価格交渉の背景
はい、みなさんこんにちは。
鞘がつなぐ人と人、ハーティッチファーム代表 もとです。
本日も、農業と学びで心も懐も豊かにするチャンネルを始めていきたいと思います。
キルマライブです。
今日はね、先ほどまでちょっとある位置合わせをしていて、
いつもよりちょっと遅めの昼ライブになっております。
場所はいつものごとく川沿いの休憩スペースの
ケイトラスタジオからオープンしております。
何の打ち合わせだったかというとね、
ちょっとこのタイトルにもしておりますが、
価格交渉をやっていて、
ヒリヒリしますね。やっぱお金の話をするとね。
何のお金の話、価格交渉だったかというと、
今、私たち数名でですね、
長茄子を作っているこの部会があるんですが、
基本的にはJAの部会なんですけど、
ハウス長茄子栽培の部会なんですが、
JAを通しているんですけれども、
卸先というのは地元のですね、
桜川市の粗い食品という漬物屋さんなんですね。
その粗い食品というのは、今は東海漬物という、
大きな漬物会社の参加に入っているんですが、
その粗い食品というところに何年前だろうな、
もう十数年前からこの部会を通して、
部会のみんなで作った長茄子をJAを通して卸している、
という契約栽培をしているんですね。
今年もそのハウス長茄子の出荷が始まっていて、
本格的にある程度の量を粗い食品に卸し始めているわけです。
この時期に毎年あるのが目揃え会といって、
企画の確認、これぐらいの傷は大丈夫ですとか、
これぐらいの傷になってしまうとちょっとAでは受け取れないとかね、
その辺の傷の大きさだったり曲がりだったりとか、
あるいはその実の状態をその部会全員で確認して、
これはやっぱりダメだったねとか、この辺までは大丈夫なんだとかね、
というのを改めて企画の基準をみんなで目を合わせる目揃い会を
大体やるんですね、この農産物というのは。
それでみんなで企画に沿ったものを納品するというね、
そういうことをやっていくんですが、
この目揃い会の中でもう一つ話題になるのが、
生産者の苦境
今年の価格交渉なんですよ。
今年のといっても、大体そういうのって一度上がったら下がることはないし、
というのもあって、毎年毎年少しずつでも値段を上げてくれっていう
交渉をしているのは正直なところなんですけど、
まあとはいってもね、加工業者さんっていうのはね、
やっぱり値上げするのをしぶるというか厳しいんですよね。
漬物業界なんていうのは、今売り上げもそんな伸びていない業界ですので、
その売ること自体難しいっていうのはわかるんですけど、
わかるんですが、やっぱり今年はね、最低賃金が6%以上上がっている。
しかも去年もね、5%以上上がっている。
そういう世界、しかも資材も年々高くなっているし、
ハウス栽培っていうのは冬の間重油も炊いて栽培しているので、
その燃料代も高くなっているわけですよ。
そんな中、去年上げてくれたのは1キロ2円っていう価格を上げてくれたんですね。
1キロ2円ですよ。だいたい茄子10本、十数本ぐらいで、
それに対して上げてくれた価格が2円。
それまで全然価格が上がってなくて、
やっと去年何とか上げてくれたっていうところで、
価格を2円上げて、しかも規格というかね、
太さ何センチまではOKとか、長さ何センチまではOK、
あるいは曲がりがとか、傷がとかっていう規格っていうものがあるんですけど、
出荷できるね。それの太さとかもちょっと緩和しながらとか、
その規格の緩和プラス値段の1キロ2円という、
それで去年は納得したというか、とりあえず進めたっていうところだったんですが、
去年もね、最低賃金は5%上がった。でもキロ単価は2円しか上がってない。
そして今年は6%上がった。
なんだけど、今現状でいうと、加工業者の方としては値段を上げられない、厳しいというのが現状なんですね。
なんだけど、こちら生産者としてはね、資材も上がっている、燃料代も上がっている、
しかも今年は最低賃金が6%も上がっている。
毎年毎年最低賃金が上がる。
そんな中で値段制置はね、完全にこれは生産者の利益を食っているだけなんです。
利益を食いつぶしているだけなんです。
契約栽培で、こちらが向こうの商品のために、作物をそのために作ってあげてる状態、そういう契約なのに、
生産者が、生産原価がただ単純に上がって、それを生産者だけに押し付けてるっていうのは、そりゃないじゃないですか、という話をずっとしてたんですよ。
私の計算ですと、生産原価がですね、この労働賃金が最低賃金が64円上がった。約6%ちょっと上がった。
64円上がった。これだけで生産原価が1キロ10円上がっちゃうんですよ。
なんですが、今回のその業者の回答は値上げできません。
去年から考えたらですね、生産原価5%上がった、去年でも2円しか上がってない。
