2024-06-11 31:33

#035 話したテーマが極道やった!?「暴力団員」が減ったら成功なのか

【トークテーマ】

・暴力団員になる人とならない人

・暴力団員が全国的に減っているのはなぜ?

・暴対法と暴排条例によって排除する人・排除される人は誰なのか

・組織を抜けた先に待っているのは・・・暴力団?

・暴力団員や元暴力団員から憲法を考える

・お便り紹介


【キーワード】

極道の妻たち、ゴッド・ファーザー、ヤクザ、マフィア、組織犯罪、暴対法、暴排条例、半グレ


【犯罪学の観点から語るエンタメ】

廣末登著

『ヤクザになる理由』(新潮社 、2016年)

『組長の妻、はじめます』(新潮社 、2017年)


<過去のエンタメ一覧>

https://docs.google.com/spreadsheets/d/1nmy6oa_aYbdBkpuWWoRV9Hbsok4js1gI3LBPNsOmmMA/edit?usp=sharing

<Xハッシュタグ>

#ツミナハナシ

<メッセージフォーム>

https://pitpa.cc/cjf-messageform

(構成:合同会社黒子サポート)

See Privacy Policy at https://art19.com/privacy and California Privacy Notice at https://art19.com/privacy#do-not-sell-my-info.

サマリー

オフィシャルな話によれば、暴力団の減少は効果的ではありませんでしたが、警察や一般市民の協力による暴力団排除の運動により、暴力団に対する規制が強化され、暴力団の構成員数は約2万人に減少しています。しかしながら、効果的な減少の要因はまだ明確ではなく、法律と条例による規制だけで効果が達成されたわけではありません。防体法と防災条例による組織犯罪の取り締まりにより、暴力団員の人数は減少していますが、組織を抜けた後の生活には様々な問題が残ります。ハングレ集団や特殊詐欺の背景にも組織から離れた人々が関与していることがあります。犯罪学の観点からもこの問題を考える必要があります。暴力団員の内部の話を調べる研究者がいなかったが、広瀬さんは暴力団の組織で活動していた人々にインタビューを行い、その人々の反省を描いた本を著しています。本を読むと暴力団の入り口や辞めた後の生きづらさが理解できます。

