#25前編:絵本の出版者と一緒に感じる、物語の力、絵本の力(ゲスト:「月とコンパス」代表 西山雅子さん)
2026-09-28 35:09

#25前編:絵本の出版者と一緒に感じる、物語の力、絵本の力(ゲスト:「月とコンパス」代表 西山雅子さん)

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ゲスト回前半。ひとり出版社「月とコンパス」代表の西山雅子さんをお迎えし、同出版社から日本で出版された台湾の絵本『あおむしがきらいな王子さま』の奥深さに迫ります。

::::::::::キーワード::::::::::
平良さんが2回泣いた絵本/平良さんの涙を止めたい/自分なりの円を描く/「分からない」という最高の感想/思い込みを鮮やかに裏切る/「本になるほど」長い道のり/諦めさえしなければ

 

::::::::::今回ご紹介した本::::::::::
書籍名:あおむしがきらいな王子さま
出版:月とコンパス
作:ホアン・イーウェン (黄一文)
訳:中村加代子 (なかむら・かよこ)
https://www.moon-compass.com/books/yiwen-2026/

 

::::::::::出演者::::::::::
平良忍(たいら・しのぶ)/TOKU BOOKS店主
https://tokubooks.com/
https://www.instagram.com/toku.books/

佐野匠(さの・たくみ)/編集・ライター・フォトグラファー・WORKLIGHTS発行人

月とコンパス代表 西山雅子(にしやま・まさこ)

https://www.moon-compass.com/

 

::::::::::ひと棚オーナー募集中::::::::::
本で表現し、本でつながる楽しいひと棚オーナー実施中。
詳しくは、TOKU BOOKSのWebサイトをご覧ください。
https://tokubooks.com/1#hitotana

 

::::::::::TOKU BOOKSの場所::::::::::
〒304-0062 茨城県下妻市下妻戊93−2
https://maps.app.goo.gl/HEvXyQvgEAqxs1DJA
 

感想

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サマリー

TOKU BOOKSの平良忍と佐野匠が、台湾の絵本作家ホアン・イーウェンによる『あおむしがきらいな王子さま』を日本で出版した、月とコンパス代表の西山雅子を迎えて語り合う。西山は、実験的な作品や大人向けの絵本、製本の難しい本を届ける一人出版社としての月とコンパスと、その名前に込めた「自分なりの円を描く」姿勢を説明する。物語では、青虫が苦手な8歳の王子が国から緑を消す命令を出し、少女との出会いを通じて自分の決断が人々を苦しめたと知る。王子と少女の別れが平良の涙を誘う一方、少女の言葉や最後のページには、王子が長い年月をかけて王国を取り戻していく希望が示されている。カバーと表紙、作中の本やペン、未来の緑の王国など、絵本の随所に隠された仕掛けも紹介される。答えをすぐに確定できない問いこそ読者の中に残り続けるとして、「分からない」という感想の価値や、童話の思い込みを裏切る構造が語られる。さらに、台湾が戒厳令と白色テロを経験し、言論の自由を獲得してから約30年という歴史を背景に、本が記憶を語り継ぎ自由に表現する媒体であること、そして西山が日本にこの作品を紹介しようとした経緯にも話が及ぶ。

