地球でできないことは宇宙でやろう!月面で切り開く重力波天文学に関する構想が公開されたので、それをドドンと紹介します。実現したらおもしろいなぁ。
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ソース
https://www.space.com/gravitational-wave-detector-moon-more-sensitive
Credit : Space.com
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1日10分、宇宙時間をテーマに毎日お届けしております、宇宙話。今回は、月で重力波を検出する、そんな未来のプロジェクトの構想に関するお話が出てまいりましたので、こちら紹介していきたいと思います。
人間が月面にたどり着く、そこで生活を広げていく、その中で天文学での月面活用っていうところも、どんどん進んでいくんじゃないかなと思われる中で考えられている、新たな天文学の扉、
重力波天文学に関するお話を、こちらしていこうと思っておりますので、未来のお話だと思って、ぜひ最後まで楽しんで聞いてください。
ささきりょうの宇宙話
2023年8月23日、始まりました、ささきりょうの宇宙話。このチャンネルでは、1日10分、宇宙時間をテーマに天文学で博士号を取得した専門家のりょうが、毎日最新の宇宙トピックをお届けしております。
本日でエピソードが1049話目を迎えております。基本的には1話完結でお話ししておりますので、気になるトピック、気になるタイトルからぜひ聞いていただけたら嬉しいなと思ってます。
ちなみに前回は、宇宙が広がっている、宇宙が膨張しているっていうところに関するお話だったりとか、その2個前とかでね、月の砂時計ひっくり返したらどうなるのか、月で砂時計をですね、ひっくり返した時の話だとかっていうのをしたんですけど、このエピソード結構好評ですね。
なんか再生数とか僕見れるんですけど、聞かれてるなっていう感じがすごいするっていう、みんなちょっと気になってたのかなっていうところいろいろありますので、ぜひそのあたりから聞いていただいてもいいんじゃないかなというふうに思っております。ぜひ面白かったらフォローよろしくお願いします。
そんな感じで、今回どんなお話ししていくかっていうところで言うと、ノーベル賞も受賞した重力波と呼ばれる天文学の要素があるんですけど、その重力波を検出するのに月面を使うのがいいんじゃないか、そんなお話ですね。こちらニュースになっておりましたので紹介していきたいと思います。
重力波、これまでにポッドキャストであまり紹介できてなかったかなと思うけど、結構重要な要素の一つになっているのがこの重力波と呼ばれるものですね。これ2017年とかに初めて検出されたのがこの重力波と呼ばれるもので、そのタイミングから重力波天文学と呼ばれるものが、
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世界が開いたと言っても過言ではないような状態になりました。重力波、グラビテーショナルウェーブとかっていうふうに言ったりする、そんな波なんですけど、普通の天文学とは実はちょっと違って、光を見るんではなくて場の歪みを見るっていうね、そういう天文学なんですよ。
で、その天文学が今、宇宙の歴史をどんどん紐解く上で非常に重要な役割を担いそうで、その一段上のステップに上るためには、なんとこれ、月面にその観測装置作るのが一番いいんじゃないかっていうようなところが提言され始めているっていうところがね、あったので、ちょっと空想物語のような、だけど確実に来そうな未来の話でもある。
そんなところのお話を今回していきたいと思います。
で、さっき途中になっちゃったんですけど、重力波っていうのは、普通の天文学と違って、光を見るっていうところの天文学とはちょっとずれるんですよね。
普通の天文学、例えば天文学者ってどんなことしてるかみたいなの、例えば頭の中でイメージしたときって、望遠鏡を覗いて、なんか星の光を見るとか、あとは近い惑星とかを見て、土星の輪っかがとか、そういうのをやっているのがなんとなく天文学者のイメージだと思うんですよ。
で、そういうのも、一番ど真ん中といえばど真ん中、星から飛んでくる光っていうのを見る。
で、しかもその覗いて見れる望遠鏡っていうのは、可視光って呼ばれる僕たちの目で見える光っていうのを観測するための観測器だったりするんですよね。
で、それ以外にも、とにかく光の種類ごとに天文学っていうのは今まで展開されてきたんですよ。
それこそ、僕が専門でやっていたX線天文学って呼ばれるもの。
このX線天文学っていうのは、宇宙から飛んでくるX線を観測する天文学ですね。
X線も一応光の一部になっていて、レントゲンとかでよく見られるあれですね。
あれが宇宙から飛んでくると。
X線を飛ばす天体っていうのは、何千万度とかっていうような温度を持っている天体だったりとか、
あとは高速に近い状態で動いているものとかから出てきたりするっていうので、
X線天文学はかなりエキサイティングな状況を宇宙から、宇宙をそういう目で見ることができるっていうような、
