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第四話 ジハード 恐怖のXデー 1995年1月 亡日
山梨県のサリン製造施設周辺で、サリン残留検出物によるマスコミによるスクープが発表され、世間の目はより一層厳しくなり、警察も松本サリン事件の共談関与を一気に疑うようになった。
しかし、17日、阪神淡路大震災が発生し、マスコミや警察、世間の目は、共談から被災地へ目を向けられるようになった。
しかし、2月になると、共談が関与した殺人事件の捜査が進展し、より一層共談の関与が疑われるようになった。
この頃、共談内部では、Xデーの実行日前に強制捜査が入ることを恐れ、内部は緊迫した状況だった。
共談内部
その後、研究の進展はいかがでしょうか。
一時期、マスコミのスクープにより、遅れが生じております。
我々は、今や巨大な闇の力に飲み込まれようとしております。
一刻も早く実験をし、作業を進めるのです。
そのために、有望な人材と資金を集めたのですから。
大教祖様の命とあれば、フル稼働で作業を進めさせていただきます。
それと、例の計画はどうなっておりますか。
はい、未だサリンの数量は少ないですが、
東京上空からサリンを撒き、悪魔どもに罰を与えられるように、
ヘリコプターと大量のドラム缶の手配は完了いたしました。
あとは、神の力を大量に得られれば、
今まで我々を闇に落とし入れようとした社会を浄化し、
我ら新世界教団が創設者となり、新たな社会を構築できるのです。
大教祖様のお言葉は神のお言葉。
しかと受け止めさせていただきます。
船岸は、教団研究者たちに早急にサリンの製造をするように指示をした。
X-Dayが近づく中、教団幹部も綿密な計画を立てていた。
1995年3月13日。
03:02
事件1週間前の警視庁内部。
この日俺は、近日行われる教団の強制捜査のための打ち合わせが続き、
帰宅することができなかった。
俺は捜査会議が終了した後に、心配になった妻へ電話をした。
はい、高島です。
サキ、俺だ。
あなた、大変そうだね。
今日も徹夜?
教団の捜査が山場を迎えていてな。
すまないが、当面帰れそうにない。
いいのよ。
今ワイドショーでずっと新世界教団関連のことばかりだし、
今年は阪神淡路大震災や教団のこととかで大変だよね。
早く社会の混乱が落ち着いてくれればいいのにね。
ああ。
お前には苦労をかけてすまないな。
この事件が解決したら、有給でも取って、
二人で海外旅行でも行こう。
ありがとう。楽しみにしてるね。
体調崩さないようにしてね。
ありがとう。おやすみ。
先輩、奥さんと仲いいですね。
普段の怖い先輩と違って面白かったですよ。
いいじゃん、野郎。からかってないで早く報告書まとめろよ。
3月18日。
この日、ついに大競争センガンが動き出した。
センガンは部下の運転する車に乗り、
ひそかに山梨県のサリン製造施設へ向かったのだ。
目的は二日後に実行されるテロ計画の秘密会議のためだ。
山梨県サリン製造施設会議室。
では本日、ジハードに参加をしてもらう勇敢な諸君。
大教祖様自ら君たちにお話があるということだ。
大いなる闇に立ち向かう戦士の皆さん。
神のお告げがおりましたので、皆さんにお話をいたします。
まず、3月20日の朝。
我々を闇に引きずり込もうとする警察組織や国家権力の拠点である霞が関を中心として、
そこへ向かう地下鉄の内部で、神の力であるサリンを使用するのです。
センガンの作戦によると、
平日の朝、通勤ラッシュ時の地下鉄の内部でサリンを撒き、大量虐殺を行おうとした。
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特に霞が関には、教団と対峙する国家権力の要が集中しており、
そこで大規模なテロを起こすことで、国家機能を麻痺させ、自分たちへの強制捜査を遅らせようと考えていた。
この時、地下鉄丸の内線、日比谷線、千代田線で実行することを企てた。
実行犯は、一人が送迎役、もう一人が電車に乗り、内部でパックに入れ新聞紙で包んだサリンをビニール傘の先端でつき、
液体サリンを車内に撒いて最寄駅で下車し、現場から立ち去るということだ。
しかしこの時、教団には準備不足な部分があった。
大教祖様、実はサリンの濃度が薄く、完成には至っておりませんでした。
それは困りましたね。このままですと間に合わない恐れがあります。
心配はないです。神様は見ております。きっと良い結果が現れます。
ですので、濃度が低くても密室での攻略には問題ないでしょう。
ですが、濃度が薄いと殺傷能力がかなり低くなりますが、いかがいたしますか。
確かに仕方がないですね。ではこのまま準備に取り掛かります。
かしこまりました。
3月19日。
いいですか。これから我々は大教祖様のために悪の根源を駆逐し、
我々に対する妨害を阻止するために、この作戦を必ず成功させなければなりません。
大教祖様の名のためにこの身を捧げます。
実行班は二人ペアで車に乗り込み、山梨県から一路、東京へと向かった。
翌日に日本中を侵犯させる出来事が起ころうとは想像もしていなかった。
3月20日。早朝。
いいですか。打ち合わせ通り、一人が地下鉄に乗り、
満員電車の車内でサリンの入った袋に穴を開けたら、
すぐに次の駅で降りて、待機している車に乗って逃走するんですよ。
通勤ラッシュでごった返す中、実行班の男たちが
カバンにしまったサリン入りの袋を持ち、地下鉄へ乗り込んでいく。
丸の内線。
次は、お茶の水、お茶の水です。
実行班の男は、顔がバレないようにマスク姿とフードをかぶって乗車していた。
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間もなく、お茶の水駅に到着しようとした時、
男はサリンの入った袋を床に落とし、傘の先端で袋に穴を開けた。
お茶の水、お茶の水です。
男は、お茶の水駅で下車し、運転主役と合流し、そのまま逃走したのだった。
車内にて、
泣き声
やっっっっっ、人が・・・
おい、早く電車を止めろ!隣の車両で人が次々と倒れているぞ!
電車は、中之坂上駅で緊急停車し、急病人を搬送するが、
その後、尾城駒駅まで運転を再開し、さらに被害者が続出してしまった。
そのころ、他の路線でも同じ症状を訴える人が続出し、
人が続出し大混乱が生じた
かすみが関係
早く救急車を
一方 警視庁では
緊急事態発生 丸ノ内線日比谷線千代田線で大量の死傷者が発生した模様
直ちに現場へ急行せよ なんだぞ先輩私たちもすぐ現場に向かいましょう
俺は 不安な気持ちを抑えながらも現場の一つになった霞ヶ関駅へ急行した
そこは地獄絵図のようになっており 多数の犠牲者が寝かされており緊急車両で埋め尽くされていた
ついに 日本の犯罪史上最悪な
地下鉄サリン事件が発生したのだった かも
声の出演 収録
mv スタジオ