2023-06-13 35:55

#011 刑事司法と福祉〜再犯防止に込められた想いの違い〜

<トークテーマ>

・刑務作業に適していない人

・養護工場

・山本譲司さんの『獄窓記』

・刑務所の実態

・受刑者の実態調査

・刑務所と福祉

・下関駅放火事件

・社会での居場所の喪失

・再犯と福祉

・司法と福祉の連携

・再犯防止の捉え方

・社会安全のための再犯防止

・本人のための再犯防止

・平野区市営住宅殺人事件

・社会の受け皿

・本人の立ち直りと社会の安全


<犯罪学の視点から語るエンタメ作品>

・押川剛、鈴木マサカズ『「子供を殺してください」という親たち』

・Mr.Children「タガタメ」


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サマリー

刑事司法と福祉について話されています。刑務所で作業できない人たちの問題や、刑務所の実態、知的障害を持つ受刑者の数などについて話されています。この事件では再犯防止についての視点の違いが明らかになり、刑事司法と福祉の連携が必要です。再犯を防ぐ手段としては、24時間監視や身体拘束などの極端な方法と、生きづらさを解決する支援や職場探しのような手段がありますが、現在は社会安全のための管理が優先されていると考えられています。福祉の目的は人生を豊かにすることであり、再犯防止は福祉の仕事の一環です。しかし、社会の安全のために刑務所に入れる目的とは異なるため、再犯防止の意味が変わってしまっていることが問題となっています。刑事司法と福祉についての話で、再犯防止の思いを犯罪対策と福祉の視点から説明されました。