00:00
ところで、ユキ姉さん、惚れた男が極道やったってことありますか? ユキ 何なんですか、それは。残念ながら、そんな極妻みたいな経験はないんですけど。
ああ、ないですか。じゃあ、朝起きたら、ベッドで馬の首と一緒に寝てたとかありますか? ユキ それはマフィア、ゴッドファーザーですよね。
今日は、そういうテーマなんですか? ユキ そうですね。今日はというか、いつもこの番組って、犯罪を取り巻くいろんなことをテーマにしてきたんですけど、
今までは、基本的には個人の行動とかに着目してきたんですが、今日は組織に着目してみたいと思っていて、基本的には日本のヤクザとか暴力団のお話なんですけど、
この番組の中では、傍体法に言う暴力団という言葉で統一してお話ししていきますので、よろしくお願いします。
丸ちゃん教授の罪な話、市民のための犯罪学 刑事政策犯罪学を専門とする立証大学教授で、一般社団法人刑事司法未来の丸山康裕です。
同じく山口由紀です。このトーク番組は、一般社団法人刑事司法未来が送る、これまでとは異なった視点から、罪と罰を考えるものです。
ニュースでは聞けない犯罪学刑事政策の話について、わかりやすく解説をしていきます。お堅いテーマですが、なるべく親しみやすい形でお伝えできればと思います。
よろしくお願いします。よろしくお願いします。 犯罪にまつわる組織といえば、どんなイメージあります?
さっき冒頭でも出てきた、ゴッドファーザーのマフィアだとか、日本だと仁義なき戦いの暴力団、ヤクザ、極妻とかアウトレイジとかが思い浮かびます。
そうですね。いわゆる暴力団の、今日は暴力団という言葉で統一するということなので、そっちでいきますけど、
暴力的な抗争が起きたりとか、民間のところに入ってきて、例えば地上屋とかのようなことをしてとか、社会に混乱をもたらしたっていうことがあるっていうことはありましたよね。
そういう意味では、社会的に迷惑な団体であるっていうような認識と同時に、その取り締まりとか対象になったりとかしてて、
なんか迷惑な団体だっていうところの認識もありつつ、ただ、ここ最近では番組でも取り上げてきたんですけど、例えば素晴らしき世界とか、あと映画でいくとヤクザと憲法っていうのがあったりとか、
みたいに、この暴力団の人たちの生きづらさっていうようなものを紹介するっていうものもあったりしますよね。
ちなみにどんな人が暴力団になっていくイメージ持ってます?
もう中学校ぐらいからグレてて、バリバリのヤンキーで、そのまま就職とかもせずに、地元の悪い人たち、今でいうハングレーみたいな人たちとつり乱して、
なんかもうそのまま同窓会とかやっても来なくなって添えになっていく人みたいなイメージがあります。
- なるほどね。
- なんか今ちょっと本論と全然違うとき気になっているけど、山口さんのヤンキーってなんかそっちの方でそういう発音するの?なんかすげえいいね。
- そうですね。
- なんかあれじゃない?南口さん僕らってヤンキーとかいう発音的にはそうよね。関西ではね。なんかヤンキーって言うと本当ニューヨークのヤンキースみたいな感じですげえかっこいいなと思うんだけど、そんな感じな山口さんの方は?
- そうですね。今自然にヤンキーだったんで、ヤンキーですね。
- いやいいじゃないですか。そのままちょっと行きたいんですけど、ヤンキーね。いいじゃないですか。
- はい、ヤンキーです。
- まあちょっと話を戻しますが、そういう典型的なイメージ、なんか若い頃からヤンチャしててっていうな、まあそういうのを繰り返すけど、それこそサザランドの時に話したみたいに、
ヤンチャしててそういう暴走族とか、いわゆるなんかそっちの道進むんじゃないの?ぐれてきたんじゃないの?っていうような人で、
学生時代本当に同じような道をたどってるんだけど、ならない人もいますよね?
- いますね。それこそ成人式あたりで、地元のなんか会社で働いたりとか、自分で会社開いて、親方になったりして、バリバリ仕事しているみたいな人もいます。
- で、確かにそういう典型的なイメージとして語られてる暴力団に入っていく人もいるんだけど、
一方でいろんな書籍とか映画とかっていうところとかで語られ出していく、僕は例えば知ってる人の話とかもしていくと、
例えばいろいろその背景にはですね、いろんな差別があったりとか貧困とか、生きづらさがある中で、一般社会で暮らすのが難しくてとか、仕事もらえたのが暴力団だけだったとか、
で、そういう典型的な人の話もあるし、こういった話もあるし、さらにそれこそヤクザと憲法で紹介されてた、出てきた人っていうのは、普通に一般的にサラリーマンとして働いてた方なんだけど、
