1. STEAM.fm
  2. カリコー・カタリン博士の信念..

ノーベル賞受賞を記念してSTEAM NEWSから「カリコー・カタリン博士の信念の戦い【第38号】」を再収録しました.

----more----

📚バックナンバーはこちらから👉 https://steam.theletter.jp/

🎙️ポッドキャストはこちらから👉 https://steam.fm/

📝文字起こしはこちらから👉 https://listen.style/p/steam

💭匿名質問・コメントはこちらから👉 https://marshmallow-qa.com/kanaya

🐘つぶやきはこちらから👉 https://mstdn.jp/@kanaya

🐤DMはこちらから👉 https://twitter.com/kanaya

📬メールはこちらから👉 steam.newsroom@gmail.com

☕️コーヒーの差し入れ(400円のご支援)はこちらから👉 https://ko-fi.com/steamnews

サマリー

カリコ・カタリン博士の信念の戦いに関する音声再収録版第38号のエピソードでは、モデルナとファイザー&バイオテックがメッセンジャーRNAワクチンの開発を行っています。そして、その開発が緊急承認や正式承認を受けています。この中で、カリコ・カタリン博士の執念が結実し、日本政府もそれに続きました。

目次

00:00
いちです。おはようございます。
今回のSTEAM.fmでは、カリコー・カタリン博士の信念の戦い、
STEAMニュース第38号から改めてお送りしたいと思います。
改めまして、いちです。このエピソードは、2023年10月3日に収録しています。
STEAM.fmは、僕が毎週お送りしているニュースレター、
STEAMニュースの音声版です。
STEAMニュースでは、科学、技術、工学、ハート、数学に関する話題をお届けしています。
STEAMニュースは、STEAMボートの取り組みのご協力でお送りしています。
カリコー・カタリン博士のノーベル賞受賞
さて、ノーベル生理学医学賞を発表になりました。
受賞者は、カリコー・カタリン博士、そしてドリュウ・ワイスマン博士になりました。
STEAMニュース第38号でご紹介させていただいた、
カリコー・カタリン博士、ついにノーベル賞を受賞されました。
STEAMニュース第38号は、2021年8月27日にお送りしまして、
このSTEAM.fmでもう一度音声版をお届けしているのですが、
ノーベル賞受賞記念ということで、
改めて音声版でご紹介をさせていただければと思います。
2023年のノーベル生理学医学賞は、
カリコー・カタリン博士、そしてドリュウ・ワイスマン博士への授与ということが決まりました。
2人の業績は、コロナ、つまりはCOVID-19という症状ですね。
これを引き起こすウイルス、SARS-CoV-2というウイルスに対するワクチンの開発、
メッセンジャーRNAワクチンの開発ということに対して贈られるということになります。
というわけで、実はこのカリコー・カタリン博士を
スティームニュース第38号、これは2021年8月27日にお送りしていたのですが、
そのカリコー・カタリン博士の業績についてご紹介をしていたので、
改めてこのsteam.fmでご紹介していきたいと思います。
本当にすごい業績ですよ。
この番組の最後に、彼女の娘さんのメッセージもお届けしたいと思います。
どうぞお楽しみになさってください。
カリコー・カタリン博士の研究とワイスマン博士との共同研究
1990年、ハンガリー出身の生化学者、カリコー・カタリン博士は、
mRNA、メッセンジャーRNAを使った治療に関する研究助成を申請しました。
ちなみにハンガリーでは、苗字が先、そして名前が後という風に名前を呼ぶ習慣がありますので、
カリコーが苗字になります。
ここらへんは、日本と並びが一緒になります。
報道によっては、カタリン・カリコーという風に書いていますが、苗字がカリコーです。
カリコー・カタリン博士は、メッセンジャーRNAを使った治療に関する研究を申請しました。
当時、彼女はペンシルバニア大学、ペレルマン医学大学院の研究助教というポジションでした。
英語では、Research Assistant Professorだったのですが、順調にいけば教授になるコースではあったのです。
しかし、彼女の研究助成金申請は企業や政府から拒否され続け、
