プロダクトストーリーの重要性
こんにちは、TimeTreeの代表の深川ことフレットです。
今日はいつものラジオとちょっと違いまして、
最近はラジオ、スティーブとメイラというメンバーがパーソナリティでやってくれてたんですけど、
僕はちょっとそこから抜けてたんですけど、
今日は一人語りのスタイルでやっていこうと思います。
今日は何について話そうかなというところなんですが、
最近僕ノートを始めまして、何本かの記事を書いたんですけど、
会社としての公式情報発信というより、
一個人としてTimeTreeって会社をやりながらこれまで悩んできたこととか、
気づいたこと、反省したこととかをつらつら書いていこうかなと思ってノートをやってます。
今日はその中の記事の一つ、最初に書いた記事でタイトルが、
なぜこのプロダクトを作ったかに始めから分かりやすさなんてない、
プロダクトと同じく長年育て熟成させていくものという記事について、
どういう考えでこれを書いたかとか、その時書ききれなかったこととかをつらつらと語ってみようかなと思います。
ちょっとタイトル長いんですけどね。
スタートアップのプロダクトの説明とかインタビューとか記事とかで見ると、
すごいストーリーがはっきりしてて、
昔こういう課題に直面してそれを何とかするために作りましたみたいなので、
多いと思うんですけど、
みんながみんなそういうわけでもないよなとは思っていたり、
あれはもっと最初もやもやしたものだったのが、
いろんな人に話していくうちにストーリーとして固まっていくものだよなと思ってて、
なんか自分にはそんなストーリーなんてないしとかって思って、
チャレンジするのを我慢する人がいたらもったいないなと思って、
こんなタイトルにしたっていう感じですね。
カレンダーシェアアプリの起源
カレンダーシェアアプリ。
僕らはタイムツリーっていう会社で、
タイムツリーっていうカレンダーを共有するアプリを作ってるわけですけど、
これも強烈な減体験みたいなものがあったわけじゃなくて、
僕の場合価値観に起因するものが大きかったなって思ってます。
それは何のために生きてるんだろうとか、人生って何なんだろうとか、
そういうのを子供の頃からよく考えて、
そういう本とかを読むみたいな観念的な性格だったんですよね。
その中で思ってたのは、
後から思い返して自分の人生決定づけるとか、
人生の厚みっていったりですかね、
そういうものになっているような記憶っていっぱいあるなと思って、
そういうものってかっこたる意思で計画して、
この日にキャンプに行くぞってやって選び取ったっていうよりは、
もっとその時の話の流れとかノリとか、
そういうので決まっていって、
後から思い返せばあれがなかったらすごい寂しいなっていうようなものだったりするかなと思って、
なんかその話の流れとかノリとか関係の中で、
そういう時間を逃さず選び取っていきたいみたいな、
そういうのは価値観としてはすごいあった感じですね。
なんでその時間に関するプロダクトっていうところにこだわりがあって、
今のもこうやって振り返って話すからそれらしく聞こえるんですけど、
もう考えるときはそんなきっちりしてなかったですね。
すごいもっとモヤモヤしてました。
当時に企画書は作ったんですけど、
その時書いてあったのは、
時間の周りってすごい課題が大きいと思うと。
それは一つは情報量ってめちゃくちゃ増えるけど、
なんかそれ選びやすくはなってないよねと。
なんで未来の可視化っていうのが情報量選択肢が増える中で、
人類がよっしゃっていう納得いく選択をする、
ハッピーな選択をするために時間の可視化っていうのが必要じゃないかと思っている。
もう一つは可視化しても、
なんか自分自身の意思で選び取れるものばっかじゃなくて、
会社と調整しなきゃいけなかったり、
家族で相談しなきゃいけなかったりとか、
周囲の関係とかと都合しながら決まっていくものなんだけど、
世の中見渡すと、
手帳をデジタル化したみたいな一人用の予定管理ツールっていうのがメジャーで、
でもやっぱり周囲の人とか予定の相手とかがいるんだから、
それを前提にした共有がベースの予定管理の方がいいんじゃないかなって思っている。
