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2021-01-15 20:46

短歌のセカイの歩き方 86【吉岡生夫】憎しみを育てつつある浴槽にゆふべ浮かせてゐるわれの首

*今週の雑談テーマ*
「カリギュラ」鹿を狩る回と猪を狩る回のおはなし
ハンターの資格とは?
狩猟の現場を見て考えた生命のこと


【吉岡生夫】憎しみを育てつつある浴槽にゆふべ浮かせてゐるわれの首

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こんばんは、北詰至です。
このポッドキャストは、毎週一つの短歌を取り上げて、短歌の世界の楽しみ方をお話ししています。
毎週金曜夜8時に配信しています。 1週間の終わりの息抜きに聴いてください。
今回は、時代背景を感じる悲しみの濃い短歌をご紹介いたします。
今週の雑談のテーマは、カリギュラのシカオカルカイとイノシシオカルカイのお話しです。
ハンターの死角とは、狩猟の現場を見て考えた命のことについてお話しいたします。
憎しみを育てつつある浴槽に 夕べ浮かべている我の首
憎しみを育てつつある浴槽に 夕べ浮かべている我の首
はい、今回は吉岡育夫さんの
憎しみを育てつつある浴槽に 夕べ浮かべている我の首
という短歌をご紹介します。 この短歌は吉岡育夫さんが
昭和54年に出版された第一歌集の 装飾図という歌集に収録されている短歌になります。
昭和54年なので私も生まれる前ですね。 40年くらい前の歌集になります。
この歌集自体がですね、結構吉岡さん自身の 生い立ちというか日常
青年時代の葛藤とか日々起こるいろいろなことを 綴った歌集になるんですけど
ネットでも収録されている短歌を 読むことができます。
03:02
この歌集でですね、テーマがいくつか分かれていて 今回ご紹介する
憎しみを育てつつある浴槽に 夕べ浮かべている我の首という短歌は
反旗というテーマのところに収録されている 短歌です。
反旗ってあの国旗を半分上げる 弔いの時とかに上げる国旗ですね。
反旗って言うんですけど その中に収録されている短歌になるので
この歌も弔いの歌なのかなというふうに思っています。
歌集の装飾図を読むと見えてくるんですけど
吉岡さん自身がお父さんが警察官で 殉職、職務中に亡くなられたそうなんですね。
当時って学生運動とかが盛んで
多分その頃10代だった吉岡さんの周りの友人たちも
学生運動を激盛に参加されてた頃だと思うんですよね。
その中で学生が警察とか国の権力とかと対抗しているような時代に
お父さんが警察官っていうのは周りの友達から避難される対象になるんですよね。
吉岡さん自身は父親のことを悪く思えない。
だから友達が警察の国家の犬みたいなことを言っているのに
賛同はできないんですよね。
かといって周りがみんな学生運動をしている中で
警察官であるお父さんの肩を100%持つこともできない。
そういう葛藤の中にいた。
そういう中で読んだ短歌っていうことです。
この短歌が反旗っていうタイトルなので
お父さんが遵職した時の心境を読んだ歌だと思うんですけれども
吉岡さんのどちら側にも立てない苦しみみたいなものが
すごく伝わってくる短歌だと思うんですよね。
すごくヒリヒリする歌だなって思って
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時代もあると思うんですけど
悲しみの濃度がすごく濃い悲しみだなって思いました。
歌の背景はおそらくお父さんが遵職されて
だけどさっきお話したみたいに警察側の味方にも立てない。
学生運動をしている友達側にも立てない。
そういう中途半端な自分っていうのを悔やんでるというか
自分自身を憎んでいて
その憎しみを育てつつある欲層っていう風にあるので
お風呂に入っている時とかに
どうして自分はお父さんの味方できなかったのかとかね
お父さんが亡くなったことを悔やんでいる
そういうお父さんを助けられなかったって
自分が父親を殺したようなものだって
