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みなさん、こんにちは。この番組は、誰もが知っている名作から、あなたの知らない日記すぎる本まで、ゆるいトークで紹介する読書系ポッドキャストです。
改めまして、こんにちは。窓文庫です。
こんにちは。梶原コーヒーです。
よろしくお願いします。
今回は、もう年末がやってきますので。
年末なんですね。
そんなわけで、クリスマス特集なんですけど。
華やかで。
でも、ちょっと華やかっていうか、クリスマスっぽいお話なのかなっていうところで選んで。
今回ね、この番組、さりげなく3年目に突入してるね。
私も思ったのよ、さっき。あれ?クリスマス特集3回目?みたいな。
実は、クリスマス特集やったのは最初の年だけなんですけど。
なぜかクリスマスなのにドストエフスキーの死の家の記録やるっていう。
あと、オースターのオーギーレンのクリスマスストーリーですね。
一応、クリスマスの死の家の記録もクリスマスの話題があったので、そこを取り上げて、その2本でやって。
ただ、去年はクリスマスじゃなくて、細子通り越し初夢の話してましたね。
初夢の話してましたか。
そう、なぜか初夢の話。ちょっとクリスマスネタが思いつかなかったっていう感じで、もう正月でいいやということで、
去年は確か古代人の夢と、あとはフロイトの燃える少年の夢。
あー、知ってましたね。知ってました。
いろんな文豪の夢ネタを漫画にしたっていう短編漫画集ですね。それを紹介して。
で、今年はクリスマスにしたいなと思って、そういえばこの話はクリスマスだったなって思い出したのが、
今回取り上げるアトリシアハイスミスのキャロルという小説ですね。
はい。今回川出文庫が出ている版なんですけれども、これ一応2015年に映画化もされてるんですね。
で、その時に結構話題になったんですよ。
で、多分それをきっかけにして、翻訳というか日本でも、古い訳あったのかもわかんないですけど、再度出版されて、
小説版もそこで話題になったなっていう記憶はあったんですけど、まだ読んでなくて。
ただ、パソリシアハイスミスってこの小説書いてたんだっていうのは個人的に意外だなと思ったんですけど、
この方って基本的にはミステリーとかサスペンスですごく有名な人なんですよ。
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見知らぬ乗客とか、太陽がいっぱいとか。
その時代の方?
結構古い作家ではあるんですけど、生誕確か100年ぐらいになるんですよね。
じゃあもうそこそこ昔の方です。
で、すごくミステリーとかサスペンスの女王って言われるぐらい、書いた小説書いた小説映画化されると。
おお、素晴らしい。
私も何作か読んでて、イヤミスの走りというか、元祖イヤミスみたいな感じで。
やっぱり心理描写とかがすごく細かいし、たくみなし。
やっぱりなんかすごく人間の暗いところとか、ままだらないところとかをすごく冷静なタッチで書いていく人だなっていう印象が強くて。
ただ、今回のキャロルは恋愛小説なんですよ。
我々にしては珍しい。
しかも女性投資の恋愛を書いた小説なんですよね。
珍しいですよね、この時代だと。
なくはないんでしょうけど、でもなくはないんだけど、ハッピーエンドにはならないっていうか、ちょっと暗い感じの話が多かった中で、でも安心してくださいと。
これはハッピーエンドです。
おー、すごい。
すごくハッピーエンドで、でもやっぱりパトリシア・ハイスミスだなっていうハラハラドキドキ感もある。
すごい読み応えのある小説でしたね。
本当その当時の同性愛を書いたもので、ハッピーエンドにするっていうのはなかなか珍しいんじゃないかと。
実はパトリシア・ハイスミス自身も同性愛者だったと。
そうなんですね。
そうなんです。
女性同士で、いろんな方と恋愛をしては破れ、恋愛をしては破れっていう。
あんまり恋愛がうまくいってないみたいな日記とかも残ってたりとか。
でもいろいろ濃い大きい方ではあって。
この方生まれたのって結構前なんですよね。
生まれがアメリカのテキサスの方なんですね。
南部の方なのでそんなに都会なわけではないですよ。
だからまだすごく古い考え方というか。
そうですよね。結構保守的なとこじゃないですか。
保守的なところで生まれ育ったので、その中で同性愛者だっていう。
家族にもそれが分かってしまったってなったときに、
治療を受けなさいっていうふうに。
女なのに女が好きだってのはちょっとおかしいっていうので、
精神療法を受けさせられるとか。
そういうやっぱり時代に生きてる人ではあるんですよ。
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なおかつその時代って、一応同性愛をテーマにした小説ってあるにはあったんですけど、
ハッピーエンドの悪者ってのはないと。
大体片っぽは自殺するとか、結ばれずに終わるとか、
あとは一生と結局結婚するとか、
そういう終わり方をするのがまあほぼだと。
で、私はそういう小説じゃなくて、
ハッピーエンドの悪恋愛小説を書きたい。
毎回そういう不幸な感じにしか終わらない小説はもういいと。
ハッピーエンドで終わる小説を書きたいっていうのは後書に書いてあるんですよ。
この後書きもすごくぐっとくる内容で、
いいですね、後書き。
このパトレッシャー・ハリスミス、やっぱりいろいろあった人なので、
癖が強いというか、やっぱりちょっと冷めた感じなんですよね。
人間嫌いってすごい言われてた人がみたいですけど、
なんかちょっとひねくれてるなっていう感じの書き方はしてるんですけど、
キャロルを書いたんだけど、本名では出せなかったと。
内容が女性同士の恋愛小説っていうものだったので、
これでもしまた自分の名前で出すとなると、
私は一生たぶんそういう同性愛の小説を書く作家っていう、
レテル張られそうだと。
でも私はそういう、別にずっとこういう小説を書きたいというわけではないと、
っていうふうには書いてるんですけど、
もしかするとやっぱりそれは家族の目を気にしてとか、
そういうところもおそらくあって、別の名義に書いてるんですよね。
たぶん宗教的な何かもあるでしょうしね。
別の名前で出したと。
ただ、これを出した時にやっぱりものすごく反響が、
しかもとてもいい反響がですね、たくさんあったと。
読者の方からすごくお便りっていう感想の手紙をいっぱいいただいて、
それがやっぱり、よくこういう小説を書いてくれた、ありがとうっていうような、
私もやっぱり同性愛者で、中に出てくる二人のように、
本当は女性で、私も女性が好きなんですけど、
結ばれることはありませんでしたとか、
やっぱりいつも同性同士の小説は、最後は不幸な結末に終わってしまって、
すごく悲しいんだけれども、
ハッピーエンドで終わる小説を書いてくれて、
すごく励みになりましたっていうような手紙が、
出版されてから結構時間が経ってもやっぱり時々届くっていうふうに書いてあって、
やっぱりそこは書いてよかったなっていうふうに、
後書きで残してるんですよね。
だからといってまたそういう小説を書いたかっていうと、
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そうではなかったっていうのは、
この作家の面白いところだなって思うんですけど。
あらすじなんですけど、
今回クリスマスの話なので、
舞台はですね、1950年代のニューヨークで、
しかもクリスマスシーズンなんですよ。
主人公はテレーヴっていう19歳ぐらいの女性なんですけど、
この人がですね、ニューヨークのデパートでバイトしてるんですよ。
クリスマス挑戦で華やかなデパートでバイトしてるっていうところから始まっていて、
バイトなんで他に別の仕事っていうか目指してるところはあるんですけど、
舞台美術の卵みたいな感じで、
そっちで仕事は本当は探したいけど、
仕事が全然まだ駆け出しなんでない状態。
そんな今回はデパートでバイトするっていうところから始まってて、
この人はおもちゃ売り場で働いてるんで、
毎日クリスマス用の人形探しに来たりとかする家族連れとか、
親御さんが毎日来るわけですよ。