この2つですね。
相手がいるのに一人用っていうのと、
情報量増えるから可視化が重要じゃないかって、
この2点を最初書いていましたね。
それで共有とコミュニケーションを前提にしたカレンダーっていうのが
企画では書いたことですね。
その根底にさっきお話した、
僕自身の人生ってなんだみたいな、
その人生を決定づける時間ってどうやって選ぶんだみたいな、
そういう思想っていうか価値観っていうかのが根底にあったみたいで、
これって1個のストーリーじゃないなと思って、
この記事を書くときにもだいぶ削ったんですけど、
やっぱりこのプロダクトで当たりそうなのか、
使ってもらえそうなのかみたいなのをいろんな観点でチェックする必要があると思って、
いろいろチェックはしたんですよね。
タイムツリー作った当時ってスマホも普及しまくってたし、
スマホアプリが目新しいっていう時代でもなかったんで、
2015年とかなんですけど、
なんでその中でスマホアプリ作るってどういうことかなって思って、
当時はもうチャットアプリはめちゃくちゃ普及してたと。
日本だとLINEで、海外でもWhatsAppとかFacebook Messengerとかですね。
時間の哲学とカレンダーシェアアプリの関係
それで思ってたのは、
アプリをインストールして使うってこと自体も結構大変なことだと思うんですよね。
僕らIT業界の人はそんなこと簡単じゃんと思うかもしれないけど、
実家帰ったときの親とか考えたら、
インストールするとか大変なのに、
でもチャットアプリは普及してたおかげで、
日本中の人、世界中の人が、
アップストアがGoogleプレイからアプリをインストールして、
チャットをやるってとこまではもうできる状態になってるんですよね。
その上で何がいいかなって時に観点で考えて、
チャットアプリってコミュニケーションがバンバン流れていく、
フローなコミュニケーション。
だからどうせ流れるし気楽にいろいろ話せて楽しい、便利なんですけど、
一方でコミュニケーションってフローなものだけかって言ったらそんなことないと思ってて、
ストックなものが向いてるものもあると思うんですよね。
実際、誰しもがやったことあると思うんですけど、
あの飲み会の場所ってどこだっけなって、
チャットをバーっと指で何度も何度もたどって、
以前の会話を探すみたいな。
そういうのはストックの方が本来向いてるもの。
だからコミュニケーション上ストックなものって、
ほとんど時系列でカバーできるんじゃないかなって思ったんですよね。
その観点でもカレンダーとコミュニケーションってきっといいしって思って、
そんなふうに、こういういろんな角度でこの観点から見たらどうなのかな、
この観点から見たらどうなのかなみたいなチェックしたのは覚えてますね。
っていうのと、あと僕がちょっと変わっているかなと思うのは、
学部委員時代に社会学とか現代思想とかをやってたので、
そういうところっていうのが好きで、
時間って何なのかとか、時間に関する哲学上の定義とか、
そういうものを結構読んで、
それとサービスの構造って合うのかなとか、
そういうことは結構考えましたね。
例えば、ジャックアタリっていう人が、
時間の歴史って本を書いてるんですけど、
大昔は村長とか教会みたいな権力者が、
みんなの行動を揃えるためのリズムとして、
1日に7回鐘を鳴らしたりとか、
年に1回、この日にこういうことが、
大雨が降った何々の日に翌日にお祭りやるぞとか、
みんなの行動を揃えるためだったのが、
だんだん人類全体とか町全体の時間の流れみたいな、
一個のものはなくなって、個別になっていきますよと、
その本で書いてて、
そうなると、みんなで足並み揃えるためっていうよりは、
個々人の時間の流れの速さは別々になります、
その個々人の流れが違う時間、
個々人のお互いの自由を調整するために、
時間っていうもの差しが必要になる、
みたいな感じに僕は解釈してて、
かつその時間の流れをバラバラって言っても、
どんだけバラバラかっていうと、
コミュニティの数だと思うんですよね。
会社の時間の流れと家庭の時間の流れって違う、
そういう違う時間の流れのコミュニティ、