月とコンパスと西山雅子の出版姿勢
とまり木は本の中、私に戻るためのブックガイド。 暮らしの中で誰もが背負っている役割。時にはほんの少しだけ解き放たれて、自分を見つめ直してみませんか?
あなたの役割をふっと解いて、一人の私に戻してくれる本を、茨城県下妻市のブックカフェ、TOKU BOOKSがご紹介。
1エピソード1冊、本の紹介とその1冊を選んだ思いを語ります。
こんにちは、パーソナリティを務めますTOKU BOOKS店主の平忍です。
こんにちは、アシスタントを務めますWORKLIGHTSパブリッシングの佐野巧です。よろしくお願いします。
さて平田さん、以前ご紹介したエピソード20でご紹介した翻訳絵本、青虫が嫌いな王子様って覚えてますか?
もちろん覚えてますよ。
泣いちゃったやつですよね。
泣いちゃったやつです。私が2回読んで2回泣いたって。
素晴らしい絵本ということですよ。
なぜか心を引きつけられるというか。
僕も結構読ませていただいて、台湾の現代史でいいのかなという興味を持ったりして、
いろいろと背景に思いを馳せるきっかけになったような絵本ではあるんですけれども、
なんと今回、青虫が嫌いな王子様を日本で出版した一人出版社、月とコンパスさん代表の西山雅子さんをゲストにお迎えしております。
何ですって。
よろしくお願いします。
月とコンパスの西山です。
忙しいところありがとうございます。
よろしくお願いします。
ちなみに今回はね、お忙しいところお時間をいただいて、オンラインで収録ということで、お願いいたします。
今回ご出演に至った背景なんですけれども、
平田さんがポッドキャストでの収録したエピソードを西山さんにお送りしたというところから始まってるんですよね。
本当に、物質系にポッドキャストのリンクをインスタのDMで送りさせていただいて、
本を仕入れた時に西山さんの方から、月とコンパス社さんからお取引ありがとうございますっていう風に、
私一冊しか仕入れてないんですけど、ご丁寧にご挨拶いただいて、なんていい人だと思って、
そこのちょっと優しい人だよなと思って、物質系ながらエピソードを送らせていただいたんです。
すいません。
いえ、とんでもないです。すごく嬉しかったです。
いや、実は送っていただく前から、実は気づいてたんですね。
で、さらに私より先に気づいてたのが台湾のホワインウェンさん、作者の方で実は。
気づいてたってどういうことですか?
ですから、やっぱり通知が来るようにされてるんですかね。
だから大体私よりもリツイートとかも早いし。
そうなんですか。
そうなんです。それで感想というか、日本語で音声が文字起こしされてますよね。
それを多分AI翻訳とかで内容を読まれたんだと思うんですけど、
すごい日本の読者の方の生の感想っていうのは聞けて、すごく興味深かったみたいな感想を事前にいただいてて、
え、なになに?とかって思って、え、なにそれ?とか思って。
で、私も聞いてて、連絡したいなーって思ってたんですよね。
それで田浦さんが2回も泣いたって言って、本当になんかもう涙がとかっておっしゃってるので、
泣かないでとかと思って、田浦さん泣かないでって思って、
で、このストーリーっていうのがすごく不条理というかね、ちょっと気持ちが揺さぶられるっていうところが魅力でもあるんですけど、
実はいろんなところにその後のハッピーなことっていうのが本の中に隠されていて、
え、なんですか?
そうなんです、この絵の中にはすごくいろんな秘密が隠されていて、
実はこれはハッピーエンドと言っていいんじゃないかなという、そうなんです。
え、それなんですか?
そう、田浦さんの涙を止めたくて連絡を。
本当ですか?
ぜひお話聞きたいです。
私ラフィオとかって、ちょっとあんまり、しかもこういうふうに記録の残るものっていうのは今まで出たことがないので、
どうしようかなーってちょっとこう迷っているうちに、田浦さんのほうからエピソードが送られてきたものですから、知ってます。
すごい。
本日も心して収録させていただきます。
ちょっと拙い喋りにはなってしまうかもしれませんが、よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
そうしましたら、じゃあですね、ちょっと絵本の読み解いていくところとか、続きのところとかも気になるんですけれども、
せっかく西山さんがいらっしゃるので、絵本が出版された背景ですとか、物語の背景ですとか、そういったところも伺っていきたいなと思うんですけれども、
