今、作業に適していない人もいらっしゃるっていうことをおっしゃったんですけども、
具体的にはどういう方たちになりますか?
なるほど、基本的には判決が出た時に、
懲役刑とか均衡刑とか、自由刑の中にはいろいろあるんですけども、
懲役刑っていうのは、刑務所の中で作業するのが義務付けられてるんですね。
その作業をやっていく中で、指示が出ますよね。
これを作りましょう、こういうふうにやってくださいっていう中で、
その指示通り動けなかったり、それはもういろんな特徴があってですね、
例えば身体に何か障害を持ってられる方がいらっしゃるとか、
もしくは、この知的な問題があってできないんだとか、
精神障害を持ちでできないんだとか、
高齢者なので、もうそういう作業ができませんっていうような、
いろんな方が刑務所の中にいらっしゃるっていうことですね。
そういう、そうすると、
しなくてはいけない作業ができない方たちが刑務所にいらっしゃるっていうことなんですけれども、
じゃあその方たちはどのように過ごされてるんですか?
中でですか?
刑務所の中で、そうですね、作業できない方っていうのは、
例えば高齢者の方とかだと養護工場っていうのがあって、
普段ね、例えばこういう作業してください。
さっきの冒頭にあったキャピック製品作るようなのじゃなくて、
例えばむちゃくちゃ簡単な作業ですね。
なんかこの紙を破って揃えましょうとか、
この紙を折りましょうとか、
そういったあの体力がいるようなものだったり、
細かな指示をわからないとできないようなんじゃない作業をされています。
その一般社会だと何らか障害があられたりする方たちだったり、
高齢の方たちは一般の会社でバリバリ働くというよりは、
福祉の事業者に行かれてたりとかするじゃないですか。
刑務所は全部一緒なんですか?
基本的にはそうなんですよ。
あのさっきも言った養護工場に配置されて、
そういう作業をするっていうのはもちろんここ最近では起きてるんですけど、
そもそもそこがボランティア施設でもなければ、
作業場でもないので、
刑を執行してるところですね、刑務所って。
なので誰にはこの罰があって、
誰にはこの罰がないっていうようなことなく公平にしないといけないってまず前提にあって、
で判決の中にこの懲役刑っていうのは作業が義務付けられているので、
じゃあその懲役刑を言い渡された人は全員こういった作業をするってことが前提なんですね。
そうするともう刑務所は刑務所でやることを淡々とやりますっていうことが基本ってことになるんですね。
なんだけど、さっき言った通り、
当然ねこの例えばこういうふうに作業してくださいとか、
この順番にこうしてくださいとか、
で分からなかったら作業指導お願いしますって手を挙げて指導してもらったりするんですけど、
それが指示通りできないとか、そもそもちょっと理解ができないとか、
で身体的な特徴でちょっとその作業ができないっていうことが出てきているっていうことですね。
そういう方たちが刑務所にいらっしゃるってことなんですけど、
それってずっとそういうもんなんですか?
これはね、なかなかちょっと難しい質問なところがあって、
おそらくですけど僕の想像で言うとかなり昔からそういう方いらっしゃったんじゃないかと、
これは想像してます。
多くの一般の方は刑務所ってなんか犯罪者のプロが集まってるとか、
とんでもなく極悪な人たちが集まって隔離されてるんじゃないかって思われるかもしれないんですけど、
そこに対して、いや刑務所の中って実はそういう人たちの集まりでもないんじゃないかっていうきっかけを作った人がいたんですよね。
でこれが山本常治さんっていう、演歌歌手じゃないんですけど、
ちがいますね。
漢字も実はちょっと違うんですけど、
この山本常治さんっていう元国会議員の方がいらっしゃって、
彼が懲役刑の判決を受けて受刑されたんですね。
その時の体験を書かれた本が極早期っていう本が出るんです。
これが2003年のことなんですけども、
彼自身は議員をされてる時に政策秘書の給与を流用したっていうので、
詐欺罪の疑いがかけられて実刑判決を受けて刑務所に行かれるんですけど、
その事件は事件でまた今日は話さないですが、
その後に実刑されてる時に刑務所の中でやることって、
さっき言った例えば製品作ったりとかそういう作業もあるんですけど、
