1. 短歌のセカイの歩き方
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今回は、社会に馴染めない人ほど生きる希望がわいてくる短歌の本、穂村弘さんの「はじめての短歌」に掲載されている短歌をご紹介します。【田中有芽子】私は日本狼アレルギーかもしれないがもうわからない
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こんばんは、北詰若菜です。 このポッドキャストは好きな歌人の方の短歌や
自分で作った短歌について、勝手にあれこれ想像しながらおしゃべりしています。
裏テーマは、金曜夜の添い寝ラジオです。 リラックスして聴いてくださいね。
今回は、社会に馴染めない人ほど生きる希望が湧いてくる短歌の本、
本村ひろしさんの初めての短歌に掲載されている短歌をご紹介します。
私は、日本狼アレルギーかもしれないが、
もうわからない。 私は、
日本狼アレルギーかもしれないが、 もうわからない。
はい。 今回は先週ご紹介した
本村ひろしさんの初めての短歌という本に掲載されている短歌をご紹介します。
田中梅子さんの作品です。 本当は前回、
初めての短歌っていう本と一緒にご紹介しようと思ったんですけど、 私が前半の旅行の話をしちゃって、
しかも初めての短歌っていう本がめちゃくちゃいい本なんですね。 この本めちゃくちゃいいんですよっていうのを何回も言ってたら、
なんか16分17分ぐらいずっと喋っちゃってて、 長くなってしまったので、
田中梅子さんの短歌をご紹介する時間がなくなってしまって、 それでちょっと
分けました。
先週、 来週紹介しますって言って、
にしたので、 今週紹介します。
で、
もともとこれをなんで紹介しようかと思ったかっていうと、 あの先週ご紹介した初めての短歌っていう方が、
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なんか本当にいい本で、
何がいいかというと、社会と、 社会の通念と、
短歌でいい短歌ってされている世界って、 ズレてるんですよっていう話をしたんですね。
で、社会で価値があると思われているものが、 実は短歌の世界では、
価値がなくて、価値がないっていうか、 社会の価値観を短歌の世界に持ち込むと、途端に短歌がつまんなくなっちゃって、
社会の中で、え、それってどうなの?
って思うようなものを短歌の世界の中に入れてあげると、 短歌ってすごく良くなるんですよっていうお話をしました。
もしご興味あったら、 ぜひ先週の
小村ひろしさんの初めての短歌を ご紹介している回を聞いてみてください。
で、そのことがすごくわかりやすく、 印象的に紹介されている短歌が、
あの、今回ご紹介する田中梅子さんの短歌です。
この歌ってすごく、なんか不思議な歌ですよね。 なんか、あの、
これを、社会の中でね、こんなことを言ったら、 ん?
なんだろう、なんかからかってるの?って 思うような言葉なんですよね。
で、小村ひろしさんは初めての短歌の中で、この歌について、
これがね、もし猫、日本狼アレルギーじゃなくて、 猫アレルギーだったら、すごく普通の社会的な会話ですよね、っていう
あの、お話をされているんですね。 で、
例えばね、その小村さんがご紹介していた話は、
例えば会社でね、
この歌の女性が、 例えば会社の上司とかにね、
もし猫アレルギーだったら、 部長、私ね、実は猫アレルギーなんですよ。
って言ったとして、猫アレルギーかもしれないんですよ。 って、でもわからないんですよ。
って話をしたら、それってとっても普通のお雑談ですよね。 そしたら、はぁ、そうなんだ、猫アレルギー大変だね、みたいな話になって、
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小村さん的にはもしかすると、部長が、 いやー、そうかね、私の奥さんも猫アレルギーでさ、とかって、
言うかもしれないって、本の中で書かれてて、 それってすごくありそうなシチュエーションですよね。
私、猫アレルギーなんですよ。 へー、そうなんだ。って、なんかすごく日常の会話じゃないですか。
そういう職場で、職場って別に仕事の話だけずっとしてるわけじゃなくて、 やっぱりあの、社会の中の一つの集団なので、
普通にこう雑談みたいなコミュニケーションも取ったりしますよね。 人間関係を円滑にするというか、
そういうお話も大事だったりしますよね。 で、猫アレルギーって言うと、そういうとっても社会的な会話ができるんですね。
だけど、単価の世界で、私は猫アレルギーかもしれないが、もうわからない。
っていうのは、魅力がないんですよ。 それって何?っていう感じなんですよ、単価の世界では。
だけど、単価の世界で私は日本オオカミアレルギーかもしれないが、もうわからないって言うと、
すごくなんか、心がザワザワする。 日本オオカミっていうのは、もう絶滅しちゃっていないんですよね。
これね、日本オオカミにまつわるすごく素敵な話があるんで、この話は後にしよう。 もし、この話が
部下と部長の話だったら、っていう話を先にします。
これがさっきの猫アレルギーの話みたいに会社のつたんで、部長ね、私日本オオカミアレルギーかもしれないんですけど、
でももうわからないんですよ。 って
話したら、どう思いますか?