そういう天文学なんですよね。
で、他にもX線以外にも紫外線で見たりだとか、逆に赤外線、ガラケーの時よく使ってましたね。
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ピピピって通信するやつ。
あの赤外線で宇宙見たりだとか、あとは電波を使ったりとかっていうので、とにかく波の性質を持っているその光ですね。
その光っていうところから情報を得ていくっていうのが、今までの天文学のど真ん中っていう状況だったんですけど、
そこに加えて2017年ぐらいから重力波天文学っていうのが幕を開けたと。
実際にはその装置とかっていうのが開発されて、
現実する装置が開発されて、どんどん稼働してっていうのはもっと前に行われてたんですけど、
実際に論文として出版されたものとかっていうののタイミングを一応幕開けとするのであれば、
2017年、2016年かな、7年かなっていうようなタイミングになってくるというようなところですね。
この重力波天文学、何が重要かっていうと、今後、今まで宇宙で見えてこなかった光を出さなかったりするような物質同士の合体だったり、
つまりブラックホールの合体とかですね、そういった合体でより大きなブラックホールができる現場が見れるだったりとか、
ブラックホールと中性子星って呼ばれるような、ブラックホールにはなれなかったんだけど、
強い重力を持っていて、宇宙の中でも結構エキサイティングな天体があるんですよ。
そういったところの合体だったりっていうところで出るのがまさに重力波っていうところですね。
この重力波、目に見えないからこそものすごく捉えるのが難しくて、
ポッドキャストでも今まで話してなかったっていうのも実はあったりするんですよね。
どういうことかっていうと、重力波をどうやって見つけるかっていうところは、空間が歪んでいる様子を検出するっていうのが、この重力波天文学の特徴なんですよ。
空間が歪む。もうね、わけわかんないじゃないですか。
けど、僕たちの住んでいるこの空間っていうのは、常に重さを持っている者たちによって歪まされ続けているというような状況ですね。
これブラックホールとかで考えるとよくわかって、なんか例えば薄い膜みたいなもの。
なんだろうな、ゴムの膜とか、そういったのを想像してほしくて、
で、その上に、じゃあ例えば10キロぐらいある玉をポンって置いたとしましょう。
そうしたらどうなるかっていうと、その玉っていうのは、そのゴムの膜を自分の重さでグーッと下に押し込みますよね。
ゴムの膜は何も乗ってなかったときは平面だったのに、ある重たいものを乗せるとその場がグーッと歪んでいくと、穴ができるみたいな形でね。
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で、その今想像しているちょっと凹んでいる部分っていうのが、このまさに僕が今話している空間の歪みっていうところになっています。
で、これただ単に重い天体がそこにポンって置いてあっても、言っちゃえばその凹みができた状態で安定するじゃないですか。
だからそこまで気にする必要ないんですけど、例えばここにもう1個ブラックホールっていうのが近寄ってくるとどうなるかっていうと、
ブラックホール同士でぐるぐるぐるぐる回って、つまりゴムの膜の上で玉が2つぐるぐる回る状態。
で、最終的にはそれらが合体して1個のさらに重いブラックホールを作る。
一瞬でそれが出来上がるってなると、そのゴムの膜っていうのは1箇所でさらにぐぐぐぐっと沈むじゃないですか。
その一瞬で沈むタイミングで周りに向かって空間の歪みの波紋を広げていくみたいな。
っていうようなところを発生させるのが重力波なんですよね。
だから空間の歪みを検出するのが重力波天文学であるって言った感じです。
本当は実は僕たち、まさに今このポッドキャスト聞いてるみんなも実は重力の膜っていうのをちょっとずつ揺らしてるんですよ。
誰かと例えばいきなり抱きつく女の子たちが、わーって言って久しぶりギュッみたいなやったら、
そこの場に一気に重さが加わるじゃないですか。
1箇所に、例えば50キロ50キロ、ちょっと体重のですごいセンシティブな話になると嫌なんですけど、
例えば40キロ同士50キロ同士みたいな子たちが、わーって来て近づってきて久しぶりギュッみたいな、
よくやるじゃないですか。
そうしたらそれによってその場には一気に100キロぐらいの重さの場ができると。
今まではバラバラで空間を歪めてたのに。
そうすると1箇所にその重さが沈んでギュッとなるというので、
実はあれも重力波作ってるんですよね。
この重力波の歪みをどうやって検出するのかっていうと、
今有名なのだと日本だったりとかアメリカだったりとか、
あとはヨーロッパだとイタリアかなっていうところに、
それぞれ、あれ?日本のやつ?名前忘れちゃった。
カグラでいいはず。Gが入ってるからね。
とかアメリカのライゴって呼ばれるやつとか、
ヨーロッパのバーゴって呼ばれるやつ。
アメリカとかだと、こういうの大体全部略称なんですけど、
Laser Interformer Gravitational Wave Observatoryだったかな?