複数を生きていると思って、
だとしたらグループ単位でカレンダー作るって、
割と理にかなうなとか、
そういうふうなことを考えて、
あのたてつけにしました、とかかな。
こういうのがサービス作るときに、
一気に考えたわけじゃないんですけど、
メンバーとディスカッションしたり、
で、カレンダーシェアアプリやってみようって思った。
記事の中では、きっかけってなったのは、
子育ての忙しさとか書いてて、
これも本当にきっかけの一つですね。
その当時僕、子ども保育園とかで、
なんか僕がお迎え当番なのに、
会議忘れて入れちゃって、
あとでちょっと夫婦喧嘩なるみたいなこととかあったりして、
そういうのやっぱ避けられるには、
お互いどう動いてるかとか知れてたら、
もっとスムーズに協力できたのになって思ったりとか。
これは現体験じゃ現体験なんですかね。
そんな強烈なってほどじゃないですけど、
なんかめちゃくちゃだからいっぱいネタありますね。
なんで時間なの、なんでカレンダーシェアなのっていうところには。
あとこの記事で書いてないんですけど、
もう一個覚えてるのは、音楽で、
リントン・クエス・ジョンソンっていうイギリスのミュージシャンかな、
7日からロンドンに移住した方で、
ダブに乗せて詩を読むっていう、
ダブ・ポエットっていうジャンルって言うんですかね。
その方がMORE TIMEって曲を書いてて、
タイムツリーとコミュニケーション
MORE TIME、リントン・クエス・ジョンソンで聴いていただくといいですけど、
シンプルな曲なんですよね。
我々にはもっと時間が必要だと。
教育のための時間、楽しみのための時間、
何々のための時間ってそのMORE TIME FOR PLEASUREとかいうのをずっと
延々と歌うんですけど、
それとかもよく聞いてましたね、
この企画するときに。
それも結局、幸せみたいなところまで考えると、
時間っていうのは足りないし、思うようには選べないしっていう、
そこを何とかする道具って、
進化が止まってんのかなとか思ったとかもありましたね。
結構この辺はね、
最初に考えて終わりじゃなくて、
8年間考え続けてるんで、
いくらでも出てくるっちゃ出てくるな。
さっき話に出したジャックアタリーが、
未来には世の中はもうずっと徹夜状態になる。
その中では細切れの休息しか取れなくなるって言ってて、
これが本当にますますその通りになってるなって感じますね。
だから本当すごいなと思う。
これを80年代に書いた。
すごいなって思うな。
ジャックアタリーがその時に、
結局そうなるとリズムが重要だって言ってたのも、
タイムツリーはそういうリズムを作る道具でもあるんですよね。
家族のリズム。
新たにこうしようって思ったというよりは、
ますますそうなってるなって思う。
Googleカレンダーとどう違うのってよく聞かれるんですよね。
いつも答えてるのは、
共有もできますよと、
マスクは全然違うんですと説明してて、
Googleカレンダーは会社用のやつとか違いますけど、
プライベートで使っていると共有するには、
パソコンのGoogleカレンダーの設定画面開いて、
そこで相手のGoogleアカウントを入力してとかってやる必要があるんですけど、
これがどれだけの、
さっきの実家の親とか言いましたけど、
どれだけの人ができるだろうと言うとほとんどの人にできないと思うんですよ。
IT業界の人は何の難しさもないと思うけど、
そこが違うっていう話はしています。
これをスマホのコミュニケーション感とかスマホのスピード感とかと合わせたら、
タイムツリーは使い始めてすぐ共有できるし、
共有したら予定の投稿とかも全部プッシュ通知で行ったり、
投稿すること自体がコミュニケーションになっていくみたいな、
こういうコミュニケーションと共有が組み込まれているっていうのと、
基本一人分だけど一回パソコンの設定画面開いて、
スマホのスピード感とかと合わせたら、
タイムツリーは使い始めてすぐ共有できるし、
基本一人分だけど一回パソコンの設定画面で
共有設定開けばできるよっていうのは全然違って、
時間間隔とかも違うと思うんですよね、使う。
この辺をよくLINEが出てきたときに、
