいな、宇宙をそう使うんだっていうのはあるんですけど、宇宙が題材になっていて、しかもチタン使われてるiPhoneガチみたいな。
なんかやっぱ高級感があっていいなっていう印象があるのかなと思うんですよね。
チタンっていうのは原子番号で言うといきなり理系っぽいこと言いますね。原子番号22番。元素記号だとTEIって書くやつですよ。
ダイオン族元素とか繊維元素とかいろんな名前ついてるんですけど、とにかくチタンっていう金属的な性質を持っている物体だというようなところだけ覚えておいていただきたいなというところで、
こういうチタン、最近はそれこそiPhoneに使われるっていう側面もそうだったりするし、アルミニウムとかと同じで建造物に結構使えるんじゃないかっていうところで、
月の探査っていうところでも注目を集めてるんですよね。
月の探査をしていって、そして人間が地球から月にたどり着いて、月に胸を構えるってなったら、そこで何かもろもろの物を作っていかなきゃいけないという風になると、そういう素材が必要ですよね。
月の探査にはやっぱり一つは資源探査っていうところの目的も含まれていて、その中でチタンっていうのはその存在自体も比較的容易に取得できるものの一つとして考えられていたりします。
で、このチタンがなんで月と結びついているのかっていうところの話で言うと、実はこれってアポロ計画のタイミングで2回前?違うな、4回ぐらい前のポッドキャストのエピソードか、月に水を発見するまでに120年かかったっていう中での、
アポロ計画の時に持って帰ってきた月の物質ありますね。その月の物質の中にチタンが比較的多く含まれている物質っていうのが発見されていたというところで、月にはチタンがあるぞっていうのが結構確証をもって明らかになっているというところがあるんですよね。
で、そうしたら、じゃあそのチタンっていうのが一体どれぐらいあって、そのチタンという物質が月面でどういう状態でそこにたくさん含まれているのかっていうようなところをどんどん探査していくっていうようなところが資源探査っていうところの側面で注目されていってるって感じですね。
このタイミングでチタンを紹介するっていうのは、あ、iPhoneあったなっていうところと、なんとなく月の探査っていうところと相性が良さそうだなっていうふうに思ったので紹介していこうというふうにしてるって感じですね。
で、固まっていくと、まず最初に固まるっていうのは、観覧石とか、奇跡と呼ばれるもので、で、そこら辺がまずガーンってできて。
で、実はそこの観覧石とか奇跡っていうところが、昨日ポッドキャストで話した、隕石が月に衝突すると、下からバコーって掘り起こされるような物質のことを、物質あたりのことを指してますね。
まずは最初、そこら辺が月の表面ではできてきたと。
で、それが固まってから、固まった場合ですね、その観覧石とか奇跡っていうのは、こういう鉱物っていうのは液体に比べると密度が大きいため、どんどんどんどん沈んでいくと。
氷みたいに水に対して軽いとかだったらどんどん浮いてったりするんですけど、逆に重いからどんどん沈んでいくっていう形で、マントルの中を沈んでいって、マントルを、あ、マグマの中を沈んでいってマントルを形成すると。
で、その後マグマオーシャンの固くなり方っていうのはどんどんどんどん進んでいって、いろんな石の形を作っていく。
そして、表面にはそれこそ玄武岩みたいなものが作られたりすると。
玄武岩ってあれですよね。富士山とかが黒く見える、あそこも確か玄武岩だったはずで、月の表面に見える、いわゆる海って呼んでいる月の表面の黒い模様、あれは玄武岩って呼ばれる物質がその色を変えているっていうところで、
あの色のまだら模様とかだったりっていうのも、実は昔、月にマグマオーシャンからそういう活動があって、表面に固まったっていうところが時系列としてはあるんですよ。
で、その表面で固まった物質の中にチタンを多く含むイルメナイトって呼ばれる物質があったりする。
ただですね、これは月のマントル、いろんなところを見てみると、そのチタンの含まれ方っていうところが様々で、低いチタンっていうのも、低い含有量のチタンのものもあるし、高いチタンの含有量っていうのを見せているところもあって、
一体それがどうやってできたのかっていうところは、これまでの研究ではなかなか把握できなかった部分なんですよ。で、そんな中で、日本からカグエアと呼ばれるセレーネ、セレー、セーレーネだったかな、英語名で、っていうのを使って月の表面を観測してあげるっていうところを行ってあげた結果ですね、