っていうので頭文字取ってLIGOでライゴ。
っていうので作られていたりすると。
2015年とかに稼働したものですね。
ここでどうやって検出するかっていうと、
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すごい遠くにセンサーとレーザーを置いておくんですよ。
ある片方からレーザーをピュッて飛ばして、
例えばもう片方に0.001秒後にたどり着く、
みたいなものを作ったとするじゃないですか。
これを常に飛ばし続けるんですよ。
そうすると、今回も0.001秒、0.001秒、0.001秒、
みたいなのでカウントし続けられるんですけど、
もし重力の波で空間が歪まされるとどうなるかっていうと、
そこを到達するための距離が、例えば長くなってしまう。
そうすると今まで0.001秒でたどり着いていたのに、
0.002秒になってしまった。
えっ、空間歪んでるやん。
っていうので見つけるのが重力波天文学なんですよ。
なんかめっちゃ地味じゃないですか。
しかもこれって例えば周りに人が歩いてるとか、
車がその近くを走ったとか、
そういう機械、大きい機械が動いたとかっていう風になって、
地面とかが動くとセンサーとレーザーの位置もずれちゃうから、
ほんとになるべく静かなとこに置かなきゃいけないんですよ。
だからほんと人っ子一人いない場所に置かなきゃいけなくて、
日本とかだと地下にぐーっと沈めて、
すごい深いところでレーザーの光線を作ったりしてるんですよね。
っていうところでやってるんだけど、
地球上にそういうセンサーを作っておいても、
やっぱり周りからの影響だったり、
あとは地球って特に特徴的なのは地震ですよね。
地震とかっていうところの影響でどうしても歪んでしまう。
日本とかは特に不利ですよね。
そういったところが、やっぱり地球固有のノイズみたいなのが出ちゃうんですよ。
それに対して、今回ある研究会で話された内容らしいんですけど、
どこだっけな、ロンドンで話された内容かな。
重力派天文、イタリアのグランサッソサイエンスインスティテュートっていう、
イタリアの重力派研修のエキスパートの方のプロフェッサーが研究会で話した内容で、
これを月面に作ればいいんじゃないかっていうような話を提案し始めているっていうところがあったんですね。
これ、概要欄にリンクも貼っておこうかなと思うんですけど、
英語の記事ですね、space.com っていうサイトに載っていたので、
話してる内容は確かにそうなんだけど、
若干威厄も入ってるかなっていうところは思いながら話してます。
で、月面に重力派の天文学の装置を作ると、
何ができるかっていうと、まず地球ほどの地震がないっていうところがかなり大きくて、
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そういうノイズを排除できるっていうのは、観測器としては最も重要なポイントなんですよね。
ノイズを除去する。
ノイズを除去することは本当に重要で、
例えば、光を見る天文学で人工衛星を宇宙に飛ばすっていうのも、
実はそのノイズを減らすっていうことと一緒で、
人工衛星を宇宙に飛ばすと、地球の表面から観測する上で邪魔になる大気っていうのの影響を受けなくなるから、
より綺麗に見える。
っていうので、こういうタイミングでもやっぱりノイズを減らすために宇宙に行ってるんですよね。
で、重力波天文学も地上でやってたけど、
これ、もっと綺麗な地盤があればいいんじゃないかっていうところで、
月面に設置しようっていうようなアイディアが出ていると。
で、確か重力波天文学を人工衛星同士でやろうみたいな話も確かどっかで出ていたことがある気がするんですけど、
地上でもそうやってかなり苦労してやっている部分を、
人工衛星同士でどこまでできるかっていう、多分技術的なハードルはかなり高いんですよね。
