インタビュー文字起こしを元に作成した音声概要
サマリー
最終版のSBCastエピソードでは、青森県八戸市の風笑堂に関するインタビューを通じて、コロナ禍を経た今のコミュニティスペースの重要性が語られています。運営者の風間一恵さんは、何もしなくてもよい居場所の価値や、人と人をつなげる仕組みについて詳しく話しています。風笑堂の活動は、地域社会における孤立感を克服し、人々が心地よく過ごせる場を提供することを目指しています。また、相互支援の精神や自立の力を育むことの重要性も強調されています。
風笑堂の成り立ち
- こんにちは。さて、今回はですね、青森県八戸市にある風笑う堂っていう、ちょっとユニークな場所についてのインタビュー記録を、あなたと一緒に読み解いていきたいなと思うんです。
運営者の風間一恵さんという方が語る、その成り立ちとか思いが詰まった資料ですね。
これ一見すると、古民家を改装した地域のコミュニティスペースっていう話なんですけど、でもその背景を深掘りしていくと、何というか、現代の僕たちがどうやってつながりをつくっていくかという大きなテーマが見えてくるんですよね。
- ああ、なるほど。オンラインの関係性をどうリアルな温かみに変えていくかみたいな。
- そうなんです。非常に示唆に富んだ内容だと思います。
- まさに。そこで、今回の探求のミッションは、こう設定しましょう。コロナ禍っていう特殊な状況から生まれたオンラインの集まりが、どうやって地域の人々にとって、なくてはならない本物の居場所へと姿を変えていったのか。その秘密を解き明かしていきたいと思います。
- はい、ぜひ。面白そうですね。
- ではまず、この風笑う堂が一体どんな場所なのか、その滝登りから見ていきましょうか。
資料によると、地区60年の古民家を改装した名所で、基本は子ワーキングスペース。でもそれだけじゃないんですよね。
イベントで貸し切られたり、赤ちゃんとママの居場所なんていう企画があったり、クリエイター向けの勉強会が開かれたり、かと思えば、暮らしを良くする生活術講座まである。
- 本当に足したようですね。仕事する人もいれば、子育て中の人も何かを学びたい人もいる。目的が全然違う。
- そうなんですよ。さらに面白いのが、風笑う図書室っていう施設図書館もやってるんです。
地域の人たちがこの本面白いよって持ってきた本が並んでて、それがまた会話のきっかけになると。
一つの建物の中にこれだけ違う目的の人たちが混在してるって、普通に考えたら少し不思議な光景じゃないですか。
- ええ。
- でも実はそのごちゃごちゃ感、一見するとまとまりのない感じこそが、現代のコミュニティが持つべき強みなんです。
- 強みですか?
- ええ。専門的には緩やかなハブなんて言ったりもしますが、要はガチガチに目的を一つに絞らないことで、なんていうか、予期せぬ出会いとか価格反応が生まれる土壌になる。
- ああ、なるほど。
- 仕事の相談をしに来た人が、たまたま隣で赤ちゃんを愛愛しているお母さんから、新しいビジネスのヒントをもらうなんてことが起こり得るわけです。
- なるほど、まとまりのなさが価値になる、と。確かに目的が同じ人だけの集まりだと、生まれるアイディアも似てきちゃいますもんね。
- ええ。
- では、そんな面白い場所が、そもそもどうあって生まれたんでしょうか。インタビューを読むと、話は2020年のコロナ禍にまで遡るんですね。
- ええ。始まりは、風を洗うラボっていうオンラインコミュニティだった。ここが重要な出発点です。
- 人と会えなくなって、地域の楽しいことも全部中止になってしまった。そんな中で、それでも繋がり続けたいっていう思いから始まったそうですね。
- はい。ズームの使い方がわからないとか、新しいスキルを身につけたい、そんな人たちのための相談窓口みたいな場として機能していたと。
- つまり、単なる雑談の場じゃなくて、困り事を解決するっていう明確な目的があった。これがポイントだと思うんですよね。
- なるほど。オンラインのコミュニティって、目的が曖昧だとすぐに求進力を失いがちですけど、ここでは助け合いっていう具体的な活動を通じて、メンバー間の信頼関係がじっくり育まれていったと考えられますね。
- その信頼関係という土台があったからこそなんですね。コロナが少し落ち着いて、そろそろリアルで会いたいねって話になった時、偶然にも今のコミンカと出会ったと。
- ええ。
- もとは地主さんのお宅でずっと空き家だったこの場所が、オンラインで生まれなまえたコミュニティの受け皿になったわけですね。
- この流れ本当に見事だと思います。もしいきなり、さあコミュニティスペースを作りますから集まってくださいって言っても、人はなかなか集まらないですよ。
- 確かにそうですね。
- でも風原堂の場合は、オンラインで顔見知りになって互いに助け合った経験っていう共通の物語がすでにある。だから物理的な場所ができた時、みんなが私たちの場所ができたって自然に感じられた。これはこれからのコミュニティ作りの一つの理想的なモデルケースかもしれない。
居場所の哲学
- オンラインでの関係性がギアルの場所への招待状になったような感じですね。
- ええ、まさに。
- でもそうなってくると次に気になるのが、その場所が誰のために開かれているのかっていう点なんです。
- ああ、そこですね。
- インタビューを読むと、当初は起業したい人を応援する場所みたいに誤解されることもあったみたいで。
- ああ、コワーキングスペースというとそういうイメージが先行しがちですよね。意識の高い人たちが集まってみたいな。
- そうなんです。でも運営者の風間さんの思いはちょっと違った。彼女は起業だけが全てじゃない。自分に合う働き方を人に言われたからじゃなく、自分で選んでいくのが大切って語ってるんです。
- ほう。
- で、ここが僕一番心をつかまれた部分なんですけど、一生懸命進むだけでなく、ちょっと疲れたなと思った時に来てほしいと。
- なるほど。
- ただ来て疲れたなと思ってソファーに座っていく人とかもいるんですって言うんですよ。これすごくないですか?