自衛の作業っていうのもあって、
これは例えば料理ってご飯作るとか掃除するとか、
いろんな刑務所の中のことも受刑者がいろいろやるんですよ。
でその作業の中のいくつかの中の一つに介護をするっていうのがあって、
この山本定司さんみたいにですね、人の指示がしっかり聞けて、
言われた詐欺をちゃんとやるっていうような人、こういうところに重宝されるわけですよね。
山本定司さんがその刑務所の中でされてたものの一つがその介護であって、
その介護をしている人たちを見ていると、
実はこの人いろんな知的障害があるんじゃないかとか、
身体障害があるんじゃないかとか、高齢者だからが故に、
一般社会ではなかなか居場所がなくて、
で刑務所にいるんじゃないかこの人たちはっていうような、
刑務所の実態を書いた本が出されたんですね。
それで社会の人たちがこれちょうどこの時期って刑事政策の大変な時期で、
90年代後半にかけて例えばオウムの事件があったりとか、
神戸の連続児童殺傷事件があったりとか、
でこう皆さんが社会に対する不安とかですね、体感知恵がどんどん悪化している時代で、
原罰化の傾向がとても強かったんです、2000年代ぐらいって。
この時期に徹底して原罰化の流れがあったんですけど、
いや刑務所にいる人って皆さんが思っているような極悪人ばっかりじゃないですよ、
っていう風穴を開けるような作品だったんですね。
あの2003年当時、すごく本屋さんにひらずみになってて、
この本ですね。
この本、極総棋がですね、
確かにその刑務所って悪い人が入っていると思うので、
すごくそこはギャップがあったような記憶はありますね。
この当時そうやって、実はこの刑務所の中にいる人のことをちゃんと調査しないといけないっていうこともやっぱり、
研究者の中でも出てきたりしてて、
でちょうどですねこの辺の時期、2006年かなに、
厚生労働科研の、科学研究の厚生労働省からのこの調査が入るっていうのが初めて行われたんですね。
これ実は結構画期的なところで、
なぜかというと、刑務所とか高知所とかってこれ法務省の管轄の施設なので、
で厚労省がここに調査するっていうのは、やっぱなかなか手を出さないというか、
まあ故意にか考えてなかったのかわからないですけど、
基本的には法務省の施設なんで刑務所っていうのは。
ので、こういう何か医療とか福祉の観点からそこを調査するっていうのは、
これまでそんなあることじゃなかったんですよ。
でここにこの実態調査が入っていって、
で全国この15庁だったかな、の刑務所に収容されている約2万7000人の受刑者の方たちの知的障害とか、
それが疑われる人がどれぐらいいるかと、こういう調査が入ったわけですね。
でここで数としては例えば410名の方が出てきて、知的障害かもしくは疑われるっていう人が出てきたって言われてるんですけど、
ただこれもその調査ができないレベルの人もいるわけですよね。
でそれが、なのではっきりこの人は知的障害だ、それは疑われるぞっていうのは一応数として410で出たんですけど、
そもそもそのIQテストとかこういうのがなかなか実施できない人もいらっしゃるので、
完全にこの410名が全てを表しているかどうかちょっとまだもしかしたらもっと増えるのかもしれないですけど、
この調査で出てきたの例えば410名が疑われる人で、
でさらにですよそのうちこの余育手帳ですね、福祉のサービスを社会で受けている、受けれるはずの余育手帳を持っている方が26名だったと。
じゃあほとんどの人が刑務所で知的障害があるもしくは疑われている人が、社会の中で福祉のサービスを受けてこなかったってことなんですね。
でこういうのがどんどんさっきの山本定司さんの本の後にムーブメントとして、
いや刑務所には福祉のサービスを受けないと社会でそれは生活しにくかっただろうという人たちがいることがまず光が当たる。
でその後にこの厚労省の調査で知的障害があるもしくは疑われているという人が一定程度いて、
さらにその中で余育手帳を持っている人はほとんど少ないっていうことが分かってきて、
じゃあいろんなところで行きづらかった人が刑務所にいるんじゃないかということがどんどん明らかになっていった時期なんですねこの辺の時。
今そのお話しいただいた2000年最初の頃に事件としてもすごく印象的な事件があったのでちょっとここでご紹介をしたいと思います。