まあまあまあ、そういった思想もあるんですが、
今回提案されたのは月面でやっていこうというところで、
月の地震っていうのは地球に比べたらやっぱり少ないから、
そういうノイズが減らせるっていうところだったり、
あとは月の地震って地球に比べて周波数っていうのも長いらしいんですよね。
そういったところの差からもやっぱりノイズになる動きっていうのが全然違うっていうところから、
月面での重力波天文学の観測装置っていうのの建設は結構いい感じにできるんじゃないかと。
で、そこに加えて重力波天文学って温度とかにもすごい依存するんですよ。
だから、日本だと観測装置を地下に埋めて、さらに観測装置をものすごく冷やして、
で、ノイズを減らすみたいな。
温度ってすごいノイズになるんですよ。
つまり観測の邪魔になるっていうのがあるので、
観測装置をガンガンに冷やすっていうのも実はやられてて、
で、しかも地下に埋めれば埋めるほど涼しい環境をキープできるからっていうところなんですけど、
それでいうと、月面の、例えば永久影って呼ばれるようなクレーターですね。
影がずっとできていて太陽の光が当たらない場所っていうのがあるんですけど、
そういうところに設置すれば温度管理っていうのもすごくイージーになって、
そこって確かマイナス150とか200度とかだったかな。
マイナス100から200ぐらいの間でずっと確かキープされてるはずで、
そのぐらいの温度で、200は嘘だな絶対。すいません。
でもだいたいマイナス100とか、そのぐらいの温度でキープされるから、
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より観測装置に乗る温度的なノイズっていうのも下げることができるというようなところの、
結構目に見えたメリットが多いんですよ。月面に作ると。
そういったところで、これから、まずはアルテミス計画で月面に人が行って、
その場の開発とかが行われた上で実施される計画になるかもしれないですけど、
でも確かに月面に非常に可能性があるところは感じれる面白い研究だなと思って、
今回こんな話をさせていただきました。
ちょっとね、研究会で話した将来構想みたいな話だから、
こういうのって天文学者の数だけあるぐらいのところではあったりするんですよ。
最近だと、一つの研究室でちっちゃい人工衛星打ち上げるとかもできるから、
各研究室が持ってる野望っていうのを叶えやすい時代になってきて、
こういう将来的にこういうことをやりたいんですっていう話は、
多分昔より多く出てると思うんですよね。
で、そういった中での話の一つだなっていうところもありつつ、
なんかこう、わかりやすいメリットがある話って面白いなと思って、
で、実際に人間が月面にたどり着くっていうところも近い将来で見えてきてるからこそ、
じゃあその先に一体どういう文化の広がり、文明の広がりがあるのかって考えたときに、
やっぱり天文学っていうのは一個発展する場として面白いんじゃないかなと思ってるので、
こんな話をしたって感じですね。
僕が大好きで宇宙の道を志したきっかけの一つになってる宇宙兄弟でも実際にそういう話ってあって、
宇宙兄弟の中で月面に天文台を作るみたいなね。
それは確か電波望遠鏡と可視光望遠鏡だったりするんですけど、
それも地球の大気から逃れて、より綺麗な星空が見えて、
より深く宇宙を探索できるみたいなところのメリットが掲げられていたので、
そういったところもあるからこそ、今後の月面活用っていうところはちょっと期待していけたら面白いなと思っております。
宇宙話ではこういうね、ちょっとした空想的な話もしつつ、
現実的な天文学の話もしていければと思っておりますので、ぜひ皆さん楽しんでいってください。
ということで、今回のお話は以上にしていきたいと思います。
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