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2025-08-20 06:19

06 ドラクロア「民衆を導く自由の女神」

 ドラクロワ「民衆を導く自由の女神」:革命の理想と普遍的勇気を紐解く

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今日はですね、06 ドラクロアの本当に有名な映画、「民衆を導く自由の女神」について、皆さんと一緒に深く見ていきたいと思います。
1830年のフランス四月革命を描いた、なんというか非常に力強い作品ですよね。
まさに象徴的な一枚ですね。
今回はですね、この映画の構成ですとか色彩、あとはそこに込められた意味を解き明かしていって、
なぜこれがフランスの人々にこれほどまでに響くのか、そのあたりを探っていきたいなと。
いいですね、ぜひ。
さあ早速ですが、この映画の世界、紐解いていきましょうか。
はい。まずやっぱり一番に目を引くのは、中央に描かれている女性、自由の女神、マリアンネですね。
マリアンネ。
これは特定の誰かというわけではなくて、フランス共和国という理念を擬人化した存在なんです。
なるほど、理念そのもの。
そうなんです。右手には三色覇鬼、フランスの国旗ですね。
左手には銃剣付きのマスケット銃を握って、民衆を力強く導いていると。
ニューヨークにある自由の女神像の着想元になったんじゃないかなんていう話もあったりしますよ。
そうなんですね。
同じ自由を掲げていても、こっちの革命の激しい渦中で生まれた姿と、新大陸の希望を託された像とでは、込められた感情の切実さみたいなものが違うように感じますね。
それはありますね。時代背景もその目的も異なりますから。
彼女の周りには本当にいろいろな人々がいますよね。
シルクハットの男性は、これはブルジョア人、富裕層というか。
そうですね。その隣には、いかにも労働者階級といった服装の人物もいますし。
いますね。そして2丁のピストルを手にした少年。彼がですね、ビクトル融合のレミゼラブル。
はい、レミゼド。
ガブローシュのモデルになったのではという見方もあるんです。
これがまた芸術作品が後世にどう影響を与えていくかっていう点で、非常に興味深いですよね。
それは面白いですね。ガブローシュのヤンチャで、でも芯のある感じが確かにこの少年からも伝わってくるような気もします。
そして彼らが踏み越えているのは、これは倒れた兵士たちの死体ですか。
革命の避けられない犠牲と、その混沌とした状況が様々しく描かれていますね。
これだけその多様な人物、階層も違えば、生と死も混在しているような状況をどうやって一枚の絵としてまとめ上げているのか。ここがなんかすごいところだなと感じるんですが。
まさにその構成が実に見事なんですよ。女神を頂点とした安定した三角形の構図。これがこの混沌とした場面にある種の力強い秩序を与えているんですね。
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なるほど、三角形ですか。言われてみれば確かに。
そして背景に目をやると、煙が立ち上るパリの街並み。右奥の方に、ノトルダム大聖堂の総塔が、かろうじてですけど見えるんです。
あ、本当だ。ひさかに。
これで、舞台はパリなんだなということがはっきりと示されている。色彩もまた非常に計算されていますね。
色彩ですか。
はい。女神を照らす明るい光と、周囲、特に足元の暗さとのこの劇的な対比。そして何よりフランス国旗の青、白、赤。これが画面全体に非常に鮮烈なアクセントとして散りばめられているんです。
確かに、あの旗の赤と服の赤、そして血の赤みたいなものが響き合っているようにも見えますね。
そうですね。
作者のドラクロア自身は、戦闘には直接参加しなかったそうですね。いわば外からこの瞬間を描いたと。
そうなんです。
ある資料だと、その観察者としての視点があったからこそ、かえって革命の理想とその現実をある種客観的に捉えて、力強い表現につながったんじゃないか、なんていう考察もありましたけど。
それは鋭い指摘かもしれませんね。ドラクロアはこの作品で単に戦闘の様子を描くというよりは、やはり7月革命が掲げたその自由、平等、博愛といった理想ですね。
はい。
それと抑圧に対して立ち上がる民衆の普遍的な勇気、これを英雄的な姿として参戦しようとしたんだと思います。
なるほど、英雄的に。
そして様々な階級の人々が、その階級の違いを超えて、女神の下に団結して未来へ向かおうとしている。その意思を示している点も、この絵画の重要なメッセージじゃないでしょうか。
なるほどな。つまり、この絵画というのは、1830年の7月革命という特定の歴史的な出来事を記録しただけじゃなくて、もっと大きなフランスという国の根っこにある精神というか、自由への悪なき渇望とか、あとは変革を求める民衆のエネルギーそのものみたいなものを象徴する、そういう時代を超えたアイコンになっているということなんですね。
まさにその通りだと思います。ロマン主義特有のこういう情熱的な感情表現とか、個人の英雄性を称える視点、これが歴史的な出来事のドラマと見事に融合している。その点で美術史においても非常に重要な作品と言えますね。
ここで一つちょっと皆さんに考えてみていただきたいなと思うのは、こういう力強い芸術作品がですね、歴史上の出来事に対する私たちの集合的な記憶というか、理解をどのように形作って、場合によっては方向づけていくのかということなんです。
ああ、なるほど。映画が歴史のイメージを作ると、それは深い問いかけですね。考えさせられます。今日はこの民衆を導く自由の女神のその奥深い世界を探るたびに皆さんとご一緒できてよかったです。ありがとうございました。
06:18
こちらこそありがとうございました。
06:19

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