そもそものところですね、西山さんの自己紹介、あと出版社としての月戸コンパスさんの自己紹介をお願いしたいと思います。
はい、私はですね、フリーで絵本の編集をやっております。
その前までは自動書出版社に長く勤めてたんですけれども、10年くらい前から独立して、いろんな半元さんと一緒にお仕事をしています。
その一方で、これはちょっと企画提案してもなかなか通らないな、だけどすごくいいなって思うようなものとか、そういうものがありまして、
ちょっと実験的なものとか、あるいはちょっと用事向け、やっぱり市場というのがやっぱり用事向けが多いので、
そういったものから少し外れてくるようなもの、大人向けの絵本とか、あるいは製本とか、ちょっとハドルが高いものとか、
そういうものを自分の出版社、月戸コンパスというものから出すということを並行してやってます。
月戸コンパスとしては、絵本とアートブックの出版社、一人出版社というふうに紹介して、自己紹介しております。
こんなところでいいですかね。
ありがとうございます。
月戸コンパスさんの名前の由来を伺いたいんですけれども。
コンパスというのは、文房具のコンパスなんですね。
絵を描くやつですね。
そうですね。
コンパスというのを野望に使いたいなと思ったのは、すごく私が尊敬している方に、
もう亡くなられたんですけど、造本作家の駒形一美さんという方がいらっしゃって、
それでご講演なんかをずっと聞いて出た時っていうのがあったんですけれども、
その中で、自分のお仕事のスタンスっていうのを自分の軸を真ん中に置いて、
もう一方の足をどういうふうに描いて、どんな円を描くのかっていうことをすごくお話されてて、
駒形一美さんって造本作家ってちょっと耳に慣れない言葉かもしれないんですけれども、
絵本を作る企画するだけじゃなくて、その想定とかそういうものも含めて自分で作ってですね、
で、ワンストロークという自分の出版社から出版するという、
だから今の自分で出版社立ち上げて作品を発表する、
作家さんでもその出版社立ち上げる人って今増えてると思うんですけど、
そういうことをずっと前からやってらして、それで国際的にも非常に知られた方なんですね。
それでその方がそういうお話をされていて、
ああそうかと思って自分は独立してやっていくっていう時に、
そういう心持ちでやっていけたらいいなっていうのが一つですね。
円を描く時にやっぱり自分の軸を持つことって独立してやるのに大事なんだけど、
それだけじゃ立ち行かなくて、やっぱりコラボしてやるっていうか、
出版ってやっぱり誰かとコラボしないとどうしても仕事として成立しないものですので、
そういうふうな、で小さい円だったり大きな円だったりいろんな円があるけれど、
丸く何か形作れるっていうことが小さい大きいじゃなくてとか、
でコンパスだけだとラシンパンという意味もあるんで、
で月とっていうふうにちょっとつけたっていうか、
月は月ですごくいろんな意味があって、
毎日顔を変えていくとかね、
でも普遍的な存在であったりとか、
あと世界中の誰からも見れるとか、
そういういろんな好きなところがあって、
だからその2つを組み合わせてシャミンにしたという感じですね。
素敵!
ちょっとなんかすいません、一つ一つ私話が長いんですけど、大丈夫ですかね?
大丈夫です。
これちなみにコンパスの軸足のところでいうと、
西山さんとしての軸足、軸ってどういうものが該当するんですか?
そうですね、だからやっぱり、
編集の仕事ってすごくやっぱり、
自分のこう思うだけを言うっていうか、
どっちかっていうと作家さんとかね、
作家さんが主体だから、
なかなか自分のスタンスというか、
なかなかバランスの取り方ってすごく難しいと思うんですね。
だからよりすぎてもいけないし、
あとフリーランスの仕事でいうと、
半元さんと作家さんとの間に立って調整する役割なわけですけど、
でもやっぱりそこにも自分なりの考えとか、
そういうものを提示していかないと先に進めないというかね、
一つ一つが、出版の仕事ってどんな仕事もそうですけど、
一つ一つが判断の連続で最終的に形になっていくわけですけど、
やっぱり編集する人って誰も自分なりの編集方針っていうんですかね、
こういう本は作らないとか、
こういう本がいいもんだと思うとか、
その人なりの方針というのがあってこういうことはやらないとか、
だからそういうものがあると思うんですけれど、
それをやっぱり大切にしていくっていう、
それが何なのかっていうのはその本の企画によって変わってくるわけですけど、
