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2023-05-10 21:56

942. 人間で言うと産後2週間?太陽系最古の火山岩の発見【隕石】

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1日10分、宇宙時間をテーマに毎日お届けしております宇宙話。 今回は、太陽系最古の火山岩が見つかった、そんな研究を紹介していきたいと思います。
太陽系最古、人間でいうところの生後1週間ぐらいの頃に見つかった、 太陽系で昔、火山活動が活発に行われていた。
そしてその証拠から、太陽系の歴史が紐解かれるんじゃないか、 というところの結構インパクトの強い研究。
そして最終的には、これ中学校で勉強した内容とかも出てくるし、 太陽系の歴史を探って、ハヤブサ2とかにも繋がりそうだし、っていうかなり面白い研究になってますので、
ぜひ最後までお付き合いください。
ささき寮の宇宙話。
2023年5月10日始まりました、ささき寮の宇宙話。 このチャンネルでは、1日10分宇宙時間をテーマに、天文学で博士号を取得した専門家の寮が、毎日最新の宇宙トピックをお届けしております。
本日でエピソードが942話目を迎えております。 基本的には1話完結でお話ししているので、気になるタイトルとか気になるトピックから聞き始めていただくのがいいんじゃないかなと思います。
そんな感じで、もう941個もあるので、好きなところから聞いてねっていう、ただそれだけのメッセージなんですけど、面白いなと思ったらぜひフォローしていただいて、毎日ちょっとずつ聞いてくれたら嬉しいです。
ということで、前回はどんなお話をしたのかっていうと、火星の中身を検査するっていうので、人間の妊娠した時とかのエコー検査とかありますね。
あんな感じで火星の中身を把握できるっていうような研究したじゃないですか。 で、その前もハヤブサ2の話とかいろいろした中で、太陽系の歴史を探る。
そこが結局、僕たちが今地球上に住んでいるこの地球の理解だったりとか、太陽系全体の理解だったりとか、あとは生命がどうやって誕生したのかっていうような理解に繋がるっていう話をずっとしてきたんですよ。
そして今回もそこにちょっと近いお話、特にメインは太陽系の初期の情報をつかみたいっていうところで、隕石から太陽系の歴史を探っていく、そんな研究結果を紹介していきたいと思います。
隕石を使った宇宙の研究っていうのはこれまでにも結構行われていて、隕石って結局は太陽系の中にふわふわ浮いているちっちゃい石の塊だったりとかが地球表面に落ちてくる現象なんですよね。
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そうなってくると、太陽系の初期の情報っていうのをそういう隕石とかは持っている可能性があったりするし、あとはそもそもその隕石がもともといた場所っていうのがどういう状況だったのか、温度だったりもそうだし、そういった情報も得られる。
プラスして、そもそも隕石とかって、隕石の大きさにそのままなっていったっていうよりは、宇宙ができてきて、岩石の塊、地球みたいとかにいろいろできたりするんですよ、宇宙空間では。
宇宙空間って何もないと思われているけど、実は塵とかガスとかがたくさんあって、それらが固まってこういう地球みたいな惑星作ったり、もっとすごいとそれこそ太陽みたいな星を作ったりとか、そういったところになってくるんですよね。
で、じゃあ隕石みたいなちょっとちっちゃめのサイズのものって、そのままくっついていってできるものなのかっていうと、どっちかっていうと考え方的には、もともとなんかちょっと中ぐらいの大きさの塊になる、小惑星とかっていうのが近いのかな。
それこそ、ハヤブサ2が取りに行ったリュウグウっていう天体、これも半径直径1キロぐらいのちっちゃい惑星なんですけど、こういうものから砕けて派生したものが隕石として飛んできたりすると。
で、実はハヤブサ2がいたリュウグウっていうのも、母天体みたいなのがあったんじゃないか。つまり、もともともっと大きい塊で天体同士の衝突でそういうちっちゃい塊になったんじゃないかみたいな、そういう話もあったんですけど、そういうのはまた他のエピソードにとっておくとして、そういうふうに隕石っていうのはとにかく大きい塊からなんかちっちゃくなっていったんじゃないかっていうふうに考えられてるんですよね。
そうすると、太陽系の初期とかに形成された比較的大きめの小惑星みたいなところから派生した隕石の情報を探ることによって、太陽系の初期にあったそういう母天体の構造がどうなっていたかとか、そもそも太陽系初期にできるような惑星の中にはどういう物質が含まれていたのか。
