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2024-12-21 20:35

野生の勘を錆びつかせた現代人への警告 #275

『胸騒ぎ』のハリウッド版リメイク『スピーク・ノー・イーブル 異常な家族』を観ました。
市場性さんの配信に感銘を受けたので、あえて取り上げてみました。

▽市場性さんの配信
#124 【その他】荒川弘が教えてくれたこと
https://stand.fm/episodes/67656e4a22023a0db7b2e69d
『胸騒ぎ』の語り部解説も、ぜひ👇
映画見るよりは怖くないはず..🐗
【前編】
https://stand.fm/episodes/664050553213c2a25db3f9c5
【中編】
https://stand.fm/episodes/6641a7046b5796721a6d7585
【後編】
https://stand.fm/episodes/66431401a75524f47ae0efc0
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お聞きの皆さま、お運んばんちは、現役リフォームプランナーの寸尺かんなです。皆さまは、胸騒ぎという映画を覚えていらっしゃいますでしょうか。
これは私が、このスタイフ場で、ホラーの語り部解説をするきっかけになった重要な映画なんですよね。
私の一部の人のみに人気のシリーズなんですけれども、ホラー解説会。これが胸騒ぎがきっかけだったと記憶しています。
これは非常に後味の悪い、すごいホラー映画だったんですよね。これをあまりにも私は感激して、
結局、これをご紹介するだけではなくて、全部ネタバレありで、2回か3回に分けて配信したんですよね。後でリンクも貼っておきます。
本当に本当に今年はいい映画がいっぱいあった中で、これは私にとってはスタイフで、皆さんに人気シリーズになった、語り部解説のきっかけになったという点でも、すごく記念碑的な作品だということで、
これを私はトップ、いい映画がいっぱいあった中でも1,2の作品に挙げたいなと思います。今回はなんとこの胸騒ぎがアメリカハリウッドでリメイクされたんですよね。
いろんなホラー映画ばかりをずっと作り続けているブラムハウスっていう映画会社が一応権利を買い取ってアメリカ映画にリメイクしてるんですよね。
リメイクっていうのは結構微妙で、特に英語圏じゃない国で作られた映画を必ずアメリカは買い取って、自分たちの英語のしゃべる俳優でリメイクするということを本当にやっちゃうんですよね。
今回、あまりにもこの胸騒ぎは完成度が高いので、私は初めからアメリカがこれをハリウッドが買い取ったって聞いた瞬間から全然見る気がしなかったし、どうせエロくなことしないだろうと思ってたんですけれど、
一応、これは私がこの胸騒ぎを取り上げた後に、スタッフの仲間たちの中で少数の人間の中だけなんですけれど、結構見ていただいたんですよ。
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これはコジマックスさんとか、ジュリー&ナオ夫妻とか、ジュリーさんが感想配信を入れておられたと思います。このハリウッド版も公開されたら見たいなっておっしゃってたんですよね。
仲間うちがそう言ってるんだったら、一応公開されたら食わず嫌いしないで見てみるかと思ってたんですよね。いよいよこれが公開されて、今大ヒット上映中なんですけれど、私は全くネタバレありで喋っていきますね。
とりあえずこれは、とある海外旅行中の家族が、子連れの夫婦が、フレンドリーで気さくなんだけれど、なんか変な家族に出会って、旅行先で仲良くなった後、誘われるがままにこの変な家族のところの正体に応じてしまい、
ここに行って大変な悲劇が起こるという映画なんですよね。ネタバレあり改札なんで、何のことかと思う方は、前のこの胸騒ぎの方の配信のリンクを貼っておくので、そっちから先に聞いていただけたらと思います。
今回はですね、だいぶ大きく変えてましたね。設定は全部一緒です。家族がイタリア旅行中に変に気さくで慣れ慣れしい家族と出会うというところまでは、ほとんど同じ設定を踏襲しているんですけれど、中盤以降の展開も全部変えてしまっているんですよね。