自分なりのスタンスをどっちかに寄りすぎるっていうことなく、
やっぱりいいバランスで私はこう思うっていうことを言えるようにするというのですか、
なんかそんなに大それたことではなくて、
多分編集の仕事をする人はみんな持ってるものだとは思うんですけど、
まほくんめっちゃ実感を持ってそうだよなって思ってます。
そうですよね、佐野さんね。
すごい先輩から教えてもらってみたいな感じで今考えてるんですけれども、
ありがとうございます。
ちょっとね、もっと深掘っていきたい感じがあるんですけれども、
今回平さんの涙を止める回でもあるので、
そうですね。
『あおむしがきらいな王子さま』の物語と問い
続いて、青虫が嫌いな王子様の絵本の好みに迫っていこうと思うんですけれども、
おさらいとしてあらすじをご紹介したいんですけれども、
せっかくなので西山さんの方からご紹介お願いしたいんですけれども、よろしいですか。
はい、まずこれは台湾の絵本で、
ホワインウェンさんという絵本作家さんの作品で中村かよこさんが翻訳をされています。
内容なんですけれども、あらすじをちょっと紹介しますと、
青虫が苦手な王子様が、8歳の王子様がいて、
だけど王子様は、王子様っていう建前があるので、
それを周りに知られたくないというところがあって、
この王国から緑のものを消してと願うところから始まるんですね。
で、たちまち国中が大騒ぎになって、
国中から緑のものが消えてしまうわけなんですけれども、
ある少女との出会いをきっかけに、
自分がよく考えないで出した命令によって、
思いもよらない形で人々が運命に翻弄されていたということを知る。
その時、王子様はどうするのか。
少女との約束を守れるのかっていうふうなお話で、
嫌いな気持ちって克服しないといけないのかなとか、
素晴らしい国ってどんな国なんだろうねとか、
読者のその時の興味関心とか、
年齢によってもいろんな問いかけを投げかけてくる絵本です。
ありがとうございます。
平田さん改めて今、本の紹介ありましたけれども。
本当に西山さんおっしゃる通り、
分からないまま考え続ける絵本
問いが多い絵本だなっていうのは、すごく実感として持っていて、
私の中であまり答えが出ないっていうのがあって、
ちょっと本当に今回西山さんとお話しさせていただいて、
西山さんがどうお考えなのかっていうのも聞きたいし、っていうのがあって。
でもすごくね、わからないっていうのはね、最高の感想というか、
やっぱりそれだけ深く、この絵本について入り込んでくださった、
ゆえの感想かなという気がするんですね。
やっぱりわからないっていうふうなもののほうが、
やっぱり記憶によく残るし、すごく思いました。
逆にわからないでもいいんですね。
例えば、内容が本当に意味不明すぎてわからないっていうのは良くないと思うんですけれども、
何かを届けようと思ってちゃんと描いて作って、
その上で、でもわからないっていうのも一つありなんだなって今、
伺ってて思ったんですよ。
なんかこう、やっぱりいろんなテーマが出てくる、問いが浮かんでくる本で、
やっぱりこういう絵本なんだなってすぐにわかってしまう絵本って、
そんなに魅力がないというか、
でも人とかもそうじゃないですかね。
ちょっと謎のある人の方がちょっと気になるとかね。
わかったことって文字通り消化されていくというか、
自分の中に消化されて、そのことは忘れてしまうんだけど、
わからないものってやっぱりいつまでも考え続けるっていうか、
この絵本にはやっぱり簡単にこうって言えないいろんな問いがあって、
まさしく考え続けていくというか、
そういうことが大事なのかなと思ったりもするので、
そうですね。
だからいろんな、
この絵本って青虫が嫌いな王子様っていうタイトルからわかるように、
オグーバーのスタイルをとってるんですけど、
王子様はいわゆる英雄っぽくないし、
ヒロインはなんかすごくたくましいというか、
どちらかというと王子を導いていくようなそういうところがあるし、
あと立ち向かうべき怪物っていうのは、
外側にあるんじゃなくて、実は自分の内側にいたんだみたいな、
ことごとくその読者のこうでしょみたいな、
おとぎ話ってこうだよねみたいな、
そういう思い込みとかそういうものを鮮やかにどんどん裏切っていくっていう風なところがあると思うんですけれどもね。
だからそういったところもちょっと見どころでもあるかなと思うんですけれども。
なんかやっぱエンターテイメント的な楽しいとかじゃなくて、
