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2022-04-26 1:04:55

第16回 熊出没注意!~『羆嵐』『人を襲うクマ』

今回は『羆嵐』(吉村昭 著/新潮文庫)と『人を襲うクマ』(羽根田治 著/ヤマケイ文庫)を紹介しながら、実際に起きた熊襲撃事件や、熊に出会った時の対処方法、山の暮らしについてお話ししています。

【今回のハイライト】

・ホラー小説より恐ろしい『羆風』

・闇に満ちる羆の気配

・羆との闘いに二発目はない

・人間に出会うのは、熊にとっても災難

・熊よけスプレーの使用方法が無理ゲー過ぎる

・殺処分の前に考えるべきこと

・祖父と山の暮らし


【参考】
・『慟哭の谷』(木村盛武/文春文庫)

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00:14
みなさん、こんにちは。この番組は、誰もが知っている名作から、あなたの知らない日過ぎる本まで、ゆるいトークで紹介する読書系ポッドキャストです。
改めまして、こんにちは。的文子です。 こんにちは。梶原コーヒーです。よろしくお願いします。
仙台はとうとう桜が咲き始めまして。いいですね。今の家に引っ越してきたのが、1月の末だったんで、まだその頃は枯れ枝だったじゃないですか。その辺にある街路樹とかも。
最近になってきて、あったかくなってきた、こう、つぼみみたいなのがついてて、あ、これ桜の木だったのねっていうのは。そうですね。新しい景色だと、ちょっと新鮮ですね。
その、何の木かわからないっていうところから。そうそう。いきなり、こう、春めいてくるっていう。いいですよね。なんか、春は景色にね、いつも、ピンクっていうか桃色が景色に現れるのは、やっと来た春みたいな。
東北人としては、待ち望んだ春が来たみたいな。そうね。山形も、ちょっと梅とかがほころび始めたかなっていう感じですかね。道端の。あ、そうか。今ちょうど梅の時期ですよね。はい。だいたいゴールデンウィーク前ぐらいに咲き始めるって感じですかね。
ですね。でもね、仙台も山形も、ちょっと夜外で花見っていうのが、なかなか難しいですよね。寒くて。そうですね。意外と凍えるみたいな。早く撤収みたいな。そうそう。桜見る余裕もなく寒さで撤収するっていう、東北の現実みたいな。
なんか、山形は5月ぐらいに桜咲きますけど、4月の末とか、あの頃2月ぐらいの寒さになる時期がありますからね。確かに。夜がぐっと冷えるんですよね。日は暖かくても。そうそう。ね、暖かいものっていう。ビールはちょっと飲めないっていう。そうですね。ビールだとちょっと冷えちゃうから、暖かい何か玉こんにゃくとかみたいな。
なっちゃうんですよね。でも、もうそれが過ぎてくると、山菜の時期になってくるので、うちのそうですね、両親とかも山があるので、親戚というかその部落で共同で使っている山があって、そこにあの竹のこ掘り行ったりとか、あとはガッサンにコシアグラとか、タラの芽とか取りに行くんですよ。
ね、山菜。そう、山菜。ただ、春の山に分け行って、山の恵みを取ってくると、行った時に気をつけなければいけないものがあるわけですよ。はい。そんなわけで、今回紹介する本は2冊あるんですけれども、1冊目は吉村明のくま嵐。
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来ましたね。とうとう来ましたね。はい。ひぐまの嵐と書いて、くま嵐という本ですね。もう、魔王自世ですね。魔王自世ですね。あとは、雪山壮男の時にもご紹介しました、羽田納さんが書かれた、人を襲う熊、遭遇事例とその生体という、羽田納さんと吉村明が、夢のタッグ。
まあ、絶望しかないっていう。そうですね。逃げ場がない恐怖のタッグを組みまして、くまの話をしようかと思います。かしこまりました。楽しみです。ある程度山が近いところに住んでいる人にとっては、くまに出会うっていうのは身近にあることだと思うので。
そうですね。それで、遭難とかともまたちょっと違って、こうアクシデントっていうか。そうですね。出くわしてしまったっていう感じですよね。まあ、会いに行くってことはほぼないと思うので。まあまあまあまあ。むしろ会いたくない。で、今回のくま嵐なんですけれども、これはですね、私が多分今まで読んだ本の中でもトップクラスの恐怖にふるった一冊ですね。
ね、もう的さんが一箱ふる法一で、ずっとご紹介してるっていう印象が、またさんと言ったらくま嵐っていう印象がありましたけれども。そうですよね。もう普及啓発活動にしているみたいな感じなんですけれども。まあ、それだけやっぱりこの小説ってものすごいインパクトがあるというか。
本屋さんで多分見たことある方もいると思うんですけれども、ネットで検索していただけると、書類が出てくると思うんですが、まずこの表紙からしてのクマが。クマが本当に恐ろしいんですよね。黒字に銀色でクマの牙を剥き出ししているクマの絵と、そして赤バックのその黒字でくま嵐って書いてある。
なんかちょっと驚々しい感じもするぐらいの印象に残る表紙なんですが、私これ最初に読んだのは、吉村晃の羽目を読んですごく面白くて、吉村晃の他の作品もちょっと読みたいなと思って、本屋で見つけたのはこのくま嵐で出会ってしまったと。
そしてこれも本当に実話の話なんですけれども、大正時代に北海道の開拓の村ですね。そこで起きた日本中外史上最大の事件となった出来事なんですけれども、三鬼滅事件ってよくネットとか屋さんでそれで出てくると思うんですけど、それをもとに書かれたドキュメンタリータッチの小説なんですけれども、
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本当に読んだ当時、読み終わって思ったのが、仙台のアパートでこれ読んでよかったっていうのが第一の感想でしたね。絶対くまが出てこないようなところでこれ読んでよかったっていうぐらい、読んでる時にいつどこでくまに襲われるのかっていうのを怯えてしまうぐらい、あまりにもリアルすぎるっていうのと、内容がやはり恐ろしすぎるっていうので、
震えながら読むっていう。ですね、くま系は怖いですよね。怖いけれども、吉村明の書くくま話は本当に群を抜いて怖いんですよ。
いろんなくまの被害の本をまとめた本とか、あと小説とかも、いろいろひぐまを題材にした小説ってあったりはするんですけれども、やっぱり吉村明の怖さっていうのは、文章がとてもうまいんですよね、この方は。
純文学でデビューした方なので、文学の素養がものすごくある方ですし、あとはこの人の執筆スタイルとしては、とにかく徹底して取材をすると。現場に行って証言を取ってくると。本も読みますけれども、まずは証言をたくさん取ってくるっていう、そこから浮かび上がってくるデータしか扱わないっていう。
集めた資料が語るリアリティっていうのは、事件物を扱うときは特に重みというか、読んでて迫ってくるものがありますよね。
だから、どこまでが小説なのかがわからない怖さっていうか、それがあってなかなか手に取れないですね、私は。