刑務所での作業と福祉の関係
ところで、南口さんはキャピック製品でお気に入りのものってありますか?
南口 それ何ですか?っていうところかもしれないんですけど、
私、福祉郎刑務所のキツネグッズが世界一可愛いと思ってめっちゃ使ってるんです。
なるほど。確かにキャピック製品って何なんていう話からスタートしようと思ったんですけど、
もう既に愛用されてるんですね。
南口 そうですね。
一応、聞いてもらってる方に説明しますと、
キャピックっていうのは刑務所の作業製品ですね、のことなんですけども、
それを広くブランドイメージをつけてですね、
安くて品質の良いものを広めていっていこうっていうものの中で、
これを刑務作業のもので作ったものを全国で売っていこうっていうようなものがあるんですよ。
南口 なるほど。今日はあれですね、キャピック製品の話をするってことですね。
だと思いますよね、ここの話の振り方するとね。
ただ今日はそうじゃなくて、実は刑務所での作業ってね、
いろんなものを作ったりとか、推奨されたりとか、いろんなことをされてるんですけども、
刑罰として作業っていうのをやっていくんですが、
ただその作業が全般に全員ができるものじゃなくて、
それができないっていう問題も起きていて、
それができない人っていうのは、いろんな問題を抱えられてるんですけど、
その辺の入り口にして今日は刑事司法と福祉について話したいと思います。
丸ちゃん教授の罪な話、市民のための犯罪学
刑事政策、犯罪学を専門とする立証大学教授で、
一般社団法人刑事司法未来の丸山康博です。
同じく刑事司法未来の南口文です。
このトーク番組は、一般社団法人刑事司法未来が送る、
これまでとは異なった視点から、罪と罰を考えるものです。
ニュースでは聞けない犯罪学、刑事政策の話について、
わかりやすく解説をしていきます。
お堅いテーマですが、なるべく親しみやすい形でお伝えできればと思います。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
刑務所での作業に適さない人たち
今、作業に適していない人もいらっしゃるっていうことをおっしゃったんですけども、
具体的にはどういう方たちになりますか?
なるほど、基本的には判決が出た時に、
懲役刑とか均衡刑とか、自由刑の中にはいろいろあるんですけども、
懲役刑っていうのは、刑務所の中で作業するのが義務付けられてるんですね。
その作業をやっていく中で、指示が出ますよね。
これを作りましょう、こういうふうにやってくださいっていう中で、
その指示通り動けなかったり、それはもういろんな特徴があってですね、
例えば身体に何か障害を持ってられる方がいらっしゃるとか、
もしくは、この知的な問題があってできないんだとか、
精神障害を持ちでできないんだとか、
高齢者なので、もうそういう作業ができませんっていうような、
いろんな方が刑務所の中にいらっしゃるっていうことですね。
そういう、そうすると、
しなくてはいけない作業ができない方たちが刑務所にいらっしゃるっていうことなんですけれども、
じゃあその方たちはどのように過ごされてるんですか?
中でですか?
刑務所の中で、そうですね、作業できない方っていうのは、
例えば高齢者の方とかだと養護工場っていうのがあって、
普段ね、例えばこういう作業してください。
さっきの冒頭にあったキャピック製品作るようなのじゃなくて、
例えばむちゃくちゃ簡単な作業ですね。
なんかこの紙を破って揃えましょうとか、
この紙を折りましょうとか、
そういったあの体力がいるようなものだったり、
細かな指示をわからないとできないようなんじゃない作業をされています。
その一般社会だと何らか障害があられたりする方たちだったり、
高齢の方たちは一般の会社でバリバリ働くというよりは、
福祉の事業者に行かれてたりとかするじゃないですか。
刑務所は全部一緒なんですか?
基本的にはそうなんですよ。
あのさっきも言った養護工場に配置されて、
そういう作業をするっていうのはもちろんここ最近では起きてるんですけど、
そもそもそこがボランティア施設でもなければ、
作業場でもないので、
刑を執行してるところですね、刑務所って。
なので誰にはこの罰があって、
誰にはこの罰がないっていうようなことなく公平にしないといけないってまず前提にあって、
で判決の中にこの懲役刑っていうのは作業が義務付けられているので、
じゃあその懲役刑を言い渡された人は全員こういった作業をするってことが前提なんですね。
そうするともう刑務所は刑務所でやることを淡々とやりますっていうことが基本ってことになるんですね。
なんだけど、さっき言った通り、
当然ねこの例えばこういうふうに作業してくださいとか、
この順番にこうしてくださいとか、
