掛け合わせのビジネスアイデア①
このポッドキャストでは、スモールビジネスやその周辺のカルチャーについての話題をお届けしていきます。
再生ありがとうございます。
ウェブディレクションと音源制作を手掛ける、シララ株式会社 伊東宏之です。
今回は、ポッドキャストの番組タイトルをスモールビジネスと標榜しているだけあって、
小規模なアキナイでも参考になりそうな、掛け合わせのビジネスについてお話ししたいと思います。
例えば、今は当たり前になりましたけど、カフェと本屋を組み合わせるとか、
本来違うものを掛け合わせたビジネスだったりとか、
ちょっとだけズラしたり派生させて横展開しているビジネスで、
これは上手いなと思ったものを、まずは3つご紹介したいと思います。
一つ目は、Eスポーツと英会話です。
これはですね、フォートナイトとかマインクラフトとか、
オンラインでコミュニケーションを取りながら他人数同時プレイをするゲームってありますよね。
このゲーム中のオンラインでの通話が必須なわけなんですけれども、
これを利用して英会話のレッスンをすると。これは上手いですよね。
チームメンバーとマイクを通じて喋る必然がありますし、むしろ喋りたいという状況なので、
やっぱり覚えるモチベーションが全然違うなというふうに感じます。
この参考動画も見てみたんですけど、例えば「今回復している!」というふうに受講生は言いたいんだけど、どう言っていいかわからない。
そこで教える側の先生が、「それはアイムヒーリングって言うんだよ」っていうふうに、
単純かつ、いきなりその場から使える英語をバンバン教え込んでいくという。
これはゲシピ株式会社さんというところのサービスで、
基本的にはどうやら子供向けのサービスを意図しているみたいで、
月4回で8,800円のお月謝だそうです。
オンラインマナーも教えるよっていう体裁なので、これは親も安心ですよね。
比較するとすれば、何年か前からすでにあるスカイプとかを使ったオンライン英会話スクールってあるじゃないですか。
あれって僕もやったことあるんですけども、結構やっぱり会話のネタに困るというか、
会話をするための会話をしなければいけない。無理やり。
そういう感じなんですけれども、このオンラインゲームと英会話を掛け合わせた、
eスポーツと英会話を掛け合わせたものであれば、
差し迫ったコミュニケーションのネタが目の前にあるので、
最高の英会話のレッスンになるんじゃないかなと思って見ていました。
なのでこの組み合わせはものすごくうまいなと思います。
そして2つ目なんですけれども、2つ目は自動車整備工場によるラジコン製造とタイヤ製造です。
これですね、日経トップリーダーという雑誌の2023年6月号で取材されていた、
掛け合わせのビジネスアイデア②
岐阜にある柴田自動車さんというところの話なんですけれども、
ここはもともと普通の自動車整備工場をやっておられたと。
社長が2代目になって大きな変革をしたそうです。
どういったことかというと、この2代目の社長が、先代がまだお元気だった頃に、
普通の自動車整備工場を先代はやっていたわけなんですけれども、
その横でスカイラインというスポーツカーで、
しかも特定の形式のモデル、R31というモデルがあるんですけれども、
この旧車、古い車に特化した整備や販売をしていたそうなんですね。
そうすると、特化しているので全国の愛好家から人気を得て、
R31を整備販売する事業が好調になっていったそうです。
まずこれが1つ目の成功で、そこから次に手を出したのが、
ラジコンのサーキットとドリフトのできるラジコン本体を
メーカーと共同開発して販売するという。こういう動きをやり始めたそうです。
これドリフトという言葉を知らないかたのためにお伝えしますと、
自動車が曲がる時の技術の1つで、後輪を滑らせながら曲がるというやつですね。
おそらく何かテレビとかレースとかの競技でも見たことあるんじゃないかなと思うんですけれども、
これがラジコンの大会に出て優勝して、
またまたこのラジコンのメーカーとしても人気を博すことになったそうです。
さらにそこからさらに派生していくんですけれども、
今度は実際の車のドリフトのレースに出始めると。
さらにはドリフト用のタイヤブランド、柴田自動車にちなんで、シバタイヤ、というのを立ち上げて、