そうですよね。見てきたかのように、その現場にいたかのように書く。で、それ読んだ人もその現場にいるかのような感覚に陥るぐらい緻密に、かつ感情はすごく抑えた文体なので、なんか変に煽ってくるような文章じゃないんですよね。淡々と起きたことを書くみたいな。それが余計怖いっていう。
淡々と書かれるとね、読んでる方もまた逃げ場がないんですよね。そうなんですよね。煽られば偽物っぽさが出るっていうか、どこかで逃げられる気がするんですけど、淡々と迫られるので、気づいたら逃げ場がなくなっていたっていう感じの文章ですよね。
じゃあ、どんな話なのかと言いますと、舞台は北海道の三ケ別っていう地域があって、そこからさらに六千沢っていうものすごく山奥に入っていく集落で起きた事件だと。で、なんでそんな山奥に入っていかなければいけなかったかっていうと、事件が起きたのは大正の4年なんですけれども、明治の末期ぐらいになってくると、入職者がいいところ、いい土地、いい土地は抑えてしまってるんですよ。
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だから、後から入ってくる人たちっていうのは、もう奥に奥に行かざるを得ないっていう状況になっていて、山奥の山奥に分け入って、土地を探していくっていうような時代になっていたと。
で、まだ入っていったその入職者の人たちも、東北の方で基金があって、北海道に行けばもしかしたらまだチャンスがあるかもしれないみたいな感じで、気の利きのまま来たようなすごく貧しい人たちで、なんとか山奥で開墾をして、暮らしがちょっと上向いてきたかなって言った時に、熊に出会うっていう。
ねえ、そのタイミングでっていう。
本当にこのタイミングでっていうね。
季節は12月ですよ。
なので、もう冬になって、雪も深い時期になって、ある農民の人が村をちょっと訪ねた時に、道端に血が落ちてると。
ただ、その辺りだと、飼料してる人もいるので、なんか獲物を取ってきて、ここでちょっと解体とかして、それで運んだ時についた血なのかなと思って、そんな全然気にも止めないで、用事があった家に行くんですよ。
でも、なんか人の気配をするんだけれども、出迎えてくる人はいないと。
で、なんかおかしいなと思って入っていくと、子供が色にバタでうずくまっている。
寝てるのかなと思って、手をかけると、頭にものすごく傷を負って、コトキレてるっていう。
最初は、もしかしたら、刑務所から逃げてきた囚人が、なんか強盗に入ったんじゃないかとか。
で、そのうち、子供と一緒に奥さんがいたはずなんだけれども、奥さんがいないなって、もしかしたら、その囚人連れ去られたんじゃないかとか、話も出てきたんですけれども。
家の中を捜索しているうちに、家の窓枠にですね、長い髪の毛がぼっそりついてるんですよ。
で、そこで初めて、なんかこれは異様なことが起きてるなと。
まあ、その囚人が入ってきたって事前でも異様ですけれども、いやそうじゃなくて、得体の知れない何かが入ってきたんじゃないかと。
で、そこで一人が、もしかしてクマじゃないかっていう話になるんですよ。
で、いやクマでも今の季節って、クマってそんなね、もう冬眠とかしてるでしょって話になるんですが、
いやでも中には、冬眠できないで、一冬中、餌を求めてうろついているクマっていうのもいるらしいぞってなって、
みんなざわつくわけですよ。で、銃を持っている男たちが集まって、捜索に出かけていくんですけれども、
っていうところから始まっていく、恐怖のクマとの戦いっていうところですね。
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あのこれって、私が読んだ方の本は、「道国の谷」っていう、やっぱり同じものの話のあったドキュメンタリーなんですかね。
だからなんか、道国の谷にしろ、今回はこのクマ嵐にしろ、現実にこれがあったとはちょっと信じがたいっていうぐらい、
結構残忍なというか、襲われ方をしてるじゃないですか。
そうなんですよね。で、まあこの話を進めていくと、いなくなった奥さんをですね、まあ日が明けてから探そうってことになるんですよ。
で、探すんですけれども、一応その山の中で奥さんを見つけるんですよ。
ただ、このセリフが本当にものすごく強烈に残ってるんですけど、見つけた男は、「少しだ。」って言うんですよ。
で、「少しってなんだ。」って聞くんですよ。
奥母が少しいなっていう。ここで凍りつきますよね。
これが吉村さんの怖さですよね。
そうですよね。簡潔にゾッとする一言を突きつけてくるっていう。
で、その後に見つかったっていう奥さんの亡き殻が出てくるんですけれども、ちょっとこれはね、たまにお生産なので言わないですけれども。
まあ、食害って言われるやつですからね。
そうですね。ちょっとここでまず読んでて、心折れますよね。
折れますね。
とはいえ、人を喰ったクマがその辺をうろついてるってなると、もういてもたってもいられないじゃないですか。
村人としては。一刻も早く始末しなければいけないって言って、何人かでまた銃を持って馬を探すわけですよ。
で、一応見つけたんですね。クマを。
ものすごい、とてつもなくでかい。馬よりでかいクマがいる。
そうなんですよ。2.7メートルでしたっけ。それぐらいですよね。なんかすごい大きいんですよね。
そう。300キロぐらいあるクマがいたと。
みんなそれ見つけて、一斉に鉄砲撃つんですけれども、当たりっこないんですよね。もう恐ろしすぎて。
実際にそのクマと対峙した時に、恐怖で身が凍りついちゃうんですよね、みんな。
それまでは、まあみんなこんな人数もいるからなんとかなるだろうみたいな、ちょっと鷹をくぐった部分もあるんですけれども、いざクマを目の前にすると、もう体が固まってしまうと。
鉄砲なんか、まともに撃てるやつなんか、もう1人2人しかいないし、撃てたとしても的外れのとこに撃ってしまうと。
で、外したら外したら、今度自分らがやられるんじゃないかっていう恐怖が真っ先に襲ってくるので、気が違いそうになりながら、もう転げ落ちるように帰ってくるっていう。
そしてまたクマは、悠然と逃げていくっていう。
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いやー。逃がしちゃいましたからね。
そう。逃がしちゃったんですよ、ここで。
で、村の区長は、町の方に応援を呼ばなければいけない。こういった事件があったので、警察の方から応援部隊を派遣してもらえないかっていうことで、
まあ派遣はするんですけど、そんな今の時代みたいに、無線とか電話とかあるわけでもなく、車があるわけでもなく、1日かかり、1日2日かかりで行かなきゃいけないところに警察署があるみたいな。
それまでは自分らがどうにか食い止めなければいけないっていう心細さ。
で、警察が来るまでは、まずは亡くなった最初の子供とあと奥さんですよね、の弔いをしなければいけないっていうことで、お葬式やるんですよね。
警察に知らせに行った家族は、別の家に預けて、お葬式をやると。
ただ、この葬式の場所にですね、クマがやってくるわけですよ。
ねー、人が集まってましたからね。
クマって、一度自分の獲物だって認めたものについては絶対離さないっていうか、そういう欲求がすごく強いらしいんですね。