2006年の1月7日に山口県の下関駅の駅舎が放火によって全焼するっていう事件が起きるんですね。
ですごいシンボル的な綺麗な木造の車屋だったんですけれども全焼してしまったと。
幸い人的な被害はなかったんですけれども大変な報道されました。
この事件で逮捕されたのが当時74歳の無職の男性で、この方はですねついほんの8日前に刑務所を出てきたとこだったと。
その8日間何をされてたかっていうと出所後行くとこもないし、彷徨ってたらお金当然なくなって、
で前の日に逮捕されたいからわざわざ万引きして警察で自分で言いに行ったんだけど、
警察でもなんか逮捕とかもしてもらえなくて、生活保護申請行きなさいって言われたから市役所行ったんだけどここではできないから
ここへ行きなさいって言ってなんかバス代とかもらって、そのもらったお金で下関駅まで行って夜まで駅に行ったんだけど
駅行って夜閉まるから出てきなさいって。 思い出されるわけです。しかも冬ですもんね1月だったらね。 それでもうとにかく刑務所に帰りたいっていうことで火をつけたと
いうことがすぐに少し経って報道されたんですね。とても今の同じ時期の事件でやっぱりこの辺もすごく大きく影響したのかなというふうに思います。
そうなんです。この下関のこの放火事件ですごい当時センセーショナルでいろんな角度からいろんなことが言われるんですけども
例えばやっぱ一番のポイントっていうのはこうやってご自身ご一人でいろんな福祉のサポートを受けるって困難な状態にありながら
あっち行ってくださいこっち行ってくださいって何度もたらい回しのようにされてしまって、最終的にはもう下関の駅で夜になってこの駅寒いし
で自分の居場所としてはもう刑務所しかないと思われてご本人は。で戻りたいなと思って確かこれ当時この事件の前も何度かぼや騒ぎで
刑務所に行くっていうのされてたと思うんですよ。で今回も多分ねそういうのをしてで刑務所に戻れたらいいなと多分願われたんだと思うんですけど
それがやっぱりこう火が燃えてしまって結構歴史的な木造の建物だった下関駅が燃えてしまって
でこう逮捕当初はですねこう放火事件その前回があって刑務所出たばかりの人が再犯みたいになったんですけど
ただこうやって今言ったような背景が分かるにつれて例えばいろんな窓口で生活保護の相談するんだけどやっぱりこう窓口でここでは無理ですとか
あっち行ってくださいこっち行ってくださいって回されたぎく戻りたくなってしまってっていうところで
この辺から実はなんかこう刑務所に何度も戻ってくる人っていうのは社会でも居場所がなくて
さらにそれを支援を受けれる状態でもなくてでさっきの調査で分かったみたいに知的障害疑われたり知的障害の人が
ほとんど手帳持ってないで社会で生活されてたっていうことが分かってきたってところはもしかしたらご本人も
で周りのご家族とかいろんな職場の人もこの人が知的に障害があるとかいろんなことに気づかないままっていうのもあるんですけど
ただその状態であるがゆえに例えば仕事がうまくいかなかったとか人間関係うまくいかなかったとか
家族関係でちょっとうまくいかないっていうのを繰り返されててでもうこの方みたいに自分の居場所としてはもう刑務所が唯一ノーって言わない施設だっていう
留国大学の浜井先生が刑務所だけは唯一ノーと言わない施設だとこういうこと言われてるんですけどその意味としては
例えば今の下関の方でもその通りなんですけど今日生活保護受けたいですって無理ですとか
病院で入院させてくださいって今日は病床がいっぱいなので無理ですとかいろんな福祉施設行って助けてくださいって言っても今日はちょっともういっぱいなんで無理ですとか
そもそも時間外なんで閉まってますとかいろんなところでどこからもサポート受けられなかった時に唯一そういう方たちがノーと言われない施設はどこかって言うと刑務所だと
これがさっきの浜井先生がよくおっしゃってることなんですけどであれどころで刑務所だけは唯一裁判所が例えば懲役5年って言った人を
今ちょっと過剰収容でいっぱいなんで無理ですとは言わないわけですよね裁判所が言ったことに対して刑務所は絶対それは
懲役5年なら5年受け入れるわけじゃないですか
となるとあらゆるところで今日はちょっと無理ですって言われた谷間に落ちてしまった人
隙間隙間に落ちてしまった人が来る唯一の唯一かどうかわかんないですけど受け皿になってるのは刑務所じゃないかと言われていて