そんな中にテレーズが箱か何か閉まってるときにふっと顔を上げたら、
目があったお客さんがいてたまたま。
それがすごく綺麗なブロンドの女性だったと。
目がすごく印象的で、見た瞬間目が離せない。
お互い目が離せない。
太目惚れですね。
その人がテレーズの方に向かってくるわけですよ。
ちょっとドキドキするんですけど、
その女性が店頭に並べてあるディスプレイしてるカバンを見てみたいんだけど、
取ってくださらない?みたいな感じで声をかけてきて、
そのカバンを見て、これ気に入ったから、売り物だったら買いたいんだけど、
トランクみたいな大きいカバンだから、
うちまで配送してくれませんか?って言われて、
頼んで代引きの電票とか買ったわけですよ。
その女性がお願いしますねって言って去っていくんですけど、
去っていくのを見るシーンがですね、
そこの描写がすごい印象に残ってて、
過ぎゆく一瞬一瞬をまるで二度と呼び戻せない時間のように、
二度と取り戻せない幸福のように去っていくのを、
じっとかみしめながら見てるんですよ。
もう恋じゃないですか。恋ですよ。
このフレーズの書き方がですね、
やっぱりパトレッシャー・ハイスミスって文章すごく上手いんですよ。
すごく冷静な文章を書く人ではあるんですけど、
時々こういう詩みたいな文章をさらっと挟んでくるんですよね。
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そして翻訳の方も上手ですよね。
そう、翻訳の人も多分すごく上手いんだろうなっていうので、
一度見ただけで恋に落ちて、
なんていうんですかね、恋に落ちて心奪われるっていうか、
シーンって本当にこの言葉で表されているようなもんなのかなって思って、
ああ、あの人言っちゃうっていう。
でもなんか、ただそれだけなんですよ、そのシーンだけだと。
なんかすごいドキドキした。
すごくなんていうか、言葉に入れ合わせないけど、
とても惹かれる人だけ別に、
それだけで終わるんだったらもうおしまいみたいな、
気になる人みたいな感じなんでしょうけど、
でもですね、またその人戻ってくるんですよ。
やりました。
そこに置いてあるちょっと人形見せてもらえませんかって、
また話しかけてくるわけですよ。
で、じゃあこれもいただくわってことになって、
これもちょっと配送してもらえませんかって、
また伝票書くんですけど、
もう伝票、住所聞かなくてももう覚えちゃってますよ。
もうね、なんだろう、プロですよ、それ。
もう覚えますよ、もう。
恋愛のプロだわ。
名前も覚えてますよっていう。
っていうのを悟られないように、
また伺った住所に書きますねっていうのを書いて、
で、伝票渡して、女性は去っていくんですけど、
そこでですね、やっぱりね、このテレーズってまだ19歳なわけですよ。
怖いもの知らずなところがあるわけですよ、若いので。
デパートのえはなき売り場に行って、
さっき伝票に書いた住所にあてにですね、
クリスマスカードを送るんですよ。
なんだろう。
行動力、すげえな。
行動力多いですよね。
やっぱり行動力ある人が幸せになれるわけですよ。
こっちはこっちでまた恋愛マスター。
すごい。
19歳にして。
19歳にして、もうね。
それを何のためらいもなくパーッと行って、
パーッて書いて、ペッて送っちゃうんですよ。
っていうのがまずファーストシーンとしてあるんですね。
シーンの作り方はいいなと思ったんですけど、
でもですね、このテレーズにはリチャードっていう恋人がいまして、
何年くらい付き合ってるのかな。
でも1年とかそのくらいだと思うんですけど、
そこそこ付き合ってはいて、
リチャードも画家を目指してるって言ってんだけど、
本当に画家になる気あるのかちょっとよくわかんないみたいな。
モテつながらね、バンドマンじゃん、書いてないでしょ、またそれ。
そうなんですよ。
いいとこの坊ちゃんというか、
ある程度ユーフィペな家庭に育ったのかなっていう感じの彼氏がおりまして、
そこそこ仲も良く、
何だったらリチャードの家に遊びに行って、
リチャードのおじいちゃんおばあちゃんとかと顔見知りぐらいの勢いなんですけど、
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でもリチャードはテレーズにこんなわけですよ。
来年年が明けたらヨーロッパ旅行行こうねみたいな話をしてるんですね、2人で。
でもテレーズはリチャードのこと別に嫌いじゃないし、もちろん好きなんだけど、
っていう感じなんですよ。
何だろう、でも毎日リチャードと会ったりとかして、
それで全然楽しくは過ごしてるんですけど、
でも何となく心ここにあらずなんです。
そういうシーンも書かれてて、
数日経った後にですね、
何とクリスマスカードを送った女性から電話くるんですよ。
電話きちゃった。
やべえ、くれるかなと思って。
あんた勝手に客の住所にクリスマスカード送ってこないでくださいみたいな、
個人情報じゃないですかみたいな感じで言われるのかなみたいな感じでドキドキと思って出たら、
あんたがクリスマスカード送ってくれたの?っていう。
なんかまんざらでもなさそうだなと。
で、何だったら今度お茶しませんか?みたいな感じで。
やった!え?ってなるわけじゃないですか。
で、お茶をすると。
ちょっとここで急速にですね、女性と。
急接近じゃないですか。
急接近なわけですよ。
リチャードなんてもう。
リチャードなんてもうどうでもいいですよ。
残念ながら。
急激に近づくわけですよ。
で、その女性がキャロルっていうのをここで仲良くなったときに知るわけですよ。
お茶する中でいろいろお話をしていくわけですけど、
お互いはどういう人なのかっていうのがまたここでわかっていくわけですけど、
キャロルは多分30過ぎぐらいかなっていうぐらいの。
で、結婚してて。
で、娘も一人いると。
ただ、どうも家庭はうまくいってない。
で、何だったらもう離婚調停中。
で、夫とは今一緒には住んでない。
みたいなことがちょっとふと語られるわけですよ。
で、娘もちょっと今いない。
多分その夫の方に行ってる。
で、その間買いに行った人形は今度クリスマスの時に会う時にプレゼントするために買ったのみたいな話をするんですよ。
テレ図の方もいろいろ自分の話をしていって、
で、リチャードとは恋人がいて付き合ってはいるんですみたいな感じで話してて、
付き合ってる人いるんだみたいな感じで、どういう人なのどういう人なのとかすごいガールズトークが始まるわけですよ。
でももう正直テレ図はもうキャロルのことしか見えてないので、
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いやなんかいるんですけどみたいな感じで。
ひどい扱いできちゃうよみたいな感じの。
ひどいな。
だって他の人に心を占領されたら、今まで付き合った人って急激にパッとしなくなるじゃないですか。
しょうがないです。上書きですから。しょうがないのそれは。
その気持ちの書き方すごい鮮やかなんですよね。
リチャードかわいそうじゃねえぐらいに急速にもう関心がなくなっていくわけですよ。
あんな出会いカットをしたあの女性と今お茶をしているみたいな。
私、あの人と今こんな風にお話ししてるなんて、みたいな感じじゃないですか。
めちゃくちゃ舞い上がってるわけですよ。
しかもしかも、じゃあ今度はうちに遊びに来ないみたいなこと言われるわけですよ、キャロルに。
なんてこと。
なんと、みたいな。
えーって感じじゃないですか。
もうどんどんどんどん距離が縮まっていって、
ちょっと手入れ図も、ちょっと今自分の気持ちがよくわかんないみたいな。
あまりにも幸せすぎるっていうか、幸せすぎて不安になるみたいな。
なんだろう。
なんだろう、あんまり味わったことがないこと。
なんかよく恋愛小説でよくありがちな。
ありがちなやつですね。
幸せすぎて不安みたいな。
何言ってんだみたいな。
いやでもなんかそういうちょっと心境になっていくわけですよ。
でもやっぱり、でも女性、私今まで女性のこと好きだなと思ったことないんだけど、
なんでキャロルのことはこんなに好きになるんだろうみたいな。
なんかやっぱり、ただあんまりそこは戸惑ってるわけでもないですね。