しかも一気に食べないらしいんですよ、獲物を。何回かに分けて食べるっていう習性もあるらしくて。
だから実際にその野生のクマとかの鹿とか獲っても、半分食べて、ちょっと隠してまた食べに来るっていうのがあるらしくて。
なので、食べかけの隠してあるような鹿の死体を見つけたら、だいたいその近くにクマがいるから、それは絶対絶命の状況だというふうに書かれてるんですけども。
なのでこの場合もですね、お葬式で結局遺体を家に安置していると。
クマにとっては俺のものだっていうことで、そこにまたやってくるっていうような話ですよね。
いやもう隠すんだったら徹底的に隠してって感じですよね。クマに対して言うのであれば。
でも結局それを持ってきてしまったんですよね。捜索して。だからもうクマとしては何としてでもそれは取り返す。取り返さねばっていうような執着でもって襲ってくるっていう。
そしてまた新たに犠牲者が出てしまうっていう。
でまたそこでも大パニックですよね。お葬式の場で人が集まっているところにクマがいきなり踊り出てくるっていう。
呼んでないっていう。
呼んでない?お前は呼んでないの?っていう。
やっぱりこの時も夜ですから。夜にクマが出てくるっていうのは本当に恐ろしいですよね。
で逃げられて。ただそのクマがこの暗闇の中どこに潜んでいるのか全くわからないっていう。
ねー黒いですからね。
そう。外は漆黒の闇だし。
でまた雪じゃないですか。たぶん12月のね北海道っていうと。そうするとねもう本当に白と黒しかないですもんね。
たぶんこういうところは伝統とかもないじゃないですか。
連中とかがあるわけでもないしこの時代でこういう場所だったら。
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だから本当に闇と雪のコントラストの中にどこに黒いクマがいるのっていう感じですよね。
そう。だから文章の中でも書かれてたんですけれども、その漆黒の中にクマの気配が充満していると。
生きた心地がしないっていうことですよね。
あとでまた紹介される羽田さんの本あるじゃないですか。あれも誰かのインタビューであったと思うんですけども、すごい獣臭さを感じるっていう。
これってやっぱり獣臭さだけはその気配の中にはあったんですかね。
ただその匂いだけ、音は聞こえない、見えない、でも匂いだけがクマの存在を知らせてくるって、これほど本能に強烈に恐怖を感じさせるものってないようなと思うんですよね。
なんかほら嗅覚って一番古い本能的なところに訴えかけてくる感覚だって言うじゃないですか。
勘弁してほしいですよ。クマ相手に自然にほっぽり出されると、人間なんて捕食される身でしかないっていうのに気付けられるっていう。
なんかそれが他のホラー小説とかとは全然、あとはもしくは殺人鬼がとか、人対人のあるじゃないですか、殺人事件がみたいなのとはまた違う恐ろしさなんですよね。
もう食べ物としてしか見られていないっていう。
言葉はもちろん通じないし。
で、どう戦ったら勝てるのかってのも全然わからないっていう。
結構は人がいたはずですけど。
そう、全くひるまずに襲ってくるし。で、クマって、クマっていうか大体の野生動物って火を襲えるって言うじゃないですか。
だからこの時もクマは火を襲えるから、火を炊けって、夜中でもガンガン火を炊けって言って、かなり火を炊くんですけど、全く恐れないんですよね。全く効き目がないと。
あざらわろかのように躍り込んでいくっていう。どうすりゃいいんだっていう感じですよね。
今まで信じてたものはないっていう。
そう。で、その葬式のところに襲われ、その後また悲劇が起きるっていう。
3回襲われてるんですよね。3回だったかな。2、3回家が襲われて、結局6人。
しかもその中に妊娠してた方もいたので、それも含めると7名、2晩で亡くなったっていう。
前半は本当にひたすらクマに襲われるっていうシーンが続くので、そこで心が折れそうになるんですけれども。
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ただやっぱり人を食べたクマをそのまま放っておくわけもいかないっていうので、村人は他の村に避難させて、警察とか軍隊が出動して、
200人ぐらいですかね、出動してクマ打ちに出るっていう話になるんですけれども、200人もいるんだからなんとかなるだろうって、読んでる方も。
ちょっとまあ中盤あたりで、200人も軍隊来たんだ、じゃあなんとかなるかなって、ちょっと、ちょっとだけ希望は持つんですよ。
全く歯が立たないですよね。
恐ろしいですよね。その1匹のクマに。
その1匹のクマに200人束になっても、クマと対峙したことある人間なんて、軍隊経験者の中でもそうそういるもんじゃないので。
そうですよね。
だからクマが向こうに見えたっていうだけでも、もうおじけつにしてしまう。それでも、まあ進めって言って、まあ進んでいくんですけれども、クマがちょっとでもこっちにこう。
こようものなら。
こようものなら、もうみんなもう。
クモの子を散らしたように。
そうそう、クモの子を散らしたかのように、バーって逃げちゃうんですよね、みんな。バラバラになっちゃうっていう。
もうそれを見て、ああこれはもうどうしようもないなって思って、あいつを呼ぶしかないって言って呼ぶ人がいるんですよ。
それがクマ打ちの銀次郎っていう、クマを打つのを専門にしている漁師っていうのがいるんですよ。
あいつを呼ぶしかないって、まあちょっと最初の方から、うちからもう銀次郎呼ぶしかないんじゃないかっていう話にはなってるんですけど、ただあいつ呼ぶのだけはちょっと嫌だよなっていう話が出るんですよ。
何なのかっていうと、その銀次郎っていうのは叫び声がものすごい悪いんですよね。
なるほど。
だいたい飲んなくれてて、暴れるし、因縁つけては喧嘩吹っかけてきて、警察のお世話になるみたいな。だからもうすごい嫌われてるんですね。
ただ、クマ打ちとしての腕はもうすごいと。この鬼を呼んでそんな嫌だとか言ってるような状況じゃないんだから、
俺は笑われようが何しようが、もう銀次郎に頭下げて、クマを打ってもらうために呼ぶからって、長が呼びに行くんですよ。
で、銀次郎がやってきて、クマはどこ行ったんだって、クマの状況を聞くっていう。
そして、銀次郎とヒグマの一対一の対決っていうような話になっていくわけですね。
最初から呼んでって言ったんですけどね。
初動がもう、あれでしたね、ゴテゴテだなっていう。
ゴテゴテでしたね。
ただその、銀次郎はもう毎年2,3頭のクマを倒してるっていうだけあって、クマの生態を熟知していると。
こっちもやられる覚悟で、やらないとクマを打てないんだっていう。
一発目を逃したらもう勝負はついてる。一発目が打てなかったら、こっちが食われるんだっていう。
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至近距離で一発目を仕留めないと、もうそれはおしまいなんだっていう話が終盤の方に出てきて。
そして、200人も集まってて役に立たない軍隊を横目に1人クマと対峙するっていうシーンで終わっていくっていう。
ウィキペディアを見ると、集められた人数は延べで600人。
え、そんなに?
