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コワーキングスペース・コミュニティスペースの今とこれから:コワーキングスペースの経営課題と収益化への指針(家で完璧に仕事をこなせる人があえてコワーキングスペースに足を運ぶ理由)
2026-09-19 19:41

コワーキングスペース・コミュニティスペースの今とこれから:コワーキングスペースの経営課題と収益化への指針(家で完璧に仕事をこなせる人があえてコワーキングスペースに足を運ぶ理由)

コワーキングスペース利用の動機:在宅ワーク環境が整っている層があえて足を運ぶ理由

エグゼクティブ・サマリー

現代の働き方において、在宅勤務(リモートワーク)は標準的な選択肢となりました。しかし、自宅に完璧な仕事環境を備えている専門職やフリーランス、企業従業員が、あえて費用を払ってコワーキングスペースを利用するという「逆説的」な動機が鮮明になっています。

本ドキュメントでは、提供された市場データおよび業界分析に基づき、利用者が「自宅のキッチンのテーブル」ではなくコワーキングスペースを選ぶ核心的な理由を詳述します。主な要因は、単なる「作業場所の確保」を超えた、コミュニティへの所属感、生産性の追求、専門的なテクノロジーへのアクセス、そしてワークライフ・インテグレーション(仕事と生活の融合)の質的向上に集約されます。

主要なテーマと分析

1. 「コミュニティ」という付加価値:孤独の解消とネットワーキング

コワーキング業界において「コミュニティ」は単なるバズワードではなく、利用者が対価を払う主要な動機となっています。

  • 偶発的なつながり: 多くの利用者は、週に一度のハッピーアワーや、キッチンスペースでの「ウォータークーラー・チャット(雑談)」など、自然な交流の機会を求めています。
  • プロフェッショナルなマッチング: 運営側が「マッチメイカー」として機能し、同じ興味や職業を持つメンバー同士を繋げることで、自宅では得られないビジネスチャンスや知見の共有が生まれます。
  • デジタル・ディレクトリの活用: メンバー名簿を通じて他のプロフェッショナルにダイレクトメッセージを送れる機能など、コミュニティ構築を支援するデジタルツールも魅力の一つです。

2. 「キッチンのテーブル」との決別:生産性とメンタルセットの切り替え

レポートによると、コワーキングスペースの最大の競合は「自宅のキッチンのテーブル」です。しかし、家で仕事ができる人があえて外に出るのには明確な生産性上の理由があります。

  • 注意散漫の排除: 自宅には家事や家族などの誘惑が多い一方、コワーキングスペースは「仕事をするための場所」として設計されており、利用者の29%が共有スペースの利用により生産性が向上したと報告しています。
  • 「サードプレイス」としての機能: 自宅でもオフィスでもない「第三の場所」を持つことで、仕事とプライベートの境界線を明確にし、メンタルヘルスを維持する効果があります。
  • 専門的な集中ゾーン: 共有デスクだけでなく、集中力を高めるための「フォーカス・ポッド」や静かなエリアへのアクセスが、在宅環境にはない価値を提供します。

3. 高度なテクノロジーとインフラへのアクセス

最新のコワーキングスペースは、個人の自宅では維持が困難な高度な技術インフラを提供しています。

  • スマートオフィス機能: IoTを活用したデスク管理、AIによる会議室予約システム、生体認証によるアクセス制御など、シームレスな体験が提供されています。
  • 専門機材の提供: ポッドキャスト用スタジオ、VRコラボレーションエリア、高スペックのビデオ会議スイートなど、特定の業務に必要な高額機材を利用できる点が、特定のクリエイティブ職種などを引き寄せています。
  • サイバーセキュリティ: 企業が従業員にコワーキング利用を許可する際、高度なセキュリティを備えた専用のVLANや企業ネットワークとの統合機能が、自宅のWi-Fiよりも信頼される要因となっています。