で分からなかったら作業指導お願いしますって手を挙げて指導してもらったりするんですけど、
それが指示通りできないとか、そもそもちょっと理解ができないとか、
で身体的な特徴でちょっとその作業ができないっていうことが出てきているっていうことですね。
そういう方たちが刑務所にいらっしゃるってことなんですけど、
それってずっとそういうもんなんですか?
刑務所における福祉の問題
これはね、なかなかちょっと難しい質問なところがあって、
おそらくですけど僕の想像で言うとかなり昔からそういう方いらっしゃったんじゃないかと、
これは想像してます。
多くの一般の方は刑務所ってなんか犯罪者のプロが集まってるとか、
とんでもなく極悪な人たちが集まって隔離されてるんじゃないかって思われるかもしれないんですけど、
そこに対して、いや刑務所の中って実はそういう人たちの集まりでもないんじゃないかっていうきっかけを作った人がいたんですよね。
でこれが山本常治さんっていう、演歌歌手じゃないんですけど、
ちがいますね。
漢字も実はちょっと違うんですけど、
この山本常治さんっていう元国会議員の方がいらっしゃって、
彼が懲役刑の判決を受けて受刑されたんですね。
その時の体験を書かれた本が極早期っていう本が出るんです。
これが2003年のことなんですけども、
彼自身は議員をされてる時に政策秘書の給与を流用したっていうので、
詐欺罪の疑いがかけられて実刑判決を受けて刑務所に行かれるんですけど、
その事件は事件でまた今日は話さないですが、
その後に実刑されてる時に刑務所の中でやることって、
さっき言った例えば製品作ったりとかそういう作業もあるんですけど、
自衛の作業っていうのもあって、
これは例えば料理ってご飯作るとか掃除するとか、
いろんな刑務所の中のことも受刑者がいろいろやるんですよ。
でその作業の中のいくつかの中の一つに介護をするっていうのがあって、
この山本定司さんみたいにですね、人の指示がしっかり聞けて、
言われた詐欺をちゃんとやるっていうような人、こういうところに重宝されるわけですよね。
山本定司さんがその刑務所の中でされてたものの一つがその介護であって、
その介護をしている人たちを見ていると、
実はこの人いろんな知的障害があるんじゃないかとか、
身体障害があるんじゃないかとか、高齢者だからが故に、
一般社会ではなかなか居場所がなくて、
で刑務所にいるんじゃないかこの人たちはっていうような、
刑務所の実態を書いた本が出されたんですね。
それで社会の人たちがこれちょうどこの時期って刑事政策の大変な時期で、
90年代後半にかけて例えばオウムの事件があったりとか、
神戸の連続児童殺傷事件があったりとか、
でこう皆さんが社会に対する不安とかですね、体感知恵がどんどん悪化している時代で、
原罰化の傾向がとても強かったんです、2000年代ぐらいって。
この時期に徹底して原罰化の流れがあったんですけど、
いや刑務所にいる人って皆さんが思っているような極悪人ばっかりじゃないですよ、
っていう風穴を開けるような作品だったんですね。
あの2003年当時、すごく本屋さんにひらずみになってて、
この本ですね。
この本、極総棋がですね、
確かにその刑務所って悪い人が入っていると思うので、
すごくそこはギャップがあったような記憶はありますね。
この当時そうやって、実はこの刑務所の中にいる人のことをちゃんと調査しないといけないっていうこともやっぱり、
研究者の中でも出てきたりしてて、
でちょうどですねこの辺の時期、2006年かなに、
厚生労働科研の、科学研究の厚生労働省からのこの調査が入るっていうのが初めて行われたんですね。
これ実は結構画期的なところで、
なぜかというと、刑務所とか高知所とかってこれ法務省の管轄の施設なので、
で厚労省がここに調査するっていうのは、やっぱなかなか手を出さないというか、
まあ故意にか考えてなかったのかわからないですけど、
基本的には法務省の施設なんで刑務所っていうのは。
ので、こういう何か医療とか福祉の観点からそこを調査するっていうのは、
これまでそんなあることじゃなかったんですよ。
でここにこの実態調査が入っていって、
で全国この15庁だったかな、の刑務所に収容されている約2万7000人の受刑者の方たちの知的障害とか、
それが疑われる人がどれぐらいいるかと、こういう調査が入ったわけですね。
でここで数としては例えば410名の方が出てきて、知的障害かもしくは疑われるっていう人が出てきたって言われてるんですけど、
ただこれもその調査ができないレベルの人もいるわけですよね。
でそれが、なのではっきりこの人は知的障害だ、それは疑われるぞっていうのは一応数として410で出たんですけど、
そもそもそのIQテストとかこういうのがなかなか実施できない人もいらっしゃるので、