と書いてあるんですよね。
で、アイヌ犬、犬が10頭以上。
で、導入された鉄砲は60丁なんですよね。
でもやっぱりこれ、実際の方でも、そういう跨ぎの方なんですかね、漁師の方が捕らえてるんですよね。
そうですね。実際クマ打ちをしている漁師に頼んで、結局その人が仕留めた。
銀次郎はもちろん、ちょっとフィクションも混ざっているので、実際のクマ打ちした人がこういう人だったっていうわけではないんでしょうけども。
でもやっぱり実際の方も、後から多分呼んできたんですよね。
600人を投入して、ダメだったって。
ダメだったっていう。本当に最初から呼んでくれっていう。
そうですね。600人ってなかなかの、一大プロジェクトになっちゃってますよね。
延べなので、200人が3日間出れば延べ600人にはなるとは思うんですけども。
それでもね。だからいかにクマっていうのは、退治した時に人っていうのは、とっさに身動きできなくなっちゃうかってことなんでしょうかね。
そうですよね。あとはもう仕留め方にコツがあるんですよね。
そうですね。
多分、わからないですけども、詳しくは。でも足とか背中とか打ったぐらいでは、絶命しないんでしょうね。
そうですね。やっぱり急所は目とか。
未検とかね。
そこを一発で狙わないと、2発目の球を込める間にやられるっていう。
クマ。
クマ恐ろしいなっていう。しかも一発でその未検を狙って、かつ球が貫通するってなってくると、相当の至近距離で打たないとそれはできないんですよ。
今の銃の性能だったらまた違うんでしょうけど、昔の銃の性能でそれをやるってなると、相当の至近距離で打たないといけない。
だからこの小説の中で銀次郎が打つ、俺がシグマを仕留めるってなってくると、まず10メートル以内だと。
一番短い距離で2メートルだったっていうふうに言ってるんですよね。
2メートルですよ。
へー、それは。
まず2メートル先にクマがいて、そこで正気を保てる人間がどれだけいるのかっていう。
いやー、ちょっとそれは2メートルになりますし、昔の銃って電射式じゃなければ、結局一発目で仕留められなかったら、10メートルの距離なので2冊目の球込めてる間なんてないわけですよ。
27:11
その間にやられるとこっちが。だから絶対一発目だと。だから本当にもう命がけですよね。
へー。
これを仕留められなかったら死ぬんだっていう。悪業がなければやれないっていうのを物語っている話なのかなっていう。
なんかちょっとそのプロフェッショナルの仕事の流儀じゃないですけど、なんかちょっと後半はちょっとそういう雰囲気もある話にはなっていて。
ただ最後の終わり方をまたなんとも物語というか、これだけすごく恐怖で震える話でここまで来たのが、最後まで読むと物語話で終わっていくんだなっていう。
そうですか。
いろいろ人間とはみたいなものを考えさせられるようなお話で幕を閉じていくっていう。
まあね、ハッピーエンドにはならないですからね。
自然との共存みたいな話になっていくわけですかね。そういうわけでもないですかね。
なんかまたそれとは違うというか、それを吉村昭菜のとても淡々とした文体で読むとうったり感というか。
なるほど。もうどんな気持ちでこれを読んだらいいんだろうって思いながら読めないでいる本ですね。
ね。私これ進める時に夏場が読むといいですよって毎回言ってるんですよ。もうクーラーいらないぐらい怖くなるんで。
ただホラー小説読むよりもゾッとするよっていうので進めてるんですけれども。
ただゾッとすると同時に自然との共存とか、あとは普通の社会でうまくやっていけない人の悲しさとか。
銀次郎は熊橋としてはスペシャルな人ですけれども、それ以外もちょっとね、人間社会でちょっとうまくやっていけない人っていうような一面もあるので。
そういった人たちの哀愁みたいなものとか。日本の歴史の中でそんなに教科書に載りような話じゃないんだけれども、こういう歴史もあるんだなっていうのを知るっていう本でしたかね。
いや、これ教科書に載せるべきだと思いますよ、私は。
そんなのトラウマになりますよ。
でも吉村晃は何かの作品は教科書に載ってたと思うんですけど、吉村晃、教科書に載せていいのかな?絶対トラウマになりそうな気がするけど。
よくトラウマ話教科書載ってますからね、意外に。
これはね、なんだろう、国語じゃなくて道徳なのかな。
道徳なの?これ。
体育かな。
くまに襲われた時の覚悟を決めろみたいな感じですかね。
いやー、これ読んでもだからといって、くまに襲われた時の哀愁法が学べるかっていうと、一個も学べるところがない。
30:02
ねー、学べないですよね。
まあ、木を襲えるとか、物音がすると逃げるとか、それはもう迷信なんだなっていうのがわかるっていう。
私の読んだ方の道国の谷にもその部分は書いてあって、逆に人の味を知ってしまったくまは、くますずだったりとかラジオの音とかに近づいていくって。
あ、獲物の音だっていうふうに認識してしまうっていうのを読んでから、もうほんとくますずはつけないぞみたいな。
何がほんとくまに対して有用なのかがわからないですよね。
そうですね。で、次に紹介する本が羽田治虫さんの人を襲うくまなんですけれども、これも実際にあったくま被害、襲撃事項を何件か集めて、あとは漁師の方がかかるくまの現象。
あとは研究者の人が語るくまの生態と遭遇時の対処法っていう、主に3つのパートに分かれている本なんですけれども、
いろんなケーススタディっていうか。ただ、羽田さんの本でも山の遭難事故っていうのはヒューマンエラーだと。人が起こす事故だと。
判断ミスとか、装備が不足してたとか、そういったところで起きてくる事故が大半なので、ここを直せばよかったとか、こういう対処をすればよかったっていうようなことは言えるんだけれども、
くまに関しては、出会ってしまったっていうのは一つのアクシデントみたいなもんだと。だから、もう出会ってしまった後にどうすればよかったかっていうのは、もうちょっとこれは言うのは難しいっていうふうに書かれていて、一番の対処法としては、くまと出会わないことだと。
そうそう。まずは、くまに会わないことって書いてありましたね。会っちゃったらもう、対処法も何もだっていうようなことも書いてあって、ちょっとそこで絶望したんですけど。
B.S.の世界のドキュメンタリーっていう番組があって、それにパソコンを置いて森で暮らそうっていう番組があったんですよ。海外のテレビディレクターの方が、仕事が忙しすぎて子供と一緒にいる時間がないっていうことに悩み、思い立って全然電気とかも通ってない、カナダのUコンの山小屋に引っ越すんですよ。
あ、なんか都会の人やりがち。
やりがち。やりがちなんですけど、なんかそれの中にも、あれはグリズリーなのかな?向こうだから。ブラックベアーなのかな?なんか出てくるシーンがあるんですよ。で、確か犬も飼ってて、犬もなんかワンワンワンワンとか言うんですけども、まあ、くまにしてみたら、ああ、鳴いてるなあ、ぐらいの感じで、なんかうるせえなあ、みたいな。
