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2025-08-20 05:32

08 フェルメール「真珠の耳飾りの少女」

フェルメール「真珠の耳飾りの少女」:北方のモナ・リザが語りかける光、色彩、そして永遠の謎

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さて、今回は皆さんと一緒に、08 フェルメールの真珠の耳飾りの少女、この絵の世界をたぬってさってみましょうか。
いいですね。
手元にある資料をもとに、この絵、北方のモナリザなんて言われたりもしますけど、どうしてこんなに人を惹きつけるのか、その確信に迫ってみたいなと。
はい。17世紀のオランダ、フェルメールの時代ですね。光の捉え方が本当に独特で、
資料を見ると、単なる肖像画じゃない、その構図とか色使いとか、あとやっぱり謎めいた雰囲気、そういう多層的な魅力がなんか見えてきますよね。
まずやっぱり目が行くのは、あの少女の視線。
あー、そうですね。
こちらをこうふっと振り向いた瞬間、大きな瞳がうるんでるみたいで、口元も少し開いてて、何か言いたげな。
この直接的な感じがまず心をつかみますよね。
ええ。その視覚的な強さ、インパクトを支えているのが、バロク絵画によく見られる光と影の対比。
光と影ですか。
資料にもその指摘がありましたけど、大事なのは、この黒い背景が、あのただの背景じゃないってことなんです。
ただ暗いだけじゃなくて。
そう、暗闇の中から少女を際立たせることで、彼女がまるで空間から浮かび上がってくるみたいに見える。
なるほど。
それで観賞者の目の前にいるような、なんか親密さみたいなものを生み出してるんですね。
へー、親密さ。ただ暗いだけじゃなくて、彼女をこっちへ押し出すみたいな、そういう効果があるんですね。
そういうことです。
そしてあのターバン、あの青は忘れられないですよね。
あー、フェルメールブルー。
フェルメールブルー。資料にもありましたけど、原料のラピスラズリがすごく高価だったっていうのもまあ驚きですけど、
えー。
それ以上にこの色自体が持つ力って何なんでしょうね。
うん、いいところに目をつけましたね。
高価なウルトラマリンだったっていうのは、もちろんその価値を高めてるんですけど、
はい。
それだけじゃなくて、あの独特のこう深くて鮮やかで、でもどこか冷たさも感じる青の質感、これが重要なんです。
質感ですか。
ええ。肌のあの温かい感じとか、真珠の柔らかい光と対比されることで、画面全体に何というか緊張感と調和をもたらしてる。
なるほど。
で、視覚的な主役の一つにもなってるわけです。この青があるから他の色が一層こう引き立つとも言えますね。
色彩の話も深いですけど、次はやっぱりこの絵の中心にある謎ですよね。
そうですね、謎。
この少女、結局誰なんだろうって。奥さんなのか、娘さんなのか、それとも全くの空想の人物なのか、わからない。
ええ、わかってないんです。
うーん。
でもその特定できない曖昧さこそが、実はこの絵の魅力の何というか確信かもしれないですね。
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曖昧さが確信?
フェルメールはもしかしたら、意図的に細部をちょっとぼかしたり、表情を読み取りにくくしたりしてるんじゃないかと。
あえてですか。
ええ、それによって見る側の想像力をかきたてる。
誰だかわからないからこそ、私たちは思いを巡らせて、時代を越えてもこの少女に関心を持ち続ける、そういうことじゃないかなと。
なるほどな。資料には視覚情報に頼らない方向向けの解説もありましたけど、そこからもこの絵の構成の巧みさみたいなのがわかりますよね。
はい、ありましたね。顔が中央にあって口元は微笑んでるようにも見えるし、瞳は輝いてる。背景の黒と肌とかターバンの明るさの対比がはっきりしてる。
そうなんです。
こうやって要素を分解しても魅力が損なわれないっていうのはすごいですよね。
そうですね。
アクセスビリティの記述を読むと、かえってフェルメールがいかに巧みに視線の誘導とか対比の効果を使っていたかが浮き彫りになる感じがします。
神秘的な表情、真珠の控えめだけど確かな輝き、空間の奥行きを感じさせるコントラスト、これら全部が合わさって静かなんだけどすごく強い印象を生み出してる。
そして彼女は何を考えてるんだろうっていう問いを自然と私たちに投げかけてくるんですよね。
というわけで、今回はフェルメールの真珠の耳飾りの少女について資料をいろいろとひも解きながら、その魅力の根源を探ってきました。
引きつけられる視線、計算された光と影、特別な青、そして想像をかきたてる謎、いろんな要素が本当に見事に組み合わさってるんですね。
まさに。
これが時代を越えて愛される名がたる少女なんだなとよくわかりました。
最後に一つちょっと考えてみてほしいことがあるんですけど。
はい、何でしょう。
私たちってつい、このモデルは一体誰なんだろうっていう問いに囚われがちじゃないですか。
確かにそうですね。一番気になるところかも。
でも、もしかしたらこの絵の本当の価値っていうのは、特定の誰かを描いたっていうことじゃなくて。
と言いますと。
描かれた人物を通して、今この瞬間、絵の前にいるあなた自身の心に直接何かを響かせて感じさせる力。
あなた自身の心に。
その力そのものにあるのかもしれない。そんな視点も面白いんじゃないかなって思うんです。
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