とまり木は本の中、私に戻るためのブックガイド。 暮らしの中で誰もが背負っている役割。時にはほんの少しだけ解き放たれて、自分を見つめ直してみませんか?
あなたの役割をふっと解いて、一人の私に戻してくれる本を、茨城県下妻市のブックカフェ、TOKU BOOKSがご紹介。
1エピソード1冊、本の紹介とその1冊を選んだ思いを語ります。
こんにちは、パーソナリティを務めますTOKU BOOKS店主の平忍です。
こんにちは、アシスタントを務めますWORKLIGHTSパブリッシングの佐野巧です。よろしくお願いします。
さて平田さん、以前ご紹介したエピソード20でご紹介した翻訳絵本、青虫が嫌いな王子様って覚えてますか?
もちろん覚えてますよ。
泣いちゃったやつですよね。
泣いちゃったやつです。私が2回読んで2回泣いたって。
素晴らしい絵本ということですよ。
なぜか心を引きつけられるというか。
僕も結構読ませていただいて、台湾の現代史でいいのかなという興味を持ったりして、
いろいろと背景に思いを馳せるきっかけになったような絵本ではあるんですけれども、
なんと今回、青虫が嫌いな王子様を日本で出版した一人出版社、月とコンパスさん代表の西山雅子さんをゲストにお迎えしております。
何ですって。
よろしくお願いします。
月とコンパスの西山です。
忙しいところありがとうございます。
よろしくお願いします。
ちなみに今回はね、お忙しいところお時間をいただいて、オンラインで収録ということで、お願いいたします。
今回ご出演に至った背景なんですけれども、
平田さんがポッドキャストでの収録したエピソードを西山さんにお送りしたというところから始まってるんですよね。
本当に、物質系にポッドキャストのリンクをインスタのDMで送りさせていただいて、
本を仕入れた時に西山さんの方から、月とコンパス社さんからお取引ありがとうございますっていう風に、
私一冊しか仕入れてないんですけど、ご丁寧にご挨拶いただいて、なんていい人だと思って、
そこのちょっと優しい人だよなと思って、物質系ながらエピソードを送らせていただいたんです。
すいません。
いえ、とんでもないです。すごく嬉しかったです。
いや、実は送っていただく前から、実は気づいてたんですね。
で、さらに私より先に気づいてたのが台湾のホワインウェンさん、作者の方で実は。
気づいてたってどういうことですか?
ですから、やっぱり通知が来るようにされてるんですかね。
だから大体私よりもリツイートとかも早いし。
そうなんですか。
そうなんです。それで感想というか、日本語で音声が文字起こしされてますよね。
それを多分AI翻訳とかで内容を読まれたんだと思うんですけど、
すごい日本の読者の方の生の感想っていうのは聞けて、すごく興味深かったみたいな感想を事前にいただいてて、
え、なになに?とかって思って、え、なにそれ?とか思って。
で、私も聞いてて、連絡したいなーって思ってたんですよね。
それで田浦さんが2回も泣いたって言って、本当になんかもう涙がとかっておっしゃってるので、
泣かないでとかと思って、田浦さん泣かないでって思って、
で、このストーリーっていうのがすごく不条理というかね、ちょっと気持ちが揺さぶられるっていうところが魅力でもあるんですけど、
実はいろんなところにその後のハッピーなことっていうのが本の中に隠されていて、
え、なんですか?
そうなんです、この絵の中にはすごくいろんな秘密が隠されていて、
実はこれはハッピーエンドと言っていいんじゃないかなという、そうなんです。
え、それなんですか?
そう、田浦さんの涙を止めたくて連絡を。
本当ですか?