ちょっと生活で困った時、家族が困った時に、どうしても助けてほしいって役所とかいろんなところ頼ったんだけど、唯一助けてくれたのがその組織の人たちだけで、
で、ここの恩を受けたのはもう一生忘れられなくて、恩返していきたいので、ここでやっていくんですっていう人もあったんですよね。
ってことは、まあいろんな事情があって、暴力団として生きている人がいるっていうですね。
まあそういう理由があって、そうなっていくのが一律じゃないっていうことを伝えたかったんですけど、そもそもハードな子供時代、
山口さんが言うヤンキーの小さな頃からの生きづらさとかもあるったりするので、
典型的なイメージの人とはちょっと違った入り方もあるんだよって話をしたかったんだけど、そもそも典型的な人でさえ、
実はそのご両親にいろいろ問題があったりとか、幼少期にいろんな問題があったりとか、
で、小学校でも生きづらさがあったりとか、いろんな背景を抱えている人がなっていく可能性もあるっていうことをちょっと伝えたいなと思ってます。
さっき私もどんなイメージって聞かれて、ハードヤンキーが生きづらさを抱えて暴力団に入るっていうイメージだったんですけど、
先生おっしゃられたヤクザと憲法のように、助けてくれた人が暴力団の人だったから恩を返したいみたいな人もいるんだなっていうのをちょっと初めて知ったので、そこのところは興味深かったです。
確かにね。ということで今日は暴力団についてお話ししますが、暴力団って正式名称の法律でいくと、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律、これいわゆる防体法って言われるやつですね。
これで定義されてて、もっと言うとここでいくつかの団体が指定暴力団っていうのになって、よく聞くと思うんですけど、指定暴力団としていろんな有名な組ですね。
いろんなところがあって、そこに構成員とか準構成員とかこういろんなことが決まっててるんですけど、さらに言うともうちょっとよく聞くやつで言うと広域暴力団とかあるじゃないですか。
広域暴力団って何かって言うと、その暴力団のうち2つ以上の都道府県にわたって組織しているやつを広域暴力団って言って、なので広域2つ以上の都道府県にわたりさらに指定されてるのが広域指定暴力団となってくるんですよ。
この辺でよく言葉としては聞くでしょうけど、ここで広域だけ取り扱いますとか指定暴力団だけ取り扱いますっていうのは区別をしないで、今日の話は一応暴力団っていう括りでお話ししていきますけど、
例えばそれぞれの特徴でいくと、組織であるわけですね。例えばね、親がいて、組長の親がいて、指定がいてみたいなね。
トップがいて、誰が構成員かっていうのが決まっているってことですね。特徴の一つ目ね。
2つ目としては集団的にまたは常習的に暴力的な不法行為と行っているっていうことですね。
3つ目としてはそれらの暴力的不法行為によって活動資金を獲得しているとか。
具体的に言うと、賭博を主催したりとか、飲食店とかから三日寿命料を徴収するとか、
あとは公式には本当はダメとか言ってるんだけど、違法薬物の売買として浄納金を収めてもらっているとか、
売春のあっせんとか、こんなことをやったりするっていうのが特徴的であったりはしますね。
暴力団っていろんな暴力団、公益だとか公益指定だとか指定だとかっていうのを今あるって教えていただいて、
私は暴力団ってどのくらいいるんだろうなっていうのをちょっと見てみたんですけど、
いいですね。
暴力団の構成員数の減少
2023年の末で構成員、これはおそらくもう暴力団大きくだと思うんですけど、約2万人だそうで、
平成3年、西暦で言うと1991年には9万人いたそうなんです。
その18年後、平成3年からの18年後の平成21年、西暦で言うと2009年ですかね、は8万人で、ここの20年間で1万人減ってるっぽいんです。
で、そこからさっきほど2023年の末で約2万人っていうことで、2009年からだいたい15年くらいで4分の1になってるっていうのを見たんですけど、
この15年で一気に大幅に減ってるっていうのは何か理由があるんですか。
まずいろいろ締め付けがきつくなっていったっていうのは多分オフィシャルな話ではいくと思うんですけど、
例えば1991年に防体法ができていきますよね。
で、これが暴力団の行為が犯罪すれすれなものとか、もしくは犯罪そのものもある時もあるんでしょうけど、
すごく厳密に言うと、民事上の話で警察が介入しづらいっていうことがあって、
基本的には民事不介入みたいな立場があったところに、民事上の行為に介入できるように法律が整えられていったってことがあるとか、
で、そうするとまずこう暴力団に対する規制が強化されていったので、
っていうことが多分減っていくきっかけみたいなことで言われるかもしれないですけど、