完全にこの410名が全てを表しているかどうかちょっとまだもしかしたらもっと増えるのかもしれないですけど、
この調査で出てきたの例えば410名が疑われる人で、
でさらにですよそのうちこの余育手帳ですね、福祉のサービスを社会で受けている、受けれるはずの余育手帳を持っている方が26名だったと。
じゃあほとんどの人が刑務所で知的障害があるもしくは疑われている人が、社会の中で福祉のサービスを受けてこなかったってことなんですね。
でこういうのがどんどんさっきの山本定司さんの本の後にムーブメントとして、
いや刑務所には福祉のサービスを受けないと社会でそれは生活しにくかっただろうという人たちがいることがまず光が当たる。
でその後にこの厚労省の調査で知的障害があるもしくは疑われているという人が一定程度いて、
さらにその中で余育手帳を持っている人はほとんど少ないっていうことが分かってきて、
じゃあいろんなところで行きづらかった人が刑務所にいるんじゃないかということがどんどん明らかになっていった時期なんですねこの辺の時。
今そのお話しいただいた2000年最初の頃に事件としてもすごく印象的な事件があったのでちょっとここでご紹介をしたいと思います。
刑事司法と福祉の連携
2006年の1月7日に山口県の下関駅の駅舎が放火によって全焼するっていう事件が起きるんですね。
ですごいシンボル的な綺麗な木造の車屋だったんですけれども全焼してしまったと。
幸い人的な被害はなかったんですけれども大変な報道されました。
この事件で逮捕されたのが当時74歳の無職の男性で、この方はですねついほんの8日前に刑務所を出てきたとこだったと。
その8日間何をされてたかっていうと出所後行くとこもないし、彷徨ってたらお金当然なくなって、
で前の日に逮捕されたいからわざわざ万引きして警察で自分で言いに行ったんだけど、
警察でもなんか逮捕とかもしてもらえなくて、生活保護申請行きなさいって言われたから市役所行ったんだけどここではできないから
ここへ行きなさいって言ってなんかバス代とかもらって、そのもらったお金で下関駅まで行って夜まで駅に行ったんだけど
駅行って夜閉まるから出てきなさいって。 思い出されるわけです。しかも冬ですもんね1月だったらね。 それでもうとにかく刑務所に帰りたいっていうことで火をつけたと
いうことがすぐに少し経って報道されたんですね。とても今の同じ時期の事件でやっぱりこの辺もすごく大きく影響したのかなというふうに思います。
そうなんです。この下関のこの放火事件ですごい当時センセーショナルでいろんな角度からいろんなことが言われるんですけども
例えばやっぱ一番のポイントっていうのはこうやってご自身ご一人でいろんな福祉のサポートを受けるって困難な状態にありながら
あっち行ってくださいこっち行ってくださいって何度もたらい回しのようにされてしまって、最終的にはもう下関の駅で夜になってこの駅寒いし
で自分の居場所としてはもう刑務所しかないと思われてご本人は。で戻りたいなと思って確かこれ当時この事件の前も何度かぼや騒ぎで
刑務所に行くっていうのされてたと思うんですよ。で今回も多分ねそういうのをしてで刑務所に戻れたらいいなと多分願われたんだと思うんですけど
それがやっぱりこう火が燃えてしまって結構歴史的な木造の建物だった下関駅が燃えてしまって
でこう逮捕当初はですねこう放火事件その前回があって刑務所出たばかりの人が再犯みたいになったんですけど
ただこうやって今言ったような背景が分かるにつれて例えばいろんな窓口で生活保護の相談するんだけどやっぱりこう窓口でここでは無理ですとか
あっち行ってくださいこっち行ってくださいって回されたぎく戻りたくなってしまってっていうところで
この辺から実はなんかこう刑務所に何度も戻ってくる人っていうのは社会でも居場所がなくて
さらにそれを支援を受けれる状態でもなくてでさっきの調査で分かったみたいに知的障害疑われたり知的障害の人が
ほとんど手帳持ってないで社会で生活されてたっていうことが分かってきたってところはもしかしたらご本人も
で周りのご家族とかいろんな職場の人もこの人が知的に障害があるとかいろんなことに気づかないままっていうのもあるんですけど
ただその状態であるがゆえに例えば仕事がうまくいかなかったとか人間関係うまくいかなかったとか
家族関係でちょっとうまくいかないっていうのを繰り返されててでもうこの方みたいに自分の居場所としてはもう刑務所が唯一ノーって言わない施設だっていう
留国大学の浜井先生が刑務所だけは唯一ノーと言わない施設だとこういうこと言われてるんですけどその意味としては
例えば今の下関の方でもその通りなんですけど今日生活保護受けたいですって無理ですとか
病院で入院させてくださいって今日は病床がいっぱいなので無理ですとかいろんな福祉施設行って助けてくださいって言っても今日はちょっともういっぱいなんで無理ですとか