ぜひお話聞きたいです。
私ラフィオとかって、ちょっとあんまり、しかもこういうふうに記録の残るものっていうのは今まで出たことがないので、
どうしようかなーってちょっとこう迷っているうちに、田浦さんのほうからエピソードが送られてきたものですから、知ってます。
すごい。
本日も心して収録させていただきます。
ちょっと拙い喋りにはなってしまうかもしれませんが、よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
そうしましたら、じゃあですね、ちょっと絵本の読み解いていくところとか、続きのところとかも気になるんですけれども、
せっかく西山さんがいらっしゃるので、絵本が出版された背景ですとか、物語の背景ですとか、そういったところも伺っていきたいなと思うんですけれども、
そもそものところですね、西山さんの自己紹介、あと出版社としての月戸コンパスさんの自己紹介をお願いしたいと思います。
はい、私はですね、フリーで絵本の編集をやっております。
その前までは自動書出版社に長く勤めてたんですけれども、10年くらい前から独立して、いろんな半元さんと一緒にお仕事をしています。
その一方で、これはちょっと企画提案してもなかなか通らないな、だけどすごくいいなって思うようなものとか、そういうものがありまして、
ちょっと実験的なものとか、あるいはちょっと用事向け、やっぱり市場というのがやっぱり用事向けが多いので、
そういったものから少し外れてくるようなもの、大人向けの絵本とか、あるいは製本とか、ちょっとハドルが高いものとか、
そういうものを自分の出版社、月戸コンパスというものから出すということを並行してやってます。
月戸コンパスとしては、絵本とアートブックの出版社、一人出版社というふうに紹介して、自己紹介しております。
こんなところでいいですかね。
ありがとうございます。
月戸コンパスさんの名前の由来を伺いたいんですけれども。
コンパスというのは、文房具のコンパスなんですね。
絵を描くやつですね。
そうですね。
コンパスというのを野望に使いたいなと思ったのは、すごく私が尊敬している方に、
もう亡くなられたんですけど、造本作家の駒形一美さんという方がいらっしゃって、
それでご講演なんかをずっと聞いて出た時っていうのがあったんですけれども、
その中で、自分のお仕事のスタンスっていうのを自分の軸を真ん中に置いて、
もう一方の足をどういうふうに描いて、どんな円を描くのかっていうことをすごくお話されてて、
駒形一美さんって造本作家ってちょっと耳に慣れない言葉かもしれないんですけれども、
絵本を作る企画するだけじゃなくて、その想定とかそういうものも含めて自分で作ってですね、
で、ワンストロークという自分の出版社から出版するという、
だから今の自分で出版社立ち上げて作品を発表する、
作家さんでもその出版社立ち上げる人って今増えてると思うんですけど、
そういうことをずっと前からやってらして、それで国際的にも非常に知られた方なんですね。
それでその方がそういうお話をされていて、
ああそうかと思って自分は独立してやっていくっていう時に、
そういう心持ちでやっていけたらいいなっていうのが一つですね。
円を描く時にやっぱり自分の軸を持つことって独立してやるのに大事なんだけど、
それだけじゃ立ち行かなくて、やっぱりコラボしてやるっていうか、
出版ってやっぱり誰かとコラボしないとどうしても仕事として成立しないものですので、
そういうふうな、で小さい円だったり大きな円だったりいろんな円があるけれど、
丸く何か形作れるっていうことが小さい大きいじゃなくてとか、
でコンパスだけだとラシンパンという意味もあるんで、
で月とっていうふうにちょっとつけたっていうか、
月は月ですごくいろんな意味があって、
毎日顔を変えていくとかね、
でも普遍的な存在であったりとか、
あと世界中の誰からも見れるとか、
そういういろんな好きなところがあって、
だからその2つを組み合わせてシャミンにしたという感じですね。
素敵!
ちょっとなんかすいません、一つ一つ私話が長いんですけど、大丈夫ですかね?
大丈夫です。
これちなみにコンパスの軸足のところでいうと、
西山さんとしての軸足、軸ってどういうものが該当するんですか?