その発生した太陽系ができた当時っていうのはどういう状況で宇宙が存在していたのかなんていういろんな情報が取得できるっていうところで隕石への研究っていうのはすごい注目度を集めているっていう、そういう感じですね。
そんな感じで地球上にたくさんの隕石バラバラバラバラ降ってきてるわけなんですけど、その中でもアルジェリアで見つかった隕石を今回は研究してあげたっていう、そういう研究結果になってるんですね。
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アルジェリアで見つかった隕石、これが過去に火山活動を行った形跡があるというところで、宇宙空間の別の天体で起きた火山活動、この情報から太陽系の歴史探れるんじゃないかっていうところが今回の研究結果の大きな成果ですね。
先に結論を言ってしまうと、まずこの隕石、名前EC002って言うんですけど、このEC002から得られた情報が太陽系の一体いつの情報なのかで言うと、太陽系ができてからこれ46億年、47億年っていう、46億年ぐらいかっていうところが立ってるわけじゃないですか。
その中で、太陽系が誕生してからわずか225億万年後、わずか、225万年、わずかなのかな。けどまぁ、宇宙スケールで見たら、本当に46億年っていう歴史がある、この太陽系の中にとっての200万年って、まぁちっちゃいじゃないですか。
パーセンテージで言うと、0.1%とか0.05%とかっていうレベルの長さなわけですよ。つまり僕たちの人生の0.1%ってどんぐらいですかって言われると、何だろうな、100年生きるとかっていう大雑把な計算すると、1%だけで1歳じゃないですか。
で、だから0.5%、0.1%ってなると、もう1年のさらに10分の1ですよね。1ヶ月ぐらい。で、それのさらに半分とかってなるから、数週間ぐらい。って考えると生後数週間のタイミング、人間に換算するとね、っていうぐらいになっているって思うと、まぁまぁ初期の頃の話なのかなっていうふうに考えられるんですよね。
だから、なんか宇宙スケール、人間のスケールと宇宙のスケールで比べちゃうと、どうしても225万光年っていう数字が大きく感じてしまうかもしれないと思うんですけど、全体の歴史の中でのほんの一部、46億年っていう歴史の中での225万年っていうところは、人間換算すると本当に数週間だよねっていう、そういうところで考えると、お、初期じゃん、みたいなね。
ちょっとずつこう、天文学者っぽい、あの頭の中に皆さんをすり替えていくっていうのが、宇宙話のこうね、サブ目的みたいな、今勝手に考えましたけど、っていうふうになってると。で、まぁとにかくそれが見られたっていうのが、ものすごく大きいんですよ。で、じゃあ、その生後数週間の太陽系の情報ってどうなってるのかっていう岩の情報まで見に行こうというところになってるんですね。
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で、この隕石、面白いのが、火山活動のその形跡が残っているから、結構僕たちが中学校とかで勉強したような言葉の上で研究が進んでるんですよ。
火山岩、覚えてます?みなさん。火山岩。たぶん、地理の授業とかのすごい最初の方にやって、全部種類書かされたんじゃないかな。龍門岩、安山岩、玄武岩とか。河口岩みたいなのとかもありましたね。で、えっと、閃光岩。で、えっと、阪…なんだっけな。忘れちゃったな。
まあ、そんな感じ。きっと中学生のリスナーの子もいるかなと思うし、中学生のお子さんを抱えているママさんもいるかもしれないですね。そうなってたら、もしかしたら、中学校で勉強しているお子さんの姿を見てですね、あ、これのことなんだみたいな。
ただ、で、その情報で、特に今回、火山岩の中でも、玄武岩って呼ばれるものと、安山岩と呼ばれる2つが今回登場してきます。この2つ、僕正直言うと、中学校出てから、ポッドキャストやり始めるまで、1回も聞いてないです。1回も聞かないぐらい、なんで勉強したんだろうって思ってました。
ただ、これ、宇宙の研究とか、どんどん追っていくと面白いなと思うのが、中学校とか高校の頃に、意味も分からず、無理やり勉強していた内容が、全部宇宙に繋がるんですよね。一番、僕が衝撃だったのは、やっぱり、元素の周期表ですね。
周期表って、水平、リー、米、僕の船みたいなやつですね。これ、日本中みんな同じ覚え方なのかな。水素、ヘリウムみたいな、水平、リーでリチウムみたいなね。ってなってたと思うんですけど、あれ、ただ単純に覚えてるだけで、全然頭に入ってこなかったんですよ。