- いやあ、それはすごいですね。
- 何かを生み出さなくても、成果を出さなくても、ただ疲れたから休みに来たが許される。これこそ冒頭のミッションで掲げた不可欠な居場所の革新に迫る部分な気がするんです。
- まさにその通りです。社会学の言葉を借りるなら、それは完璧なサードプレースの実践例ですよ。
- ああ、わかります。
- 空報道が提供している最大の価値は、もしかしたら何もしなくてもここにいていいというこの絶対的な安心感なのかもしれないですね。
人をつなぐ仕掛け
- わかります。僕も締め切り前なんかはよくカフェに逃げ込みますけど、あれって仕事をしに行っているようで、実は家とか職場のプレッシャーから逃れて、誰にも干渉されずにただコーヒーを飲むあの時間に救われてるんですよね。
- ええ、その感覚に近いと思います。その目的のない時間を許容する空間があるかどうかは、地域の豊かさを測る一つのバロメーターになるとさえ思いますね。
- では、そんな暖かい空気の中で具体的にどうやって人と人をつないでいるんでしょう。面白い仕掛けが紹介されていました。ご挨拶の壁というものです。
- ご挨拶の壁ですか。名前が素敵ですね。
- すごくシンプルで、壁に自分の名刺を貼るだけなんです。
- へえ。
- へえ。
- でも、これがあることで、「へえ、この街にこんな仕事をしている人がいるんだ。」って、地域の才能が可視化される。これ、もしあなたの職場にあったら、自分の名刺、ためらわずに貼れます?僕はちょっとドキドキしちゃうかも。
- 確かに、少し勇気がいるかもしれないですね。でも、そこがポイントで、ただ壁があるだけじゃ多分機能しないんですよ。
- というと?
- インタビューを読むと、運営者の人たちが積極的にハブになっている。コワーキング中に雑談が始まったら、近くにいる別の人を、「○○さんもこの話、興味あるんじゃない?」って自然に巻き込んだり。
- ああ、なるほど。
- この前来てた、「○○さんと気が合いそうだから、今度紹介するね。」って声をかけたりしてるんです。
- 人のおせっかいが開催するから、壁がただの掲示板じゃなくて、生きたコミュニケーションツールになるわけですね。
- そういうことですね。カザマさんも仕事するだけの場所じゃないからこそ、こういうおせっかいが許されるんでしょうね。
- なるほど。
- これは、意図的に偶然の出会い、セレンディピティをデザインしていると言えますね。特にフリーランスで働いていると、どうしても人との繋がりが希薄になりがちですから。
- はい。
- そんな時に、こういう緩やかな繋がりの機会を提供してくれる場所は本当に貴重ですよ。高度なマッチングアプリなんかより、よっぽど温かくて効果的なんじゃないでしょうか。
- 計算されたおせっかいですか。上手い表現ですね。ただ、もちろん、そんな風労働にも課題はあるようです。
- ほう。
- インタビューでは大きく二つ挙げられていました。一つは、周知の課題。つまり、届けることの難しさですね。
- これは、どんなコミュニティにも共通する永遠の課題ですね。
- この場所を本当に必要としている人に情報が届けきれていないという悩みがあるそうです。SNSで発信するだけでは限界があると。
- うーん。
- 特に胸に迫ったのが、ゼロ歳の赤ちゃんとママのための居場所、ママ庭の例です。
地域における居場所の重要性
初めての育児で社会から孤立しがちな時期だからこそ、本当に苦しくなってしまう前にこの場所の存在を知ってもらえたらという切実な思いが語られていました。
- うーん。それは切実ですね。一番情報を届けたいそうほど、紳士にともに疲弊していて、自ら情報を取りに行くエネルギーが残っていないというジレンマがある。これは社会全体の課題でもあります。
- 本当にそうですね。そしてもう一つの課題が、もっと物理的な建物の課題。
- 建物ですか?
