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こんばんは、北詰至です。
このポッドキャストは、毎週一つの短歌を取り上げて、短歌のセカイの楽しみ方をお話ししています。
毎週金曜夜8時に配信しています。
1週間の終わりの息抜きに聴いてください。
今回は、倉笹良さんの言葉遊びのような面白い短歌をご紹介いたします。
雑談のテーマは、「仕事なんかしてる場合じゃない。」と思う時です。
ぜひこのポッドキャストを聴いて、皆さんの仕事なんかしてる場合じゃないと思う時についてもご意見を寄せください。
何度寝て何を入れても私とは 俵にならない固有の私
何度寝て何を入れても私とは 俵にならない固有の私
今回は、倉笹良さんの何度寝て何を入れても私とは 俵にならない固有の私という短歌をご紹介します。
この短歌は、倉笹良さんの神様の住所という歌集に収録されています。
この歌集がすごく面白いところは、 ただ短歌だけが載っているわけではなくて、
短歌と短歌の間にコラム風の自己解説みたいな文章が差し込まれているそうです。
私これを見つけた時すっごく嬉しかったんですけど、
私も以前から歌集の形って短歌を選んで、順番決めて並べてだけでいいのかなっていうのはすごい感じていて、
それがベーシックな歌集の形ではあって、 短歌が好きな人にはそれでも届くんだけど、
短歌に馴染みのない人って、 短歌ばっかり載ってる歌集って読まないんですよね。
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だから、なんかそれってすごくもったいないなーって思っててずっと。
だって短歌ってすごくいい文学の形なのに、 短歌好きの人しか短歌読まないんですよ。
だから母数がすっごい少ないんですよね。
短歌好きの人の世界の中だけで完結しちゃってるんで。
だけど芸術とか文学とかってもっと幅広い人に伝わるべきだし、
普段馴染みのない人でも読んだ時に、「お!」って思うものっていっぱいあると思うんですよ。
でなんかその取っ掛かりがね、 短歌しか書いてないとなかなか手に取ってもらえないから、
クラさんみたいにコラムを差し込むっていうのは、 すっごいいいアイディアだなって思いました。
で実際にクラさんもそういう意図を持って、 コラムと一緒に短歌を掲載するっていう形を取ったそうです。
私もね以前ノートで自分の作った自作の短歌を しばらく発表してた時があったんですけど、
あの、その時もね、同じような形を取ってました。
私やってたのは、あの、「家ついてっていいですか?」っていう番組ありますよね。
あの番組に出てくる人のことを思って、 毎週短歌を書いてた時期があったんですね。
で、まああの、短歌を一周作って、
でそれにちょっと短い感想みたいな、解説みたいな、 エッセイみたいな、コラムみたいな文章を書いて、
それを一つの作品としてノートに毎週掲載してたことがあったんですよ。
えっとねー、なんてタイトルだっけなぁ。
ありましたね、今もページ残ってました。
ノートであなたの短歌、私の短歌で検索していただくと読めます。
なんか私いつも思うんですけど、やっぱ短歌の見せ方って、 もっと模索していかないといけないし、
歌集がベストかって、私はそうは思ってないんで、
なんか、短歌の見せ方を模索している人を見ると、 めちゃくちゃ嬉しくなるんですよ。
で、以前から何度もご紹介している花人の鈴掛さんとかも、
そういう試みをすごくたくさんされてるし、
で、今日また倉笹さんっていう花人の方に新しく出会うことができて、
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同じような考えで、短歌の見せ方を模索されている方がいるっていうのは、
なんかね、勝手な気持ちですけど、仲間ができたみたいでめちゃくちゃ嬉しいです。
はい、で、今日ご紹介する、
この何度寝て何を入れても私とはたわしにならない固有の私。
で、すごく面白い短歌ですよね。
早口言葉みたいな、回文みたいな、言葉遊びみたいな短歌で、
あの一目見てすごく気に入りました。
で、確かにそうで、私って何度寝て起きても何を入れても、
入れるっていうのは多分、知識とかもそうだし、経験とかもそうだし、
あとは物理的にどんな食べ物や飲み物を飲んでっていうこともそうだと思うんですけど、
あとはまあセックスとかね、何を入れても、まあでもこれ女性だけか、まあ男性もあるか。
まあどういうものを自分の中に取り込んだとしても、私ってたわしにはならないんですよね。
絶対何を入れたとしても何度寝ても固有の私でしかない。
たわしにはならない。
これって言葉遊びでふざけてるようだけど、すごく深い哲学の短歌だなって思いました。
だからね歌集のタイトルも神様の住所っていうタイトルなんだと思うんですけど、
結構哲学っぽい短歌がいっぱいあって面白そうです。
私これ久しぶりに歌集買って読んでみようかなって思いました。
皆さんはいかがですか?