そもそも時間外なんで閉まってますとかいろんなところでどこからもサポート受けられなかった時に唯一そういう方たちがノーと言われない施設はどこかって言うと刑務所だと
これがさっきの浜井先生がよくおっしゃってることなんですけどであれどころで刑務所だけは唯一裁判所が例えば懲役5年って言った人を
今ちょっと過剰収容でいっぱいなんで無理ですとは言わないわけですよね裁判所が言ったことに対して刑務所は絶対それは
懲役5年なら5年受け入れるわけじゃないですか
となるとあらゆるところで今日はちょっと無理ですって言われた谷間に落ちてしまった人
隙間隙間に落ちてしまった人が来る唯一の唯一かどうかわかんないですけど受け皿になってるのは刑務所じゃないかと言われていて
でこういういろんなところの隙間に落ちてしまった方が来てるんだってことがどんどんわかってきたわけですね
なんか当時そのやっぱり74歳の方が一人で行くとこもなく
寒い冬に外に出るっていうこと自体が結構びっくりするというか
なんか刑務所ってそのそういう人がいているのっていう確かにすごく大きなきっかけだったと思うんですよね
社会にいればもう5年齢から考えれば高齢者の電子サービスとか
再犯を防ぐ手段の違い
そういう高齢者の福祉の事業を使われている方が比較的多い年代だと思うんですけど
そのそういうこととのつながりなく刑務所から出てきているってことだったんですよね
で当時からこの事件も確かにものすごくセンセーショナルだったし
さっきの山本常治さんの方もそうだし
厚労省の調査もそうだし
福祉的なサービスの行き届いてないが故に再販を繰り返す人がいるんじゃないかってところにも
光が当たるようになっててここに司法と福祉っていうような
これの時点はこの分野自体はもちろん昔からこういうサポートがいるねっていうことは確かに言われてはいたんですけど
より強く光が当たるようになったというか
見方だと思うんですよこれ聞いている方もそうだと思うんですけど
例えば善加十犯とか善加十五犯とか聞くととんでもなく危険な人なんじゃないかと
善加がね十五犯もあるって聞いたら
ただそれって十五犯もできるっていうのは一個一個が超軽いやつなんです
もちろん犯罪はダメですけど犯罪を許せと言ってる話ではないんですけど
ただ一つ一つがすごい警備のやつを何度もたれるから善加が十五犯もいけるんですね
一つで重たいものされた善加も一般が長期になるので刑務所に行くっていう時点で
なのでその善加がたくさんある方ってなんかここだけ聞くと
強悪な超悪そうな人を想像しがちですけど
ただその善加十犯十五犯できるっていう時点でものすごく警備なものを繰り返されているわけなんで
じゃあその警備に繰り返されているものは何なのか
例えば窃盗だとかそれもコンビニでおにぎりを取っているんだとか
もしくはなんかお金がないのに料理を注文してしまって
これは詐欺罪にあたるので無線飲食ですね昔で言う
今も言いますけど無線飲食っていうのを繰り返してて何度も刑務所行ってるっていうのは
これはただただ社会での生きづらさを抱えている人がそういうのを繰り返してるんじゃないかってところにやっと光が当たって
司法だけの問題ではない福祉だけの問題でもないので両方に重なり合う部分
再犯防止の焦点
ここに刑事司法と福祉っていうような分野が研究されるっていうところがより光が当たるようになったということですね
この辺の出来事をきっかけに先日ちょっとだけ名前だけ出ましたかね
地域生活定着支援センターの設立につながるような時期のことですよね
そうです
そうすると今の司法と福祉の連携っていう分野というか言葉が
確かにその頃からすごく聞くようになったと思うんですね
そうするとやっぱり司法は刑務所があってそこで罰を受けるっていうのがあると思うんですけど
そこがやっぱり福祉的なものとの繋がりがいるよねとか福祉の支援が必要な方がいらっしゃるよねみたいな風に
変わっていったみたいな理解でいいんですか
そうなんですよこの時期ってちょうど社会福祉士の試験科目にも厚生保護制度とか今で言うと刑事司法と福祉っていうものが科目として入っていて
社会福祉士さんの試験を受ける時に科目で受けないといけないんですね
でいろんな大学で科目として入っているので実は僕も某大学の社会福祉士の試験を受ける方の授業に行くんですよ
でなぜ刑事司法と福祉が連携しないといけないのかって話をしていくんですけど
でやっぱそこでただ気になることとして教えていきながらこれ実はちゃんと理解してもらえるように話せているかって次回を込めて言うんですけど
あらゆるところでテーマとしては再犯防止っていう言葉が出てくるんですね
でこの再犯防止をどういう角度からやるのかって実は全然違う問題が起きていて
