万博の到着と楽しみ方
視覚障碍者のための大阪万博攻略ガイド、第1部、午前中。万博に到着、そして未来の食卓へ。
みなさんこんにちは。2025年、夢と感動があふれる大阪関西万博へようこそ。
命輝く未来社会のデザインをテーマに、世界中から集まった英知が、ここ夢島に集結しました。
今日ご案内するのは、視覚に頼らず万博を存分に楽しむための特別ガイド。
ゲストは、今日1日、万博を体験するトミーさんです。
こんにちは。今日をずっと楽しみにしていました。よろしくお願いします。
そして、一緒にガイドしてくれるのは、万博公認ボランティアガイドのマリアさんです。
みなさん、こんにちは。マリアです。
トミーさん、1日、よろしくお願いしますね。
さあ、いよいよ万博会場に到着しました。
トミーさん、ゲートをくぐった感想はいかがですか?
すごい。たくさんの人の話し声や、賑やかな音楽が聞こえてきます。
何かが始まる、そんなワクワクする雰囲気でいっぱいです。
そうなんです。視覚に頼らない方でも、音や匂い、肌で感じる風などで、万博のエネルギーを感じられるよう工夫されているんですよ。
まず、トミーさんには音声ガイドと触覚地図のついたパンフレットをお渡ししますね。
どれは助かります。
触ると、それぞれのパビリオンの形が立体的にわかるようになっていますね。
はい。そして、この音声ガイドを使いながら会場を巡っていきましょう。
万博の道は歩きやすさに配慮して作られています。
ところどころに休憩できるベンチや、日差しを遮る大きな屋根もありますよ。
午前中、いくつかのパビリオンを巡ったところで、そろそろお腹が空いてきましたね。
万博には世界各国の料理を楽しめるレストランやフードスタンドがたくさんあります。
お昼ご飯は未来の食卓のエリアに行ってみませんか。
ここでは、食にまつわる新しい技術を体験できるんです。
未来の食卓、一体どんなものが食べられるんだろう。
例えば、デジタル食体験というコーナーでは、ヘッドホンから流れるカリカリという音でクッキーがよりサクサクに感じられたり、
特定の音楽を聞くことで料理の味が甘く感じられるというユニークな体験ができます。
音が味を変えるなんて不思議ですね。ぜひ体験してみたいです。
食べるという行為を五感全体で楽しむ新しい試み。
視覚に頼らずとも驚きと発見に満ちた食体験ができそうですね。
午後のパビリオンと体験
第2部、午後は注目のパビリオンと感動のヒナーレへ。
お腹もいっぱいになったところで午後の万博を満喫していきましょう。
マリアさん、午後におすすめのパビリオンはありますか?
はい、午後は特に人気の高いパビリオンを2つご紹介しますね。
まず1つ目は日本館です。
日本館、万博のホスト国としてどんな展示があるんだろう?
日本館のテーマは命の遊び場です。館内に入ると水のせせらぎや森の香りをイメージしたヒノキや緑のアロマが漂っています。
巨大なスクリーンに映し出される映像は視覚に頼らない方でも楽しめるように、音楽や床から伝わる微細な振動と、そして風の流れを使って自然の雄大さを表現しています。
水の音や森の香り、なんだか心が落ち着きますね。映像の内容を体全体で感じられるなんてすごい技術だなぁ。
そうなんです。さらに未来の技術として触覚をデジタル化して伝えるハプティクス技術を使った展示もあります。
触れたもののザラザラした質感や柔らかい感触を手袋を通してリアルに感じることができますよ。
視覚以外の五感を刺激するまさに命の遊び場ですね。
そしてもう一つ、海外パビリオンの中でも注目のカナダ館もおすすめです。
カナダ、メープルシロップの香りとかするのかな?
くすっと笑いながら、残念ながらメープルの香りはしないのですが、カナダ館のテーマは生命の交差点です。
中に入るとカナダの壮大な自然を表現した風や香り、立体的な音響に包まれます。
特に巨大なスピーカーから流れるオーロラの動きを音で表現した音楽は圧巻です。
低く響く重低音から高音のきらびやかな音までが絶妙に組み合わされ、まるで夜空に光が揺らめく様子を全身で感じることができます。
オーロラを音で表現するとは想像もつきませんね。
その音を聞くだけで目の前にオーロラが広がっていくような気分になりそうです。
感動のフィナーレ
第3部 フィナーレ 感動の飛沫
トミーさん、マリアさん、一日お疲れ様でした。
万博の最終コーナー、飛沫の時間となりました。
この時間になると万博会場がまた違った雰囲気になるんです。
はい、マリアさん、日が落ちると万博会場は光と音の共演へと姿を変えます。
目の前に広がる夢島の夜景と万博会場の中心にある命の海で行われる壮大な水上ショーは必見です。
水をスクリーンに見立てて色鮮やかなレーザーや光がダンスをします。
噴水のダイナミックな動きに合わせて躍動感あふれる音楽が響き渡るので、視覚に頼らない方でもそのスケールを肌で感じることができます。
そして夜空を彩るのは無数のドローンが織りなすドローンショーです。
ドローンが隊列を組み様々な形や文字を夜空に描きます。
ドローンが飛び交うブーンという羽音と観客の感嘆の声が合わさり不思議なハーモニーを生み出すんです。
ナレーターさん、会場全体をぐるりと囲むあの巨大なダイオーネリングも夜になるとライトアップされてとても幻想的ですよ。
そうですねマリアさん、このダイオーネリングは万博会場全体を一つにつなぐもう一つのシンボルです。
高さは最大で20メートルあり、その総題者は万博の未来社会へのデザインを体現しています。
木材を使った温かみのあるデザインと、夜になると光り輝くライトアップは会場を訪れる全ての人を包み込むような優しさを感じさせます。
昼間は日差しを柔らげ、夜は会場全体を彩るこのリングをぜひ肌で感じてみてください。
さらにフィナーレを飾るのは色とりどりの花火。夜空いっぱいに広がる花火の音と体に響く振動は万博での一日の感動を最高潮に高めてくれることでしょう。
あっという間の一日でした。視覚に頼らなくてもこんなにたくさんの驚きや感動が体験できるなんて本当に来てよかったです。
トミーさん、喜んでいただけてよかったです。トミーさんにとって今日の万博で一番印象に残ったことは何ですか。
うーん、一つに絞るのは難しいですね。でも一番はやっぱりたくさんの音や香りで世界の文化や未来の技術を肌で感じられたことです。
マリアさん、丁寧に案内してくれて本当にありがとうございました。
いいえ、トミーさんの素敵な笑顔を見られて私も嬉しかったです。視覚に頼らずとも万博の楽しさは無限大。音や香り、振動、そして人のおととこさを通して未来の可能性を感じられる一日でしたね。
皆さんにとっての命輝く未来もぜひ万博で見つけてください。
ありがとうございました。