女性のこと好きになっちゃった、どうしようとかもなく。
でも、あーそうかーみたいな。
でもキャロルって女性だったわーみたいな。
でも割とそこはすんなり受け入れてですよね。
ただなんか今までそういうことってなかったかなー、あったかなーみたいな。
そんなことはどうでもいいみたいな。
とにかく私はキャロルに夢中だと。
ただそれが恋愛なのかどうなのかってまだわかってないんですよね。
なんていうかもう、初期のわーって盛り上がってる感じで、
もう突っ走ってる感じで。
でもなんかもう、その初期のキラキラした感じで、
会えるだけでも嬉しいみたいな、そういうシーンがずっと続いていくんですけど、
でもなんかそういうのと一方を対比してやっぱりそのリチャードのお話とかもあって、
リチャードはリチャードで、クリスマスどうするーみたいな感じで、
うちに遊びに来るよねーみたいな感じで。
だってリチャードはもう、自分もテレーズのこと大好きだし、
テレーズも俺のこと絶対好きだよねーみたいな、
そこは絶対疑ってないですよ。
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100%疑ってないですよね。
でもそうじゃないですか。疑わないですよ。
まあ疑わないですよ。
だって今まで仲良くやってきたし、
疑う理由なんてないから、
ちょっとテレーズが自分からもう心が離れてるなっていうのが、
全く気づかないんですよね。
またそこをね。
なんかそこの描写とかもすっごい残酷なぐらい、
すれ違いが描かれてて、
パトリシア・ハイスイスの怖さをちょっと見るんですけど。
でも普通に考えると19歳ですよ。
100%って思ってるね。リチャードが悪いね。
おばあちゃんから言わせるとリチャードが悪い。
リチャードが悪いですか。
安心しすぎてる。
でもやっぱりそこはちょっと溺れる部分っていうか、
そうなんですよね。
でもそんなもんじゃないですか。
そこを疑い始めるっていうのは結構破綻の始まりっていうか、
場合によってはですよ。
逆にそこは怖いから考えたくないっていうのもあるのかもしれないですし、
後半になってくるとだんだんそんな感じなんですけど。
クリスマスシーズンなので、
クリスマスイブの時にキャロルに
家に遊びに来ないって言われて、
キャロルの車に乗って、
キャロルの家はちょっと離れてるんですよね、ニューヨークの郊外の方にあって。
まあまあお金持ちのいいところの家なので、
郊外の離れたところにお家があるんですよ。
車で迎えに来てくれて、
ドライブバテラー、キャロルの家に行くんですけど、
その家に行く途中にですね、
トンネルがあるんですよ。
そのトンネルを通ってる時に、
このままトンネルが崩落して、
車ごと巻き込まれて、
ぺしゃんこになって2人とも。
で、そうやって巻き込まれて、
このまま2人とも死に落ちてしまえばいいのに、
っていうふうに思う瞬間があって。
もうね、こじだせてで19歳。
この瞬間が永遠であったらいいのに、みたいなことを思う瞬間とか。
まあね、わからなくはないけど、そういうね、こじだせ審議。
すごいな、なんかそこら辺に若さを感じるっていうか。
若いね、若い。
昭和かいですよね。
昭和ですよね、なんかね。
昔なんですから、やっぱなんかすごい、
とにかく好きに対する爆発的な、
矢のように飛んでいくみたいな。
描写がなんかすごい眩しいな、
とにかく眩しいな、みたいな。
眩しい。
キラキラしてるぜ。
砂糖菓子みたいだね、もう。
そうそう、キラキラしてるぜって感じで。
なんかそのキラキラ感とやっぱりちょっと不安な感じと、
でも逆にこのディチャードのことを疎ましく思えてくる。
でも別にディチャードは悪くはないっていうのは、
とりあえずは分かってるんですよ。
別にディチャードなんかしたかっていうと、
別に何もしてないし、
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なんだったらその前に付き合ってきた男とかは本当になんか、
全然どうしようもなかったから、
それに比べたらディチャードは全然真摯的だと、
無理矢理なことをしようとか、そういうのもないし、
いいやつだっていうのはあるんだけど、
でももう今気持ち悪いキャラルのほうに
座ってるのっていう。
そんなディチャードのことをね、
ちょっと褒めよう褒めようと思ってるあたりがね、もうね。
罪悪感なんですね。
そうもうね、無理があるね、そこは。
そうそう。
だからそこら辺のいたわさみで、
ちょっとやっぱり精神的に若干不安定なところとかもあったりして、
なんかやっぱりそこのバランス感覚、
このなんか精神のバランスの書き方とかがやっぱりすごい上手いんだよなっていう。
幸せと矛盾するような気持ちがあるからこそ、
さらに幸せになっていくみたいな。
もうなんだろうな。
でも一方で、キャラルはキャラルで、
やっぱりもう30も過ぎてるし、
結婚もしてるし、
しかもその結婚はうまくいかなかったっていうので、
ちょっとやっぱり人生の苦みみたいなのを知ってる人なわけじゃないですか。
はい。
だからなんというか、
自分を照れずにすごく真っ直ぐにそういう関心を抜けられてるなっていうのは、
もちろんわかるんですよ。
行為をね。
行為を持たれてるなっていうのはすごくわかるし、
もしかしてそれは恋愛なのか、
それとも年上の人に対する憧れみたいな、
あるじゃないですか、そういうのって。
ありますよね。
年上の同性の人にちょっと憧れるみたいな。
ありますね。
それか、そういう感じなのかなっていう風に、
ちょっとやっぱり冷静に見てる部分とかもあるんですよ。
で、ちょっと突き放して見てたりとか、
スルスル回ったりして、
あなたちょっと今のぼせてんのよみたいな感じで言ってみたりとか。
で、またそのクリスマスイブの時に、
誰もいない大きい家に招かれて、
で、そこでいろいろお話しするんだけど、
でもなんかやっぱりキラキラしてる、
テレーズもキラキラはしてるんだけど、
この人はこの人で家族がいないんですよ。
もうお父さんは小さい時に亡くして、
お母さんは再婚はしたんだけど、
お母さんとあんまりうまくいかなくて、
で、結局10歳1回いかないがくらいで、
孤児院に預けられて、
そこからずっとお母さんと会ってないんです。
で、孤児院の育ててくれた中道上の人に、
ちょっと淡い恋心っていうか、
なんかやっぱりちょっと淡い思いみたいなのは抱いてたんだけど、
それが何なのかってのは分からず、
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ここまで来て、
で、時々やっぱり辛いなっていう時に、
中道上の人のことをちょっと思い出すみたいな。
でもキャロルに会ってしまったら、
その人の思い出も消し飛んでしまったみたいな。
またうざい。
そういう話されてしまったっていう。
なんかそういう、それを話はしないんだけど、
で、あとニューヨークに出てきて、
出版社で働いてたんだけど、
すごい全然うまくいかなくて、
もう何もかも嫌いになって、
町から逃げたくなって逃げたんです、
みたいな話をするんですよ。
で、その時にキャロルは、
逃げられるっていうのは羨ましいことでもあるのよ、
みたいなことをボソッと言うんですよね。
すごいそこにキャロルが今背負ってるものとか、
これまで背負ってきたものみたいなのを後で知ることになると、
やっぱりちょっと、2人の対比。
別にテレーズが全然苦労を知らないっていうわけでもないし、
キャロルも一応家族はあって、
その点ではテレーズより全然恵まれてはいるんだけど、
なんかままならんよなっていう。
まあ19歳と30歳の経験っていうか、
生きてきた年数のあれもありますからね。
そういう全然ハッピーじゃない話をクリスマスにする2人っていうところで、
また気持ちが急接近していくわけですよ。
なるほど。
でも一応その時にキャロルの夫が一緒に帰ってくるんですよ。
鳥に来るものがあったから帰っていくんですけど、
なんかやっぱりゾワッゾワッとするみたいな。
この人とは今うまくいってないっていうのが明らかにわかるみたいな。
すごく寒々しい空気が流れててゾワッとするのと、
一瞬テレーズと夫の人っていうのが、この人なんだっけ?