生産原価5%上がってるってことは、それだけでも多分ね、8円ぐらい、1キロ8円ぐらいの生産原価上がってないんです。
その時でも2円しか上げてもらってない。しかも今年はさらに生産原価10円上がってるんです。
そんな中でも買取価格は上げられない。そりゃないでしょと。
本当そういうふうなんだったら、他のところ探すしかないというような話も含め、
現状への対策
今の現状で、計算上の生産原価は370円ぐらいなんですけど、私の計算上の原価は。
まあこれもね、人によってどういうふうな経費使うか、それをいくらぐらい使うか、あるいは人を使っている使ってないとかも含めて。
燃料を炊くその温度設定にもよります。それはもちろんね、生産原価って人によって違います。
人によって違うけれども、私のこの数年積み上げている数字上から言う計算の原価は370円なんです。
なんだけど、今の買取価格はそれにすら届いてないんですね。360数円。
もちろんね、実質の生産原価はもっと安いです。
というのは、私の今の計算は、ほんと全ての作業を他の従業員さんにやらせて、それに対して最低賃金1068円を払ったというベースなんで。
そういう意味でいくと、実際には全部が全部の仕事を従業員さんにやっているわけではなくて、自分たちでやっている分の仕事もあるんでね。
その分は労働費として、労務費として出ていかないんで。
そういう意味でいくと、労務費の部分も本当はそれぐらい計算では載せてるけど、それの半分まではいかなくても、例えば7割だけしか出ていかないとかね。
そういう意味での実質の生産原価は、お金としての生産原価はもっと安いんですけど。
ただね、私たちの時間だってタダじゃないから。私たちが働いている分だって、そこにお金がかかっているというベースの計算でいけば370円にも届いてない買取額なんですね。
だからそういうのも含めて、10円1キロ、10円は上がってるんですというところも含め、そういうお話をしてたんですが。
正直なところを言うと、その担当者も含めて、本当は値上げしなきゃいけないと思ってるし、したいと思ってるんですよね。
なんだけれども、そのさらに上層部というか、しかもその担当者は粗い職員の方なんですが、
上層部のお金を握ってるのは、今や他の会社、東海つけ物っていうね、産科に入られたというか、上でその会社を買った東海つけ物の方の幹部なんだよ。
幹部とやっぱり生産の距離が遠いんですよね。
だから現場の人、あるいはそれに近い上司の人は、今の現状生産者は苦しいというのはわかっていても、さらにその上までいくと、だんだんとそういう感覚がなくなっていって、
できるだけ生産というか買取のね、食材の買取額を抑えて自分たちの利益を高めようとしますから、会社としては。
やっぱりそういうのをね、どうにか現場の方で崩していかなきゃいけない。
そういうためにやっぱり必要なのが、今回みたいな1キロ実際にいくらかかっていて、今回のこの影響で10円上がるんですとか、そういう数字、そういうのはね、やっぱり動かしがたい事実として、
担当者の方も、私がそういう話をしてたら、その数字くださいと。
上層部に訴えるための武器としても、そういう数字があるとありがたいから、そういうのをくださいと担当者の人にも言われてるんですよね。
私は担当者の方と本当は仲いいし、極端な話ね、こういうお金の話にしても、そんなガミガミその人に言いたくはないんですけど、
ただやっぱりね、そういう厳しい話というか、言わなきゃいけない時もあるし、向こうの立場も分かりながら喋ってるつもりはあるんですけど、
そういう意味でね、いかに会社の上層部に値段を上げるっていうことを決断させるための材料をお互い一緒になって出せるか、みたいなところは、
やっぱりね、担当者とも付き合いを深くしていかないと、向こうの内情も分からないし、どういうふうに出すのが一番効果的かも分からなくなるんで、
やっぱりね、担当者とはいろいろそういう、こういうタイミングでは言い合うというか、意見を出し合って厳しいことも言うんですけど、
その裏では結託してというか、どうにかこのね、生産者グループがちゃんと利益を得られるように、損をしないようにっていうのをね、
担当者も巻き込んでやっていかなきゃいけないなと思っているところです。
まあね、やっぱりこういう価格交渉ってね、嫌ですよね、嫌なんだけど、
本当にこういう値段が、どこかの経費が上がったタイミングでね、ちゃんと言っていかないと、向こうもね、上げるタイミングがなくなっちゃうので、
そういうところでね、うまく会社の上層部をね、ちゃんと解き伏せられる、説得できる、
まあ極端に1キロ10円っていうのが上がらなかったとしても、
生産者側はそういう状況で毎日生産してるんですけども、
常々発信しておかないといけないなと思っている状況でございます。
ということで、そろそろ作業にまた戻ろうと思います。
それじゃ、良い一日をお過ごしください。またねー。