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それで、やっぱり彼らも一応、くまよけっていうことで、ライフルみたいなのと、くまよけスプレー?カラシなのかな?なんだろう、目を見えなくするような、くまよけスプレーっていうのを持って行くんですけども、一発発砲したとしても、やっぱり巨トンなんですよね。なんだろう?みたいな、クマが。近づいても来ないし、逃げないし、本当に巨トンみたいな感じで。
あれ?と思って、じゃあ、今度はこのクマスプレーだって言って、スプレーを出すんですけども、それに対しても、やっぱりスプレーもそうだと思うんですけど、さっき2メートルくらい近づかなかったら、多分スプレーなんか届かないじゃないですか。
そうですね。 だから、やっぱり巨トンで、最終的には犬が吠えたのが鬱陶しかったのか、のそっといなくなったんですけど、ちょうどそれを見てたのが、山のツアーコンダクターっていうか、登山とかに来る方を演出する人と一緒に見てたんですけど、
なんか、「あ、このスプレー、俺買ったばっかりなのに。」って言われて、「嫌なの見ちゃった。」って言った時があったんですけど、人間とそこまで会った時のないクマとかだと、鉄砲とかの音を聞いてもわからないんじゃないかと思うんですよね。
なんか、その人を襲うクマの中にも、やっぱりその若いクマとかは、人間が怖いっていうのをまだわからないから、帰ってきちゃうっていう。こっちに来てしまうっていう。ある程度年をとった経験豊富なクマだと、人間ってなんかいろいろ持ってるからめんどくせえなみたいな。あんまり近寄らない方が身のためだなみたいな感じで、あっちも人と接触しないようにするらしいんですけど。
ただ、まだ経験が浅い若者のクマだったりすると、よくわかんないからパヤパヤと街とかにまで来てしまうっていう。来てしまって、人間がなんかいろいろしてくるんだけれども、それが何なのかがわかんないから、またなんか寄ってきてしまうっていう事例もあるみたいで。もしくは、そこでパニックになってしまう。
だから別に襲おうと思って襲ったわけじゃないんだけど、パニックになって結果的に人を襲ってしまうっていう事例とかもあって。
ね、あれはちょっと悲劇的ですよね。漁師とかも。
そうそう。この事例集の中でも、本当に何だこのパニックホラーみたいな話だっていうような事故があって。駐車場にクマが出没した事故、スカルプスですかね。
これは2009年ですね。
そう、最近なんですよ。
そんなに昔じゃないんですよ。さっきの大正時代とかじゃなくて、平成21年。なんかでもこれ確かにニュースでやってたの覚えてるなっていう。
これだと本当10人ぐらい襲われていて、このインタビューに答えてる方は、これは何て読むんだろう、ノリクラタケって読むんですかね。
36:07
に、ちょっとお友達何人かと山登りにしてきて、休憩所の駐車場みたいなところで、いきなり悲鳴が聞こえて、なんだと思ったら、女の人がクマに襲われてるっていうのを見て、
人からやめとけって言われたんだけれども、その人はやっぱりむざむざと人が襲われてるのを見下ろしにできるかって言って、その咄嗟にクマに向かっていったっていう。
ただ、やっぱりその後の結果がですね、顔に頭部に一喜一悪をくらって、だからその衝撃で顔の半分がなくなってしまうぐらいの大怪我をいっちゃうんですよね。
ちょっと、顔の半分がなくなるってどういう事態なの?っていう感じなんですけれども。
この方も、右目がその時ポロッと落ちたんですよね、みたいなこと言ってるんですよね。
いやいやいやって。
いやいやいや、本当にいやいやいやって思ったんですけど。
で、クマってやっぱり腕力がものすごいんですけど、爪ですよね。爪がものすごいので、のしかかられただけで肉に食い込むっていう。
で、それをフルスイングで叩き込まれた日には、もう顔の半分がなくなってしまうという、本当に命があっただけでもっていうような状況なんですけれども。
ただ、それがその方にとどまらず、その状況でやっぱり周りでキャーとかワーとか悲鳴があるわけじゃないですか。そんな場面が見返されたら。
それにさらにクマが興奮してしまって、またこう別のところに逃げ込んで追っかけていくんですよね。
で、なんかその襲われてる人、その助けに行こうと思った人が襲われて、その襲われた人はまた助けに行こうと思った人が襲われてっていう。
で、その人も家まで逃げたけれども、結局逃げ切れずにクマに襲われて、その人もかなり大怪我を負って、その家の家族もやっぱり大怪我が多い。
で、そこからまたクマが逃走し、また駐車場の方にバーって逃げてくるんですよ。
で、今度バスターミナルみたいになってるところがあって、なんとかシャッター下ろそうってするんだけれども、下ろしきれなくてそっからクマが入ってくるっていう。
だからもうバスターミナル、大パニックみたいな。で、そこでも何人か人が襲われて怪我をして、最終的にはなんかお土産屋さんが入っているその店舗に行ったところを、もう四方から全部こう、シャッターバーって閉めて、で、あとそのシャッター越しに射殺するっていう。
なんかこれだけ聞くとパニック映画かっていうような話が実際にあったっていうのが恐ろしいなって思いながら読んでたんですけど。
39:00
さっきのあのクマ嵐じゃないですけど、お葬式のシーンじゃないですけど、なんで入ってきちゃったのっていう。バスターミナルの中にっていうね。
それがもう白昼でこんなことが起きるっていう。ただこのクマはさっきのクマ嵐に出てくるのはヒグマなので、2メートル以上あって300キロぐらい体長があるものすごく大きいクマなんですけど、この時のクマは大体160センチぐらい。で、体重も100キロ前後っていうところなんですかね。
そうですね。
月のワグマでもこのぐらいの被害が出ちゃうっていう。で、事件が起きた後にこの事故はどうして起こったかっていうのを、自己検証委員会みたいなのがあって、報告書が書かれているんですけれども、このクマ自体が異常なクマっていうか、人を襲うような異常性のあるクマだったかっていうと、まあいろいろ死骸とかを調べたけれども、なんかそういう形跡はなさそうだと。
考えられる理由としては、ある程度年もとっているクマだから、人を怖がらないとか、そういうクマではないんじゃないかと。
ただ、事故の経緯をいろいろ調べていくと、最初にクマが目撃されたのが、この駐車場じゃない別のところで目撃されているようなんですよね。
山の上の方で、山の森市立のところに最初クマが出て、そこで逃げて、逃げた後に半額道路を通っているバスとまた接触して、そこからまたさらに逃げて駐車場に降りてきたんじゃないかっていう。