そうですね、だからやっぱり、
編集の仕事ってすごくやっぱり、
自分のこう思うだけを言うっていうか、
どっちかっていうと作家さんとかね、
作家さんが主体だから、
なかなか自分のスタンスというか、
なかなかバランスの取り方ってすごく難しいと思うんですね。
だからよりすぎてもいけないし、
あとフリーランスの仕事でいうと、
半元さんと作家さんとの間に立って調整する役割なわけですけど、
でもやっぱりそこにも自分なりの考えとか、
そういうものを提示していかないと先に進めないというかね、
一つ一つが、出版の仕事ってどんな仕事もそうですけど、
一つ一つが判断の連続で最終的に形になっていくわけですけど、
やっぱり編集する人って誰も自分なりの編集方針っていうんですかね、
こういう本は作らないとか、
こういう本がいいもんだと思うとか、
その人なりの方針というのがあってこういうことはやらないとか、
だからそういうものがあると思うんですけれど、
それをやっぱり大切にしていくっていう、
それが何なのかっていうのはその本の企画によって変わってくるわけですけど、
自分なりのスタンスをどっちかに寄りすぎるっていうことなく、
やっぱりいいバランスで私はこう思うっていうことを言えるようにするというのですか、
なんかそんなに大それたことではなくて、
多分編集の仕事をする人はみんな持ってるものだとは思うんですけど、
まほくんめっちゃ実感を持ってそうだよなって思ってます。
そうですよね、佐野さんね。
すごい先輩から教えてもらってみたいな感じで今考えてるんですけれども、
ありがとうございます。
ちょっとね、もっと深掘っていきたい感じがあるんですけれども、
今回平さんの涙を止める回でもあるので、
そうですね。
まずちょっとリスナーの方に紹介すると、
タイガーさんが涙されたっていうのは、
王子が少女と出会って心を打ち解けるわけですよね。
ひょんなことから王子は少女に自分が実は青虫が苦手なんだっていうことがバレてしまうわけですよね。
なんだけど少女は誰にでも怖いものってあるよねっていうことで受け止めてくれて、
で、さらに少女に対して君にも怖いものってあるの?って聞いたところが、
なんとこの子の両親が怪物に連れ去られてっていうふうな、
えーっていうふうな急展開になっていくんですけれども、
それでこの子を助けようと、ここで英雄ぶりをチラッと発揮するんですよね。
一瞬で。
発揮するんですよ。
かなりキリッとしてボコボコ玉やっつけるみたいな。
白馬の王子様からがね。
そうなんですよ。
やっと王子様らしいところを発揮できるかと思って、
そして世界一素晴らしい、僕が君の家族を助けるよ。
そして世界一素晴らしい王国に住ませてあげる。
さあ行こうとかって言って、王子らしさははっきりするんですけれども、
ほんとその自分の下した命令のおかげで、
両親のたちっていうか、人たちが捉えられていたということを知る。
そして当然もう一緒にはいられないわけで、
怪物の正体を少女も知ってしまって、それで別れが来るわけですよね。
だから弱虫だった王子が、やっと王子らしくこう振る舞えるかと思って、
奮起するのに、とんでもないガーンみたいなことが、不条理みたいなところがやっぱり辛い。
まあ辛いですよね。王子に感情移入していると。
私は本当に王子に感情移入して、
ああなんてことをしてしまったんだっていうその気づきが、
なんかね、私も後悔してるみたいな感じになっちゃって。
立ち上げれないみたいになってしまうと思うんですけれども、
実はその後ですね、王子は少女との約束を別れるときに聞くわけですよね。
また会えるって。
それで、そうすると女の子はきっと会えるよ、世界一素晴らしい王国でっていうわけなんですけど、
これはすごく厳しくて重い言葉で。
本当そうですよ。
そうですよね。
ここがね、ホワインウェンさんの原画を見ると、
このスケッチを見るとですね、
ここのところの表情を、王子に見せる少女の表情をすごく迷った跡があるんです。
最初はちょっと笑みを浮かべてるものとかもたくさん描かれてるんですけど、
だけど最終的に絵本に出てきたのは、すごく複雑な表情。
口を一つに結んで。
だけど、希望の言葉を残していくわけですよね、約束をして。
それで、その後、王子は最後のページのところでは、
王子が長い年月をかけて、国を王国から取り戻すための道のりっていうのが、
本の形で書かれていて、本になるほど長いっていうか。
本当ですね、ものすごい長い月日を感じますね。
歴史書みたいな感じですもんね。
そうですね、歴史書、まさしくそうなんです。
それでもできること、緑を消し去るのはあっという間だった。
だけど、本の姿に戻すには、それはそれは長い時間が必要です。
それでもできることを一つ一つ積み重ねていけば、諦めさえしなければ、という希望を持って終わるんですね。
それで、この本にはものすごく絵時計が隠されているんですけれども、
まず、このカバーを取った表紙ってご覧になりました?