でこういういろんなところの隙間に落ちてしまった方が来てるんだってことがどんどんわかってきたわけですね
なんか当時そのやっぱり74歳の方が一人で行くとこもなく
寒い冬に外に出るっていうこと自体が結構びっくりするというか
なんか刑務所ってそのそういう人がいているのっていう確かにすごく大きなきっかけだったと思うんですよね
社会にいればもう5年齢から考えれば高齢者の電子サービスとか
ここに刑事司法と福祉っていうような分野が研究されるっていうところがより光が当たるようになったということですね
この辺の出来事をきっかけに先日ちょっとだけ名前だけ出ましたかね
地域生活定着支援センターの設立につながるような時期のことですよね
そうです
そうすると今の司法と福祉の連携っていう分野というか言葉が
確かにその頃からすごく聞くようになったと思うんですね
そうするとやっぱり司法は刑務所があってそこで罰を受けるっていうのがあると思うんですけど
そこがやっぱり福祉的なものとの繋がりがいるよねとか福祉の支援が必要な方がいらっしゃるよねみたいな風に
変わっていったみたいな理解でいいんですか
そうなんですよこの時期ってちょうど社会福祉士の試験科目にも厚生保護制度とか今で言うと刑事司法と福祉っていうものが科目として入っていて
社会福祉士さんの試験を受ける時に科目で受けないといけないんですね
でいろんな大学で科目として入っているので実は僕も某大学の社会福祉士の試験を受ける方の授業に行くんですよ
でなぜ刑事司法と福祉が連携しないといけないのかって話をしていくんですけど
でやっぱそこでただ気になることとして教えていきながらこれ実はちゃんと理解してもらえるように話せているかって次回を込めて言うんですけど
あらゆるところでテーマとしては再犯防止っていう言葉が出てくるんですね
でこの再犯防止をどういう角度からやるのかって実は全然違う問題が起きていて
これどういうことかってもうちょっと説明すると
実はこの仮にですよそこから争いはあるんですけど
例えばこう再犯をさせないというか本人にとって不利益になることになるから
周りもだし本人もだし再犯が起きてしまうとですよ
なのでその再び犯罪をしないようにそれを防止したいっていう目的はそれだとしても
その再犯をさせない方法ですね
これが究極的には両極端あるわけですよ
どういうことかというと例えばですよ
この人が再び逸脱行為とか再犯をしないためにですよ
電子チップを埋めて24時間365日監視して
で例えばここに近づくなよってとこの半径1キロに入ったら点滅してマップ上
で近くを回っている警察官が身体拘束に行き
でお前何してんだとか何かそんなことをするつもりも全くなかったかもしれないけど
取るなと言われた行動とおろしそうになったから
そこで身柄を拘束して一切そう犯罪なんかできないように監視し続けるっていう
再犯防止も一方極端ですよ
極端に言うとあってもう一方で行くと
例えばその本人の生きづらさの部分です
例えば家族関係とうまくいってなくて話せないんですとか
職場が見つからなくてとか職場でいじめにあってるんですとか
この街ではなんかこういう風な差別を受けるんですとか
なんかその人が抱えている生きづらさを一緒に解決してって
じゃあこういう風に次こういう職場探そうかとか
家族関係の間に入ろうかとか
最近誰々と話せてるとか病院通えてるみたいなところを一緒に並走しながら
ずっと何年も経ってきて
振り返ったら犯罪なかったやん
再犯なかったやんっていうような再犯の防止もあるんですよ
両極端ですよ
で同じ言葉としては目的は再犯防止だって言っても
そこに向かっていく手段はむちゃむちゃ多様で
何なら両極端あるわけです
でじゃあ今社会の中でどっちが取られがちかっていうと
おそらくですよ社会安全のための
なんていうのかな本人の立ち直りとか
突き沿って再犯なかったねっていうんじゃなくて
なんかこのリスクあるこの人間が
何か悪いことしないように徹底して管理してやれと
こういう再犯防止に生きがち
ってなると総合監視社会とか
なんかねもういろんな問題が起き起こされるんですけど
でだからさっきの話に戻って福祉学部とかで説明するんですよ
で再犯防止っていう言葉があってって時に
おそらくこの福祉に関わってる方たちの
再犯を防ぎたいっていうのは