- ええ。築60年の古民家なので、断熱剤がなくて冬は寒かったり、大雨で雨漏りしたり、維持管理がとにかく大変だと。
- ああ、なるほど。
- でもその一方で、広いお座敷でゴロゴロしながら仕事ができるのが最高なんですとも語っていて、この場所への深い愛情が感じられました。
- 不便さも含めてその場所を愛しているということですね。今後の展望として、無理せずあり続けることを大事にしているというのも印象的です。月1回の開催を支出するという言葉にその覚悟が現れています。
- はい。花々しく拡大するんじゃなくて、細くても長くあり続けること自体が価値なんだと。
- 先ほどの周知の課題に戻ると、結局本当に必要としている人に届ける最強の手段は、信頼できる人からの口コミなんですよね。
- 口コミ。
- SNSで不特定多数に発信するのも大事ですけど、それ以上にママ庭に来て救われたお母さんが、同じように悩んでいる友人に、あそこすごくいいよ、一緒に行ってみない?と声をかける。この信頼の連鎖をどう作っていくかが持続可能性の鍵になるでしょうね。
自立の力を育む活動
- 信頼の連鎖。さて、話も核心に近づいてきました。このふうわら堂の活動の根底にはどんな哲学があるのか。インタビューの最後にそのキーワードが語られていました。それが、おかげさま。
- おかげさまですか?
- はい。一人ではできないこともみんなの力を借り合いながらやっているという相互浮上の精神が全ての活動のベースにあると。
- へえ。
- そして、そもそもこの活動を始めた原点には、自分たちが年を重ねてもこの旗と手という地域で楽しく生きているだろうか、というすごく本質的な問いがあったそうなんです。
- 自分たちの未来へのある種の危機感から始まっているわけですね。
- ええ。そして、その問いへの答えとして彼女たちが見出したのが三つの力でした。これが今回の話の結論とも言えるかもしれません。
- はい。
- 一つ、自立する力。誰かに依存しすぎないこと。
- 二つ目、100円でも自分で稼ぐ力。
- そして三つ目が仲間を作る力。
- その三つは本当に確信をついていますね。特に私が唸ったのは、100円でも自分で稼ぐ力。
- ああ、そこですか?
- ええ。これは単なる金額の代償が問題じゃない。自分のスキルとかアイデアで、たとえ奨学でも価値を生み出して大化を得られるという経験、その成功体験が自己肯定感につながって、それが結果的に自立する力とか仲間を作る力の土台になっていく、そういうメッセージが込められているように感じます。
- ああ、なるほど。稼ぐという行為が社会とのつながりとか自信を取り戻すきっかけになる、と?そう考えると、カゼラ堂で行われている様々な活動は、この三つの力をみんなで実践しながら身につけていくための道場みたいな場所なのかもしれないですね。
- まさに、これは単なる地域活性化の話ではないんです。血縁とか知縁といった、かつて当たり前だったセーフティーネットが由来でいる現代で、僕たちがどうやって新しい縁を育み、しなやかに生きていくか、そのための、なんというか、社会的インフラとしての役割をカゼラ堂のような場所が担い始めている。
- 社会的インフラ。
- そう捉えると、この小さな小民家での活動が、ものすごく大きな意味を持って見えてきませんか?
- 確かにそうかもしれません。さて、ここまで深く掘り下げてきました。コロナ禍のオンラインコミュニティから始まり、多様な人々が通うリアルな居場所へと進化したカゼラ堂。
- ええ。
- そこには、疲れた時にただ休むことを許してくれる優しさがあり、ご挨拶の壁のような意図された偶然を生む仕掛けがあり、そして根底には、おかげさまの気持ちと仲間を作る力を育てようという哲学がありました。
- ええ、見事な要約ですね。
- 単なる素敵なスペースの紹介というだけではなくて、これからの時代を私たちが豊かに生きていくためのヒントが本当にたくさん詰まっている。それがこのインタビュー記録から伝わってくる一番のメッセージでした。
- 全く同感です。そこで最後に、この話を聞いてくださっているあなたに一つ問いを投げかけてこの短期を終わりにしたいと思います。
- はい。
- 風原堂の活動は、自分たちが歳を重ねても楽しく生きるにはどうすればよいか、という問いから始まりました。もしあなたが、ご自身の10年後、20年後のために、あの仲間を作る力を今から育んでいくとしたら、日々の生活の中でどんな小さな一歩を踏み出せるでしょうか。
そして、あなたの周りを見渡したとき、風原堂のように何か特別な目的がなくてもふらっと立ち寄れる、そんな緩やかな居場所は果たして存在するでしょうか。
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