4. ライフスタイルとウェルネスの統合

2025年から2026年にかけてのトレンドとして、仕事の合間に健康や生活の質を向上させる付加サービスが重要視されています。

  • ウェルネス施設: フィットネスセンター、瞑想ゾーン、昼寝用ルームなどを備えたスペースが増えており、効率的にリフレッシュできる環境が整っています。
  • ホスピタリティ: カフェ、リテールスペース、さらには託児所を備えた施設も登場しており、「仕事に行く」ことが「質の高い生活体験」の一部となっています。
  • ニッチな特化型スペース: 女性専用スタジオや特定の業界(ウェルネス、テック、クリエイティブなど)に特化したコミュニティが、より深い所属感を提供しています。

業界の重要な引用

「コワーキングスペースの競合は、人々のキッチンのテーブルです。……(自宅ではなくスペースを借りる理由を理解してもらうための)教育が最大の課題の一つです」 — Megan Cyphers, Founder at Locally Known Cowork

「健全なセールス文化とは、プレッシャーではなく『ホスピタリティ』です。すべてのやり取りは、メンバーや訪問者がその場所でより多くの価値を見つけるのを助ける機会なのです」 — David Walker, Owner of CoworkingConsulting.com

市場の動向と将来展望

2026年から2031年にかけて、アジア太平洋地域を含む世界のコワーキング市場は年平均12%〜17%以上の高い成長率(CAGR)で拡大すると予測されています。

指標予測内容 (2025-2035)
市場規模 (2034年予測)約1,019億ドル (約101,900.7 Million USD)
ハイブリッドワーク採用率世界の企業の約46%がハイブリッドモデルを採用
利用者の嗜好約58%がテクノロジーを駆使したスペースを好む
地域的傾向北米がシェアをリードする一方、アジア太平洋地域が最速で成長

結論

自宅で完璧に仕事をこなせる人々がコワーキングスペースを訪れるのは、単なる「場所」を求めているからではありません。彼らは、生産性を最大化するプロフェッショナルな環境、孤独を癒やす人間的なつながり、そして自らの生活の質を高める高度なインフラとサービスに投資しているのです。コワーキングスペースはもはや「間に合わせのオフィス」ではなく、戦略的な「働き方の拠点」へと進化を遂げています。

感想

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サマリー

自宅に快適な仕事環境があっても、人々がコワーキングスペースを選ぶ理由を、設備・空間設計・コミュニティの観点から考察する。防音ブースやポッドキャストスタジオ、VRエリアに加え、福島県のサウナ付き施設、岐阜県の古民家、富山県の寺院など、仕事と感覚的な体験を組み合わせた事例が紹介される。名古屋のステーションAでは、スロープや専属スタッフによって偶然の出会いと企業間のマッチングを促している。コワーキングスペースは、個室での集中とラウンジでの交流を切り替えられる環境として、大企業のイノベーションや地方の交流拠点にもなっている。国内の認知度62%に対して利用率は4%で、今後の利用意向を示す20代女性も約40%いることから、未開拓市場の大きさにも触れる。

