やっぱりそういったご両親のお話とか聞く機会も実はそんなになかったりするし、
そうやってしっかりとさせてまとまると思い出の仕様になるので良さそうですね。
そうですね。やっぱり我々の逆の立場であればやっぱり思いますけど、聞かれなければ答えがないですよね。
そうですね。確かにね。
この河村さんはこういったサービスを始めようと思われた何かきっかけってあるんですか?
はい。これ実はまだ立ち上げて間がないサービスなんですけれども、
去年会社を作って今年リリースしたサービスなんですね。
その背景としまして、私もともと出身、今東京でこの会社をやっておりますけれども、
もともと出身は三重県でございまして、高校まで三重県におりました。
その後、大学で関西のほうに行って、それからしばらく働いて、今東京におるという流れなんですけれども、
そういうことで地元を離れて結構経ってましてですね、
そんなに親孝行な人間でもなかったものですから、そこにちょくちょく地元に寄り添ってなかったんですよね。
はい。
そんな中で、昨年実は母親を亡くしましてですね、しばらく糖尿した先生に亡くなったんですね。
今年それを後を追うようにですね、父親を亡くしまして、そんなことが続けてあったものですから、
その間、ちょこちょこちょこちょこと地元に帰るようになりまして、
これまで地元にも寄りついてなかったんですけれども、
ありがたいことに母親が結構物を書くのが好きだった人で。
そうなんですね。
いろいろ身近な話題をですね、詩小説のような形にして書き残してたんですね。
で、また一方で父親は父親で定年退職してからあちこち旅行をするようになって、
そのためには旅行記を書き残すというようなことをやっていてですね。
そういったことを読むと、結構地元でこういったことがあったのか、こんなことを考えてたのかということがよくわかったんですよね。
やっぱりそうやって書き残したものがあると、どういう生活してたのか、どんなことを楽しんでたのかっていうのがわかるから、
やっぱりいいですね。詩小にとってもそういったところが記録が残ってるっていうと。
本当によく書き残してくれたっていう感じですよ。
ああいったものがなければ本当に全然わからなかったこともたくさんありますね。
へー。
それだけでなくてですね、もっとびっくりしたのが、
おじいさんがいたんですけれども、この人は戦前に、戦争で死んでるもんですが、面識はないんですよね。
戦前に三重県で百姓をやってたんですけれども、その百姓をやってた頃の若き日々の膨大な日記が私の部室中に出てきていて、
そうなんですね。
それをですね、ちょこちょこちょこちょこ父親と両親の見舞いに帰るついでに読み進めてみたんですよね。
全部はとても読み切れないんですけど、昭和8年の1年分だけ読んでみたけれども、
これだけでも多くの気づきがありましてですね、
百姓の日常を綴った日記なものですから、何もドラマチックな様子もないんですよね。
朝の5時から畑これだけ耕した。
夜は村の近所で寄り合いがあったみたいな、そんなことの繰り返し。
そんなことでもですね、やっぱり孫から見ると、読んでて非常に愛おしいというか、
こうやってじいさんが甘手だなというようなことが伝わるわけ。
実際にはね、面識のないおじいさんのことが、日記を綴じてどんな生活をしてたのかということを細かに知るきっかけが作れたということなんですね。
そうですね。ありありと立体画像として浮かび上がってきたような感じですね。
なるほど。やっぱりそうやって皆さんの物語が残っておくっていうのは、
そういった河村さんの体験からもすごい素敵なものだなということで、
このライフカプセルっていうのをサービスとして始められたということでしょうか。
そうですね。このおじいさんの読んでね、懐かしいというか、こうだったなと思うだけでなくてですね、
読んでて非常によく働いてるんですけども、
その合間に野学に通ってた形跡があるんですね。
そうなんですね。
多分、勉強したかったけれども、やっぱり貧乏でもあったし、また貴重な労働力だったので、
野学するってことは多分親不幸な行為だったんじゃないかと思うんですね。
なるほど。
で、頑張って働いたと。
で、そんなおじいさんがですね、その後結婚をして子供ができて、
戦争に取られて戦地で亡くなってるんですけども。
そうすると今度はおばあさんが一人で畑を耕すんですけども。
そういうことですね。
一人ではとてもできませんので、子供たちがみんな手伝うんですね、畑仕事で。
そうすると子供たちも朝の5時から働いて、勉強なんかできませんので、
進学もできないわけですよ。
で、今思いはおじいさんに加えてお父さんも野学に通ってたんですよね。
なるほど。
それだけ勉強したかったんだなと思うんですけども、
私だから一族で初めて大学に行った人間なんですよ。
大学に行った時、みんながすごく喜んでたのを覚えてる。
だからそういった背景があったからこそ。
それがよくわかったんですよね。
全部だから先祖から物語がずっと繋がったのを感じたんですよね、その時に。
なるほど。
そういうことって誰にとってもあるんじゃないのかなと思いましてですね。
先祖の物語を知ることで励まされたりとか、叱咤激励されるってことはすごくあるんじゃないのかなと。
ただそれも物語が残されていないとそんなことはありえないことなので、
一人でも二人でも一つでも二つでも物語を残していこうと。
そんなような思いで作った事業です。
そうなんですね。これは子供からご両親へのプレゼントでもいいですし、
あとおじいちゃんおばあちゃんへのプレゼント。
そういった感じでもいろんな形でお届けできそうですね。
そうですね。もともと本当にプレゼントということで想定しておったんですけども、
それ以外にもいろんなご要望をいただいてます。
例えばこの間ありましたのが、ある起業家の方から。
起業した30代の経営者ですね。
その方が子供の頃苦労されたところからずっと頑張って、
今起業家として何年か経ったと。
ここまで突っ走ってきたけども、このタイミングで一度自分の人生を振り返ってみたい。
次へのステップにしてみたい。そんな思いで作らせていただいたケースもありましたし。
あと、個人にじゃなくて企業からのご依頼っていうのも最近増えてきてますね。
法人としてもやっぱりこういったサービス活用しようっていうことなんですね。
そうですね。長年会社とかに頑張ってくれた社員に対してライフカプセルをプレゼントしようと。
その中で今までの仕事で苦労したこととか、
上司への感謝とか後輩への思いとか家族への感謝とか。
そんなことをそういう人って語ってくれますので。
語ってくれて作った物語が企業にずっと蓄積されていく。
そのことによってすごくいいカルチャーが醸成されていくんですね。
確かに。そういったところからいろいろインタビューに答えていただきながら作っていくと、
皆さんのこういった歴史が刻まれていくっていうことになっていくわけなんですね。
そうですね。今時の言葉で言うとエンゲージメントって言いますよね。
そんなことが強い会社になっていくんですね。
なるほど。この番組は経営者の志という番組ですので、
ぜひ河村さんの志についても教えていただけるでしょうか。
ありがとうございます。
本当に先ほど申しましたように、あらゆる人にとって先祖の物語というのは、
いろんな気づきを与えられる、もしくは元気を与えられるコンテンツだと思うんですね。
なので、本当になるべくたくさんの人にこれを提供していきたいと。
それによってですね、大げさに言えば、
いろんな例えば子供がですね、自殺をするとかいじめをするとか、
そんなことも劇的に減っていくでしょうし、それに励まされた子供がですね、
第二の横たわり商品みたいになっていくということも出てくるんじゃないかと。
そういった意義のある事業だと思っておりまして、
ぜひ多くの方に体験していただけたらなというふうに思っております。