これまた人気を博しているようなんですね。
結局これによって先代では年間1億円だった売り上げが10億円まで伸びていると。
これやっぱり先細りが言われている自動車整備業界としてはすごいことですよね。
もともと普通の自動車整備工場の地方の会社だったのに、
全国区になってラジコンも始めて、そこからドリフトのレースに出て自社ブランドのタイヤまで立ち上げると。
これって、「やっぱり大手じゃないとラジコンとかタイヤって参入できないんじゃないかな?」と思いますよね。
ただですね、この柴田自動車さんなんですけれども、タイヤも自社完全生産とかではなくて、
中国のメーカーとの共同開発だそうです。
先ほどのラジコンもそうですね。
さらに社長のインタビューを読んでいると、大手メーカーが市場を握っていて、
4社ぐらいしかない分野は狙い目だ、と語っているんですね。
その理由が細かいニーズに対応できていない、ニーズを拾えていないというところで、
実は中小の会社でも入る余地があるというふうに語っていました。
これはもう本当に面白い視点だし、面白い事業のピボットの仕方だなと思って、
非常に良い情報ですよね。
そして3つ目なんですけれども、保護猫カフェとコワーキングスペースという掛け合わせのアイデアです。
すでに全国にもちらほらあるみたいなんですけれども、
たまたまですね、僕の知人が最近大阪でこの事業を始めて、聞いた瞬間に「これは優勝だな!」と思いました。
掛け合わせのビジネスアイデア③
まず保護猫カフェってすごく意義がある事業だけれども、なかなか収益的にも難しいですよね。
コワーキングスペースの方はもちろん需要はあるんだけれども、他と差別化を図るのが難しいという問題があると思います。
さらにどちらも現場に人が貼りついていないと基本的には成り立たない業種ですよね。
それらを一緒にしちゃったらどうなるかというと、上手い具合にそれぞれの弱点を補いながらも強みになるんですよね。
保護猫カフェだと収益化がしづらいけれども、コワーキングスペースにすればそれを目的で来る人によって収益が生まれると。
さらにコワーキングスペースとしてもやっぱり差別化につながると、これはやっぱり上手いなと思いました。
僕はどちらも利用する立場なんですけれども、レジャー的に行きたい保護猫カフェという施設と仕事の場が一緒になっていて、
これはもう、一石二鳥というか最高だな!、と、話を聞いた時に驚いたんですよね。
やっぱりコワーキングスペースって仕事をする時の気分って結構大事だと思うんですよ。
ある程度非日常なところで集中したり、何か、がっつり仕事をしようという場所ではあるので、
そんなところを足元、かわいい彼らがすり抜けていったりとか、キーボードに乗ってきてギャーってなったりするよう「ネコハラ」をかましてくれるわけで、
それ自体がエンターテイメントにもなって楽しいし、やっぱり癒してくれるわけですよね。
同時にもちろん保護猫カフェである以上は、行き場のない猫たちの里親探しにもつながったりとか、社会貢献にもなっていると。
なので、そこに足しげく通うこと自体が、何かしらの、間接的ではあると思うんですけれども、
ちゃんと社会に貢献するんだと思うといくモチベーションにもなるなと思って、これは最高だなと思いました。
今までこうやって3つ事例をご紹介してきたわけなんですけれども、
こういったビジネスの掛け合わせとかずらしのアイデアを考えるのに有名なフレームワークというか手法があって、
「オズボーンのチェックリスト」というものがあります。皆さんご存知でしょうか。
どんなものかというと、例えば「他に使い道はないか」とか、「他に似たものはないか」、あるいは「拡大できないか」、「縮小できないか」みたいな角度で事業や商品を検討するというものなんですけれども、
今回ご紹介したものどれもこういった軸でも説明できるという優れたチェックリストなんですね。
なので、このオズボーンのチェックリストはもし初めて聞いたかたは検索してみていただければ面白いかもしれません。
というわけで今回は掛け合わせやずらしがうまいビジネスのアイデアについてお話ししました。
実は今日3つだけご紹介したんですけれども、他にもたくさんネタを持っていますので、もしもリクエストがありましたらお知らせいただければと思います。
他の事業もこのPodcastでご紹介していきたいと思います。