これ面白いのが、いろんな、それこそボンチとかクレーターみたいなところを調べてあげたんですよ。で、それによって、年代によって分類してあげて、このエリアのこの原部岸とかっていうのは、40億年前に噴出した部分である、噴出した火山であるとか、
23億年前に噴出した火山であるとか、20億年ぐらい前のものだったりとかっていうのを分類してあげて、それぞれのチタン含有量っていうところを調べてあげました。
そうすると、ここで面白いのは、40億年前、もう月ができて、ほんと初期ですね。40億年前から23億年前までっていうところは、チタンの含有量っていうのが、まあ多かったり少なかったりっていうのはあるんですけど、平均的に4っていう値、4ぐらいだったって言われていて、
で、その後ですね、23億年前、今から23億年前っていうタイミングの月の後からは、そのチタンの含有量が7まで増えたと。4から7に増えたっていうところで、新しい月の中からの噴火になればなるほど、チタンの含有量がものすごく大きいと。
ものすごくっていう言い方変ですね。多くなるっていうところが分かっていて、じゃあこれって、こういう観測から月の内部っていうところを検討する上でもいい材料になりそうだし、あとはそもそも月の資源として、チタンがこれぐらい含まれているからこういうことができそうとかっていう研究にもつながっていきそうな、なかなか面白い研究内容だなっていうところを結構思うわけですね。
で、じゃあこれ、なんでその年代によってチタンがたくさん含まれている時期が最近で、逆に低いっていうのが昔なのかっていうところで言うと、これは最初に話したその月の形成のシナリオみたいなところに沿っていくと、なんかだんだんこう先に固まった物質たちっていうのが沈んでいって沈んでいってとかっていうところのマントルが、
マグマがだんだん固まっていくときに、上の方に含有量の高いものが残っていた。なんかマグマの深さでいうと、深いところがチタンの量が多いって言われていて、それがマントルターンオーバー、オーバーターン化っていうようなので、下からグググッと持ち上げられたというようなところを考えていたりするっていう説もあったりするんですけど、
これだと、この大体20億年ぐらい前に紛失がガーって起きたみたいなところっていう説明がつかないというようなところで、スーパーホットプルーム説って呼ばれる、もうね、こんな難しい言葉使わないでよって思うんですけど、
そういう、簡単に言うと、中のマグマの中での熱の保持の仕方が違うみたいなね。10億年、20億年かけても、月の中には熱が保持されていて、その熱がドロドロに溶かしたものが表面に噴火してきてるみたいな、そういったところの説とかも出てきているんですが、当時のカグヤの研究では、それ以上は明らかにならなかったと。
で、その後、カグヤと同じレベルのものとか、それ以上の何か、それこそゼロが1個違うような観測装置っていうのが打ち上げられてるわけではないので、このタイミングでその研究っていうのは止まってるんじゃないかなと思うわけですね。
もちろんシミュレーションとかで色々予測されてる部分はあるとは思うんですけど、まあそういったところとはちょっと線引きが違うような話になってくるんじゃないかなっていうところで、じゃあこれから今言ったみたいに、月の地質どういうふうに理解するのかっていうところで言うと、
アルテミス計画で実際に宇宙飛行士の方が宇宙に行って、地質調査ガンガンして、掘って掘って掘って、調査して掘って掘って掘って、またあっちの穴行って掘って掘ってみたいな、そういったところをやって、今回のチタンの含有量だったり、そもそも月がどうやってできたのかみたいなところまで研究していく、研究に発展していくんじゃないかなと思って期待しているというようなところですね。
今みたいな課題があるから、もう月に行くしかないんだって言われると、科学的な意義っていうのは結構あるような感じがしますよね、月に行くっていうことに対しての。
なので、ちょっとアルテミス計画には期待しつつ、一体どんな研究成果が今後出てくるのか楽しみにしていきたいなというところで、今回の本題は以上にしていきたいと思います。
しゃべりすぎちゃった。実はですね、一つこの月の話、いろいろさせていただいている中で質問をいただいているんですよね。月に月はないの?っていうこの疑問、答えたかった。ちょっと明日のエピソードで答えていきたいと思います。
ぜひですね、そういうふうに思ったことある人いないですか?地球の周りに月が回ってて、月の周りに月が回ってる。そんな状態ってないのかな?そんなふうに思った方はぜひ明日のエピソードも聞いていただけたら嬉しいです。