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ストーリーとしての思想哲学
思想染色がお送りします。
前回前々回で、人類の呪われた部分っていうテーマでやりましたけど
そこで過剰とか過剰性っていう言葉が出ましたので、この過剰という言葉についての補足をやりたいと思います。
過剰という言葉は、現代思想のキーワードなんですけど、それ以上にめちゃくちゃ補助線として優秀な言葉なんですよ。
前回馬太優の思考性の概念を出しましたけど、思考性とは誤解を恐れずに言えば、心理的に素晴らしい体験をするということです。
そして人間は過剰性によって心理的に素晴らしい体験ができるということでした。
これをいくつか身近な例を出してみたいと思います。
美術館ってあるけど、美術館ってなんか雰囲気が素敵ですよね。
あれはなぜなんとなく素敵なような感じがするかというと、美術館っていうのは基本的に壁や床が真っ白じゃないですか。
普通の部屋や会議室とかとは違って、わざわざ全部真っ白に塗りつぶすっていう過剰性がまずあります。
さらに飾ってあるアートをぎっしりと並べるわけじゃなくて、かなり距離をとって壁面一つにつき作品一点とか、空間をかなり過剰なまでに贅沢に使っています。
また、空間全体を少し暗くして、作品の周辺だけにライトをポッと当てて、使用可能な面積を制限して余白がすごくあるという状態になっているっていうのがよく見るとわかります。
この過剰に余白を設けるという空間の使用方法が過剰性を演出していて、なんとなく素敵だなっていう心理体験をもたらしているというふうに言えるかと思います。
あとはもっと身近に、飲食店の食べ物も過剰性の原理が使用されているっていうふうに分析ができるかと思います。
というのも、例えばパンケーキの上に過剰にクリームとかアイス、チョコレートなどが乗っている、いかにもインスタ映えしそうなものっていうのは過剰性がそのような、おーなんかすごいみたいな心理的効果をもたらしているわけです。
パンケーキだけじゃなくて、油をわざと過剰に使用したり、ニンニクをわざと過剰に使用したり、皿からこぼれ落ちるほどの盛り付けをするっていうのも、過剰性による心理的効果を狙っていると言えます。
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これって一皿に盛り付けてるから過剰に見えるんですよね。
たくさんあるからお皿を2皿3皿とか分けたらダメで、一皿に全部盛るから視覚的な過剰性が演出できているわけです。
はい、心理的効果をもたらすのは過剰性だという話でしたが、
こういう最適な言葉を考えつく人っていうのは、概念の言語化能力がすごいですよね。
繰り返すようですけど、この過剰っていう言葉はめちゃくちゃ便利だし、分析が容易になります。
このように言語化されると再現性っていうのも出てきますしね。
なので、この過剰っていう言葉は概念を言語化したという意味ですごいと思いますので、補足という形で追加で喋ってみました。
ということで今回はここまでです。次回もよろしくお願いします。