実際に、僕、高校とか、なんなら大学入るまで、化学、化け学ですね。めちゃめちゃ苦手だったし。ただ、それの苦手意識が薄れていったのが、宇宙の研究を始めてからなんですよ。理由は二つあって、一個は単純に、研究でそこらへん知らないとマジで終わるっていう状況に追い込まれたから、頭の中に入ってきたっていうパターン。
これはなんか、無理じゃないですか。普通の人にも、もうそんなね、宇宙の研究するんだから覚えろって言われても、いや、しないし、みたいになるじゃないですか。で、もう一個、これが実は本質的に一番面白いなと思ったのは、宇宙空間で作りやすい元素の順番に並んでるんですよね。
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水素とかヘリウムとかっていうのは、結局宇宙空間にたくさんある。なんなら、星の中で作りやすいみたいなところで特徴が付けられていて、で、そこから星の中で鉄ぐらいまで作られるんですよ。
そうなってくると、水平リーベ、僕の船で覚えてたやつっていうのは、比較的、星の中で作りやすいだったり、宇宙空間に割とあるものっていうのが前半に固まってて、後ろの方行くと全然ないみたいな。
っていうので分かれてて、天体の現象と照らし合わせると全然違うものなんだなっていうか、むしろ一触単にちゃんと考えれるものなんだなっていうのが分かって、科学面白いなって思い始めたと。
で、なんでこんな思い出話をしてるかっていうと、今回のこういう火山岩の話、特に原武岩と安山岩の話を今日するんですけど、もし学生の子が聞いていたら、そういう話が最終的には宇宙を解き明かす鍵になると。
ただ単に火山岩を暗記するだけが勉強ではなくて、大丈夫ですよ、僕も暗記してた頃は暗記することが勉強だと思ってたタイプの人間なので、変な意識高い人たちが勉強の意味を考えろとか言うけど、無理じゃないですか、そんなの。
だから僕も元々バカなので、そんなの分かんないし、学生の頃に今戻ったところでその意味理解できるかって言われたら無理だし、覚えておけばいいんですよ、とりあえず。
で、その上でチラッとこういうポッドキャストで聞いた内容で、これが太陽系を解き明かす鍵になるんだって思ってるだけで、頭の中の入り方全然違うから、そういう感じで覚えておくといいんじゃないかなと思うんですよね。
で、かなり話脱線したけど、火山岩っていうのを見ると、そもそも隕石も最初から小さい塊ではなかったっていう話をしましたよね。原子惑星っていうものの一部が天体の衝突によって砕け散って飛び散ってできたものが隕石っていう風に考えられる可能性が高いと。
で、その元々の天体でも普通に火山活動っていうのが起こっていただろうなっていう風に考えられてるんですよ。火山活動って簡単に言うと岩石の塊になりました。
けど、中の物質もろもろとか重力とかの関係で真ん中に強い熱源ができるみたいな。そうすると真ん中の固まったものの中でドロドロに溶岩みたいに融解していく。岩が溶けていって、その溶けたものがまた地表にあふれ出てくる。
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で、そうすると外側に出るとそいつらっていうのは固まって、固まってというか固まりになるので、その固まったものっていうのが、例えば何だろう、阿蘇山行った阿蘇山の周りとか富士山の周りの石とかみたいな感じでガチガチの塊を作る。
ああいうのが火山岩と呼ばれるものですね。そんな火山岩っていうのも中にどういう種類の元素が含まれているかっていうところで種類が大きく分かれるんですよ。
これ、ここがちょっと中学校とかのレベルからは若干出るかなと思ってるんですけど、これ係素。係素ってやつですね。これシリコンって言った方が分かりやすいかな。シリコンだとなんとなく感覚あるじゃないですか。
これ日本語で言うと係素なんですけど、係素が比較的多く含まれているものっていうのが、本当は実際は二酸化係素ってものなんですけど、それが多く含まれているのが杏山岩。係素っていうのが比較的少なくて、鉄とかマグネシウムとかが多めに含まれているのが玄武岩って呼ばれるものですね。
で、今回の主役はこの玄武岩と杏山岩2つ。これまでの研究では、例えば隕石になる前の母天体、太陽系にあった地球とかみたいな原子惑星で形成される火山岩っていうのは、今までの研究で玄武岩って呼ばれる係素が比較的少なくて鉄とかマグネシウムが多いっていう岩だっていうのが予想されていたし、