これどういうことかってもうちょっと説明すると
実はこの仮にですよそこから争いはあるんですけど
例えばこう再犯をさせないというか本人にとって不利益になることになるから
周りもだし本人もだし再犯が起きてしまうとですよ
なのでその再び犯罪をしないようにそれを防止したいっていう目的はそれだとしても
その再犯をさせない方法ですね
これが究極的には両極端あるわけですよ
どういうことかというと例えばですよ
この人が再び逸脱行為とか再犯をしないためにですよ
電子チップを埋めて24時間365日監視して
で例えばここに近づくなよってとこの半径1キロに入ったら点滅してマップ上
で近くを回っている警察官が身体拘束に行き
でお前何してんだとか何かそんなことをするつもりも全くなかったかもしれないけど
取るなと言われた行動とおろしそうになったから
そこで身柄を拘束して一切そう犯罪なんかできないように監視し続けるっていう
再犯防止も一方極端ですよ
極端に言うとあってもう一方で行くと
例えばその本人の生きづらさの部分です
例えば家族関係とうまくいってなくて話せないんですとか
職場が見つからなくてとか職場でいじめにあってるんですとか
この街ではなんかこういう風な差別を受けるんですとか
なんかその人が抱えている生きづらさを一緒に解決してって
じゃあこういう風に次こういう職場探そうかとか
家族関係の間に入ろうかとか
最近誰々と話せてるとか病院通えてるみたいなところを一緒に並走しながら
ずっと何年も経ってきて
振り返ったら犯罪なかったやん
再犯なかったやんっていうような再犯の防止もあるんですよ
両極端ですよ
で同じ言葉としては目的は再犯防止だって言っても
そこに向かっていく手段はむちゃむちゃ多様で
何なら両極端あるわけです
でじゃあ今社会の中でどっちが取られがちかっていうと
おそらくですよ社会安全のための
なんていうのかな本人の立ち直りとか
突き沿って再犯なかったねっていうんじゃなくて
なんかこのリスクあるこの人間が
何か悪いことしないように徹底して管理してやれと
こういう再犯防止に生きがち
ってなると総合監視社会とか
なんかねもういろんな問題が起き起こされるんですけど
でだからさっきの話に戻って福祉学部とかで説明するんですよ
で再犯防止っていう言葉があってって時に
おそらくこの福祉に関わってる方たちの
再犯を防ぎたいっていうのは
再犯防止の思いの違い
ご本人のそれまで例えば積み上げてきた生活環境とか
支援のチーム作りとか
でここで作業ができるようになったねとか
どこどこにつなげたねとか
次はこっちのから生活保護からちょっとずつ離れていって
自分で生活してみようか
ここまで積み上げてきたものが
犯罪をしてしまうともう一回刑務所に行って
全層崩れになってしまうんで
そういう意味で本人にとって良くないから
再犯は防ぎたいっておっしゃってる方が
ほとんどなんですよ僕が話聞く限り
いやそれはだってそもそも福祉の目的は
その人の人生をより豊かにとか
よりその人らしくとか
それが福祉の仕事なので
そんなこの人がなんか悪いことさえせんかったらいいとか
っていう福祉人は基本いないはずですよね
その通りなんですよ
なのでおそらくそこで再犯をさせたくないですっていうのは
そういうつもりでおっしゃってるんですけど
ただそこでいう再犯防止っていう言葉を
気をつけないといけないのは
社会安全のためにって考えるのが
そういう現場にいない人たちはほとんどだと思うんですよね
そもそも司法の刑務所に入れる目的っていうのとかには
その本人の幸せな人生のために
刑務所に入れてるっていうのは
ちょっとあんまりそぐわないですよね
考え方が
だからそれはそうですよね
これで当時それこそ何ていうのかな
犯罪対策閣僚会議とか
どういうふうに犯罪とか
再犯と向き合っていくかっていう時に
それこそ2003年とか
古い時期は少年犯罪が問題だとか
外国人犯罪が原因なんだとかって
言ってたような時期はあったんですけど
その後徐々にですよ
なんか孤立した若い人たちのサポートが必要なんだとか
再犯のここから立ち直るためには
基柱先とか仕事の安定とかがいるんだって
やっとここまで積み上がってきたんですね
いろんな研究と
あと犯罪対策閣僚会議とか
そういう政府とか国の対策は
でこの問題を考える人は
そうやってサポートが再犯防ぐのにいるね
とか行きづらさの解消だねっていうのは来たんですけど
その感覚に僕が心配してるのは
市民の考えもそれに一緒に伴って
変わってきてるかというと
おそらくさっき心配した
社会安全のための再犯防止で
ずっと同じところに留まってるんじゃないかと思っていて
ここで再犯防止がちょっと本来の目的と
かけ離れてきてしまってるんじゃないか
っていうのが起きてるんじゃないかと
そういうのを不安に思っているわけです