で、クマもだからいきなり山奥で山菜とかを食べていたところに、いきなり人が出てきたと。で、「え、こんなところで人に会うとは思わなかったよ。」みたいな感じで、もうそこでちょっとパニックになってしまって、で、バーって逃げたんだけれども、またその逃げた先でバスと接触して、もうパニックっていう、さらに興奮してしまって、もうそれがもうどんどんどんどんパニックになって、
だからあんなに凶暴になってしまったんじゃないかっていうのを結論付けられていて、なんかちょっとそれを読んだ時に、クマにとっても災難だったのかなっていう。
お互い出会わなければこんなことにならなかったのになっていうような。事件がやっぱりかなり大規模だったし、亡くなった方はいなかったけれども大怪我された方はたくさんいるので、そういうところではクマ恐ろしいってなっちゃうんですけど、その経緯を見るとクマの方にもちょっとね。
そうね。パニックね。それこそさっき的さんがおっしゃったように、山の奥で山菜食べてたのに、こうやって人に会い、バスにぶつかり、それ下に行ったら下に行ったで、石を投げられるみたいなね。
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そりゃパニックになるよなっていう。
ちょっとクマの気持ちにもこれはなっちゃう話でしたね。
なんとも言えない結末だったなあっていうのを読んでて思って。これを読んでて思うのは、本当にクマと出会わないことっていうのが結構大事なのかなっていう。
人間にとっても大事だし、クマにとってもそれが一番の平和っていうか。
そうですよね。なるべく出会わないようにするにはっていうのを考えた方が、考えた方がって考えべきなのかなって思うんですけれども、まあやっぱり山を登ったりとか、あとはその山菜取りに出かけたり、まあうちの親とかもそうなんですけど、出かけるとやっぱりどうしたってクマがいるようなエリアに踏み入れてしまうっていう。
でもそうなった場合って、やっぱり人間の方がちょっとクマのテリトリーに入りすぎてしまっているっていう気もしますよね。
まあそこはやっぱり引き下がるべきなんじゃないかっていう。なんかその襲われた人たち、何人かインタビュー受けてるんですけど、その人たちがすごいなと思うのは、自分らがクマのテリトリーに入っちゃったからっていうふうに言い聞かせてるんだけどっていうふうに言ってるのがなんかすごいなっていうところではあるんですけどね。
何人かそういう方いましたよね。だから自分たちが山に入ってしまって、そういうクマと遭遇してしまったけれども、だからといって、それですぐに駆除するっていうふうになるのは、やっぱりどうかと思うみたいな。
なんか私もこの本読みながら、そういえばそうだよなと思ったのが、昔ってそんなクマとか、死ぽつしましたってなっても、すぐ殺処分になることって早々なかったような気がするんですよね。なんか捕らえたとしても、人と遭遇しないようなエリアまで持ってって話すみたいな。
でもこの本の中でも書いてあったように、それがやっぱり殺処分の方向に行ったのが、秋田で起きたクマによる食害被害ですよね。やっぱりあれもかなり衝撃的な話でしたし。秋田だから山形もすぐ近いですね。
そうですね。あのクマはもう食べに来てましたから、人間を。 そうですよね。一回人の味覚えてしまって、人間って食べ物にもなるんだねみたいな感じで思ってしまったクマはやっぱりね、あいつがやれば餌になるしみたいな。そうですね。
そうなってくると、これはもう殺処分せざるを得ないっていうところになってくるんでしょうけれども、ただ全部のケースでそれをしなければいけないのかっていうのもまたっていうところなんですよ。なんか割とね、どんぐりとかそういう木の実とかで脂肪分とかタンパク質を摂ってるクマもいるっていうことも書いてますもんね。
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クマにとってもその獲物を獲るよりだったらその辺になってるものを普通に食べた方が楽っていうのもあるじゃないですか。やっぱり獲物を獲るってそれだけエネルギーは必要だし、だったらその辺のどんぐり拾って食べた方がみたいな。それはね、クマも好みがあるから、どんぐりよりやっぱり肉の方がうまいよねっていう肉食系のクマもいるかもしれないし。
答え差はありますよね。
答え差はあるんでしょうけど、結構やっぱりどっちかっていうと木の実とか食べる、木の実とか草食のものを食べる方が多いみたいな話もあったりはするんですけど、ただ山のその食性がだいぶ変わってきていたり、それもそのね、植林によってどんぐりとかじゃなくて、杉とか実がならないような木に植え替わっていったりとか、あとどんぐりもその年によって豊作不作っていうのがあるんですよね。
もともとそれがあったりとか、あとその実がなるものがだんだん気候の変化によってならなくなってきたっていうのもあって、食べ物がないっていうのも指摘されていて、で、やっぱり里山の方に降りてきて、で、里山に来ればね、柿とか畑とかあって、餌になるようなものがいっぱいあるってなってきて、っていうの分かってしまったら、やっぱりそこに来るよねっていう。
そう、確か秋田の被害があったお家も、外に大根か何か干せたんですよね。
そうですよね。いぶりがっこ作るための大根だったのかなって感じですけど。
でもやっぱりそういう熊にとって餌になるようなものを身近に干しちゃいけないんだなっていう。出没しそうな、でも出没しそうなところだからこそ大根を干すんですけどね。都会では干さないですからね、今。
そうなんですよね。あとやっぱり人にとっても山ってね、山菜取りに行ったりとか恵みはあるところなので、テリトリーが被り始めてるっていう。そういうのはあるのかもしれないですね。
お家の両親とかもゴールデンウィークになると、たけのこを掘りに行くんですけど、山形も地元の方でも熊が出たっていう話をしょちょ聞くので、ちょっと心配かなっていうところはありますね。
そうですね。取ったたけのこを置いてくるとかね。わかんないけど。私もたけのこがとても好きなので、人間で同欲だなと思っちゃうんですけども。でもこれだけ食べ物がたくさんあって、人間は法則の時代なのに、そんな熊が食べなくちゃいけないようなものまで取ってしまうのはどうなんだろうとか。
さらにはそれを残ったら廃棄処分しているっていうところも繋がっちゃうような気がするんですけどね。フードロス問題と、熊だけではないですけど、山に暮らす動植物のものを取ってまで、人間たちが食べておきながら無駄に廃棄するっていうところに、またね、そっとして憤りを感じてしまうところもあるんですけども。
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そうですね。
人間ってダブルスタンダードですからね、すべてが。
本当に。