自宅ではなくコワーキングスペースを選ぶ理由
スピーカー 1
今あのあなたがどこでこのディープダイブを聴いているかちょっと想像させてください はいおそらく自宅の快適なデスクチェアに深く腰掛けているか
スピーカー 2
あるいはダイニングのテーブルの前にいるんじゃないでしょうか 入れたての自分好みのコーヒーなんかを片手にですよね
スピーカー 1
そうそう家ならまあ家賃以外に場所代はかからないわけですし 通勤の満員電車に乗る必要もないじゃないですか
スピーカー 2
誰の目も気にせずエアコンの温度も自分専用に設定して仕事ができる まさに究極の快適空間ですよね
スピーカー 1
なのにですよなぜわざわざお金を払ってまで外のいわゆるコワーキングスペースに足を運ぶ人が 今爆発的に増えているんでしょうか
スピーカー 2
そこなんですよね自宅というある意味で無料かつ最強の競合がいるにもかかわらず 人々はあえて外のワークステースにお金を払うようになっているんです
この行動の裏にはですね単なる仕事場探しに留まらない 現代人の働き方における大きな心理的シフトが隠されているんですよ
スピーカー 1
なるほどというわけで今回のディープダイブではこの なぜ完璧なホームオフィスがあるのに人はわざわざ外に出るのかという問いを徹底的に
スピーカー 2
解き明かしていきます はいよろしくお願いします
スピーカー 1
今日私たちの手元にはオプティックスやArchieといったグローバルな空間運営 プラットフォームの最新レポートとか
あとアジア太平洋地域いわゆるAPACですねその市場予測データ さらには日本各地で起きている働き方と地域社会の融合に関する膨大なデータが集まっています
スピーカー 2
これ市場の成長スピードのデータを見るとこのトレンドがただの一時的なものじゃない ってことがすごくよくわかるんですよ
そうなんですか もう道路インテリジェンスの予測や国内のデータによればですね
スピーカー 1
日本のコワーキング市場は2026年度には頃名前の約3倍に当たる2300億円規模に達する 2300億すごいですね
スピーカー 2
さらに APAC全体で見れば2031年には約2880億ドル 日本円にして数兆円という途方もない規模にまで急成長すると見込まれているんです
スピーカー 1
数兆円規模ですか 家で仕事ができるのにこれだけのお金が動いているってことですよね
そういうことです つまり人々は単にパソコンを開くための机を探しているわけじゃないってことですよね
これってあの私たちが普段どうやって自分をモチベートしているかという真理に似ている気がして というと例えば自宅のリビングの隅にダンベルとかヨガマットを置くことは誰でもできるじゃない
ですか買えばすぐ置けますよねでも結局多くの人は高い月会費を払ってフィットネス クラムに通いますよね
確かに私も通っちゃってますですよね それってそこにある最新鋭のマシンを使いたいというだけじゃなくて
周囲で汗を流している人たちの熱量とかその空間が持つ非日常感によって自分のパフォーマンス を強制的に引き上げるためだと思うんですよ
専用設備と五感を刺激するワーク環境
スピーカー 2
あーなるほど仕事環境にも全く同じことが言えるんですよ やっぱりまずはハードウェアつまり物理的な設備と環境の側面から見ていきましょうか
はいお願いしますデータによるとですねリモートワーカーの54%が ホームオフィスよりも他社と共同できる環境を求めているんです
スピーカー 2
54%も半分以上ですね 一方で同時に自宅では絶対に実現不可能な極めて高度な専用設備への活望というのも見られ
まして専用設備ですか最近新規オープンしたコーワーキングスペースを見てみると 39%がウェルネスルームを33%がポッドキャスト用の収録スタジオ
ポッドキャストスタジオですかそうなんです さらに17%が vr を用いたコラボレーションエリアを導入しているんですよ
スピーカー 1
vr エリアとかポッドキャストスタジオなんてさすがに自宅のキッチンテーブルじゃどうにも ならないですよね
無理ですねでも日本のオフィスワーカーにとって今一番切実なのってもっと基本的な あの音の問題なんじゃないかなと思うんですよ
スピーカー 1
音ですか a オンライン会議がこれだけ当たり前になると自宅だと家族の生活音が入っちゃったり
スピーカー 2