スカイプあるから別にって言ってた人とか、
メルカリーが出たときにヤフオクあるからねって言ってた。
僕も恥ずかしながら言ってたと思うんですけど、
そういうパソコンのスピード感とスマホのスピード感、
コミュニケーションの織り込み具合とかで全然違うものになると思って、
よくその説明してましたね。
っていうのが一般的なGoogleカレンダーとタイムツリーの違いを
聞かれたときの説明で、もう一つあんまり説明したことないけど
って言ってツイートしたやつが、
Googleカレンダーって結構理性を前提にしてるような気がするんですよね。
みんな使う人が目標意識を持って合理的な判断を
いつでもやってますよっていう。
昔の経済学みたいな。
そういう状態からするとすごく便利で、
人生を毎日オーガナイズできるみたいな、
そういう道具だと思うんですけど、
僕はその前提は結構厳しいなと思ってて、
というのは自分が自堕落な人間なので、
やっぱり報酬がないと動けにくかったりとかそういうのがあるんで、
タイムツリーはコミュニケーションで楽しんで、
それ自体が報酬になっている。
僕らが登録したら相手からも登録があって、
そのことについて話してみたいな、
それ自体が準括というか報酬になっていたり、
全部自分で入力しなくても、
相手が入力してくれるものを見て、
自分が行動を決めやすくなるみたいな、
足利き本願の足利きの助けが組み込まれているとか、
そういう楽しく続けられるといったらいいのかな、
という風になっていて、
この辺は人はめんどくさがりである、
でもちょうどいい報酬が定期的にあれば続けやすいっていう、
そこは僕は根本に常に持っている感じですかね。
タイムツリーを作る過程
だからコミュニケーションサービスが好きなんですよね。
この辺はどこまで話すかあれですけど、
僕はゲームがすごい好きなのも多分影響していると思っていて、
ダークソウルっていうゲームがあるんですけど、
それは基本一人で遊ぶ難しいアクションボールプレイングなんですよね。
でもオンラインでのコミュニケーション機能っていうのがあって、
それを作った宮崎ディレクターという方が話しているのは、
オンラインでコミュニケーション機能を入れようとすると、
すぐチャットとかボイスチャットとかそういうの思いつきがちだけど、
結構コストかかると。
コミュニケーションって楽しいけど、
常にチャットとか常におしゃべりってしんどいと。
友達と飲み会の約束したけど、いざその日が来たらめんどくさくなったりとか、
誰でもあるじゃないですか。
それに近い。
だからコミュニケーションのコストはもっと下げつつ、
満足感も下がるかもしれないけど、
でも繋がっている感を出せるようなコミュニケーション設計にしたっていって、
ダークソウルだと、
伝言だけどこかいろんなとこにエリアにいろいろ残っていたりとか、
他のプレイヤーは死んだ様子のリプレイだけ残っていたりとか、
それで一人でやっている感はなくっていう、
そういうコミュニケーションのコストとかもすごい僕は考えます。
だからそのダークソウルのとかはめちゃくちゃ参考になるし、
すごい同意します。
タイムツリーも直接話すってやっぱ、
チャットって楽しいけどその分しんどいんですよね。
でもカレンダーっていう紙を返してそこに書いておく、
後で見ておくって一段コストが下がるコミュニケーションで、
そういうところもやっぱ意識はしますね。
昔息子の親、ママさん、パパさんで集まっている
小学校の情報共有のLINEグループとかがあって、
それがタイムツリーで行事予定を共有しようっていうカレンダーに
移行をしたんですけど、
その時にどなたかが言ってたのが、
結構そのLINEだと終わらない井戸端会議になっちゃうって言って、
それはそれで楽しいけどしんどいっていう、
そこもコミュニケーションのコストの話かなって思いますね。
あれ、この話でいいんだっけ。
なんか記事から脱線していろんなことを思っていることを
全部いろいろ喋ったって感じになりましたが、
タイムツリーを作るときにどんなことを考えて、
そのストーリーっていうのも後から固めていったみたいな
記事についてのいろいろでした。