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2024-08-25 18:49

『新築購入が絶対オススメですよ♡』② #173

海外と比較して、日本での中古市場がいかに低いか、そして新築戸建がなぜこれほど供給されたのか、戦後からの住宅政策の流れに沿って解説します。

▽パフパフ回もこの機会にぜひ
『パフパフの家に人生の全てを注ぎこむ持ち家信仰の恐怖② 』
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お聞きの皆様、おはこんばんちは。現役リフォームプランナーの寸尺かんなです。
今日も住宅のお話の続きになります。前回が、日本のこの賃貸住宅における、単身者向けのワンルームを主に中心とした供給が行われていて、家族向けの広い間取りの賃貸は少なかったというお話を中心にさせていただいていて、
今日は、いよいよ日本の持ち家に見られる特徴というか、この話に入っていこうと思うんですよね。
これは、日本が海外と比べて、いかに新築を中心として持ち家が供給されているかということを話していこうと思うんですよね。
まず、今私はボーグラフを見ているんですけれども、これは大体2010年から2013年ぐらいの既存住宅の流通シェアをボーグラフにしている表なんですよ。
アメリカ、フランス、イギリスのこの欧米の3国と日本の流通市場を比較しているボーグラフなんですよね。
これが本当にあまりにも対照的なのでびっくりするんですけれど、欧米はアメリカ、イギリス、フランス全部同じなんですけれど、
全体の、この住宅市場における全体の8割から9割が中古市場なんですよ。
これに対して日本はわずか13.5%、100件あるうちの13.5%だけが中古の流通なんですよね。
それ以外は全部新築の着工件数になります。
これはあまりにも欧米と真逆の現象なんですよね。
これが何でなのかということをちょっとお話ししていきたいんですけれども、
これは一つの理由としては、政府が設けている建物の原価消却ですね。
この資産の目安として設けている原価消却の年数がですね、木造住宅だと対応年数が22年、
RCっていうのはマンションとかですよね。
だから鉄筋コンクリート造、これでいくと47年というふうに設けてるんですよ。
さらにですね、滅失、住宅の滅失という考え方がありまして、
これはね文字通りなくなっていくことですよね。
失われていくこと。
これが欧米で70年から80年、一つの住宅を滅失、なくしていくのに、
それぐらいの年数を見越してるんですよ。
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対して日本は30年っていうね、これが滅失の目安になってるんですよ。
これが何でなのかというと、先ほど言った原価消却が木造住宅で22年、鉄筋コンクリート造で47年というね、
ここが理由になってるんですよね。
これはね、あくまでも資産価値を、資産価値がこれぐらいしかないよという意味なんですよ。
だから別に本当に22年とか47年経ったらもう住めないよと、安全に暮らせませんよという本当の意味での物質的な意味での対応年数ではないんですよね。
資産価値がもうなくなっていく年数が22年とか47年というふうに設定されてるんですよね。
なので建物としては十分にまだ住めるし、ちゃんとしっかりしていたとしても、この建物自体に何の評価もつかなくて、
あくまでも不動産そのものの価値でしか資産価値を測らないっていうのが日本のやり方なんですよね。
なので中古住宅として流通させようにも、もう建物そのものに何の値打ちもつかない。
土地そのものが例えば駅に近いとか、いいエリアにあるとか、そういったその利便性があるかどうかということのみで価値が測られるということがあるので、
このような理由があるので、日本の住宅っていうのはもう1世代限りで消費を終わらせるということが念頭に結局作られてるんですよ。
これがだからパフパフの理由ですよね。もうパフパフで十分だと、どうせ1世代しか住まないんだからという考え方があるんですよ。
ちょっと話がそれるんですけれども、ヨーロッパとか行くとお城とか立派な教会とかそういったことを抜きにしても、一般の人が暮らしている普通の住宅も普通に500年前のこれ建物なんですとかっていうのが当たり前に立ってるんですよね。
私はイギリスとフランスのパリしか行ってないんですけれど、こことかでも当たり前のようにしてね、そういう古い建物に普通の民間人が暮らしてるんですよね。
すごいなと思って、よくニュースとかでありますよね。地下室というか屋根裏部屋からレンボラントの絵が出てきましたとかね。
そういったことが起こり得るんだなという古い家がそのまま残ってるんで、お宝が出てきたりとかっていうのがあったり、あとはね、私はアメリカに主に長くいたんですけれど、
アメリカはパフパフ大国なんですけれど、ここですらね、例えば自分が老人になった後ですね、自分が子供の頃に暮らしていた家を訪ねていくみたいな、そういうテレビ番組とかね、よくあるんですよね。