そこまで思い詰めているようなところがあって
だから自分のことが憎くて
自分の心の中で自分の首を跳ねた
それをお風呂に浮かべている
っていうようなそういう心境を読んだ短歌なのかなというふうに思いました。
なんかね、短歌って結構その人の苦しみとか思いを表現するものが多いと思うんですけど
なんかこう
最近の現代短歌とはまた違って
この歌も現代短歌ですけど
なんかちょっと気持ちが違うというか
日々味わっている気持ちが違うんだなって思いましたね
なんか今の世代の人も
今の人なりに悩みとか苦しみとかあるし
またそういう悩みや苦しみって人によって様々なので
時代によって区切られるものではない
って分かってはいるんですけど
それでもなんかその世界の流れって
自分だけじゃどうしようもできない
世界の波みたいなものって
やっぱ時代背景がすごく出てくると思うんで
この覚醒運動があった時代っていうのは
なんかちょっと今とやっぱり違うなって思いました
09:00
なんかだからすごくヒリヒリする短歌だし
自分の中には全くない悲しみの感情っていうのかな
なんかそういうのをこの短歌を通じて
疑似体験したような気がしています
で今回ですね
なんでこの短歌をご紹介しようかと思ったかというとですね
カリグラっていうアマゾンプライムで
配信しているバラエティのお話をしたかったんですね
カリグラってご覧になったことありますか?
今田さんと東野さんがやってるバラエティなんですけど
地上波ではできないこう際どいことをやるっていうバラエティで
私ねその中で狩猟の回を見たんですよ
東野さんがハンターと一緒に山に入って
鹿とかイノシシを狩るっていう回があるんですけど
それね絶対見てほしいんですけど
それをね見て私すごいね衝撃だったんですよ
結構自分の気持ちがぐちゃぐちゃになって
なんかいろいろ考えたので
ぜひシェアしたいなと思って
それで獣繋がりでですね
なんか短歌ないかなーって探した時に
吉岡さんの歌集のタイトルが
草食獣っていう草食の獣っていうタイトルなので
今回の歌に出会いました
なんか短歌自体は獣とは関係ないんですけど
意外なところからすごく心に響く短歌に出会えたなって今回感じています
でカリギュラの話に戻りますけど
カリギュラね本当すごくて
東野さんはもちろん狩猟免許持ってないんで
実際に鉄砲で鹿を撃つとかそういうことはしてないんですけど
免許持ってるハンターさんと一緒に入って
最初鹿狩るんですね
ハンターさんが仕留めて鉄砲で
それをその場で血抜きして
血抜きした鹿を山の下の解体所まで運んで
そこで解体するっていうのをモザイクなしで放送してるんですけど
私は割と手術シーンとか解体シーンとか見てもそんなに
あんま何とも思わないので
そういうの見るのは平気なんですけど
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だから鹿を見た時は
グロテスクとかかわいそうとかそういう気持ちはそこまでなくって
やっぱハンターさんってすごく大事な仕事だし
やっぱね生態系崩れるからやっぱある程度は駆除しないと
なので鹿がね山の草食べ荒らして萩山になったりとか
そういうこともありますからね
人間の都合だけじゃなくて
なのでハンターさんやってることもひどいともそんなに思わないし
すごい世界だなと思って
ハンターかっこいいなって思って
私ちょっと今年ハンターデビューしたいなとかって思ったりもしたんですね
なんかちょっとその時は気持ちが
なんかサバゲーみたいな気持ちで見てたのかもしれないです
なんか日本で今ハンター減ってるって言うし
貢献もできるし
自分は多分そういうの私にはできませんみたいな気持ちもないから
意外と向いてるのかなとかって思ったり考えたんですけど
その後にイノシシ狩りの回っていうのがあって
イノシシ狩りは鉄砲じゃなくて
池取りするんですよ罠で
ワイヤーを足に引っ掛けて池取りして
それを生きたまま解体所まで持って
解体所で仕留めるんですね
それは鉄砲使わないんで東野さんが自分の手で仕留めたんですけど