逆に自分の声が家族の邪魔になったりするストレスってかなりありますよね おっしゃる通りですその結果として今日本国内で爆発的に需要が伸びているのが
フルクローズ型の防音ワーク物なんですよ あーエチとかによくあるあの箱みたいなそうそう完全に周囲の音を遮断して視覚的にも
隔離された個室空間ですね この防音ブースの市場だけでも2026年には国内で1万7000台規模に達すると予測されています
スピーカー 1
1万7000台でも防音ブースとかモニター環境だけが目的なら 極論お金を出して自宅をリフォームしちゃえばいい話じゃないですか
まあお金があればですけどねですよね 究極のホームオフィスを一度作ってしまえばわざわざ外に出る理由はなくなるはずです
スピーカー 2
よね だからこそ現在のコワーキングスペースは自宅では絶対に再現できない
五感を刺激する没入環境へと恥を切っているんですよ没入環境 単に静かな箱を提供するんじゃなくて人間の認知や感覚をリセットするための
スピーカー 1
空間設計に投資しているんです あーなるほど手元にある日本のワーケーションの事例を見るとその五感の刺激っていう
アプローチが極点なレベルまで進化しているのがわかりますね はい面白い事例がたくさんありますよね例えば福島県の崖温泉にある施設
ここには27インチのモニターが3台並んだプロ仕様のワークルームがあるんですけど それだけじゃなくて仕事が終わったらそのまま庭にあるバレルサウナに直行できるそうなんですよ
サウナ直行ですかそれは最高ですね セルフ浪流で汗を流して頭を完全に空っぽにするっていう
スピーカー 2
都内の狭いビジネスホテルでパソコンとにらめっこするような環境とはもう脳の切り替え方が 全く違いますよね
確かにサウナによる急激な体温変化とリラックスって 交換神経と副交換神経のスイッチを強制的に切り替えるので
仕事で行き詰まっていた思考をリセットして新しいアイデアを生み出しやすくする効果があるんです
スピーカー 1
脳のスイッチを物理的に切り替えるための環境にお金を払っているわけですね そういうことです他にも面白い事例がありますよね
岐阜県の白川町には美しくリノゲーションされた小民家に2000冊もの本が壁一面に並んでいる スペースがあったり
2000冊はすごいですね さらに極めつけは富山県南砺市の禅徳寺です
スピーカー 2
つく550年の歴史ある名冊つまりお寺の中にテレワークスペースがあるんですよ お寺でテレワーク
はい静寂に包まれながら美しい日本庭園を眺めて しかも地元の水なら材と3Dプリンターを組み合わせて作られた特殊の家具を使っているらしい
スピーカー 2
ですいやお寺の畳の匂いとか庭のしかをなしの音 そして木材の質感これらはすべて自覚のマンションの無機質なデスクじゃ得られない感覚入力です
よね 絶対無理ですね人々は単なる作業効率を超えて思考を深めたり
インスピレーションを沸き上がらせるためのいわば環境という体験を買いに行っていると 言えますね
空間設計とコミュニティの力
スピーカー 1
でも設備とかロケーションといったいわゆるハードの魅力って 資本力のある企業ならどこでも真似できちゃうじゃないですか
まあお金をかければ作れますからね 絶叫のサウナとか最新の防音ブースを揃えれば人が集まるっていう単純なビジネスモデルなら
スピーカー 2
すぐに飽和しちゃいそうですよね そこなんですよデータを見るとまさにそこが次の争点になっていまして
空間というハードウェアは入り口に過ぎないんです 利用者がそこに留まり続ける最大の理由は人
つまりコミュニティというソフトウェアの力に依存していることが明確に示されているんです
スピーカー 1
コミュニティですか 正直なところコワーキングの文脈でコミュニティっていう言葉はちょっと使い古されているというか
漠然としすぎている気がするんですけど
よく言われますね 具体的に空間の中で人をどうデザインしているんでしょうか
スピーカー 2
名古屋にオープンした日本最大級のスタートアップ支援拠点 STATION Aiの事例が非常に分かりやすいですよ
STATION Ai この施設はですね建物の構造そのものが人間の行動心理学に基づいて設計されているんです
行動心理学ですか 例えば各フロアをつなぐ導線が一般的な階段とかエレベーターじゃなくて
スピーカー 1
緩やかなスロープで繋がっているんですよ スロープですか 移動に時間がかかってなんか非効率に思えますけど