この元々のオリジナル胸騒ぎの方は、ただひたすら胸騒ぎがずっとしているんですよ。つまり変な家族について行っちゃだめだし、変な家族の家に行っちゃだめだし、変な家族から逃げなきゃいけなくて、何回も逃げるチャンスがあったのに逃げなかったんですよ。
最後に結局みんなもろとも全滅しちゃうという話だったんですけれど、今回はそういう今がチャンスなのにとかね、今がもうここで仕返ししなきゃとかね、ここでとどめさせとかなきゃとかいろんなオリジナル胸騒ぎの方でもやもやしてたこととか、
あと説明がなかった部分というのがいっぱいあったんですよ。この家族が何のためにこれやってるのかとかね、目的が何なのかとか、この夫婦、この怪しい夫婦がこの2人の関係性って本当のところどうなのかとかね、いろいろ胸騒ぎの中で説明がなかった部分っていうのが全部説明されてるんですよ。
説明っていうかこれはこのリメイクするにあたってわざとそういうちゃんとバックストーリーを作ったんだと思うんですよね。2時間弱の映画で見た限りだと、その映画の中でいろんなことに説明がないことがむしろ怖さを際立たせてるんですよ。説明がないから余計怖いんですよ。
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ところがね、今回のスピークノーイーブルっていうね、こっちの映画ではですね、もう全部説明がついちゃってることによって怖さはもちろんなくなるし、オチを先に言ってしまうとですね、これね結局この胸クソ悪い子の家族に招待を受けて、
彼らの家に行ってしまって、軟禁状態になっていくところから反撃して、結局脱出に成功して、だからこっちの映画はハッピーエンドなんですね。
ハッピーエンドが悪いっていうわけではないんですけれど、ただその、本来のテーマが完全に弱まってしまうんですよね。
だからこれね、アメリカ人というかね、アメリカと俳優はイギリス人の俳優を使ったりしてるんですけれど、アメリカ人の習性としてね、あの嫌な目にあってたりね、軟禁されたり拉致されている状況で反撃しないなんてことはありえないんでしょうね。
価値観としてね。なんかこのオリジナルは北欧の映画なんで、胸騒ぎは。だからなんとなく日本人はね、すごくこれ共感できる映画になってたと思うんですけれど、
理不尽な目にあってても、なんとなくね、あの感じよく振る舞って礼儀とかね、その場の空気とかそういったものを重んじるがあまり、結局自分たちがどんどんどんどん悪い状況になっても逃れられないっていうところの教訓を描いている話なんですよ。
そこがね、アメリカ人にはたぶん理解できなかったんだと思うんですよね。Why?みたいな。なんでなんだよっていう。どうしてそんなこんなまずい状況で変人にね、あのおかしな狂人に拉致されているのにファイトバックしないんだみたいな、そういう価値観だから理解できなかったんだと思うんですけれど、
だから痛快なぐらい、これは反撃して助かるんですよね。ちゃんと子どもたちも逃れられるしね。もともといた男の子が舌がないところの設定は一緒なんですけれど、この主人公の方の家族の女の子は無事に助かるし、いろいろいろいろ胸騒ぎオリジナルの方で、
あーっていうね、もう見てる人、こっちの観客がもう、わーっていい意味でね、もやもやしたところっていうのは全部解消されるし、助かるし、解決するし、ちゃんとハッピーエンドになってるんですけれど、それをしたことによって、
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ただの危険な目にあった主人公たちが何とか力を合わせて助かるだけの映画になっちゃってるんですよね。それはそれでそういう映画はたくさんあってそれでいいんですけれど、本来のこの映画は危機に瀕した人が逃げるっていう普通の13日の金曜日的なホラー映画じゃないわけですよね。
助かるか助からないのかっていうところがテーマの映画ではないんですよ。これはちゃんとした教訓があって、わかってるのに、やばい、怖い、危ない、わかってるのにどうしても人間っていうのが捉えられたら逃れられなくなるっていうところの恐怖を描いている話なので、
こっちのスピークノーイーブルになっちゃうと、全然普通に危機的状況を逃れただけの逃亡劇の話になっちゃってるわけですよね。
あともう一つが、主演がこの悪い方の家族のお父さんがジェームズ・マカボイだっていうことが大問題で、ジェームズ・マカボイっていう俳優は私も大好きな俳優さんなんですよ。