それだけで効果的に減ったっていうのはちょっとまだ難しいんじゃないかなっていうのはありますけどね。
そうなんですね、なんか私の今の感覚だと、もう暴力団ってすごく少なくなっているっていうような印象なんですけども、
むっちゃ減ってましたよね、さっき数字言ってくれたのね。
はい、それはさっき先生、効果的に減らなかったっておっしゃられてたんですけど、
今みたいに減っちゃうには他にも何か理由があったりするんですか。
暴力団排除の運動の展開
これがそうですね、防体法だときっかけとはなっていくだろうが、そんな効果的に減らなかったということで、
警察などの捜査機関とかですね、これが暴力団に対する取り締まりとともに、
社会が一般市民とかですね、みんなが一体となって、暴力団を排除するべきだ、みたいなムーブメントになっていくんですね。
で、暴力団を利用しない、暴力団を恐れないとか、暴力団に金を出さないとかってスローガンが立てられて、
この追放運動推進センターとか作られていったりとかして、暴力団排除のための運動がどんどん展開されていくんです。
で、2007年になってくると、企業に対してですね、反社会的勢力とは取引関係を含めて一切の関係を持たないとか、
反社会的勢力による不当な要求は拒絶するとか、反社会的勢力への資金提供は絶対に行わないとかって対応を求めるような内容のものが出てきて、
これが企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針っていうのが取りまとめられていったりとかして、
こういうのがどんどんちょっとずつ作られていって、こういう背景にして、制定されていくものが暴力団排除条例ですね。
で、条例っていうのはさっきの法律とは違って各都道府県とか市町村とかそういうところで作っていくようなルールだったりするんですけど、法律というは条例ですね。
で、各市町村とかがこういうのに取り組んでいくっていうようになってて、
まあ条例の作り方というよりはこの防災条例自体がどんなものかっていうポイントをちょっと言っていきますけど、
自治体とか事業主とか市民ですね、他人ごとと思ってるかもしれないですけど、市民一人一人も、
暴力団排除のためのこういうふうに取り組んでいきましょうみたいな禁止事項を定めていったんですね。
はい。なんか私もこの2000年前半って暴力団が多いと言われる町に住んでたんですね。
で、駅前とかに、さっき先生おっしゃられたスローガンとか、暴力団恐れないとかいうスローガンがすごい貼られてたなっていうのを。
あった時期あるね、駅前とかにね。
はい。思い出したのと、その頃私も自分で銀行口座とかを作るようになって、
やたらそういう組織と関係ないですかとかいうチェック項目が増えてきたなっていうのを感じ始めてた頃で、
こういう法律の制定、法律とか条例とかの制定が背景にあったのかなっていうのをちょっと思いながら聞いてました。
ちょっとそこで疑問に思ったのが、具体的にはどういうことが禁止されたのかなっていうふうに思ったんですけど、教えてください。
もちろんもちろん。ざっくり言うと、契約できないってことになってくるので、
例えばなんかこう不動産を借りて何か始めようかなとか、もしくは自分がやってる事業として公共事業をやろうと思っても受注ができないとか、
とりあえずさっきの銀行口座もそうですけど、反社会勢力ですかみたいなところにチェック欄があって、
これ毎回多分これ聞いてる人もこれからその場面が来る人もいると思うんですけど、銀行口座とか作ろうとしたら、
例えばね、あなたは反社会勢力ですかみたいなところチェック欄があって、
で、はいって答えると、もちろんこの条例上契約できないってなるし、
仮にこれ次回いますよってチェック入れて、後分かると詐欺になったりとかして、
結局なんかそういう契約ができなくなっていくことで、例えば銀行口座作れないとか、
例えばスマホの契約できないとか、こんなことになっていくっていうようなことが起きてくるってことですね。
これによってさらに具体的どんな問題が出てくるかっていうのはちょっとまた後でも語りたいと考えてます。
組織犯罪の取り締まりと暴力団員減少
【森】で、先ほど私がちょっと調べてみたっていうところで、2023年末には約2万人ってことですごい構成員の人数が減ってると思うんですけど、
ということは、防体法だったり、核条例だったりっていうのは効果があったと考えていいんでしょうか?
【加藤】これ単純に人数減ったってとこだけをどう見るかってすごい複雑なんですね。
そのまま暴力団を続けることにメリットがなくなっていったとか、もしくはある大きな組織がどんどん分解というか分裂していった時に離れていった人もいるし、