あの再犯っていう時のイメージが
その刑務所にいる人っていうののイメージと同じで
なんかすごい人殴って
殴り倒して物を取ってた人が
またやるみたいなことが
やっぱり出てきちゃう感じがあるかもしれないですよね
だからそういうのはやめてもらわなきゃ
危険な人が社会にいては困るって思ってしまうってことですよね
確かにその側面はあって
でもさっき言った通り
犯罪対策閣僚会議とか
研究者たちはそういうふうなものが必要だなって
分かってきたんですけど
ただこれ市民だけを攻めるのもちょっと違うのが
実はこれを考えさせるような事件が
また実際起きてしまって
これが大阪のアスペルガーを持っている方の事件と判決があったんですけど
これがなかなかやっぱりプロというか
裁判官もやっぱ犯罪を見るプロなので
ちょっといろんなところに
いろんな衝撃を与えた事件があったんですね
その大阪の事件の少しご紹介しますね
2011年の7月に
小学生の頃から
東高で30年間
引きこもり生活をされてた方が
実のお姉さんを視察するっていう事件が起き
この方がそのアスペルガー症候群を持っておられるということで
検察官の休憩16年を超える
懲役20年の判決が言い渡されました
この20年っていう
その休憩を超える判決の理由とした時に
そのご本人がまだ十分な反省に至っていないっていうことと
そのご本人のお母様やお姉様が
その同居を断っているとか
社会内にアスペルガー症候群ということに
大阪のアスペルガー事件
対応できる受け皿が用意されていないとか
見込みがないから
裁判の恐れが強く心配されるから
長期間刑務所に収容することで
内省を深めさせる必要があるっていうことを
裁判所が言い渡したという事件ですね
そうですね
今おっしゃってくださったんですけど
このポイントとしてはですよ
まずだいたい休憩するとき
検察官がこの犯罪に対しては
これぐらいの刑罰ですねっていうのを休憩するんですけど
これが16年を休憩したにも関わらず
判決でより重い
20年という有期刑としては
マックスの年数がついたわけですね
さらにその理由がですけども
この障害の特性が故に反省しているようには見えないというか
それが見られないっていうことに加えて
家族が同居を断っているから
となると受け皿になるところが社会にないので
特にこういう危険因子とか
社会の安全をもしかしたら脅かすかもしれない可能性がある人なんで
できるだけ長期間入れるようにしようっていうふうな判決が出てしまったわけですね
これ社会に受け皿ないから入っててっていうのは
ちょっとかなり乱暴に聞こえるんですけど
だって社会の問題ですよね
そうですね
当然たくさんの弁護士会だったりとか
障害者協会の方だったりとかから
すごくたくさんの声明が出ましたね
アスペルガー症候群という状態自体が
正しい理解をしてほしいってことですね
参加が出たんですね
加えて例えば受け皿となるところがないって言うけど
そういうサポートしているところはたくさんありますよっていう声も上がったし
だからこの社会安全のために
長期間できるだけ長期間っていうような流れだった
この判決に対してやっぱりいろんなところが
そうじゃないでしょっていう声明が上がったんですね
この事件に関しては
その後今おっしゃったようにいろんな声明が出たりとかしたのち
控訴審の判決で
障害というもの自体を正当な評価じゃなかったっていうことで
一審判決は無しってなって
結果的には懲役14年っていうことで
検察官の休憩ないの判決が言い渡されました
この時は合わせて
その犯行の状態とかいろいろなこの出来事については
ご本人のみを責めることができない状態もあったっていうようなことで
反対側の評価っていうんですかね
ご本人が持っておられた息づらさとか
障害が反対側に評価されたっていうようなことになってます
僕がなんでこの事件を今日の話題に入れたかったかというと
別にこの裁判官の考えがどうだとか
ちょっと長年苦しまれてたかが故なんでしょうけど
ご家族が非休憩はしないって言ったことがどうだとか
そういう個別事件に対する
言い悪いって話をしたいんじゃなくて
さっきから今日の話に一貫してるのは
裁判防止とか
本人の立ち直りなのか
社会の安全のために取るのかっていうところで
やっぱりいろんな人がもう
本人の立ち直りのサポートによって
裁判を防げるんじゃないかってところまで
どんどん研究とか
いろんなものは進んでるんだけど
やっぱり社会の中で根強く
社会安全のための裁判防止にすべきだっていうことが
やっぱりこういう判決とかにも
時々出てしまうんじゃないかってことを伝えたかったんですね
さてここで
犯罪学の視点から
犯罪学をもっと身近に感じてもらうために
犯罪学の観点から
円ためを見ていきたいと思います
はいここでいつも円ためっていうので