ただ、本当にその熊が死没するエリアに今住んでいないので、こういうことが言えるのかもしれないんですけど、熊が出ましたっていうような話を身近で聞くような場面になった時に、やっぱりそれは熊との共存があって言えるのかなっていうのも思ったりはしつつ。
個人的にちょっと面白かったところに、犬のくだりがあって、熊除けのために連れて行った犬が、なぜか犬が怒った熊を引き連れて飼い主のところに戻ってくるっていうのもあるのでみたいな。
最悪じゃないかっていう。
え?みたいな。犬が吠えてそれで怒った熊が連れてきちゃったみたいな。
結局犬も回って行くんだけど、熊に怯んで、ご主人のもとに帰ってくるんだけど、その時に熊もいるみたいな。
最悪じゃないかっていう。だから、ほんと熊に対する対処法はないっていうのがね。
そうですね。なので出会わないのが何よりの対処法だと。
さっきの唐辛子成分のあるペッパースプレーにしたって、ここで書いてあるんですけど、熊を十分に引きつけた上で、口と鼻と目などの免疫にめがけて噴射する必要があると。
従って使用については事前の練習が必要になるほか、度胸も求められるっていう。
それスプレー家に書いてあったら嫌じゃないですか。
それ普通の人できないよねっていう。
できないですよね。
それができるぐらいだったら、熊と戦うよっていう話ですよ。
そう。違う本なんですけど、たまたまちょっと今回話す上で見つけた本というか、冊子なんですけども、ネット上にあった。
ユーコンの原野にてっていう、ユーコンを旅する人への手引書みたいなのがあったんですけど、その中に熊と出会ったらっていう章があって、
いろいろ書いてあるんですけども、低い声で熊に話しかけるっていう。
ほんまかいなっていう。
アメリカ人みたいな、カナダ人すごいなみたいな。
話し合えばわかると。
話し合えばわかるっていうのが出てて、ちょっとこれがすごく印象的で、低い声で熊に話しかけるっていうのが2回ぐらい出てきたんですよ。
2回。じゃあ何かしらエビデンスはあるんですかね。
いやー、でも最終的には諦めないことが大切っていうか。
さっきの度胸みたいなやつじゃないですか。一番当てにならないよっていう。
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当てにならないですよね。ただ、また違うテレビ番組っていうかなんですけども、水曜何菓子でしょうっていうので、ユーコンを旅する番組があったんですけども、
その中に、やっぱりカナダのインストラクターの方っていうか、月曽の方がおっしゃったのが、キャンプの自分のテントの中には絶対食料持ち込まないと。
で、匂いのするキャンディーとか、あとリップクリームとか、そういうのも持ち込んじゃダメだと言ってたんですけども、
このユーコンの原野にてっていう日和にも、食料の都造や料理はキャンプサイトから200メートル以上離れることって書いてあるんですよ。
それで、この人を襲うクマを読むと、一番最初のグループが結構食べ物をテントの中に入れてるんですよね。
そうでしたね。
だから、これはやっちゃダメ。これはやっちゃダメと思いながら読んでたんですけど。
やっぱり鼻もすごくし、さっきのクマ嵐の話じゃないですけど、一回自分の獲物だと思ったものは、もう執着がナミナミになると。
もう俺のものは俺のもの、お前のものも俺のものですから。
ジャイアン。
ジャイアニズムですよ。
ジャイアニズムですね。
クマに捕らえたものは取り返してはいけないし、そもそもクマに狙われるようなものは身の回りに置いてはいけないと。
ただやっぱり山に登ったりして、何日かそこで産業をするってなってくると、絶対食料を持っていかなきゃいけないんで、そこの取り扱いは結構大変だろうなとは。
匂いが漏れないような食べ物を入れるパッキングがあったりとかするみたいですけどね。
そういうのにちゃんと入れて、食べ残しとかそういうものはそこの辺に撒き散らさないっていう。
これからまた山に入られる人も多くなる季節なので。
そうですね。
ちょっとクマ嵐と一緒にお勧めする本でもあります。
これね、2冊読んでからファンサイトに行ってほしいっていう感じですね。
行きたくなくなりますよね、これ。もう絶対山に入りたくないってなっちゃいますよ、これ。
クマの本の話はこんなところなんですが、
あとはそのクマ怖いだけだとちょっと難なんで、実はうちの母方の祖父がですね、昔またぎ的なことをやっていまして、
ちょっとそのまたぎきした話になるんですけど、実際にどういうことをしていたのかっていうのをお話しして終わろうかなと思うんですが、
うちの母親っていうのはガス山の湯戸野山の朝日村っていうのがあるんですけど、あの辺の出身なんですよ。
何回か連れてってもらったことあるんですけど、こんなとこに人住んでんのっていう村が突然あって。
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すごく山奥っていうのとはまた違って、大きい道からちょっと分かれてる小道みたいなところを、
すごいグネグネした小道をずっと登っていくと、なんかその途中にポツンといきなり集落が現れるっていう、なんていうか隠れ里っぽいようなところの出身だったんですね。
だから本当にオチムシャの里なんじゃないかっていうふうに言い伝えられてきたんだっていうふうに言ってて、ほんまかいなって感じなんですけど、
で、じいさんも昔からそこの出身だったんですけど、山の男たちっていうのは、ガチで又木っていうわけじゃないんだけれども、やっぱり又木的な生活をして、熊追いとかもやってたんですよ。
だから、じいさんはお父さんが若くしなくなってしまったので、結構その子供のうちから家の代表として熊追いに参加するっていう。
でもまだ若いから、鉄砲とか撃って撃ち方とかそっちのほうはできないので、まず熊を追っていくセコっていうんですけど、追い子かなっていうんですけど、そっちの役割をやってたらしいですね。
で、熊って基本的にチームで仕留めるんですよ。
熊足に出てくる銀次郎みたいに1人で熊に仕留めに行くっていうのもなくはないんでしょうけど、基本的にはチームを組んで、それぞれ役割を持って熊を追っていって、最終的にその撃ち方がいて、その撃ち方が待ち構えているところまで誘導していって、そこで待ち構えた熊打ちの人たちが撃つっていう。
そういう撮り方が結構一般的というか、よくある手法だと。で、その爺さんが住んでた村でもそういうふうに熊を追って、熊を取ってたっていう話とかは聞きましたね。
で、むちの爺さんは80過ぎぐらい亡くなってんですけど、70、80手前までは鉄砲を持って山で狩猟をやってましたね。で、60代ぐらいまでは熊落ちにもたまに呼ばれて撃ってたみたいですね。
で、その爺さん家に行くと、熊のつきものがあったんですよ。黒いやつ。月の輪熊。すごい。ありましたね。すごいですよね、本物見ると。お顔がついてるタイプですか?