っていうようないろんなことが効果としてはあるんだけど、やっぱり防災条例とかが影響したことも多分たくさんあって、
ただこれが、じゃあさっきの契約するのが難しくなってきたりとかするので、締め付けもきつくなってっていう辛さはある中で、
実際にもちろんいろいろこれを、例えば組織を抜けられて成功されていく方とか、再起を図っていかれる方とか、
それこそ暴力団研究者として有名なヤクザ研究者として有名な広瀬さんとかが書いて紹介されているような、
このヤクザの幹部辞めてうどん店始めましたっていう本が出てたりする、面白い本なんですけど、そういうふうにうどん屋をされて再起図られたみたいなケースもあるんです。
で、そうするとなんかこう一見人数が減って良かったねって思われるようなことのように見える面もあるけど、ただまだまだ問題としてもいくつかあって、
で、この条例が、例えば暴力団抜けた後にでもですね、例えば5年間対象にされてるんですよ。
ただ暴力団が作れないというより、暴力団抜けた後も5年間は防災条例の枠の中にあって、
そうするとさっき言った通り組織抜けて、じゃあよし1年起きして頑張るぞとか思っても、銀行口座持てないとか、
部屋借りれないとか、あと携帯電話契約できないとか、履歴書にもともと何々組なんちゃらの若頭補佐でしたとか書けないじゃないですか。
とするとこれ結構大変で、だって山口さんだから銀行口座持てなくて、どこに住んでるか部屋がなくて、スマホも持ってないって、履歴書もなんか出してこないって、じゃあうちでどうぞ雇いますってなかなかならないですよね。
とすると本当にこのさっきの期間ですね、2010年から2013年の間の4年間で、暴力団とかさっきの組織から2440人ぐらい辞められた。離脱されたんですけど、そのうち就職されたって確認できたのが24人ぐらいなんですね。
とするともう1%じゃないですか、抜けた人の。その後だから抜けた後に行き先がないとかっていう問題になってきて、するとやっぱこう行きづらさというか社会でどうなっていくのって言うと、就職した人は1%だったけど、例えばこれを全然違うデータで見ると、刑務所犯罪白書とか見ると入所受刑者の入所度数別、何度目で今回刑務所来たら何度目ですか、初犯できました、2度目できました、3度目できましたみたいなデータがあるんですけど、
最近ほらあの再犯が問題になってて、何回も犯罪繰り返す人がいるよって一般の人でもね言われてて、初犯の人よりも再犯で来る人の方が多いんじゃないかって言われる中で、暴力団関係者の方の再犯で刑務所に何度目かに戻ってくるってやつが一般の人に比べても圧倒的に多い。
例えば一般の人って40%ぐらいが一般の方だと初犯初めて入所する方で、残りが再犯とか2度目以上の人だったりするんだけど、暴力団関係者だともう15%とか16%ぐらいの人が初犯で、あとはもう2度目3度目4度目の人がまた15%15%16%とかなんかこんな感じで、圧倒的に複数回刑務所に戻ってくるっていうのが暴力団の人。
これはそういうなりわにしてるからだろっていう面ももちろんなりこともないんだけど、一方で普通にこう生活していくここの辛さですよね。
じゃあ一年復帰してやるぞとか思ってもなかなかこういうのに行けないってところがあって、そういう経験されてるとかがあると思いますね。
そうですよね。素晴らしき世界でまたみたいなことだと思うんですけど、まあ組織に戻るのか、何か活かせる経験があればそれを活かして生きればいいんですけど、なかなかそういうのもなく、さらに就職しようとすると口座も部屋も携帯電話もなければ、もちろん先ほども話題になりましたけど就職先なんかないと思うので、
生きていく生活をどう立てていくかっていうのがまた問題として出てくるように改めて感じました。
そうですね。これで結局、もちろんご本人もこういう防災条例の影響を受けて再起を図るぞってやりにくいって問題もあるんだけど、同時にご家族にも結構影響を与えますよね。
例えば銀行口座作れないとかなってくると、じゃあそこのお子さんとかね、ここに結構また100万歩譲って本人はそういう暴力団の道を選んだんだろうって言われることに、まあ自分が選んだ道なんでっていうこう責任を取るっていう風にされるかもしれないですけど、銀行口座作れないとかなってくると、今でもねほら、例えば給食費の振り込みは指定の口座じゃないとダメっていうような地域があったりとかして、
組織を抜けた後の生活の問題
ノコドコ銀行何々支店に口座を持ってもらってそこから給食費落とすみたいな地域あったりするんですよ。でもそこで口座作れないってなったら、毎回その子だけ手渡しとかなってきて、じゃあなんか周りの子からも、なんでいつも何々君給食費のお金払ってんのとかなってきますよね。