いろいろ作品を言ってきてるんですけど
いつもどうも映画ばっかり言ってきたので
今日は漫画とあと有名な曲
この2つを紹介したいと思います
ではまず漫画の方
子供を殺してくださいという親たちという漫画があります
推し川たけしさんという方が原作を描かれている
同盟ノンフィクションなんですけれども
それを鈴木政和さんが漫画化されている漫画ですね
でこれはいろんな理由があって
例えば引きこもりの子供たちに対して
その引きこもりの状態から外に出ようかっていう
働きかけをする人なんで
推し川さんっていうのはそういうサポートされてる方なんですけど
例えば病院につなぐもあるし
外に出てくるってサポートされてるんですけど
ただ当然ご本人というか
そこに引きこもっている子供もたくさん問題を持ってるんだけども
この引きこもりを抱えている親にも
例えばいろんな問題がある時があって
でその社会問題ですね
たぶん今後ですよ
この社会の中でいろんなこの問題が出てくる
いろんな例えばそれがイコールじゃないんだけど
例えば知的な障害を持っているとか
精神障害を持っているとか
いろんな問題を持っているのを
家族が抱え込んでしまっている生きづらさ
みたいなことがこの作品からよく伝わってきます
すごくあれですよね
社会の中で何が起きているのかっていうのを丁寧にね
ちょっとすごくつらいんですけど
つらい漫画なんですけど
丁寧に描かれてるなというふうに思いますね
では2点目曲の方ですね
ミスターチルドレンのたがためをご紹介したいと思います
2004年にリリースされた私服の音懐かしいですね
私服の音に収録された曲で
CMソングだったりだとか
愛知球博の国際関十字関進月パピリオンのイメージソングにも起用されていた曲です
これもとても有名な曲なので
あの歌かって思ってくれてる人もいるでしょうし
もし聞いたことないなら
ぜひ歌詞を一緒に見ながら聞いてみて欲しいんですけど
ただ歌詞で一番インパクト強いところですよね
子どもらを被害者に加害者にもせずに
この町で暮らすためにまず何をすべきだろうと
もしも被害者に加害者になった時にできることといえば
涙を流し祈るほかないのかと
こういうことを言われるんですけど
そのさっきの実は漫画の紹介もそうなんですけど
いろんな社会問題がある中で
ただこんなことが起きてしまった悲しいなっていうだけじゃなくて
社会的な働きかけ家族が抱え込んでしまっている問題っていうのに
目を背けずに向き合っていくっていうきっかけになれば
この歌を聞いていろいろ思い出してもらいたいなと思っています
丸山さんに解説して欲しいエンタメ作品がありましたら
番組詳細欄にあるリンクよりご投稿ください
刑事司法と福祉の違い
今日のテーマは刑事司法と福祉でしたが
とりあえず考えることがいっぱいあって
特に最後におっしゃってた
再犯防止っていう言葉に込めた思いが違うっていうのは
もちろん分野によって違うのもあるでしょうし
すごく突き詰めれば人によって同じ言葉使ってても
そこの後ろに何を込めているかは違うし
自分が込めた思いを相手が分かってくれるとも限らないから
すごく本当に簡単に言えないことだなって思いました
なるほどね
確かにさっきの究極的には二極端だって言ったんですけど
それはもちろん保安職警察官だったりとか
社会の安全を守ることも仕事として優先されるべきっていうところが
そういうふうな再犯防止や社会安全のために取り組むんです
それはそれであっていいと思うんですよ
再犯防止の思い
ただ今日の話でポイントですって言ったのは
福祉職の方だったりとか医療職の方だったりとか
本人の自立とかウェルビーンがどうでとかに向き合って
そうするぞっていう方たちまで
この再犯防止を社会安全のためにっていうふうにならないように
気をつけたいなっていうためのお話だったんです
今日はそういうことが伝えたいところでした
はいさてこの番組では感想や質問リクエストなどお待ちしております
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ツイッタースペースで罪な話で裏話を開催しています
ポッドキャストで話しきれなかった内容や
スペースに参加してくださった皆さんの質問にお答えしたりしています
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また私が所属する一般社団法人刑事司法未来でも
犯罪学や刑事政策について発信しています
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ではまたお会いしましょう
お相手は丸山康博と南口文でした
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