すごいかわいい系のイケメンで、皆さんマーベルの映画詳しい人は多分いないんだと思うんですけれど、このスタイル不快はね、みんな知的な人ばっかりなんで、でもこのマーベルのX-Menっていう傑作シリーズがあるんですけれど、このX-MenでプロフェッサーXをやってる人なんですよ。
大好きで、この人はイギリス人というよりスコットランド系ですね。すごい演技派で、本当にいい俳優なんですよ。この人をでも主演にしてしまって、このポスターも彼が唇にシュッて言うね、内緒だよっていうポーズしてるポスターなんですけれど、全然マカボイ主人公にしちゃったんで、全く怖くないんですよ。
あとこれはね、多分誰もどこにも出てこない話だと思うんですけど、間違いなくこの映画撮ってるジェームス・ワトキンスっていう監督ね、スタンリー・キューブリックが大好きなんだと思うんですよ。スタンリー・キューブリックっていうのは有名な、今は亡き名監督なんですけれども、この人の映画のオマージュと思われるようなシーンが多数出てくるんですよ。
で、一番がですね、このジェームス・マカボイを訓する悪い方のお父さんね。この人が狂人なんですけれども、この人がね、どんどんどんどんこのね、要するに何も世間知らずな良い方の家族ね、良い方っていうか危機的状況に陥る方の家族を招待した悪いお父さんなんですけれど、この人がね、どんどんどんどん、どんどんどんどん凶暴性を発揮していって、どんどんどんどんやばい人になっていくんですよね。
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その演技が、スタンリー・キューブリックの一番有名なシャイニングっていう映画の、ジャック・ニコルソンにそっくりな演技になってくるんですよ。
ドアの隙間から斧持って、ニヤって笑っている有名なポスターの絵とか、ご覧になったことあると思うんですけれども、完全にね、ジャック・ニコルソンが乗り移ったみたいな演技をしていて、すごい楽しそうなんですよ。
マカボーイはすごくこういう狂人の役を演じてて楽しかったと思うんですけれど、この映画としてはね、なんかちょっとやっぱりイマイチだったなと思ってね。
それと、これは原作も一緒で、胸騒ぎでも一緒なんですけど、このインテリな、ひどい目に合う主人公の家族は、変にね、ちょっとインテリで上流っぽくしている人たちなんですよ。
で、この奥さんがベジタリアンっていう設定だったのが、今回もここは踏襲されているんですよ。同じようにベジタリアンで、肉が食べられないんですけれど、この家族に招かれて、大事に育ててきた、ガチョウだったかな。
君たちがせっかく家に来てくれたんで、手塩にかけて育てたガチョウを丸焼きにしたよって言って、鳥の丸焼きをドーンと出されて、これを無理やり食べさせられるっていうシーンが出てくるんで、元の胸騒ぎに似た設定ではあるんですけれど、
これもね、やっぱり原作の方の胸騒ぎでは、こういう設定にわざとしているのは、なんていうのかな、やっぱりちょっと批判が入っているんですよね。インテリの左翼的などちらかというと、そういった家族がですね、
現代の畜産物のあり方、肉とかのともされ方、そういったことにすごい批判があって、そういう肉は食べませんって言ってたりとか、あと自然環境に負荷をかけるようなことは、そういうライフスタイルはしませんとかね、そういうことを言っている人たち全般に対して、
それ自体が別に一見いいことというか、意識がそれこそ高いことに見えるんですけれど、実際は切れ事なんじゃないのかっていうね、十分に生きているだけで地球の環境に負荷をかけている暮らしを私たちはしているわけですよね。
全く電気も使わず、ガスや一切地球環境を汚さないような、今更生活にあなたたちは戻れるんですかとね。なおかつ肉も一切食べないって言ってるけど、じゃあ魚は食うんですかとかね。
そういう、やっぱり現代の知識階級、知的階級、上流階級のそういう欺瞞というか、切れ事だけ言って意識が高いようなふりをしている人たちに対する批判がね、やっぱり込められてたと思うんですよ。
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親子関係もですね、ちょっとやや過保護な子供を中心にした夫婦の関係性よりも、親と子供の関係性の方がより重要度が高いという。日本なんかもすごくこれは共感する人が多かったと思うんですよね。