ちょっとこの人トリッキーな人だなぁって言って、 え?ってなりません?
なんだこいつ? それがしかも部下がそんなことをね、
言ってきたら、なんだこいつ、大丈夫かな?みたいな。 今お願いしてる仕事、この人ちゃんとやってくれるのかな?とか。
なんか、心に闇があるんじゃないか?みたいな。 急に社会の中でうまくいかなくなるんですよ。
何言っちゃってんのこの人、大丈夫なのかな? っていう感じが急に不穏な空気なんですね。
日本オオカミアレルギーかもしれない。
そこが社会の価値観と単価の価値観っていうのはずれてますよっていうことで、 社会の中で、ん?って思われることも単価の中ではとても良いざわめき、
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ざわめきあるんだけど、とっても良いざわめきとして、 単価としてとても良くなるっていうお話が、
初めての単価という本の中に書かれています。
そう、そうなんですよ。 なんか伝わりましたかね?
そういう、そういう価値観のずれを許容してくれるっていうのが、
単価の世界の良いところ。 で、私はそれがとても好きです。
まあ単価の世界で日本オオカミアレルギーって言うと、 とてもなんかこうザワザワするじゃないですか。いい意味でね。
日本オオカミってもう絶滅しちゃってて、 だからもし私が日本オオカミアレルギーだとしても、
もう絶滅してるから接触することはなくて、 わからないんですよね。
日本オオカミと接した時にアレルギーが発症するかどうかっていうのは。 だから本当にこれは、
もう単価の通りで、かもしれないけど、 もういないからもうわからない。
で、これなんかすごく不思議な感じがするんですよね。 だからなんだって言われればそうなんですけど、
なんかすごくその、いないものに対する気持ちの持ってき方が、なんかすごくて。
アレルギーかもしれないけど、もうわからないって言葉にしていることで、 ああもう日本オオカミはいないんだっていう絶望感とか悲しみなのかな。
あ、アレルギーかどうかも確かめることができないんだ。 だってもう、
遭遇することはないんだから。 触れることはないんだから。
毛を吸い込んじゃうこともない。 なんかそういう日本オオカミがいないっていうことに対する
ディテールがすごく膨らむんですよね。 アレルギーかもしれないって。
アレルギーって確認するっていうことは、近くに行く。 例えば同じ部屋で過ごす。
オオカミの背中とかお腹を撫でてみる。 例えばオオカミが家のソファーで寝てて、
その寝た後のソファーで自分が寝るとか、 そういうことでアレルギーって発症しますよね。
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だけど、もういないんだから、どんなシチュエーションだって、 叶うことはないんだっていう、
ディテールの細かい虚無感みたいな悲しさっていうのが、
この単価には込められているのかなっていうふうに思います。
そういう、社会的にこんなことを言うと、 おかしなやつって思われることも、単価っていう世界に置くと、
とってもそういう、なんだろう、 感覚が豊かになるっていうか、世界が広がる。
ウォクソからいろんな感情をもたらすっていうのが、
すごいなぁというふうに思います。
はい。
で、 しかもこれ田中梅子さんのね、これあの、この単価のタイトルで、
あの、歌集が出たんですよ。 しかもね、すごく最近なんですよ、今年。
今年の6月に、 あの、
私は日本狼アレルギーかもしれないが、 もうわからないっていう、ペーパーバッグの歌集が出ていて、
なんかで表紙も可愛いんですよね。 なんかゆで卵みたいのが書いてある表紙で。
面白そうですよ、とっても。 読んでみたいなぁと思うんですけど、私、読んでみたいなぁと思った単価をね、
なんかね、歌集をね、なんか、このポッドキャストでもね、 あの、ちょっと気になるから買いますとかって言ったやつをですね、
全然買ってなくて、実は。 買ってないじゃないか、みたいなね。
どこ行っちゃったんでしょうね。 しかもリストにも載せてない。
ないからなんか、 何だっけ?みたいな感じなんですけど。
はい、なんか全然読めてないんで、これもいつになることやらなんですけど。
でもなんか気になりますよね。 こういう素敵な歌をつける人の歌集、どんなのかなっていうの。
Kindleとかでやってくればいいんですけどね。 紙の本なぁ、私あの、すぐ売っちゃうんで。
なんかね、なんか、でも歌集多分売れないんだよなぁ。 福岡持ってったら、なんかこちら0円になりますとか言われて、
お持ち帰りになりますか?それともこちらで処分いたしますか?とか言って、 自分が気に入った歌集をそんな工夫に言われるのも嫌じゃないですか。
私一回なんかすごい大事にしてるって、DVD売りに行って50円ですとか言われて、
ふざけんな、もう持って帰るよって持って帰ったことあるんですよね。 なんか、自分がいいと思うもの、まぁそもそも売るなよって