読めば読むほどあれ?みたいなちょっと引っかかる何かがあるじゃないですか。
で、今私すごく気になってるのが、
さっきほど西山さんがおっしゃったハッピーエンドだっていうような、
その涙を止める要素。
ちょっとそこを教えていただきたい。
まずこう涙の原因というか、
涙の場面と少女が残す希望
まずちょっとリスナーの方に紹介すると、
タイガーさんが涙されたっていうのは、
王子が少女と出会って心を打ち解けるわけですよね。
ひょんなことから王子は少女に自分が実は青虫が苦手なんだっていうことがバレてしまうわけですよね。
なんだけど少女は誰にでも怖いものってあるよねっていうことで受け止めてくれて、
で、さらに少女に対して君にも怖いものってあるの?って聞いたところが、
なんとこの子の両親が怪物に連れ去られてっていうふうな、
えーっていうふうな急展開になっていくんですけれども、
それでこの子を助けようと、ここで英雄ぶりをチラッと発揮するんですよね。
一瞬で。
発揮するんですよ。
かなりキリッとしてボコボコ玉やっつけるみたいな。
白馬の王子様からがね。
そうなんですよ。
やっと王子様らしいところを発揮できるかと思って、
そして世界一素晴らしい、僕が君の家族を助けるよ。
そして世界一素晴らしい王国に住ませてあげる。
さあ行こうとかって言って、王子らしさははっきりするんですけれども、
ほんとその自分の下した命令のおかげで、
両親のたちっていうか、人たちが捉えられていたということを知る。
そして当然もう一緒にはいられないわけで、
怪物の正体を少女も知ってしまって、それで別れが来るわけですよね。
だから弱虫だった王子が、やっと王子らしくこう振る舞えるかと思って、
奮起するのに、とんでもないガーンみたいなことが、不条理みたいなところがやっぱり辛い。
まあ辛いですよね。王子に感情移入していると。
私は本当に王子に感情移入して、
ああなんてことをしてしまったんだっていうその気づきが、
なんかね、私も後悔してるみたいな感じになっちゃって。
立ち上げれないみたいになってしまうと思うんですけれども、
実はその後ですね、王子は少女との約束を別れるときに聞くわけですよね。
また会えるって。
それで、そうすると女の子はきっと会えるよ、世界一素晴らしい王国でっていうわけなんですけど、
これはすごく厳しくて重い言葉で。
本当そうですよ。
そうですよね。
ここがね、ホワインウェンさんの原画を見ると、
このスケッチを見るとですね、
ここのところの表情を、王子に見せる少女の表情をすごく迷った跡があるんです。
最初はちょっと笑みを浮かべてるものとかもたくさん描かれてるんですけど、
だけど最終的に絵本に出てきたのは、すごく複雑な表情。
口を一つに結んで。
だけど、希望の言葉を残していくわけですよね、約束をして。
それで、その後、王子は最後のページのところでは、
王子が長い年月をかけて、国を王国から取り戻すための道のりっていうのが、
本の形で書かれていて、本になるほど長いっていうか。
本当ですね、ものすごい長い月日を感じますね。
歴史書みたいな感じですもんね。
そうですね、歴史書、まさしくそうなんです。
それでもできること、緑を消し去るのはあっという間だった。
だけど、本の姿に戻すには、それはそれは長い時間が必要です。
それでもできることを一つ一つ積み重ねていけば、諦めさえしなければ、という希望を持って終わるんですね。
絵本に隠された本とペンの仕掛け
それで、この本にはものすごく絵時計が隠されているんですけれども、
まず、このカバーを取った表紙ってご覧になりました?
見ましたよ。
まずね、これはちょっと衝撃だと思うんですけど、カバーと表紙の絵が全く違いますよね。
表紙あんなカラフルなのに、カバーを取ると黒のトーンみたいな感じで。
それで真ん中に扉というか囲みみたいなところがあって、そこに王子の手を引く女の子の姿が描かれているという表紙なんですね、カバーとか。
この本をよく覚えておいてほしいんですけれど、中面のページに戻っていただいて、
秘密基地で二人が会話する場面。
秘密基地、はい。
そこのページに、この少女の肩わらに本があるんです。
この本。
やだ、鳥肌立っちゃったよ。
そうでしょ。
これ、表紙の絵とそっくりですよね。
やだ。
まだ手に取ったことない方にご説明すると、本の中に出てくる女の子の横に置いてある本があるんですよね。
その本のデザイン、表紙デザインが、この青虫が嫌いな王子様のカバーを取った本の表紙とほぼ同じようなデザイン。
そうなんです。