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昔ここがリビングだったんだよとかね、庭が相変わらず昔と変わってないなとかね、そういったことを見たりとか、100年前後とかっていうのは普通に家が残ってるんで、自分が昔暮らしてた家に全く別の赤の他人の家族がまた住み継いで暮らしてるっていうのは普通の風景として欧米にはあるんですけれど、
日本はもう自分の家族であっても、親が住んでた家にね、そのまま子供が受け継いで暮らしていくっていうのは実はすごく少ないんですよね。子供とか孫とか、3代4代にわたって同じ家に住み継いでいくっていう価値観がもうないんですよ。
もう1世代でこの家は潰すというような考え方があって、なおかつこの建物そのものも1世代が暮らしている2、30年持てばいいという価値観のもとに作られている家が多いということがパフパフの原因なんですよね。
というわけでね、1世代の利用に耐えればいいと考えているので、当然この後これを売ってね、転売していく、中古市場に流すという発想がそもそもないので、耐久性の高い建物をね、実際初めから建設するとなったら建設コストがめちゃめちゃ上がるわけじゃないですか。
こうなると技術とか材料とかね、そういったことの寿命も短い住宅で十分だっていうね、そういう考え方があるわけですよね。
もう一点ね、私がずっとね日本で不思議だなって思ってたことが、景観を無視した建物の建て方ですよね。
あれほど主体性とか個人主義の欧米がですよ、やっぱり家の街、住宅地のね、街並みってちゃんと統一感を持たせてますよね。
一軒一軒色が違うとかね、やらないでしょ。ちゃんとこの街全体が同じ色調で、ちゃんとバランスが取れるように統一感を持たせてますよね。
一軒一軒形が違うとかもあんまりやらないんですよ。これは全部そうだと思います。どこの国もね。
アメリカとかもそうで、ところがね、日本ってどっか広い家がね、立ちのいて、そこに建て売り住宅が4,5軒とか建つと、
普通ならね、ここは一帯が同じデベロッパーが開発しているエリアだから、同じような家が建つべきなんですけれども、
4軒5軒しかないこの立て売り住宅全部が外壁の色変えたりとかね、屋根変えたりとか窓の形状とか、玄関の扉の色が違うとかってことをやるんですよ。
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これもね、もう本当に景観が汚くなるしね、そんな狭いところに密集している住宅地がバラバラの外壁してたりとか、変なことするなって私昔から思ってたんですけれども、
これもね、こういうことが理由にあるからだってことがわかったんで、やっと腑に落ちたんですよ。
つまり一世代しか住まないつもりの家を建ててるんで、だとするならばここはもうカスタマイズしちゃうんですよね。
自分の好みにね、自分たちが何十年か暮らすための家だというふうにしか捉えてないんですよ。
この家がこの後何十年も何百年も経たしたらね、ずっと世代をまたいで、また家族そのものも変えて存続し続けるっていう発想がないので、
私この外壁が好きだからとか言って、スペイン調の赤っぽい外壁を選んだかと思ったら、その隣にはすごいモダンな黒っぽい外壁のサイリングっていうパフパフ素材なんですけれども、
そういった外壁にしたりとか、バラバラになったりとかってことを平気でしたりするのも、もう自分たちのことしか考えていない。景観をずっと維持していくっていう発想がないから、こういうことが起こるんだなってことが最近理解できるようになりました。
こんな感じで景観も去ることながら、後々ここを別の誰かに売るということがそもそも頭にないんですよね。自分の好みの家にしてスペイン風とかフランス風とかモダンにとかっていう感じで、自分好みに家を建ててしまった結果、これがその後売った時に非常に中古市場に出たら価値がない建物になっちゃうんですよね。
だってもう前の人の色がついた建物になるわけなんで、次にこれを買いたい人にとっては好みの家でない可能性の方が高いわけですよね。そうなると売りにくいという家が溢れてるっていうね、こういったことも結局中古市場が日本では伸びないという原因の一つになっています。
そして次に挙げられるのがですね、この新築をめちゃめちゃ優遇してきた経済政策ですよね。この話にちょっと移っていくんですけれども、これは新築の家を建てることによって多額の投資ができると。
これが経済成長に結びつくっていうね、そういったことが期待されたっていう背景があるんですよね。高度経済成長期に結局住宅が不足していたので、それを解消するためにですよ。
地方自治体が公営住宅であったり、公団ですよね。こういったものをバンバン建ててた頃に、この公共投資が拡大したことで景気対策の手段になっていったわけですよね。
