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今日も、ボチボチ
参りますよ。
今日の放送配信は、
生きていくあなたへの
朗読編、です。
生きていくあなたへ
日野原重明、最後のメッセージ。
今日が、皆さんとの話の最後ですね。
今日の日を迎えることができることが感謝です。
その感謝の度合いは、これまでと全然違う。
生きててよかったなあ、っていう思いなしには、
今日はない。
しぶとく重い病を持っているからこそ、
その病を克服して、
よく、今日この時を持つことができたなあ、
っていう感謝の気持ちが一番強い。
そう思えたのは、病のおかげ。
それが大きいですよ。
病が大きかっただけに、感謝の気持ちを、
絶大な感謝の気持ちを持ちますね。
辛さと喜び、両方が一緒になって、
苦しみが強かっただけに、
今の感謝は以前の感謝よりも、
何倍も何倍も大きなものとして、
私をリバイバルさせてくださった。
リバイバルの思いが、私にとって大きな自己発見ですね。
苦しみを超えていく、
そのダイナミックさっていうのを感じるんです。
それが大きな自己発見。
苦しんでこそ、初めて今の実感が出てきてくれる。
やっぱり苦しみと同時に喜びがあるんだなあ、と。
今日、皆さんと一緒にあることは、
これまで苦しかっただけに、
苦しかっただけに、報いが与えられたんだな、
という思いがします。
長生きをしなければね、
感謝がこれほど絶大なものであるということは、
考えられなかったね。
何とも言えない。
聖書は、苦しみを感謝しなさい、
という若い時には、私にも難しかったね。
苦しみの連続がある中で、
感謝するっていうことは、
異様なほど困難ではあるけれども、
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にもかかわらず。
このことは、にもかかわらず。
私の人生ではいつも、
にもかかわらずっていう言葉が、
困難にくっついている。
困難にもかかわらず。
やっぱり感謝しなくちゃならない。
淀合の時も、
家内と一緒に二人で抱き合って、
これからは私たちの命ではない。
だから今まで以上の生き方を、
二人でやろうと誓った。
あの時の私たちの心情、
その心情は、
まだまだ今でも続いていて、
続いているんだなぁ、という思いがします。
その連続、また連続。
皆さんとね、
こういう風に心の中を割って話ができて、
今日このような美しい青空を見てね、
この青い空を見上げる私たちの瞳、
これは最高のもの。
この最高を私たちは感謝しないと。
ただ最高のものを与えられてよかった、
と言っているだけでなくて、
与えられた喜びを、
どうやって他人に恩を返すか、ということ。
私たちの喜びを、
自分の懐だけに入れるんでなしに、
この喜びをどうすればみんなの喜びとして
持ち続けることができるかということを、
今更ながら強く感じるのです。
ああ、幸せでよかったね、よかったね、
って思うだけでなく、
その幸せをみんなと一緒に
共有しようという気持ちが、
今、私に静かに迫ってくる。
辛かった過去に報いるためにも、
これからの生活を通して、
感謝をどう形にすることができるか、
そう考える静かな喜びが、
じわじわと私の中へ生まれてくるのです。
これこそ本物のものだと、
これこそ本物だという感じが、
今にして私の心を満たしてくれている。
そういう喜びは、
今までには感じられなかった。
借り物ではない、
本当の喜びを、
この喜びは決して自分たちの、
自分たちだけの喜びでなくて、
これこそみんなのもの。
喜びを分かち合う共同体。
私たちが共同体としてあることの
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喜びと感謝。
その共同体の喜びの中に、
私たちの本当の自己発見、
私たちの本物の幸せ、
私たちの本当の自己発見があるに違いない。
本日の朗読はここまで。
次回、辺野原重彦先生最後のメッセージの後半を続けます。
それではバイバイ。