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話なんですけど、歌ときにね、価値ないみたいに思われたらとっても悲しいんで、
なんかそんなことまで考えると買えないんですよ、紙の本。 そんな話はいった。
で、あの、石川のさっき話を長談してまで、あの、言いたかった、急に思い出した、
日本狼にまつわる話があるんですけど、 なんかね、あの、
私が昔やってたお仕事で、
あった取引先の、あの、すごいね、ダンディーなおじさまがいたんですよ。
ほんとね、もう、ミスターダンディーみたいな、ロマンスグレーで、
若い頃はさぞイケメンでいらっしゃったんだろうな、みたいな感じで、
なんかね、社交ダンスとかしたらとっても素敵なんじゃないかなって思うような、
あの、ほんと、あの、太って、太ってたりガリガリとかそういうこともなく、すごく背筋の伸びたね、
あの、スタイルのいい、あの、柔和な笑顔のね、おじさまがいたんですよ。
で、たぶん60ぐらいだったのかな、その時、なんかもう引退しようかなとかっていう感じの方で、
話し方もとっても穏やかなんですよね。
で、その方が結局私がその仕事をしている間に、
えっとね、もう会社を畳んじゃったのかな、確か。娘さんに譲るって言ったかな。
いや、最終的には畳んだんだと思うんですよね、確かね。
その自分の会社を、ね、畳むってなってね、
で、第二の人生にね、したいことがあるって言うんですよ、畳んで。
で、その方は自然とかがすごく好きで、
その会社を経営されてた時も、
あ、その方経営者だったんですよ。
経営された時も、あの、なんか森の開設員みたいなのをボランティアでやったりしてたんですね。
子供とか、あの、おばさまたちにね、
あの、自然公園を案内するガイドさんみたいなのとかもやったりされてたんですけど、
なんか、それと別に、
日本狼を追いかけてたんですよ、その人。
日本狼を追いかけてたんですよ。
で、日本狼って絶滅してるじゃないですか。
絶滅してるって言われてますよね。
だってもう誰も見つけられてないから。
でも、それは誰も見つけられてないっていうだけで、
もしかしたらいるかもわかんないんですよね。
それが、ロマンなんですよ。
その人にとって。
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で、私は日本狼を追いかけてるんですっていう話をして、
えっと、されて、その商談の席とかで。
でね、あの、実際に地方のね、山奥とかにも探しに行ったりするんですって。
目撃情報みたいなのがあって、やっぱり同じようにロマンを持って探してる方っていて、
で、そういう方とね、情報のやりとりとかをしてて、
あの、九州のどことこの山に日本狼みたいなのがいるっていう情報があるって聞いたら、
行って、その情報をもとの人に話を聞いて、
実際に山に入って探したりとか、
なんかそういうことをしてて。
なんでその人、日本狼好きって言ってたんだっけなぁ。
なんか写真を見たって言ってたのかなぁ。
なんかそんなんで、すごく日本狼の美しさに惹かれて、
で、その人もね、半分ぐらいはいないかもしれないと思ってるんですよ。
やっぱり目撃情報を聞いて探しに行くんですけど、やっぱり違うんですって。
あの、それっぽい犬とかね、なんかそんな感じなんですって。
で、だから、ご本人も、まあ半分ぐらいかなっていう感じなんですけど、
だけどなんかね、その日本狼の話ししてる時のその方の顔っていうのは、
なんか本当に輝いてて、
えー、畳もうかなぁ、どうしようかなぁ、悩んでるんですよみたいな感じの時、
からね、ご一緒してたんですけど、
なんかやっぱその、辞めるって決めた後の、
狼とか探しに行っちゃいますよとかって言ってた表情っていうのは、
なんかすごく素敵だったんですよね。
なんかね、日本狼はね、なんかちょっと羨ましいですよね。
そういうふうに、そんな素敵なダンディのおじさまにね、
お前を探しに行くぜ、みたいな感じでね、キラキラして追い求められるってね、
とっても、なんか、えー、日本狼、さすがっすね、みたいななんか、そんな感じで。
なんかその話、もうね、10年ぐらい前の話なので、
だから、引退されてからね、どうしてるか全然わかんないんですけど、
まぁ、お元気にされてればいいなぁと思いますよね。
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はい、というわけで、いかがでしたでしょうか。
今回は田中梅子さんの、
私は日本狼アレルギーかもしれないが、もうわからない、をご紹介しました。
なんかでおしゃべりは、毎週金曜夜8時に配信しています。
また来週金曜夜にお会いしましょう。
それではおやすみなさい。
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