そうするとなんかその本人だけじゃなくて、家族とか特に子どもとかにもなんかこういろんな影響が出ていくってところで、それはどうなのっていうところがやっぱ憲法問題として法の下の平等って言ってる以上、そういう問題はそれは目をつぶってていいのかとかっていう指摘がね出てきたりしていますね。
なんか最近よく聞く、ちょっと話が変わっちゃうんですけど、辞めた後の行き先としてハングレみたいな集団が最近よく聞かれるじゃないですか。ちょっと私また調べてみたんですけど。
素晴らしいですね。
ハングレと暴力団ってなんかどう違うのかなと思って、定義が載ってたんですけど、ちょっと読み上げさせていただきますと。
お願いします。
暴力団と同程度の明確な組織性は有しないものの、これに属するものが集団的にまたは常習的に暴力的不法行為を行っている集団と定義されてまして、警察では準暴力団と呼ばれているっていうふうに書かれてたんですけど、このハングレ集団っていうのも暴力団と関係して何か問題になったりとかしてるんですか。
そうですね。さっきも言った通り、例えば防災条例とか組織の分裂とかで、じゃあ災厳を図るぞって思った時に、なかなかそういう社会で生きていく辛さを抱えている人とか、そもそも組織の中からそういう扱い方されている人にも出てくるんでしょうけど、
ハングレの人たち、暴力団みたいなカッチリした組織じゃなくて、さっき言ったみたいに指定暴力団の指定じゃなくなるわけですね。その組織から抜けると。とすると、犯罪ごとにちょっとこれだけ手伝ってくれようとなってくると、集まったり離れたりみたいな繰り返していって、その繋がりが流動的になってくるわけですよね。
逆になんか組織的にガッチリ固まってて、親分の言うことを絶対聞くみたいな組織的運用じゃなくて、バラバラに動いたり集まったり離れたりとかなってくるから、そうなると実態がなかなかつかみにくいって話になってて、指定暴力団を受けているとやっぱりやりにくいことがあったり防災条例のことがあったりとかするので、じゃあ組織には戻らず、そのままちょっとハングレの立場で生きていくみたいなケースがあるとかっていうのもいろんな文献で出たりしますよね。
今のお話だと流動的な組織っていうことで、今世間を騒がしている特殊詐欺みたいなのにすごく向いていると言ったらあれですけど、やりやすい組織みたいな感じですよね。
なので、あれもいろんな特殊詐欺って、ちょっと前は受け子って言われる人とかも使われたりとか、小中高等いじめ受けてて、職場でもいじめが受けてて、なんか生きづらさがあって、社会から外れたところでちょっとお金になるよって言われてやってたりとかみたいな人が巻き込まれたりとかっていうのがあったんですけど、今はちょっとまた変わってきてて、
友達に頼まれたんでとか、先輩に頼まれたんでとか、今ちょっとお金が必要なんでとかって言って、ちょっとずつ変わってきてるんですけど、ここの背景にこのハングレーの人たちも関わってきたりとかするから、そうなってくると、防体法とか防災条例でそういう組織犯罪をなくそうって言ってたんだけど、これが目的が何だったのかとか、
っていうところが、そもそもどういう人が暴力団になってて、それを解決する方法が厳しくすることだけだったのかとか、もちろん組織を壊滅するのに役立っていくのかもしれないけど、そもそもその組織に入る人はどんな人だったのかとか、貧困があったんじゃないかとか、差別を受けるような問題があったんじゃないかとか、そこしか助けてくれるところがなかったんじゃないかみたいなところの視点を抜きにして、そこ締め付けだけをするってすると、排除していくとすると、
その人たちはどこに行くんだろうかってことまでちゃんと考えないといけないなっていうことかなと思います。
本当に、暴力団を取り締まるんだったら、そこにいた人たちがこれからどうやって生活していくかっていうところにも目を向けないといけないなっていうふうに学びました。
うん、そうですね。
さてここで、犯罪学をもっと身近に感じてもらうために、犯罪学の観点から円溜めを見ていきたいと思います。
今日のおすすめは、「広瀬信さんのヤクザになる理由と、組長の妻始めます。」です。
ヤクザになる理由は、2016年、新庁新書から出版された新書です。
元組員たちの証言から、その人生を丹念にたどり、家庭、学校、仲間、地域などが与える影響を浮かび上がらせる犯罪社会学者による入婚の書です。
そして、「組長の妻始めます。」は、2017年、新庁社から出版された単行本です。
裏社会でこの女を知らん奴は潜りやな、数十人の荒くれ男たちを従え、警察をへとも思わず悪事を重ねた関西アウトロー業界の伝説の女、犯罪史上生まれなる女狩猟に暴力団研究の第一人者が迫った一冊です。