ついてました。ついてるタイプでした。あーこれねーっていう熊ね。でもなんか、あの毛皮はすごい弾が取れそうですもんね。昔なんかは。そう。なんか今は毛皮ってね、かなり取引が制限されているので、そんなにね、毛皮目当てで狩猟ってなかなかないんですけど、やっぱり今だと肉とか、あとはその熊の胃っていう、今の肝臓だったかな。
あー肝と言われるやつですね。肝ですね。それもやっぱりその漢方薬っていうか、昔から章薬としてものすごく価値があったんですよ。で、本当にその重さと同じ金で取引されてたとか。へーすごい。だから爺さんも熊の胃持ってたらしいですよ。で、これを飲むと大体の具合の悪さは効くって言って。
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うちの母親とかも小さい時に飲ませられたけど、まずいんだよねっていう。本当に苦いんだよって。なんかそういう昔みたいな有効利用って言ったら、なんかまあ言葉が悪いかもしれないですけど、でもそうやって捉えられた熊を無駄にしないっていうか。
そうですね。なんか本当に毛皮は衣服とかそういうものに使ったりとか、肝臓とか肝はその薬にもなるし、あと油。熊ってその冬眠前だとすごく油が乗ってるので、その時期の熊のその油を集めて軟膏とかにしてるらしいんですよね。昔だと。
傷に塗ると、火傷とか塗ると傷の治りがいいっていうので、それも薬みたいに使われてたりとか、あと肉も食べるし、骨とか爪とかはアクセサリーとか、昔だとそれこそ矢尻とかそういうものに加工されてたりとか。私も小さい時に1回だけ熊の肉食べたことありますね。
そうですか。
正直そんなに美味しくはなかった。なんか脂身がすごい厚くて、肉っていうより脂身を食べてるって感じでしたね。
今風に言えばジビエですね。
そう、ジビエですね。うさぎとかはもうしょっちゅう取ってきてたから、皮剥いで肉にしたやつをよく届けてくれて、なんか味の濃い鶏肉って感じでしたね。お雑煮の中に入ってたりとか、あと普通煮物として出てくるうさぎっていう。
今だったらね、ジビエ料理とかで結構高いんでしょうけど、なんか何の気なしに、おじいちゃん、うさぎ取ってきたんだ、みたいな感じで食べてたんで、あんまりありがたみはなく。でもやっぱり鶏肉の方が美味しいなとか思いながら食べてましたけど。
でも、なんかそうやって特別な感じなく食べるぐらいの近さっていうのがあれば、まだなんとなく受け入れられるような気がしますけどね、そういう。
いろいろね、あのじいさんの昔話をもっと聞いとくんだったっていうのはあったりとか。それこそ、ゴールデン神威っていう漫画を読んでいた時に、雪山を滑るための道具で、スキー板の後ろにあざらしの毛を張ってるものがあるんですよ。
で、それ何がいいかっていうと、普通に滑るときは、坂を下って滑るときは、普通に滑れるんですけど、上り坂ですよね。上るときは、あざらしの毛が坂毛になるんで、滑れないっていう。それ、うちのじいさん持ってたらしいんですよね。
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すごいですね。
じいさん亡くなったときに、いろいろ処分したときに、それもう捨てちゃったとか言ってて、もったいないな。なんか意外と民族学の人が聞いたらすごい食いつきそうな話とかいっぱい出てくる人だったので。
でもね、生きてた時とかは、ちょっとやっぱりなんとなく怖い感じはしましたよね。別にすごく怖い人ではなかったと思うんですけど、町で暮らしてる人とはちょっと違う雰囲気があるっていうか。
山の人じゃないですけど、孫一条は結構恐れてましたよね、じいさんのことを。
熊打ちですからね。
そう。なんかもうちょっといろいろ山の生活について、あのじいさんから話を聞いとくんだったっていうのは、年々ちょっと後悔はありますね。
ですね。昔のその、天だったりとかうさぎだったりとか、熊もそうですけども、たぶんその毛皮もね、高く売れたと思うんですよね。
そうそうそうそう。やっぱり天は毛皮目的でとっているので、私もその成人式の時に来なさいって言われて、その天の顔がついてるショールを。
顔がね。
顔がついてるよみたいな。
リアル顔だよっていう。
なんかほら、今どうしてもね、そうやって毛皮とかは動物保護の観念とか、そういうところからもうなくしていきましょうっていう動きがありますけど、私もまあそれは賛成ではあるんですけども、ほぼほぼ。
ただこれぐらい寒いね、山形とか、ほんとこう雪の降る、本当に寒いところの人は、やっぱり河川では生きていけないっていうのがあるじゃないですか。
今ほどそんなに衣類の素材とか人工で作れるものがなかった時代に、やっぱり暖を取るってなってくると毛皮ってものすごく暖が取れる貴重な衣類の素材だったんですよね。
だってお家だってこんな風に断熱とかね、なってないから、めっちゃ寒いじゃないですか、昔の家って。
だからそんな中で衣類だけのね、温かさでやっていくって考えたら、やっぱりね、毛皮大切なものだったんだろうなっていうことはなんかわかりますよね。
あと、ただ単に着るとかじゃなくて、さっきのアザラシの皮をスキーの板に貼ってっていうような、なんかそういう使われ方もしていて、
毛皮のその利用とか、取った動物をどう利用するかっていうのも、多分今よりも全然利用の幅っていうのは違ってたんだろうなっていうのは、
民族学の本とか読んだりすると、思ったりする時はありますよね。
今だと本当に単に肉を食べるとか、毛皮を取るとか、そういう目的でしか取らないっていうのも、あとはトロフィー狩猟みたいな、
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そういうような取り方になってくると、やっぱりそれだといかがなものかっていうところがあるんでしょうけど、文化としても生活の一部として余すところなく使うっていう。
敬意を持つっていうか、そういうのがやっぱり少なくなってきてるっていうのも、熊が里山に降りてくる頻度が多くなるっていうのと繋がってるような気がしますよね。
やっぱり何かこう、威敬の念を持つというか、威敬の念っていうのはなんかちょっとスピリチュアルな感じもしますけど、やっぱり恐れつつも、なんていうか、敬うじゃないですけど、今の良文じゃないですけど、そういうのをやっぱり考えてた時代だったのが、今はそれはどうなんだろうなっていう。
山形は特に山岳崇拝、山が怖いものだったりしますからね。
そうですね。山はあの世なので。
だからそういうところも踏まえて熊の本を読むとまたちょっと違うような気がしますけどね。今の考え方と昔の狩猟の考え方とか。
今日はそんなところでしょうか。熊にはなるべく遭遇しないように。
そうですね。熊に合わない工夫をして暮らしましょう。
今日はありがとうございました。
ありがとうございました。
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それではまた次回まで。さようなら。
さようなら。
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