その非効率さこそが狙いなんですよ わざとやってるんですか
スピーカー 2
はい スロープを歩くことで物理的な移動距離と時間が伸びますよね
スピーカー 1
結果として他の利用者とすれ違う回数が意図的に増やされるんです なるほど
スピーカー 2
さらに床のカーペットの模様がSTATION Aiっていう文字のモール信号になっていたりして
遊び心がありますね そうした空間のノイズが利用者の視線を上げさせて
階段のきっかけ つまり計算された偶然の出会いを生むための装置として機能しているんです
スピーカー 1
ピクサーの本社ビルでスティーブ・ジョブズが社員を偶然出会わせるためにトイレとかカフェを建物の中心に一つだけ配置したって有名なエピソードに似てますね
まさにその発想です でもただ人がすれ違うだけでビジネスが生まれるほど甘くはないですよね
スピーカー 2
そこですよ そこで重要になるのが俗人的な介入なんです
STATION AiIには6名もの専属スタッフが配置されているんですが 彼らは単なる受付係りとか施設の管理人じゃないんです
スピーカー 2
じゃあ何をしてるんですか 入居している数百社の企業や個人の事業内容
スピーカー 1
抱えている課題を網羅的に把握していまして すごい情報量ですね
スピーカー 2
そしてこのエンジニアとこのデザイナーをつなげば新しいプロジェクトが動くかもしれないって プロの目見きで意図的にマッチングを行っているんですよ
スピーカー 1
なるほど ただ場所を提供するだけじゃなくてエコシステムそのものをファシリテイトする裏方がいると
そういうことです でもここで一つ疑問があるんです
はい何でしょう
集中と交流を切り替える収益モデル
スピーカー 1
もし私が締め切りに追われていて完全に一人で集中して企画書を書き上げたいから
わざわざ家を出てコーワーキングスペースに来たとしたらですよ
スピーカー 2
よくあるシチュエーションですね
スピーカー 1
その時誰かに話しかけられたりスタッフに新しい人を紹介しますよなんて言われたりするのは極論邪魔じゃないですか
スピーカー 2
確かにそう感じるかもしれません
スピーカー 1
深い集中を求めることとコミュニティで交流することってそもそも目的が矛盾してませんか
スピーカー 2
いやその矛盾こそが現在のコーワーキング業界が直面し
そして解決しつつある最大のテーマなんですよ
スピーカー 1
えっどうやって解決してるんですか
業界の収益構造のデータを見ると非常に面白い事実が浮かび上がってきまして
スピーカー 2
現在コーワーキングスペースの収益の実に72.5%は個室のプライベートオフィスから生み出されているんです
スピーカー 1
72.5%が個室
スピーカー 2
昔ながらのオープンな空間に長儲けが並んでいるだけの共有デスクからの収益はもはや全体の8.8%にまで縮小しています
スピーカー 1
えーそれなら結局みんなドアを閉めて一人で仕事をしているってことじゃないですか
それならやっぱり家で仕事をするのと何も変わらない気がしますが
スピーカー 2
重要なのはずっと個室に引きこもっているわけではないということなんです
スピーカー 1
と言いますと
人々が本当にお金を払っている価値は環境のコントロール権を握れることなんですよ
スピーカー 1
環境のコントロール権?
スピーカー 2
自宅で仕事をしていると絶対的な孤独は手に入りますよね
でも息抜きに誰かとブレインストーミングをしたくなっても周りには誰もいない
スピーカー 1
確かに家には自分一人ですもんね
スピーカー 2
逆にカフェに行けば適度な雑音と人の気配はありますが
機密性の高い会議とか極限まで集中したい時の絶対的な静寂は選べないじゃないですか
スピーカー 1
なるほど
つまりコワーキングスペースの価値は個室での圧倒的な集中と
ラウンジでの偶発的な交流という反相反する2つの環境が
ドア1枚を隔てて共存していることなんですね
スピーカー 2
まさにその通りです
スピーカー 1
今の自分のプロジェクトのフェーズとかその時の気分に合わせて
環境のダイヤルを自由に回せる
これは確かに自宅のデスクでは絶対に手に入らない体験ですね
大企業・地方社会をつなぐ拠点
スピーカー 2
そしてこの環境を選んで外部の刺激を取り入れるというニーズは
個人レベルにとどまらないんです
スピーカー 1
個人だけじゃない
スピーカー 2
視点をもう少しマクロに広げてみましょうか