こういう批判があってこその胸騒ぎだったんですよ。とにかく自分たちの意識高い系の生き方、そしてすごく不快に思っていたり、感じが悪い人たちだなと胸騒ぎがしてるんだけれども、自分たちが嫌な人とかね、礼儀をわきまえない人だというふうに思われたくないっていうね、その外面を良くしておきたいということのために、
こういうやばい家族に結局最後までノーと言えずに殺されてしまうっていうね、これはだから不条理劇なんで、不条理だからこそ面白いんですよね。ここで反撃に出ればいいじゃないかとか、あそこでもここでも逃げるチャンスがあったのになんで逃げなかったのかっていう、そういう理屈じゃないわけですよね。
でもアメリカ人らしいというか、もう全然たぶん理解できないんだと思うんですよね。アメリカ人にはおそらくこんなふうに変な隣人にね、隣人じゃない、変な人たちに取り込まれてですね、もうこの人たちは絶対に付き合っちゃいけない人なんだ。
胸騒ぎしてるのに、そのままナスがママになって最終的に殺されてしまうなんていうことはアメリカ人にとってはもう全然考えられないことなので、こういう解釈になるんだなっていうね、だからその文化と価値観が違うと同じ題材を扱ってもこうまで違う話になるのかっていう意味では面白かったです。
映画自体が雑な作りなわけではなくてしっかりできてるんで、面白い映画として見ることはできるんですけれど、やっぱりアメリカ映画的というんですかね、とにかく完全懲悪が大好きですし、あと何もかもが説明がつくっていうんですかね、本作の胸騒ぎではこの怪しい方の家族が何のために子どもを誘拐してるのかということは全く言われないんですよね。
この夫婦が本当に夫婦なのかとか、目的もこの人たちの出自も何もわからないんですよね。そこが余計怖いわけですけれど、こっちのスピークのイーブルの方では全てが説明がつくんですよ。
なんでこういうことが行われているのか、ジェームス・マカボーイとこの若い奥さんの関係性も全部説明がつくんですよね。だから面白くないんですよ、ここまで全部わかってたら。だから何でも繰り返しになりますけれど、この映画はやはり現代人への警告がテーマの映画なので、だから痛い目を見るわけですよね、主人公たちが。
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そこに対してこの悪意のある家族が何の目的で、何が最終目的で自分たちに近づいてきて、どこを目指しているのかということとか、この人たちが実はどういう人なのかとか、どういう背景を持った人たちなのかという説明は一切必要ないわけですよ。
この人たちはもう人の姿をしているけれども、人ではないわけですよね。このいろんな無防備に自分たちがスマートにきれいに生きている、停歳だけで生きていることに対して、本来持っているべき野生の感みたいなものを発動させないで無防備に生きていることへの危険性を警告している映画だというふうに思うので。
なので、このジェームス・マカボイたちがどういう人物たちなのかということは、正直どうでもいいんですよね。不気味な演技さえしておけばよかったんですけれど、最後ジャック・ニコロソンになっちゃって。
ジャック・ニコロソンはあっちのシャイニングでは本当に素晴らしいんですよね。ですけど、この映画でジャック・ニコロソンの演技をやってもあまり効果がないんですよね。
ちょっとジェームス・マカボイの無駄遣いだった感じは否めないかなと思うんですけれど、ただ根底に流れている、何度も言う、現代人が差別化してしまっている自然とか、生きるということの本来の厳しさとか、やっぱり自分たちの身を守れるのは自分たちだけなんだとか、
そこをなんとなくいい格好して綺麗なまま生きていこうとする現代人への警告というところのテーマは、検証されているのかなというふうには思いました。
というわけでね、ちょっと暇だったらよかったら見てくださいっていう程度の映画ではあるんですけれど、胸騒ぎは大傑作だったなぁと。
なので、改めて胸騒ぎを宣伝する意味も込めて、一応スピークノーイーブルの宣伝もさせていただきました。はい、それではごきげんよう。
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