これまでに実際に見つかった隕石とかも比較的そういうのが多かったっていう特徴があるんですよ。ただ、その一方で杏山岩っていうのはほとんど見つかってなかった。
けど、今回杏山岩が名前に出てくるということは、杏山岩が見つかった。隕石から見つかったっていう研究なんですよね、今回のは。そういう状態になっていた。で、これ何が性質として違うのか。結局、今まで玄武岩がメインであるというふうに思ってたけど、実は調べたら杏山岩っていうところがメインになっているっていうところが考えられてきたっていうところですね。
つまり、こういう情報が今になって太陽系ができた生後1、2週間、実際は225万年なんですけど、そういった中でそういう物質の方が、杏山岩とかみたいな物質の方が実は多かったんじゃないかっていう研究結果が出たのは、かなり面白かったんじゃないかなというところですね。
で、岩を色々調べてみてあげると、もともと隕石の元になった天体の方で、まず溶岩が1200万度から1000度ぐらいまで落ちていくっていうのに、1年で5度ぐらいのペースでゆっくりゆっくり冷却されていった。5度で200度落ちるから、みたいなね、そういう計算をどんどんしていくんですよ。
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そうすると、大体40年ぐらいかけながら、短いな、結構。1年に5度ぐらいのペースで下がっていって、それで溶岩が出来上がっていく。
で、その次に温度が1000度を下回ったぐらいのところから、急にどんどん下がっていく。1日あたり1度ぐらい下がっていくぐらいのイメージらしいですね。
で、そうすると、これが原子惑星に隕石が衝突したことで、溶岩が地表に放出されて、穴を開けられて、より冷めやすくなったみたいな感じで、どんどん冷やされた、みたいなところまでわかってきたと。
これも結局、太陽系ができてから、すぐの頃にこんなに激しい状態で溶岩ができて、そこに外部から衝撃が加わってとかっていうところまで見えてきたのは、かなり面白い部分かなと思っている。
一方で、今までの隕石では、こういう暗山岩、これ結局今回見つかったのって、太陽系最古の火山岩なわけですよ。
太陽系最古の火山岩、つまり火山活動の歴史の中で、一番古い情報がこの46億年前、45.65億年前ですね。
っていうので、見つかったっていうところが結構強い部分になっていて、ただ、今までの隕石でそういうの見つかってないっていう背景も考えると、
これからどんどんいろんな隕石をカバーしていくことによって、新しい太陽系の病像っていうのが見えてくるかもしれない。
最終的には、そこから僕たちがどうやって生まれてきたのか、みたいなところとかまでつながっていくかもしれなくて、
有名なハヤブサ2の研究にもつながるかもしれないし、これから生命探査をしていくっていう文脈の研究にもつながるかもしれないし、
地球自体をもっと理解しようっていう研究にもつながるかもしれないっていう、これ、中学校で勉強したワードからここまで広がるってめちゃめちゃ面白いと思うんですよね。
なので、そういったところちょっとみんなにも興味持ってくれたら嬉しいなと思って、今回こちら紹介させていただきました。
今回の話も面白いなと思ったら、お手元のSpotifyアプリでフォローボタンの下にある星マーク、こちらからレビューいただけたら嬉しいです。
番組の感想ですね。中学校で勉強したワード、こんなに出てくる宇宙の研究知らなかったとか、太陽系の歴史探るのってめっちゃ面白いなとか、逆にこういうのつまんねえなみたいな話とかあったら、
どんどんTwitterのね、ハッシュタグ宇宙話、宇宙が漢字で話がひらがなになってますので、そういったところからお寄せいただけたら嬉しいなと思っております。
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皆さんからのレビューだったり口コミがめちゃめちゃ励みになっているので、引き続き皆さんからのご意見お待ちしております。
次回、次回はアポロ計画って捏造の噂絶えなくないですか。そんな中で今回アポロ計画から50年60年経ってアルテミス計画がスタートし、月面に向かうわけなんですけど宇宙飛行士が。
この映像、レーザー光線で私たちにめちゃめちゃ綺麗な映像として届いてくるっていうのがNASAから発表されたので、こういう話をちょっとアルテミス計画全体も含めいろいろお話ししていければと思っておりますので、月面からの映像興味ある人はぜひ次回も聞いてみてください。
それではまた明日お会いしましょう。さよなら。
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