どうやって仕留めるかっていうと
先端の尖った細い槍手ですね
イノシシの心臓をひとつきにするんですよ
で、うまくついてすぐ抜いてあげると
痛みがブロックされるらしくて
一瞬の痛みだけで後は痛みを感じさせずに
そのまま出血多量でちょっとずつ死んでいくっていうことらしいんですけど
なんかそれを見た時にね
やっぱ私ちょっとハンター無理かもって心変わりしたんですね
で、それが何でかっていうと
やっぱあの銃だと遠くから撃つし
あとなんか私はカリキュラ見てる時に
東野さんに結構自分を投影して見てるんで
鹿狩りの時は東野さん手を下してないわけなんですよね
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なんですけどイノシシの時は東野さんが自分で槍を持って
自分で心臓をついたんですよ
で、その時に
なんかそのイノシシの感触みたいのが見てるこっちにも伝わってきて
なんかねその
ためらう気持ち
東野さんは結局そんなにためらわずに
自分の仕事だと思って
すごい勇気を持って仕留めたんですけど
なんかじゃあこのなんかためらいの気持ち
私は克服できるかなって考えたら
すっごいハードル高かったんですよね
だからなんか本当になんだろう
やっぱそこを克服できない人はハンターなるべきじゃないと思うし
なんかその動物に対するその気持ち
次第でなんかこう
ハンターになる資格があるかどうかって
分かれるかなってすごい思いました
で乗り越えられたら
やってみたい挑戦してみたいっていう気持ちはあるんですけど
今まだちょっとそういうそこまでの覚悟っていうのはないですね
だからなんか仕留め方によって結構気持ち変わるなってすごく思いました
で最後番組では
お肉をねさばいておいしくいただいてたんですけど
なんかやっぱ私カリギュラを見て思ったのは
普段スーパーで買ってるお肉も
命をいただいてるんだなって改めて思ったのと
あとはやっぱりその命をいただいて自分が今生きてるので
自分のこともすごい大切にしないといけないなって思いました
なんかその
そうですね
なんかせっかくその犠牲になった命って
私の命がつながってるのに
自分が自分のことを粗末にしたら
その私が生きるために犠牲になった命も粗末にしてるっていうことになるので
なんか本当に自分のことを大事にしなきゃって思いましたね
なんかそのすべての命
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動物の命とか周りの人の命を大切にするってのはもちろんそうなんですけど
自分自身も
あの
いただいた命があるんで
すごい大切にしないといけないなって思いました
だからあんまりなんだろう
ジャンクなものばっかり食べて
体を壊さないようにしないとなとか
また働きすぎて
体調崩さないようにしないとなとか
あとこの犠牲になった命の上に成り立ってる自分の命で
何ができるんだろうみたいな
なんかそういうのもちょっと感があるようになったりして
本当にこのいろんな生き物にいただいた命で
自分がするべきことって
今会社員と一緒で働いてますけど
本当にこの貢献の仕方でいいんだろうかとか
なんか
どういうことを私はしていけばいいのかなって
なんかすごい考えたりしました
なんかこういうのって
よく自己啓発とかだと
言われることだと思うんですけど
あんまり自分の身になって
自分事として考えることって難しいと思うんですよね
だからなんかあんまそういうのしっくりこないし
なんか考えもしてないなみたいな
なんかなんとなくモヤモヤしている方とかいたら
ぜひあのカリグラのね
狩猟の回を見てみてほしいなと思います
はいいかがでしたでしょうか
今回は吉岡育夫さんの
憎しみを育てつつある浴槽に
夕べ浮かせている我の首をご紹介しました
なんかの世界の歩き方は毎週金曜夜8時に配信しています
また来週金曜夜にお会いしましょう
それではおやすみなさい
20:46

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