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これでですね、どんどん建てた結果、十分に住宅の供給が満たされた後もですね、結局このビジネスモデルっていうのがずっと生き続けていくことになったんですよね。
結局この住宅金融高校ですよね、有志住宅ローン、こういったところを拡大させて、さらに持ち家を購入しましょうということを促すことによって、こういう家を建てるということでの経済政策ですよね。
これが維持されるというふうに繋がっていくわけですよ。好みのね、こだわった家を持つっていうことがいいことだよっていうね、こういうちょっとある種のキラポエが行われて、みんなが自分の家をね、自分好みの家を持つっていうことをある種のセールスポイントにして、どんどん持ち家を持つことを奨励されていくわけですよね。
さらにですね、税制面でもバックアップすることによって、よりこの持ち家を持ちましょうということを促すように仕向けていくわけですよね。
これは10年ローン、10年以上のローンを持った場合には、所得額から一定額を控除しますよということであったり、固定資産税とか地方税ですよね、こういったことも一部減税しますといったことで、住宅を購入するにあたって住宅ローンを持つことで、メリットを持たせるようにして、
家を買わせるように仕向けていくわけですよね。
新築はこういった優遇がいろいろ行われるんですけれど、一方でですね、中古住宅を買ってもこういう優遇っていうのはないわけですよ。
結局、商品価値を高めるようなリフォームをするとしますよね。
これをしたからといって、建物自体の資産価値っていうのは別に上がらないんですよね。
もう土地の不動産の価値しか認めないというやり方をしているので、いくら良いリフォームをして、家の耐久性が高まったりとかしてもですね、全然この建物そのものにおける資産価値っていうのは上がらないんですよ。
つまりですね、今から若い家族が家を買おうとした時に、新築の家を購入した場合にはこういろんな税制面の優遇があったりするんですけれど、
中古住宅を買って自分たちがいいようにリフォームをしたとしても、別に何の税制のメリットを受けることができないんですよね。
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こういったことも、中古物件を購入するよりも、新築を購入することを多くの人が選択してきたっていうことの理由になってますよね。
今までが、なぜ新築住宅がここまで日本では特に海外と比べても多かったのかという理由について述べてきたんですけれども、いよいよこのデメリットについて話をしていきます。
これはもうわかりますよね。結局、わずか2,30年しか持たないような家のためにですよ。
短期間の消耗のための家を、人生をかけた借金をして手に入れるというこの構造に問題があるわけですよね。
高い買い物で買ったこの家を十分に暮らした後、また売却したいと思った時に、これがたまたま不動産的な価値がある場所であれば、それなりに売却益が出るかもしれないんですけれど、
そうじゃなかった場合に、結局売却した資金でまた住み換えたりとかっていうほどにならないような家のために、すごい借金をしている可能性があるわけですよね。
結局海外だと、高いお金を投じて買った家が住み続けることによって、なおかつちゃんと適切に家を持たせるための耐久性を高めるためのリフォームをすることによって、
家の資産価値も上がっていくので、相対的に自分たちが投資した不動産とか建物の資産価値が上がっていくということで、めべりしないわけですよね。
日本というのは最初にすごい高い投資をするんだけれども、買った瞬間が一番値打ちがあるわけですよね。もう翌日からどんどんどんどん資産価値が下がっていくような不算投資を長年やってきていることになるわけですよね。
個人レベルでもすごい損失になっている上に、国全体で見た時にはどうなっているかというと、今目の前にあふれ返っている空き家とかを見れば一目瞭然なんですけれども、
結局、日本が短期的な経済成長を優先させて、大量の新築住宅を供給してきた弊害が目の前にあふれているということなんですよね。
だから長期的な資産を増やしていくという、そういった長期的なビジョンがもうこの住宅の供給において全くなされてきてこなかったということがここでわかるわけですよね。
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今日はちょっと小難しい話になったんですけれども、どうしてこんなに日本が新築住宅を中心に住宅が供給されてきたのか、なぜ中古市場というのがこれほど弱いのかということをお話しさせていただきました。
また次回はさらに詳しく、中古住宅の流通についてなどお話ししていこうと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。ごきげんよう。
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