【佐藤】ありがとうございます。この広瀬さんって、犯罪社会学研究の研究者なので、エンタメのところに入れたら怒られるんじゃないかという気はしないでもないですが、もう10年、15年のお友達なので、ぜひどこかでご紹介したいなと思ってたんですね。
もちろん、本職というか研究者として、研究職として研究されてるんですけど、こういう一般の人たちにも読みやすい新書が書かれたりとか、特に組長の妻を始めますとか、こんなんとかもう本当にエピソードをいっぱい盛り込まれてて、エンタメと言ったら失礼なんだけど、ただこういう人生があったんだとか、こんなとこで悩んでて、こういうのに巻き込まれていくんだとかっていう、そういうエンタメ要素も含めて意識して書かれたりとか。
これ、ぜひちょっとお勧めなんですね。で、今日の放送かなり長いんですけど、広瀬さんどんだけ面白いかということもちょっと語りたかったりするんですけど、基本的に聞き取り調査とか、質的研究、その人の人生録とかを取っていくときとかって、質的調査とかってインタビューで取っていくんですけど、基本的にエスノグラフィーとかね、そういう組織の内部から見て観察して書くみたいな、いろんな組織であったりとか。
暴力団とは
いろんな組織であるんですよ。例えば病院でとか、どっかの組織入って、内部ではこういう問題ですみたいなのがあるんですけど、さすがに暴力団の内部の話をこうやって調べるという研究者っていなかったんですね。
で、もちろん広瀬さんは別に暴力団の組織に入ってずっと長年なんかされたとかじゃないんですけど、ただ丁寧に組織で活動してた人に、辞めた人も含めですけど、何回も聞き取り調査されて、ちゃんと関係性を築いて、その人の反省を描くみたいなのをちゃんと犯罪学理論でもやるし、語るし、こういうみんなにも読みやすいような本でも書かれたりするので、ぜひ彼のこういった本、もっともっとたくさんありますので、これも含めですけど、
はい。
読んでいただけたらありがたいなと思っています。
丸山先生に解説してほしいエンタメ作品がありましたら、番組詳細欄にあるリンクよりご投稿ください。
今日は暴力団というのがテーマだったんですけど、その暴力団に入るきっかけから人それぞれであって、その辞めた後の生きづらさとかいうことも今日は学べました。私もまだまだ知らないことがたくさんあったので、また広瀬さんの本などを見て勉強したいなというふうに思いました。
このテーマ取り上げるときも我々でもちょっと悩んだんですけど、暴力団を認めるという話でもなければ必要悪でしょうがないよねとかっていう議論したいわけでもなくて、そうじゃなくて入り口のところでどんな問題を抱えてた人たちなんだろうとか福祉や別の支援で、例えばそういうふうに生きていかなくてもいい社会だったら、そういうふうな道も選ばないなっていう人もたくさんいるっていうことも伝えたかったし、
そもそも、じゃあ辞めていくとき出口の場面でもどういう社会だったらそういうふうに戻らず生きていけるのかっていうようなことも見直す必要があるんじゃないかってことを我々ではちょっと悩んでたので、今日はそういう観点から組織犯罪、暴力団をテーマにしてお話しさせていただきました。
さて、この番組では感想や質問、リクエストなどをお待ちしております。番組詳細欄にあるリンクよりお気軽にご投稿ください。Xではカタカナでハッシュタグ罪な話をつけてポストしてください。
ここでメッセージをご紹介します。ハンドルネームしんさんよりXにいただきました。映画雑談から知った丸ちゃん教授の罪な話。ゴールデンウィーク中は一本も映画を見られなかった代わりに一喜一喜してしまった。エンタメ視点から犯罪学を学ぶことで司法を身近に感じられるマジで良質なコンテンツだった。またアップが楽しみなポッドキャストが増えてしまったとコメントいただいております。
ありがとうございます。コラボしてってそっちから来てくださったってことですよね。なんかマジで良質なコンテンツだったってすげー嬉しい一言ですね。
はい、嬉しいです。
アップが楽しみって言ってもらってるので、僕らもそういう人が聞いてもらえると思うのを励みにしてポッドキャストどんどん進めていきたいなと思ってます。よろしくお願いします。
毎月第3火曜日の夜9時30分からXのスペースで罪な話で裏話を開催しています。
ポッドキャストで話しきれなかった内容やスペースに参加してくださった皆さんの質問にお答えしています。こちらのご参加もお待ちしております。
また私が所属する一般社団法人刑事司法未来でも犯罪学や刑事政策について発信しています。刑事司法未来で検索してみてください。ではまたお会いしましょう。お相手は丸山康博と山口由紀でした。
31:33

コメント

スクロール