ハージっていう人がテレーズのことを見たときに、
うわっていうような顔をされたような気がするって。
すごく嫌なものを見るような目で見られた気がする。
それは何なのかっていうのとか、
あとはその日泊まったんだっけかな。
泊まった日、次の日の朝起きたら、
リビングの方で話し声がするなと思って、
あれキャロルだけじゃないのかなと思って下に降りて行ったら、
キャロルと同じ年ぐらいの女の人がリビングにキャロルと話してて、
すごく仲が良さそうだと。
その人は、この人はアビーっていうのよっていう風にキャロルに紹介されるんだけど、
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なんとなくお友達なのかっていう感じなんですよね。
そういういろんな人間関係がキャロルの周りにもあるのっていうのが、
感じながら帰って行って、
次の日はリチャードの家でクリスマスを過ごすんですよ。
リチャードの家としては、
テレーズって将来結婚するよねぐらい勢いでめっちゃ歓迎されてるわけですよ。
すごいフレンドリーに温かく迎えてくれる一家。
お母さんだったかおばあちゃんだったかな。
すごいドレスを作るのがすごく趣味な人で、
テレーズにもよく洋服を作ってくれるんですけど、
ウェディングドレスってこんな感じで作ればいいかしらね、みたいなことを言ってきてるわけですよ。
将来の結婚相手みたいなぐらい勢いで見られてるわけですね。
家族っていないから、テレーズは。
ちょっとそのにぎやかな雰囲気っていうのは、
言い心地がいいんだか悪いんだかわかんないみたいな。
しかも、私このままだとリチャードと結婚するのかな、みたいな。
でもリチャード、たぶんそこで戸惑ってるのはテレーズだけぐらい勢いで、
みんなもうそんな感じだよね、みたいな感じで、
にぎやかにパーティーは進んでいくんですけど、
この中でもちょっと印象的なシーンがあって、
リチャードがたこあげしに行こうよって言うんですよ。
たこあげするんだって。
最初あんまり風に乗んなくて、うまく乗んなかったのが、
だんだん風に乗ってきて、高いところまで飛んでいくのを見ながら、
絶対キャラクターはこんなことしないんだろう。
やっぱりキャラクターのこと考えてるんですよね。
すごく高く高く上がっていくたこを見ながら、
気分がすごく高揚していく感じがする。
リチャードに、あなた今まで男の子好きになったことある?って、
あるわけないじゃんって返されて、
そうだよね、みたいなことを返して終わるっていう。
なんかなんだこのシーンとかも言いながら、
でももう完全にたこっていうのがテレーズの心なのかなって。
リチャードの手からはどんどん離れていくし、
でも気持ちはすごく手に乗っていく。
高まっているし。
でもリチャードはなぜかそのたこの糸を切るんですよ。
切らないでくれってテレーズが言うんですけど、
切った方が面白いじゃんとか言って、
悪ノリで切っちゃうんですよ。
なんかすごい不機嫌になっちゃうんですけどテレーズは。
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なんかこのシーンすごい印象的だなと思って。
そうですね。何かをメタファーっていうかね。
なんだろうなって、しかもリチャードの手で切っちゃうんですけど、
なんか意味深だなと思って。
意味深ですね、映画的ですね。
そうそうそう。
前半は正直そんな感じでいろんな人が出てきて、
リチャードとテレーズの関係もちょっとずつ限りが見えてくるんですけど、
ただまだリチャードはテレーズのことを疑ってない。
本来なんかもう予定とかすごい動かされて、
もうごめん、なんかすごい忘れてたわそれって言って、
全然ちょっと行く気しないの、ちょっと他に予定ができちゃったからごめんねって言って断って、
キャロルとお酒と見に行くみたいなとか。
それを繰り返されても、リチャードは辛抱強いんですよ。
リチャード。
リチャード、なんかこの時点まではちょっと鈍臭いけどいい奴なのかなって。
いや怖い、もうリチャードが。
思ってはいたんですけど、私もなんかちょっと若干、さっきも言ったように、
リチャードって疑ってないんですよね。
自分もテレーズのことが好きだし、だからテレーズも俺のこと好きだよね。
なんかそこがすごくちょっと怖くて、
この人ってもしかしてテレーズのことあんま見てないんじゃないかなっていう感じがして、
テレーズの何が好きなんだろうなっていうのがちょっとよくわかんないなって。
心が離れていってるのをあんまり気にしてないって。
いや、19歳男子そんなもんじゃないですか。
そんなもんなんだな。
そんなもんじゃないですかね。
なんか見えてなくね?ってこいつ何見ていってんのかな、わかんねえなとか思いながら。
もうね、30越したらね、そこら辺そう思っちゃうかもしれない。若干19歳。
まだちょっとそこ難しいですかね。
そこ難しいんじゃないですかね。
いや、それ男の子だけじゃなくて女の子もそうだけども。
まあ確かにそっか、そうですね。
なんかね、そこら辺が結構ね、書き方がなかなか物語進まないんで、
もどかしいっちゃもどかしいんですけど、なんかそこら辺は結構丁寧に書いてて、
ちょっと怖いなって思いながら。
でもまあ子供じゃないかもしれないですけども、
すごい若い時の恋ってそんな感じじゃないですか、たぶん。
まあ確かに恋に恋するっていうか。
そうですかね、あんまりこう、自分に自信があるでしょ、きっと若いっていうだけでみんな。
そうなんだ。
だからリチャードのそういう、自分がまさか振られるだなんてっていう、
男の子だけじゃないかもしれないけど、そういう気持ちも、
そう、だって照れててうまくいってるしっていうで、
限りがあるようなことは今までなかったしっていう、
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まあ多分自分のプライドとかも感じますけどね。
なんかまさか自分が、それにされるだなんてっていうことを考えたくないみたいな。
そうですよね。
敗北っていうのをね。
敗北って思っちゃうじゃないですか、たぶん若い時って。
まあ確かにね。
なんかちょっと後々そういう話が出てくるんですよね。
でまあまあそんな感じで、テレーズの気持ちは完全にリチャードからキャロルに映っていて、
まあちょっとキャロルとも、これはもしかしてお互い役割なのかっていうところで、
キャロルはでも大人だし、家庭はある人なので、
そこでテレーズみたいに一気にのめり込むみたいな恋愛はできないわけですよ。
でもちょっとずつちょっとずつ作業を入れながらね、
ことを進めていくわけですよ。
年明けに1月になったら旅行に行こうと思ってるんだけどって、
車でアメリカ横断をしようかなと思ってるんだけど、
あんたも一緒に来るって。
クリスマスのアルバイトって12月までで終わるんでしょって。
でその後何か予定とかってある?って聞かれるんですよ。
で一応仕事もしかしたら決まるかもしれないけど、決まらないかもしれないけどっていう感じで、
でも3月にはリチャードとヨーロッパに行く予定がある。
けどね、それはもうキャロルから2人で旅行に行かないなんて言われた日には行っちゃう。
もう土地取るって言ったらもうっていうところじゃないですか。
もうね、ほんとね、そこで仕事取んなきゃダメって思うけどね。
でも仕事があったらどうしようかなって思ってたんですけど、
仕事もどうやら1月には入んなさそうなんですよ。
そうですか、それはもう行くしかないですね。
こうなったら行くしかないじゃないですか。
リチャードにはちょっと私旅行に行ってくるわ。
なるよね、なりますよ、リチャードとしてみたら。
俺と旅行行くじゃんって。
誰と行くのって。
友達と。
友達って最近よく会ってる人?ってなって、
ちょっとここでようやくリチャードもおやおやおやってなってくるわけですよ。
あれやべんじゃね俺みたいな。
しかもどうも友達って男じゃないんじゃねみたいな。
女なのか?って。
女なのか?って。
男だったら自分もまだ戦うんじゃないですけど、
ファイティングポーズが取れるわけ。
ファイティングポーズ取れるけど、
もしかしてテレーズが心変わりするのって女なのか?っていうクエスチョンがついてくるわけですよ。
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でもテレーズはもうリチャードのこと完全に正直鬱陶しいなぐらいの恋になってるので、
悪い人ではないんだけど、
なんで私はここまであなたのことに興味ないの?っていう風になってるのに、
何回も言ってるんですよ。あなたのことそんなに好きじゃないの?って言ってるのに、
別れましょうっていうのも言ったっけかな。
でも結構はっきりちょっと興味持てない。
もう昔みたいに好きじゃないの?っていう風に言ってるんだけど、
リチャード聞く耳持たなかったから。
都合よくする、するみたいな。
何その今のSNSで上がってきそうな。
なんか割とリチャードお前そういうとこやなっていう感じするの。
本当よ。
本当それやねっていう話なんですけど、
やっぱりここに至るとリチャードちょっとっていう感じも。
ちょっと鈍感すぎるところがあるな。
リチャードっていうかちょっと自分の都合よく見すぎなんじゃねっていうところはちょっと出てきて、
もしかして1回だけちょっとアパートで会ったことあるあの人?みたいな。
でもあの人結婚してるし女でしょっていう。
え?ってなるんだけど、
まあ旅行行くからって言われて、
でも3月でも俺と旅行行くの待ってるからねみたいな感じでまた言ってくるんですよね。
リチャード。
まだ諦めてない。
でもう2人で旅行に行こうっていうことになって、
まあ行くわけですよ。
1月の寒い最中。
でなんかここから結構ちょっとまた場面が展開していって、
なんて言うんですかね、ロードムービーみたいな感じになってくるんですよね。
女2人旅みたいな。
なんかそこもすごく良かったなって感じなんですけど、
でもう序盤の方でこれはもう良い思いよねみたいな感じで、
ちょっともう新婚さんみたいな感じがいきました。
新婚さんって。
いやだからもうあのなんだろう、
キャロルもずっとその離婚のことで家族のことでずっと張り詰めているようなところで気分転換をしに行こうかなみたいな感じで、
でそんなところに不意に現れたテレーズ。
まあ可愛くてしょうがないですよね。
可愛くてしょうがないですよね。
ちょっともう新婚さんみたいなラブラブモノみたいになっちゃうわけですよ。
でもその幸せは長くは続かず、なんか追いかけられてる気がする。
え?