それで、このページの端っこの方に、角のところに月の形をした何かが起こっているんですよ。
これか。
それを覚えておいてほしいんですけど。
西山さん、これそんなにネタバレしちゃって構わないんですか?
いいんですね。
誰も今のところ言わないと気づかない。
じゃあ、ここで大公開でいいですかね。
大公開です。
ちゃんと知りたい人はご購入いただいて。
そうですね。
これぐらいを明かしたところで、なんて全部わかるっていうことじゃないっていうか。
かっこいい。
本当にすごくたくさんの発見とか問いがあると思うので。
一番最後のページに行くと、本の形になってますよね。
その中の右のところに囲みがあって、
いつか世界、きっと本当の世界って書いてあるでしょ。
ここにペンがある。
本当だ。
落ちてますね。
それで、最後の奥付けのところを見ると、
ここにも本がある。
本当だ。
本とペンが。
この奥付けのところのイラストって、絶対何かを表してるっていうのは思ってたけど、今つながりました。
そうですね。それで、その右上の絵を見てほしいんですけど、
ここに少女がこのペンを持って本を書いてる姿がある。
そういうこと?
その下には、絵を描いてる人がいるんですけど、これも多分王子が年をとってかな。
で、次をめくりますと、最後の右、見返しのページ。
ここは未来に、その緑を取り戻していく、生きつつある王国の姿が書かれてますけど、
ここに王子らしき人に本が手渡されてるの分かります?
本当だ。
これは、子供?
子供?
子供だよね。
しかも緑の髪をした王子?どういうこと?
本当だ。
っていうことは、っていう。
なるほど。
そうなんです。それで、さらに見ていきますと、
この世界では、いろんな生き物が共存していて、
動物も、人間も、どっちかな、みたいな、ちょっと得体の知れない人たちも共存していて、
それでみんな本を読んでいるんですね。
そうですね。
それが、いろんな形で、この本っていうものを、いろんな形で出している、この絵本一冊の中で、
すごく、だからこの方は、本っていうものに何か特別な思いがあるなっていうことが、ちょっと予想されるかなと思うんですけれども、
台湾の出版史と自由を語り継ぐ本
なんでこういう本が書かれたかなっていうところを考えみると、
やっぱりこの方が台湾の作家さんであるっていうこととも深く関係していて、
台湾っていうのは、言論の自由を獲得してから、今で30年ぐらいしかまだ経ってなくて、
その前、戦後、日本が引き上げてから、戒厳令が敷かれて、
38年間ですかね、1949年から38年間、
そういう集会とか言論の自由っていう基本的な人権を制限される戒厳令が敷かれて、
という時代を経験しているわけですね。
それは白色テロというふうに言われるんですけれども、
本ってやっぱりそういう語り継ぐというか、性格のものですから、歴史を残したりとかね、
本によってそういう事実を語り継ぐことの大切さ、
あとは自由に表現できることの大切さっていうのが、
私たちなんかと比べ物にならないほど、歴史的なところからあるというのはありますよね。
日本なんかは比較的、そういう意味では出版先進国というふうに言えるかもしれないんですけど、
本が出せなかった時代に自由に出せてただけだから。
だけど、この頃の世の中を見ていると、もしかしたらこういう時代が日本にも来るかもしれないなとかね、
そういうことも感じることがあるし、
そうですね、だから、
私は日本の戦後80年とかで、日本でも平和問題に関する本っていうのがすごくたくさん出版されたっていうのがあるんですけれど、
私自身は台湾の出版関係の人たちと交流をする中で、
やっぱりそういう振り返るというかね、平和について考えたりとかすることをきっかけをもらったっていうこともあって、
これは日本でぜひとも紹介したいなというか、
で、台湾の出版の人たちにも何か恩返しというと大げさですけれども、
あとはやっぱり平和とか人権とかっていうとすごく大きいことですけれども、
やっぱり出版っていうのはずっと私やってきたことだから、
すごくやっぱり自分ごととして考えられる一つのテーマでもあるので、
なので、こういったところから出版にチャレンジしてみようかなというかね、
そういう経緯がありますね。
ちなみに先ほど少しこちらの本の出版に至った経緯のことも少し話していただきましたけれども、
そもそもこの本との出会いってどういうところからだったんですか?
それはですね、
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