見ましたよ。
まずね、これはちょっと衝撃だと思うんですけど、カバーと表紙の絵が全く違いますよね。
表紙あんなカラフルなのに、カバーを取ると黒のトーンみたいな感じで。
それで真ん中に扉というか囲みみたいなところがあって、そこに王子の手を引く女の子の姿が描かれているという表紙なんですね、カバーとか。
この本をよく覚えておいてほしいんですけれど、中面のページに戻っていただいて、
秘密基地で二人が会話する場面。
秘密基地、はい。
そこのページに、この少女の肩わらに本があるんです。
この本。
やだ、鳥肌立っちゃったよ。
そうでしょ。
これ、表紙の絵とそっくりですよね。
やだ。
まだ手に取ったことない方にご説明すると、本の中に出てくる女の子の横に置いてある本があるんですよね。
その本のデザイン、表紙デザインが、この青虫が嫌いな王子様のカバーを取った本の表紙とほぼ同じようなデザイン。
そうなんです。
それで、このページの端っこの方に、角のところに月の形をした何かが起こっているんですよ。
これか。
それを覚えておいてほしいんですけど。
西山さん、これそんなにネタバレしちゃって構わないんですか?
いいんですね。
誰も今のところ言わないと気づかない。
じゃあ、ここで大公開でいいですかね。
大公開です。
ちゃんと知りたい人はご購入いただいて。
そうですね。
これぐらいを明かしたところで、なんて全部わかるっていうことじゃないっていうか。
かっこいい。
本当にすごくたくさんの発見とか問いがあると思うので。
一番最後のページに行くと、本の形になってますよね。
その中の右のところに囲みがあって、
いつか世界、きっと本当の世界って書いてあるでしょ。
ここにペンがある。
本当だ。
落ちてますね。
それで、最後の奥付けのところを見ると、
ここにも本がある。
本当だ。
本とペンが。
この奥付けのところのイラストって、絶対何かを表してるっていうのは思ってたけど、今つながりました。
そうですね。それで、その右上の絵を見てほしいんですけど、
ここに少女がこのペンを持って本を書いてる姿がある。
そういうこと?
その下には、絵を描いてる人がいるんですけど、これも多分王子が年をとってかな。
で、次をめくりますと、最後の右、見返しのページ。
ここは未来に、その緑を取り戻していく、生きつつある王国の姿が書かれてますけど、
ここに王子らしき人に本が手渡されてるの分かります?
本当だ。
これは、子供?
子供?
子供だよね。
しかも緑の髪をした王子?どういうこと?
本当だ。
っていうことは、っていう。
なるほど。
そうなんです。それで、さらに見ていきますと、
この世界では、いろんな生き物が共存していて、
動物も、人間も、どっちかな、みたいな、ちょっと得体の知れない人たちも共存していて、
それでみんな本を読んでいるんですね。
そうですね。
それが、いろんな形で、この本っていうものを、いろんな形で出している、この絵本一冊の中で、
すごく、だからこの方は、本っていうものに何か特別な思いがあるなっていうことが、ちょっと予想されるかなと思うんですけれども、