っていう急にサスペンスショックみたいなのが。
出てきた?
出てくるんですよ。
もうやっぱここでパトリシアハイスイスやなっていう展開になるわけですよ。
よう発揮じゃないですか。
42:00
なんかつけられてる気がするのよねっていうのがあって、
で実際やっぱつけられてると。
あの車を撒くわよって。
今度追ってからこう逃げる。
はいはい。
訪問の日々に入るわけですよ。
あの車は何なんだ?
あの追手は何なんだ?
あの男は何なんだ?
でまあそれが結局おそらくあれは私の旦那が雇った探偵よって。
で何しにかぎま兄に来たんだって。
ででももしかするとあの探偵は盗聴器を仕掛けたんじゃないか。
自分たちの部屋のどこかに。
それ何かっていうと結局今キャロルは移行調停中なので。
だからなんかね。
しかも子供の親権も争ってるんですよね。
どっちが子供を引き取るかって。
一応その時点ではキャロルの方が若干有利な条件だったかなっていうところなんですよ。
ずっと一緒に暮らせるわけじゃないんだけど年に9ヶ月ぐらいはキャロルのところにいて、
残りの3ヶ月はこの夫のところにいる。
だから自分の手元にいる、手元っていうか自分のところにいる方がまだ長いから有利なんだけど、
でもそれはやっぱり夫は諦めたくないわけですよ。
自分の方に有利。
何だったら完全にキャロルから子供を離したい。
自分の手元にずっと置きたいっていう風にやっぱ狙ってると。
だからこそ自分にとって有利な、もしくはキャロルにとって不利な証拠を集めるために探偵を雇ったんじゃないかと。
で、なんでキャロルが旅をしてるかとかバレたのかっていうのが、
キャロルの家にはメイドがいて、もしかするとそこが情報源なんじゃないかみたいな。
今さら!
一気にサスペクションが強まってくるっていう。
一体何を嗅ぎつけたんだとか、もしくは盗聴器が仕掛けられてるんじゃないかっていうのを聞いたときに、
そんなことするわけないんじゃないのって思うんですけど、
今まで泊まってた部屋を探したらやっぱり盗聴器が仕掛けられているみたいな。
来ましたね。
これはーってなって。
てことは、私たちが狙ってるような車というか男の存在を気づいたのって、
このホテルが最初じゃないよねって、なんか怪しいなと思ったのって、
いつぐらいなんだっていうのを遡っていって遡っていくと、
すごいラブラブだった頃の、あのホテルじゃないかっていうのに行き渡って、
まずいぞってなるわけですよ。
そのときのもうね、てきららな会話が盗聴器に捉えてるかもしれない。
45:04
だから、これは逃げ回ってる場合じゃないと。
その探偵と戦わなければならない。
嘘っち?
何のためにこれをしてるんだっていうのを突き止めて、
もし盗聴してるんだったら、そのときのテープがどうなってるんだっていうのを
突き止めなければならないってなって、キャロルは戦うわけですよ。
その男と。
というところからですね、この話はいきなりサスペンスになっていくわけですよ。
えーって。
えーって展開なんですけど。
えーっていう、そこから突然スパイダー作戦みたいになってたわけですね。
だって。
そこであれが変わりましたよ。私の中でBGMが変わりましたよ。
BGM変わりますよね。
変わりました。
すごいそんな感じなんですよね。
トム・クレンズ?
トム・クレンズは出てこないけど。
ミッション・インポッシブルが流れてます、私の中では。
ちゃいますちゃいますちゃいます。
放送便に登ったりとかしないようにしたら大丈夫ですよ。
出世キャロルがみたいな。
まあその、探偵ともいろいろやいあい。
で、もうこれはちょっと、うかんか。
こんなのんびり旅に出てる場合じゃないと。
旅に出る前からそれはそうだろうって感じなんですけど。
今それやってるところじゃないだろうって感じなんですけど。
まあいろいろツッコミどころはだいぶあるんですけど。
もうちょっとこれはまたニューヨークに戻って。
このままだと自分の立場がかなりやばいことになっているっていうのを気づくわけですよ。
もともとあったテープ、前半の部分はもうニューヨークの弁護士のとこに送ってるって言われて。
ってことは一番やばい奴が捕らえてんじゃんってことになって。
私もそこに帰って、離婚裁判、戦わなければいけないから。
私は先に帰るけど、あなたはここに残ってなさいって言って、
キャロルはニューヨークに一人で帰っちゃうんですよ。
それはそれで困っちゃいません。
お金は私置いていくから、私が戻るまで、状況落ち着くまでホテルにいなさいみたいな。
もしくは、私の車使って旅してもいいから、ちょっと待ってなさいみたいなこと言われて。
キャロルは途中で帰っちゃうんですよ。
え?ってなるじゃないですか。
なりますよ。
私ここで一人置いていかれるの?みたいな。
考えてみてくださいよ。
突然、旅に行って、岩手くらいに行って。
森岡に入ったかな、グランドコーで。
ちょっと私東京帰るから、みたいな。
あなた岩手のホテルに行って、みたいなこと言われたらちょっと困っちゃいません。
一人で東濃とか行ったらいいの?みたいな。
東濃行ってもいいから、みたいなこと言われて。
妖怪とか?みたいな。
48:01
ちょっと妖怪あるかな?みたいなこと言われて。
ラインするかな?みたいな。
とりあえず雑誌売らしていたらラインしてって言われるのと同じ感じですよ。
あるよ、それ。やだよ、みたいな。
どういうことですよね、まさに。
それに自分以外のことで戦うわけじゃないですか。
テレーズにしてみたら。
テレーズ?