ついに1995年、ペンシルバニア大学から公格を言い渡されます。
大学としては、より助成金を得られやすい研究テーマに変更してもらいたかったと思うんですよね。
いきなり、アメリカとはいえ、公格ではなく研究テーマを変えればそのまま雇用するよというメッセージを込めた通達ではあったと思うのですが、
しかし、彼女は研究テーマの変更を拒否し、公格を受け入れます。
彼女自身は語っていないのですが、助教は正規の教員の中では最低ランクなので、その下となると非常勤になります。
ペンシルバニア大学の教員リストを見てみると、非常勤助教というポジションがあるんですね。
これ、日本ではないポジションかもしれないのですが、おそらく彼女はこのポジションに落とされたんだと思います。
一般的に言って、大学は公格の代わりに開校を言い渡すものなので、それなりに恩情措置があったのかもしれません。
ここまでお話しして思い出したのですが、実は僕も公格を受け入れたことがありました。
僕の場合は、何曲に勤務するか公格を受け入れるかという選択でした。
今思えば何曲も良かったかなと思うのですが、喉元すぎれば暑さは忘れるということかもしれません。
ともかく、1995年はカリコ・カタリン博士にとって悪夢の年でした。
彼女の夫はハンガリーから出国できず、彼女自身もがんを宣告されていました。
彼女はそれでも粘り続け、1997年着任したばかりのドリュー・ワイスマン教授と知り合います。
出会いは大学のコピー室で偶然でした。
彼女はメッセンジャーRNAを使ったワクチンの構想をワイスマン教授に話し、共同研究を進めます。
メッセンジャーRNAは細胞の中の、さらに細胞核の中にあるDNAから遺伝情報をコピーして、
同じく細胞の中にあるリボソームという工場でタンパク質を合成させます。
DNAが金庫に入ったタンパク質の設計図としたら、メッセンジャーRNAは金庫から持ち出される設計図の写しになります。
この写しを人間が書き起こして体外から導入することで、必要な抗体をリボソームに作ってもらうというのがメッセンジャーRNAワクチンの考え方です。
2005年にカリコ博士はワイスマン博士と共同で、メッセンジャーRNAワクチンに関する研究成果を発表します。
この発表は人の細胞にメッセンジャーRNAを導入する際に発生する体の防御システムをくぐり抜ける技術に関するもので、
アメリカの生物学者デリック・ロッシがノーベル賞に匹敵すると述べたものです。
しかしこの発表が世間の注目を浴びることはありませんでした。
カリコ博士はワイスマン博士と共同で小さな企業を立ち上げ、2006年と2013年にメッセンジャーRNAワクチンに関する特許を取得しますが、大学がその特許を売り払ってしまいます。
数週間後にアメリカのモデルナの投資会社がカリコ博士に特許を売ってくれと持ちかけるのですが、彼女は我々はもう特許を持っていませんと答えざるを得ませんでした。
彼女はついに大学の研究室の場所代も賄えなくなり、2013年に大学を去ります。
この時彼女を招聘したのがドイツで創業5年目のベンチャー企業バイオンペック社でした。
アメリカのバイオベンチャー企業モデルナは、メッセンジャーRNAを使った創薬やワクチン開発に焦点を当てた企業です。
立ち上げたのはカリコ博士、ワイスマン博士の技術にいち早く目をつけた生物学者ロシネ2010年のことでした。
モデルナは最終的にカリコ博士、ワイスマン博士の技術のライセンス取得に成功します。
当初はギリスの製薬大手アストラゼネカと組んで、ガンの治療薬などを目指しました。
大西洋を挟んで反対側、ドイツのバイオベンチャー企業バイオンペックもまたメッセンジャーRNAを使った治療を目指す企業でした。
トルコ系ドイツ人であるウール・シャヒンと妻のオズレム・キュレジ、オーストリア人のクリストフ・フーバーによって2008年にこのバイオンペックは創業されました。
メッセンジャーRNAワクチンの開発を目指し、2013年にカリコ博士を上級副社長として迎えています。
当初はアメリカの製薬大手ファイザーと組んで、インフルエンザワクチンの開発を行っていました。
メッセンジャーRNAワクチンの開発と承認
中国で新型コロナウイルスのパンデミックが報告された直後の2020年1月、モデルナとファイザー&バイオテックはメッセンジャーRNAワクチンの開発を発表します。
両社は人類が体験したことのない速度で、しかも人類史上初のメッセンジャーRNAワクチンの開発を行います。