現在APAC地域のコワーキング市場においてシェアの51.8%
つまり半分以上を占めているのはフリーランスでもスタートアップでもなくて
実は大企業なんですよ
スピーカー 1
大企業がコワーキングスペースの最大の顧客なんですか
スピーカー 2
はいそうなんです
スピーカー 1
確かに多くの企業がオフィスの固定費を変動費化するために
自社の巨大なビルを解約してフレキシブルオフィスに移行しているっていうニュースは
よく耳にしますけど
でもそれって単なる不動産戦略というかコスト削減の話ですよね
スピーカー 2
財務的なメリットはあくまで一つの側面に過ぎないんですよ
より本質的な狙いは企業文化の変革なんです
スピーカー 1
企業文化の変革
スピーカー 2
大企業は自社の立派な本社ビルに社員を囲い込んでいるだけでは
新しいイノベーションが生まれないことに気づき始めたんです
なるほど
スピーカー 2
だからこそJUST CO.のような運営会社が展開する
THE COLLECTIVEといった高級路線のプレミアムスペースに
あえて自社のチームを放り込んでいるんですよ
スピーカー 1
つまり場所を借りるというよりも
その空間に漂っているスタートアップのカルチャーとか
異業種の熱量をお金で買っている感覚ですね
スピーカー 2
まさにそうです
スピーカー 1
自社の中だけでは生み出せないイノベーションの種を
外部のエコシステムに接触させることで
強制的に発芽させようとしていると
スピーカー 2
そしてですね
この外部との交わりによって
新しい価値を生み出すというメカニズムは
都市部のビジネスだけじゃなくて
日本の地方創生の現場でも
全く同じ構造で機能し始めているんです
スピーカー 1
手元の資料にある徳島県神山町の事例ですね
はい
スピーカー 2
神山バレー・サテライトオフィス・コンプレックスですね
スピーカー 1
ここは昔の縫製工場をリノベーションして作られていて
月額数万円程度で企業が入居できるんですよね
スピーカー 2
ええ
スピーカー 1
でも単に家賃が安い田舎のオフィスというわけじゃない
施設の中にファブラボという
3Dプリンターとかレーザーカッターを備えた
デジタル工房が併設されているんですよね
スピーカー 2
このファブラボの存在が地域社会において
非常に重要な役割を果たしているんです
スピーカー 1
へえ
スピーカー 2
そこには東京からやってきた
IT企業のエンジニアたちが仕事をしているだけでなく
地元の中学生や高校生も日常的に出入りしていて
最新のテクノロジーに触れているんですよ
スピーカー 1
それはすごいですね
普通なら一生交わることのない
東京の最先端のエンジニアと地元の子どもたちが
3Dプリンターという一つの機材を介して
同じ空間で言葉を交わすんですね
スピーカー 2
ええ
コワーキングスペースが単なる仕事場を超えて
スピーカー 2
新しい形の街の広場になっているんです
スピーカー 1
長野県富士見町の富士見 森のオフィスのデータも
同じことは示していますよね
スピーカー 2
はい
スピーカー 1
ここでは都市部からの移住者と
地元でずっと暮らしてきた住民が
オフィスに併設された庭で一緒にBBQをして
自然な対話が生まれているそうです
スピーカー 2
これらの事例が示しているのは
コワーキングスペースという空間が
分断されがちな現代社会において
多様な人々を繋ぎ直すハブとして
機能しているということです
スピーカー 1
ハブですか
スピーカー 2
ええ
大企業とスタートアップ
都市と地方
大人と子ども
これらが交わる接点となっているんですよ
スピーカー 1
考えてみれば
もしあなたが明日コワーキングスペースに行って
パソコンを開いたとしたら
スピーカー 1
それは単に
今日は家じゃなくて外で仕事をしよう
というだけの個人的な行動に
とどまらないわけですよね
スピーカー 2
そうなんです
スピーカー 1
その空間に身を置くことで
あなたも知らず知らずのうちに
地域社会の活性化とか
異業種のエコシステムの一部を
構成するプレイヤーになっていると
スピーカー 2
そういう視点を持つと
働く場所を選ぶという行為の
社会的な意味合いが全く違って見えてきますよね
ええ本当に
未開拓市場とこれからの働き方
スピーカー 2
そしてビジネスの観点から見ても
この市場にはまだ