テレーズにしてみたら、自分以外のお子さんとはいえ、その人のために帰っていくわけじゃないですか。
そうそう。
テレーズの心はいかに。
ですよね。
今まですごく舞い上がってて、絶頂期だったわけじゃないですか。
幸せの絶頂期。
こんななんか、だって出会ってまだ3週間くらいしか経ってないですよ、展開。
一番いい時じゃないですか。
もう両思いだってわかって、もう最高にラブラブイチャイチャな時期で、いきなりこの展開で。
はー、みたいな。
ほんとサービス期間っていうことをね。
サービス期間だから恋愛のっていうのをね。
お試しですみたいな。
3ヶ月でおばあちゃんね、テレーズ2回。
なんか展開が早すぎるんですよね、毎回。
ここでもまたさらに展開が早くて、一人で置いてかれて。
でもまあ、戻ってくるよね、大丈夫だよねって最初は言いかせるんですけど、2週間経っては戻ってこない。
やばい。
エピソードになるわけじゃないですか。
で、一応電話とかもするんですけど、今ちょっとやっぱりすごく忙しいのっていうか、もうちょっともうね、キャロルもキャロルで、
その日本朝廷が本当にもう泥沼、大詰めだし泥沼みたいな。
まあね、言い方でですけど、やっぱり身から出たサビみたいなところはあるわけじゃないですか。
まあまあまあ、そうですよね。
なんていうか、やっぱりはめられたではないですけど、正直夫としては待ってましたみたいな状況なんですよ。
もしかしたらこうなるのは待ってたのかもしれないし。
っていうのは、さっきのアビーっていう人いるじゃないですか。
ちょっと一瞬出てきた、朝降りたらすごい仲良くしてる人いるなっていうアビーなんですけど、
昔キャロルとアビーって授業をやってたことがあったと、一瞬。
その時に、実は一瞬だけアビーと付き合ってたことがあるんですよ。
なるほど、善家持ちですね。
善家持ち、そうなんですよ。
だからキャロルも、自分が女性のこと好きだっていうのが全然考えたことはなかったと、それまで。
でも夫とも、一応結婚は最初の頃うまくいってたんだけど、なんかやっぱりうまくいかない。
子供は一人、娘が授かったけどしっくりこなかった。
51:02
アビーとちょっとしたことがあって、恋人になるっていう時に、
ああ、私はもしかすると女性が好きだったんだっていうのがそこでわかったっていう。
だって女の人って男性と結婚するものでしょっていう、頭でずっと生きてきてたから、
自分のセクシャリティについて考えたことはなかったっていうのをどこかで話してるんですけど、
でもそのアビーと付き合ってたっていうのが結局夫にもわかっちゃうんですよね。
でもそれはもうこのまま夫婦やってても続かないからもう別れましょうって話をした直後ぐらいにそれが出てきて、
だからもうね、夫からすればさ、まあまあその夫の方もちょっとまあいろいろうーんってなるときもあるんですけど、
でもまあね夫の方から見たら、あの女はもともと結婚に向かない女だったんだっていうふうに、
それの証拠っていうか、になってしまうわけですよね。
しかも帰ってきた時にまた違う若い女性がいたっていうのを見て、
ああやっぱりこの人は異性愛者じゃなくて同性愛者だったのなっていうので裏切られたみたいな。
この人はそれを隠して自分と結婚したんじゃないか。
そこ?
そこなのか。
で、もしこれが、しかもうまくいってないわけじゃないですか、今二婚調停してるぐらいなんで、
だとしたらやっぱりそれって裏切っての結婚だったと。
しかも結婚してる状態で付き合ってたわけだからまあ不倫だって言われるかも。
まあまあまあ。
あれなわけだし、しかも時代的にやっぱり同性愛者っていうのはやっぱりまだすごくバロって言われる。
悲しくはないっていうふうに言われる時代だからめちゃくちゃ心象悪いわけですよね。
もう最高に今、キャロル不利っていう。
だからすごく難しい栽培になってるわけですよ。
以前もそういうことがあり、今回もそうだし。
で、そういう人間が果たして母親としての相応しいのかっていうふうに。
なるほどね。
そういう今立場に立たされている。
っていうか、ちょっと同性愛とか関係なくキャロルに問題がそこは。
そうなんですよね。
本当は多分そう言われるべきなんでしょうけど。
でもプラスして同性愛者っていうふうに言われるわけですよ。
まあね、時代背景的にね。
それをすごく裁判の場だから売信員とかもいるわけですよ。
心象が悪いと。
で、それを本当に見ず知らずの人にすごくボロクソに言われるっていう。
54:00
それを長い手紙を送ってくるんですね、キャロルが。
で、結局別れましょうみたいな話になるんですよ。
結局ね。
まあいろいろあってやっぱりこの間続けない方がいいんじゃないかっていうのもあるし、
やっぱりちょっとあの時帰ったっていうのは、結局私はあなたではなく娘を取ったんだっていう。
あなたではなく娘の方をやっぱり重視したんだっていう。
選んでしまったんだっていうのを長い手紙で送ってくるわけですよ。
でも照れずは照れずってやっぱりそれって裏切られたって。
裏切られたっていうかショックなわけですよね。
まあショックですよね。
えーって。
キャロル悪いな。
すごいなんか裏切りだっていう。
まあやっぱりキャロルもちょっとどうなんだって感じじゃないですか。
ショックでショックで。
もう3週間なんかいろいろありすぎんだろうって感じなんですけど。
感情が本当に追いつかないみたいな。ジェットコースターみたいな。
そうね、3週間ね。
そうなんですけど、正真のまま車をとりあえず運転。
あれ運転したのかな。車を誰かたぶん誰かに運んでくれって頼んで。
自分は確か飛行機に乗って戻ってきて。
もうキャロルと会わないっていう。
もうなんだろう。今度今竹内マリアが頭に上がってきた。
なんか結局自分が見てたキャロルってなんだったんだろうなみたいなのを
ちょっとやっぱり落ち着いてから考えたりするんですよね。
で、リチャードともちろん別れて。
リチャードもリチャードですげえ長い手紙送ってくるんですけど。
やっぱりそれもボロクソ言ってくるんですよね。
結局君はあの女についていったことを後悔するよって言うんだけど。
まあ確かに正しかったかもしれんけど。
女と恋愛するからこうなるんだよみたいなことをこうになるよみたいなことを書いてくるんですよね。
なんかその辺の書き方にやっぱり作者のいろいろボロボロが詰まっているのかなって。
そうですね。きっとね。
家族にもいろいろ言われたりとか。
自分の体験とかね。
もちろん社会的にまだすごく偏見を持ってみられた時代だったから。
悔しさみたいなのがその手紙とかににじみ出ているのかなと思いながら。
恋破れるっていう。
年明けからいきなりこれっていう。
57:03
ていうかこれクリスマス特集でやっていい話?
なんかねちょっとこれクリスマス特集だったかなってちょっと今思ってるんですけど。
的さんこれ大丈夫ですか?
冷静になってキャブルってどういう人だったんだろうなーみたいなのを冷静になって見るわけですよ。
でやっぱりねわーってなっている時ってすごく理想とか憧れとかですごく輝いて見えたわけだけど。
でもやっぱりそれって普通のキャロルも普通の人間だから。
弱さとかずるさとかなんかよくわかんないところとか。
なんでこの人これで怒るみたいなところでなんかいきなりなんか不機嫌になるとか。
なんか意地悪なこと言ってくるとかあったりするんですよキャロルも。
でもなんかまあそういうもんかなーみたいな。
それをちょっと受け入れてくるっていうか。
でもやっぱり思い出すと本当になんかあんなに怒さがあってもしかしたら私なんか笑い物にされたのかなーぐらいの勢いですごいショックで気づくんですけど。
私なんか本当ただ笑い物にされたのかなーって。
こんな何も知らない子でみたいな感じでって思って。
本当になんか気づいてキャロルのこと思い出すの本当に辛いみたいな。
本当になんていうか失恋直後みたいな感じなんですけど。
そうですね。完全に失恋直後ですね。
思い出すと幸せと辛さがいっぺんに押し寄せてきてもっとしたらいいかわかんないみたいな。
なんですけど、まあやっぱりちょっとしばらく時間を置いてからキャロルからまたお手紙が届くんですよね。
手紙だったかな?電話だったかな?来るんですよ。
でももう私はキャロルのことを忘れようって言って。
映画の仕事が入って、舞台美術の映画のちょっと仕事につながるかもしれないって言うんで。
パーティーに呼ばれて、ブラックドレスを着てかなり大人っぽい雰囲気に。
いつもはちょっと、まだ19歳だから若い感じのかわいい感じの格好じゃなくて、ブラックドレスで清掃して行った時にキャロルから久しぶりに連絡があって、今ちょっと会えないかしら?