2020年12月2日、イギリス医薬品医療規制品規制庁は、ファイザー&バイオンテック製のワクチンに世界初となる緊急承認を与えます。
同年12月12日、アメリカ食品医薬局FDAは、ファイザー&バイオンテックにワクチンの緊急使用許可を与えます。
そして2021年8月23日、FDAはファイザー&バイオンテックのワクチンを正式承認しました。
日本政府もすぐその後を追いました。
カリコ博士の執念が結実した日でもありました。
カリコ博士は、2021年のNHKによるインタビューに、
物事が期待通りに進まない時も、周囲の声に振り回されず、自分ができることに集中してきた。
私もヒーローだという人もいるが、本当のヒーローは私ではなく、
医療従事者や清掃作業にあたる人たちなど、感染の恐れがある最前線で働く人たちだと答えています。
彼女は、ノーベル生理学医学賞を受賞した時のコメントにも同じ内容を答えています。
というわけで、steam.fmで改めてカリコ・カータリン博士についてお届けをさせていただきました。
steam.fmのエピソード2-20、この時代はまだ投資番号を振っていなかったのですが、
おそらく35号目に当たると思うんですね。
ごめんなさい、当時はここまで続くとは思ってなくて適当に番号を振っていました。
タイトルには2.20と書いているので、シーズン2の20番目というつもりで書かせていただいていたと思うのですが、
頭から数えると35番目だったんじゃないかなと思います。
というわけで、スティーム.fmエピソード152でこのカリコ・カータリン博士について語らせていただきました。
彼女自身のすごく苦労してハンガリーからアメリカへ渡った話なんかも、今はたくさん語られていると思いますし、
このポッドキャストでも多く語られています。
例えば、ビジネスウォーズというラジオドラマ仕立てのポッドキャストでも語られていますし、
僕の大好きなポッドキャストサイエントークでも語られていますので、よかったらチェックしてみていただければと思います。
僕がメールで送らせていただいているジンスレタースティームニュースでは別冊もお届けしているんですね。
別冊はご寄付いただいた方限定でお送りしているのですが、この第38号の別冊、カリコ・カータリン博士の新年の戦いのノートという号では、
カリコ・カータリン博士の娘さんをご紹介させていただいています。
彼女の名前はスーザンフランシアなのですが、冒頭競技のアメリカ代表でもあります。
彼女はカリコ・カータリン博士がハンガリーからアメリカに渡るときに、手持ちのわずかな現金を彼女のテディベアのぬいぐるみに隠して大西洋を渡ったということで有名になったのですが、
その後アメリカ名門大学に進みまして、そしてサイエンティストとしても有能だったのですが、アスリートとしても花開いて冒頭競技のアメリカ代表になっています。
彼女は、彼女の母親カリコ・カータリンのノーベル賞受賞に対してこんなコメントを残しています。
冒頭競技はチームのほとんどが後ろを向いているので、いつゴールが来るか見えません。母も同じでした。
一つ一つの積み重ねが達成したいことに近づいていると信じることが大事でした。
今振り返ると本当にその通りになったのです。
確かですね、彼女はオリンピックに連覇していると思うんですよね。
やばくないですか。いや本当笑っちゃいますよね。
サイエンティストとアスリートって実は近しい関係にはあるっちゃあるんですよね。
こちらもまたsteam.fmでご紹介したいと思います。
というわけで今回のエピソードは、メッセンジャーRNAワクチンの開発に主導的役割を果たしたカリコ・カータリン博士についてお届けをしました。
彼女は2023年10月2日、リュー・ワイスマン教授とのノーベル生理学医学賞の共同受賞が発表されました。
というわけで改めてsteam.fmでご紹介をさせていただきました。
本当ね、こういう基礎研究が人類を救うというお話、胸アツですよね。
steam.fmそしてsteamnewsではこういったニュースをまた取り上げていきたいと思いますので、よろしかったら無料登録の方していただければと思います。
というわけで今週も最後まで聞いてくださってありがとうございました。
今週はTraceというアーティストのBeard Communicatorという曲でお別れです。
ご視聴ありがとうございました。
ご視聴ありがとうございました。
ご視聴ありがとうございました。
24:58

コメント

スクロール