はかり知れないポテンシャルが眠っているんですよ
LINEリサーチのデータによれば
コワーキングスペースという存在に対する認知度は
すでに国内で62%に達しています
スピーカー 1
62%ですか
スピーカー 2
はい
しかし実際に現在利用していると答えた人は
全体のわずか4%に過ぎないんです
スピーカー 1
62%が知っているのに
たった4%しか使っていない
スピーカー 2
ええ
スピーカー 1
これは圧倒的なホワイトスペース
つまり未開拓の市場が残されているということですね
スピーカー 2
さらに興味深いのは
現在利用しているメイン層は
30代から50代のビジネスパーソンであるにも関わらず
はい
スピーカー 2
アンケートでは20代女性の約40%が
今後の利用意向を示しているという点なんです
スピーカー 1
20代女性の40%もですか
スピーカー 2
そうなんです
これはテクノロジー系のフリーランスとか
出張中の営業マンといった
10内のターゲット層とは全く異なる
新しい顧客層のニーズが
マグマのように溜まっている状態を意味します
スピーカー 1
自宅のキッチンテーブルから抜け出して
サウナとか小民家お寺といった
非日常の空間で脳をリセットしたい
スピーカー 2
ええ
スピーカー 1
あるいはコミュニティマネージャーのサポートを受けながら
普段出会わないような人たちから刺激を受けたい
そう考える人がこれから
爆発的に増えていくフェーズにあるわけですね
スピーカー 2
まさにその通りです
スピーカー 1
いやー点と点のデータがつながって
働き方の未来がクリアに見えてきましたね
スピーカー 2
本当に面白いですよね
スピーカー 1
ええ
今日私たちが資料から読み解いたことをまとめましょうか
完璧なデスクと入れたてのコーヒーがある快適な自宅
それでも人々が外へ向かうのは
決してWi-Fiが早いからといった単純な理由ではありません
スピーカー 2
もちろん違いますね
スピーカー 1
彼らが求めているのは
サウナや地区50年のお寺がもたらす
圧倒的な非日常にいれる脳のリセット
スピーカー 2
はい
スピーカー 1
スロープやモールス信号のカーペット
そしてコミュニティマネージャーによって
綿密にデザインされた偶然の出会い
スピーカー 2
ええ
スピーカー 1
そして何より絶対に邪魔されない深い集中と
他社からの刺激を受ける交流のバランスを
その日の気分で自由にコントロールできる権利なんですよね
スピーカー 2
そして個人のそうした選択が集積することで
結果的に大企業のイノベーションが促進されて
破損化する地方に新しい生態系が生まれるという
大きな社会的なうねりにつながっているわけです
スピーカー 1
その通りですね
さて最後にこのディープダイブを聞いているあなたに
一つ考えてみて欲しいことがあるんです
スピーカー 2
はい
スピーカー 1
テクノロジーが進化して世界中どこにいても
自宅のキッチンテーブルからでも
会社にいるのと全く同じように仕事ができるようになりました
スピーカー 2
ええ本当に便利になりましたよね
スピーカー 1
だからこそこれからの未来における究極の贅沢とは
完璧な書斎を家の中に作り上げることではないのかもしれません
なるほど
スピーカー 1
真の贅沢とはその日の自分の気分や
抱えているプロジェクトのフェーズに合わせて
自分が所属するコミュニティと環境を
毎日自由に選び直せること
それこそが新しい時代の最も豊かな働き方なのではないでしょうか
スピーカー 2
素晴らしい視点ですね
スピーカー 1
あなたは明日どんな環境に身を置き
どんな人たちの気配を感じながら仕事をしたいですか
ぜひ考えてみてほしいですね
スピーカー 1
今回のディープダイブにお付き合いいただきありがとうございました
今日ご紹介したデータや事例は
まだまだこの巨大なトレンドの入り口に過ぎません
スピーカー 2
はいまだまだ進化していく分野ですからね
スピーカー 1
ええぜひご自身の足で
街にある新しいスペースのドアを開けてみてください
きっと自宅のデスクでは決して出会えなかった
インスピレーションが待っているはずです
スピーカー 2
行って損はないと思いますよ
スピーカー 1
それではまた次回のディープダイブでお会いしましょう
19:41

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