なんかすごく久しぶりに会うんですよね。
そうすると同じ人と思えないぐらい大人になったわねって。
でもその大人になったっていうのは、キャロルと会って恋に落ちて、一旦どん底まで落とされるぐらい失礼をして。
その経験を経たからこそっていうところが、人が抜けましたよあなたのおかげでみたいな感じなわけですよ。
19歳なのに。
19歳だけど。
19歳なのに。
でも、もしかしたらこの2人はまた別の、別のっていうか第二のスタートを切るのかなっていうところでお話が終わるんですよね。
1:00:10
なるほど。じゃあもう手放せで万歳のハッピーエンドじゃなくて、ほのかなハッピーエンドなんですね。
多分付き合うかなっていう感じのハッピーエンド。
弱い。
いや、付き合うと思うけど。
弱い。
付き合うと思うんだけど、今までみたいなキャッキャル夫婦みたいなだけの恋愛ではおそらくないだろうけど。
19歳、キャッキャル夫婦でいいってまだマジで。
なるほど。
おしまいっていう話ですね。
なんかクリスマス要素が最初しかなかったですね、これ。
やっぱり恋愛説を話すって無理だなって思いました。
無理でしたね。
これどうしよう。
いい試みだったと思いますよ。
いい試みか。
いい試みだったと思います。
楽しいクリスマスの話を聞いてくれよっていう。
本当にお互いで恋愛小説向いてないなみたいな。
向いてないですね。
でも、パトリシア・ハイスミスってこれだけしか恋愛小説書いてないんですけど、やっぱりこの人の恋愛小説すごく面白かったなと思ったのは、書き方はすごく淡々としてるんですよね。
詩的な部分とか恋に舞い上がる感じとか、幸せなんだか不安なのかわからなくて精神的情緒不安定みたいな感じの書き方とか、やっぱりものすごく素晴らしく上手いんですけど、
なんていうかそれでもやっぱりちょっと一歩引いたところでそれを観察して淡々と書いてるみたいな筆記がですね、
やっぱり恋愛小説ってお互いわかる?それわかる?みたいな感じの共感求められるように書き方してくる作品とかもあったりして、ちょっとそれが苦手だなーっていうところはあるんですけど、
そこはあんまり感じずにめちゃめちゃクールな文体で、この2人のキャッキャフフ、ジェットコースターのように関係が進んでいって、舞い上がって落ちて、また終点に戻ってくるみたいな展開をですね、やっぱり楽しめたなっていう。
恋愛小説ってやっぱりサステンスなんですよね。
そう、恋愛自体がね、キャッキャフフっていうもんじゃないじゃないですか。それだけではないよなっていう。
ホラーですよ。
なんかもう、これほんと好きって言えない。なんか最初は結構いいやつだなって入っていくんですけど、後々なったらこいつ結構怖いなみたいな。ちょっとホラーだなっていうような執着の仕方とか。
そうですね、リチャードも怖いけど、キャルルもなかなか怖いなって思いますけどね。
そう、なかなか手玉に取るじゃないですけど、やっぱり大人のずるさみたいなところもあったりとか、あとは弱さとか、やっぱりなんでそれをするんだ、今みたいな。なんかよくわかんない行動を取り始めるとか。
1:03:07
そこらへんもなんか、でも人間って毎回ゴリ的で異性的な行動を取るばかりではないので、よくわかんないことをし始めるみたいな。今それやっちゃダメでしょっていうようなことをやってしまう。
シンギとかが、サステンスの女王が格闘、恋愛ショーズってこんなにハマるかみたいな。そういうところの面白さはすごくありますよね。
そうですよね、なんか信憑性があるというか、ちょっと人間味。よくも悪くも人間味がある感じはするけども、やっぱりね、全員ちょっと怖いなって思います。
ちょっと怖いですよね。
やっぱり恋愛って怖いですよね。
っていうのもあるし、同性同士の恋愛っていうのも書いてるんだけど、でもなんかそれはすごくテーマとして書くっていうよりは、好きになった人が女性だったみたいな。
っていうだけの話みたいな感じで書いてるんですよね。なんかそれはすごく良くて、全然そういう小説を書くんだ、みたいな肩肘張った感じが全然しなくて。
なんだろう、本当に私の女の人も好きになるんだ、みたいな。
でもまあ、わからなくはない感じはしますけどね、そういう。
この小説を見ながらなんかすごい思い出した話があって、オーバードファンっていうポッドキャストで、今デン・スンさんとホリー・ミカさんが話してる番組があるんですよ。
番組にお便りがあって、リスナーの人からあって、その人はもう50代中頃、結婚して子供もいて、子供はもう一段落ついた、働いてるぐらいの年になって、
子供から、お母さんたまにはエステ行ってきなよ、みたいな感じで、近所にあるエステサロンのエステ券をもらって、じゃあ行ってこようかな、みたいな感じで行ってきたらしいんですよ。
で、施術してくれた方も女性で、同い年ぐらいの女性の人で、施術してもらってたんですけど、なんかその時突然、そのエステの施術してくる人に性的な欲望が芽生えてしまったと。
で、自分でも、え?ってなって。私、今までそんなこと一度もなかったのに、女性に対して?みたいな。それがすごく、自分の中にそんな扉があったのかと。50数年生きてきて、初めてそんな扉があったのを知ったと。
これは確かに家族に言う話ではないなと。たぶん自分一人で、死ぬまでたぶんこれを墓場に持っていく話なんだと思うけど、でもそれが嫌だったかっていうと、別にそういうわけじゃなくて、この年になって自分の中にそういう扉があったんだと気づいて、気づいたことは嬉しいっていうか、
1:06:17
そこはすごく受け止めて生きていこうと。でも、普段周りに人たちに話すような話でもないから、お便りしましたっていうお便りがあって、それが堀井さんってアナウンサーの方だから、朗読とかやってる人なんで、お手紙読んでるときすっごい文学を聞いてるような気持ちで、
今まで40年くらいこれが普通だよねって思ったことが、全然自分でも予想しなかった扉がいきなりあったことってあるのかなみたいな。あるのかもしれないなーっていうのをぼんやり思ってたんですよね。それを思い出しましたね。
そうですね。それは女性に対しての恋愛感情というか、惑星的なそういうのかもしれないですけども。これぐらいの歳になってから突然アイドルにハマってしまうとか、人間どこにどんな扉とかどんなスイッチあるかって意外と自分でもわからなかったりするから、それが一つ恋愛対象とかだっただけで、
割と自分で決めてきたような気がするけども、大概自分で決めてきたことそんななかったりするんですよね。そうですよね。想像もしないっていうか、今までこれでやってきたから、それ以外のところに何か属性があるとか、自分の中で興味があるとか、惹かれるものがあるっていうのは想像したことすらないみたいな。だって自分ってこうだしみたいな。
でもいきなりもしかしたら全く予想しないところで扉が開くみたいな。こんな扉あったんですか?みたいな。スッと受け入れられる人もいれば、どうしようこれどうしようみたいな。
なんかそう受け入れることもできなければ、うまく扉越しにならなくてどうしようみたいな。アイデンティティクライシスみたいな。そっちになっちゃう人もいるのかもしれないですけど、わからないですよね、どこで。
わかんないですよね。それも歳とってくると、またその可能性が広がる場合もあるじゃないですか。開ける扉の数が増えてくるから。だから意外と歳とってから、こんなことが?みたいなのがこれから待ち受けてると思うとドキドキしますけど。
いろんな意味で。
なんかね、それすごい思いました。キャロルとか、あの時代の女性の方と、女性は男性と結婚して家庭を持って子供を産むのは幸せだみたいな。あんまりそこを疑問に思わなかったんだけど、あれでもあれ?みたいな。
1:09:17
だから自分がその立場になった時に、その扉を開くトリガーになったりもするかもしれないですよね、そういうのが。そう、読んだことによって。