なんか恋愛の短歌とか、自然のことを読んだ短歌とか、自分の感情を読んだ短歌とか、いろいろありますけど、
なんかたまにはこういうちょっと哲学的な短歌っていうのも面白いなぁって思いませんか?
ぜひ、単行本も出ていますし、
kindle でも電子版でも読めますので、
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ぜひくらささらさんの神様の住所チェックしてみてください。
で、今回くらさんの短歌と出会ったのは本当に偶然で、
またいつもみたいに雑談のテーマに沿った短歌を探していたんですね。
ネットでキーワードを入れて検索してたんですけど、
くらさんのインタビュー記事がネットに掲載されていて、
インタビューで喋った内容の一部が私が検索したワードに引っかかったんですね。
本当に一部すぎて、全然私の意図とは関係ないワードを拾ってきたんですけど、
なんかそのインタビュー記事読んでたら、
歌手じゃない表現方法を模索しているところとか、
あとはあの、結社に所属されてなくて独学で短歌を作られているところとか、
すごいかっこいいなって思って、
それで今回、くらさんの短歌をご紹介することにしました。
で、私もともと何を雑談でお話ししようかとしてたかっていうと、
なんか最近ね、仕事してる場合じゃないなって思うことがすっごく多くなったんですよ。
以前から私は、ある年齢に達する前に会社員を辞めたいってずっと思ってて、
自分で何か一人でやっていきたいなって思ってたんですね。
それは私やっぱり会社みたいな組織の中にいると、人間関係ですごく疲れちゃうし、
いい人に出会うことも多いし、私結構人には恵まれてると思うんですけど、
でもやっぱりしがらみとか、なんでって思うことがすごくいっぱいあって、組織にいると。
で、一回なんでって思うと、なんでが止まらないんですよね。
え、なんでダメなの?とか、なんでこんな嫌なことするの?とか、
何のためにこれするの?とか、一個一個気になっちゃって、
なんかもうそれで疲れちゃうんですよね。
だから、会社員は向いてないなーってずっと思ってて、
で、最近こうしてポッドキャスターやったりとか、
あとは単誌書いたりとか、本も去年の12月に出版して本書いたりとか、
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なんかそういうことを多くするようになったので、
それでお金が稼げてるわけじゃないんですけど、
なんかもっとそういうのをやりたくって、
だけど日中仕事があるからなかなかできないじゃないですか。
その度に仕事なんかしてる場合じゃないってすっごい思うんですよ。
で、それが以前は年に数回あったのがちょっとずつ増えてきて、
今年特に1月中旬ぐらいになってからかな。
ほぼ毎日のように思うんですよね。
いい本見つけたからこの本読んで文章の書き方勉強したいとか、
ゲーム買ってゲームやりたいとか、そういう遊びの面もありますけど、
なんか調べたいことがたくさんあるとか、
なんか新しい本の企画を考えたいとか、
なんかいっぱいありすぎて、その度に仕事なんかしてる場合じゃないってすっごい思うんですよ。
で、今回クラさんの短歌を読んで、
なんかちょっと肩の力が抜けたというか、
何をしてても私はタワシにならないでずっと固有の私なんだなっていうのは、
すごくそういう私の混沌とした気持ちをちょっと解放してくれました。
なんか仕事ばっかりしてる私もタワシにはならずに、
私は私だし、
で、もし仕事なんかしている場合じゃないって言って、
お金のことも考えずに仕事を辞めたとしても、私は私だし、
結局何度寝ても何を入れても私は私でしかありえないんですよね。
何か例えば会社を辞めてお金の当てもなく危ない橋を渡ってみたところで、
私は私以外になったりしないから、
私が私でなくなるんじゃないかみたいな心配は少なくともしなくて良さそうだなって思いました。
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それにもしやっぱりお金のめどがつかないから、
この仕事を続けて、
ああこんなことしてる場合じゃないのになって毎日思うっていう選択をしたとしても、
それでも私って私なんだなって。
私が殺されてるとか私が死んでいくとか、そんなことは思わなくていいんだなって思いました。
なんか伝わりますかね。
なんか結構私とはとか、私の人生とはって悩むことってすごく多くて、
難しく考えちゃうんですよね。
だけどなんかこのクラさんの単価によると、
何を何度寝ても何を入れても私はたわしになんかなったりしなくて、
固有の私のままなんだっていう。
それってすごく、
私はその考え正しいと思うし、すごく勇気づけられました。
はい、いかがでしたでしょうか。
今回はクラササラさんの、
何度寝て何を入れても私とはたわしにならない固有の私をご紹介しました。
単価な世界の歩き方は毎週金曜夜8時に配信しています。
また来週金曜夜にお会いしましょう。
それでは、おやすみなさい。