あったりするかもしれないですし。今だったらね、別に女性が女性のこと好きとか、男性が男性のこと好きとか、まあまあ今でもあるか。自由だって言いつつも、そういう情報に触れることはすごく多くはなったんだけど、全然宣言とかそういうのがないか、障壁がないかっていうとそうでもないでしょうけど。
そうですよね。アメリカのテキサスでしたっけ?テキサス辺りだと結構大変だっただろうなと思いますけどね、その当時ね。
今ちょうどパトリシアハイスミスのドキュメンタリーが映画で上映されていて、ちょっとそれ見たいなと思ってるんですけど、予告編みたいなやつでちょっと一瞬そのパトリシアハイスミスの日記からいろいろ引用されている言葉があって、また日記の言葉がまた詩的なんですけど、すげえかっこいいなーっていう言葉が流れてたんですけど。
日記書くもんじゃないね。
そう、でも日記の中で、私が小説を書くのは自分が生きたい人生を生きられなかったからだ、みたいな。
小説を書くことで生きたいと思った人生を生きてるんだ、みたいな。これが本当に、でもあなたが書いた小説、結構泥沼じゃね?って思うんですけど。
だから、すごく小説を書くっていうのは、これにとっては別の世界に生きるみたいな、そういうものでもあったのかなって思うとちょっと切ないなって思うんですけど。
いろいろな人生とかを知ってたりとかすると。
あと、パトリシア・ハイスミスの作品って、ミシラの乗客がすごく好きで、これも交換殺人のサスペンスなんですけど、電車でたまたま乗り合わせて、一人はすごく若くして成功した建築家の男性で、でも奥さんとはうまくいってない。奥さんは不倫ばっかするみたいな。
本当にショック。でも奥さんは自分にとって初恋の人なんですよ。でもその初恋の人にすごい不倫ばっかされて、別れたくても別れられなくて、どうしたら、みたいな感じで、家庭はボロボロ。
もう一人は仕事もしなくてプラプラしてて、アル中気味な青年で、父親との関係はうまくいってない。母親ともちょっとどうなんだって関係ではあるんだけど、あんまり人生うまくいってない。
1:12:03
青年とちょっといろいろ話せるうちに、いや勝手にうまくいってなくてね、なんでそんな話を知らない人に話をするんだよと思うんですけど、交換殺人をしたらバレないんでしょ、みたいな話を青年から持ちかけられて、最初にその青年の方が建築家の奥さんを殺し、
僕の方はやったんだからあなたもやってくれますよねって言って、もう建築家は逃げられないっていうサスペンスなんですけど、これも青年の方が建築家に対する憧れがすごいんですよ。
建築家は青年にとって憧れっていうか、まさに自分が理想とするような人生を送っている。若くして成功してるし、でもその憧れがほとんど恋愛ぐらいの勢いなんですよね。建築家の方はなんかこの人怖いなみたいな感じなんですけど、割とそういう作品多いなと思って、憧れが恋愛に変わっていくっていうか、
こういう理想の人生を送っている人に憧れて、その人になりたいみたいな。太陽といっぱいもそうですよね。
そうですね。なりたいんですね。なりたいんだな。
なりたい。何か別の人になりたいみたいな。恋愛なのかなって思うんですけど。
なんですよね、それね。恋愛とかじゃなくて、東映って言うんでしたっけ。
東映っていうか、そんな感じもするんですよね。なんかキャロルも、テレーズって多分キャロルにそういうちょっと憧れみたいな、自分のちょっとやっぱり理想じゃないですけど、ちょっと憧れを東映している部分もあって、
でもなんかキャロルもそれを、「あなたは私の理想を見ているだけなのに、私の本当は見ていないのよ。」みたいな、たしなめられるシーンとかがあって。
でもなんかそういうのってちょっと若い時ありがちよねって思いながら読んでたんですけど、結構そういう憧れから始まる恋愛みたいな、
違うちょっと同性間でのものっていうのは結構テーマに描いている人なのかなって思いますね。
そうですね。憧れと恋愛って紙一重な感じもしますけどね。
ション系とか。
あとこれ、あれって思ったんですけど、夏目漱石の心も結構この系の話じゃねーって思ってたんですよ。
確かに。
ですよね。最後に長い手紙が送ってくるあたりとか。
でも最初はその鎌倉の海でちょっと運命的な出会いをして。
私は先生にもう続婚なわけじゃないですか。
続婚ですよね。
もう続婚ラブなわけですよ。
年上のちょっとミステリアスな。
先生に。
先生にすごい惹かれるわけじゃないですか。
1:15:00
先生にそれはあなた恋ですよみたいなこと言われて。
先生みたいな。
水づくりやなーって思いながら。
ちょっと謎があるから惹かれるっていうか。
謎があるからそこに自分の理想を投影しやすいのか。
あーそうかもしれないですよね。
やっぱなかったらでもいかれないんじゃない?謎っていうか。
え、ケイって誰なんすか?みたいな。
何その男?みたいな感じですけど。
確かに心と似てるのか。何かと似てるな。
何かと似てるなと思って。
ただ王道ストーリーではありますよね、なんとなくね。
王道なんですよね。
それが恋愛の王道っていうか。
ミステリーと恋愛ってすごく相性いいんだな。
いいんでしょうね。
サスペンスか。
サスペンスとミステリーってすごく相性いいんだなと思って。
アメリカにはキャロルがあり、日本には心があるみたいな。
心があり。
それをよく映像化しているのが韓国ドラマかなって思いますけど。
あーそうか。
愛憎劇みたいな。
ちょっと重すぎないですか、あの愛憎。
重すぎてちょっと疲れるみたいな。
ちょっと疲れるなって。
世の中はそういうものなんですよ。
マトさん。
そうなんだ。
今ちょっと求めているものってそうかもしれない。
でも実際にあれを行きたいかって言うとちょっといいんじゃないですか。
日本のっていうかあまり自分たちが読まない多分恋愛漫画とかも結構そういうのが多いと思いますよ。
まあそうですよね。でもじゃなかったら物語にならないですよね。
そうなんですよ。いい人ばっかり出てきたらね、きっと今だけはそういうのが多いですけども。
何かちょっとすったもんだがあり、何か問題があり、事件があり、
最終的には何かハッピーエンドみたいな。
確かにそれを考えたらすっごい王道ラブロマンスなんですけど、
でもそれもあの時代に女性同士の恋愛で、
全然何かそれを普通に描いてるっていうのはやっぱり今読んでもいいんですよ。
それはすごいですね。
すごくいいなと思うし、何かこう今だとやっぱりLGBTQが。
そういうムーブメントがすごく盛り上がってるところではあるので、
何かその話も書かれてはいると思うんですけど、
何かやっぱりその事のタッチとまた違うのかなって思うんですよね。
何なんだろうこれ、知らせたいとか、そういうの知ってほしいっていう感じの話とまた違うんですよね。
それはなさそうな感じですよね。本当多分恋愛小説ですよね。
本当に普通の恋愛小説なんですけど。
1:18:00
普通の元彼が出てきて、今彼、元彼。
逆に何かそれがすごく新鮮っていうか、そうなんだろうなっていう感じで読むんですよね。
フラットにね。
そう、フラットにすごく読めて、だから今の書かれてるのはダメってわけじゃないんですけど、
何かそのフラットに書かれてる感じがすごく新鮮だったんですよね。
フラットに一番憧れてたのかもしれないですけどね、さきちゃんが。
それはあると思いますね。それはそうかもしれないですね。
当事者だったりとか経験者だからこそ、そこに問題定義とかをするんじゃなくて、
フラットに普通にっていうのが一番。
こういう恋愛をしたかったみたいな。
したいなっていう。
やっぱりね、自分が生きられなかった人生の。
そうそう、そこに重きを置かないっていうか、
同性に恋をしてしまってどうしようみたいなところよりは、
周りの離婚の話だったりとか、若い時の恋愛からのステップアップしていく感じとか、
そこの方が重いっていうか、恋愛小説が持つ問題定義っていうか、
そこですよね、きっとね、一番書きたかったところって。
今回ちょっとキャロルはここで終わりになります。
はい。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
良いクリスマスをお過ごしください。