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それでは、四皿目、シェフ、ご紹介をお願いいたします。
四皿目はラビオリです。
こちらは、どのようなお料理になりますか?
こちらの料理は、ピエモンテ州で働いていた時のママに教わったものです。
あそこに写真をかけているんですけれども、見ることできますか?
ここは家族経営でして、ママは年も年なのでということで、
調理場に入るなと息子たちに言われているんですけれども、
ラビオリを仕込む時だけはママにお願いって作ってもらっていた時の
嬉しそうにしている写真です。
本来、詰め物に豚、牛、ウサギの肉を入れるのですが、
洗い場の方がイスラム教で豚肉を食べられないからといって、
豚肉は入れないと言っていました。
これはおいしいですね。
日本でも、これは中華料理なんです。
餃子がありまして、家族みんなで包んで、
それをみんなで食べるという文化がありますけれども、
まさにラビオリは餃子に相当するような家族でみんなで楽しむ、
作って自分で作って自分で食べる、
まさにそれが現れた家族らしい、
イタリアのファミリーらしい雰囲気を持った食べ物かなと思うんですけれども、
先ほどのエピソードで、スタッフの方がイスラム教徒の方がいて、
本当は3食の3つの肉を使っているのに豚を使っていないというところが、
おっしゃっていただきましたけれども、
そういったところからですね、
イタリアの人たちの家族の絆の深さみたいなものですね、
この会話を見ることができるエピソードだったんじゃないかなと思うんですが、
その辺ですね、もう少し詳しくお話聞かせていただいてもいいですか?
そうですね、本当に僕が修行していたレストランも、
ママとシェフが作り合えたお店なんですけれども、
やっぱりそうやって洗い場の人間ですら、
一度雇い入れたものは家族として扱うというのは、
すごく日本と違っていいところだなというふうに思いましたね。
それこそ本当にイスラム教の方ですと、
1日に礼拝の時間が決まっていたりとか、
そういうふうに食べられるもの、食べられないものがあったりとか、
そういう生活に一見僕らからすると制約と思われるような
習慣がいろいろあるわけですけれども、
やっぱりそういうところというのは徹底的に尊重していきますよね。
とてもそれだけ家族を迎え入れる覚悟で人を雇うという感じも
とても感じたところであります。
だからこそ本当に人を一人雇うということは、
家族が増えるのと同じような重みを持って向き合うことなので、
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僕が6回目訪ねていて、やっと雇ってもらったというのも、
中に入ってみて、なるほどそういうことかとすごく分かったところではありましたね。
なかなか素敵なエピソードですね。
それがシェンムー20年前くらいにイタリアに渡ったという話をしていましたけれども、
その時代からそういうふうに、
要は人のダイバーシティというか、
多様性みたいなものを家族で認め合うとか、
そういう文化がちゃんとしっかり定着していたんですね。
やはり文化に対する懐の方みたいな、
そういったものを会話を見たエピソードかなと思いますけど、
それ以外に何かラビオリのポイントというんですかね、
そういった部分があったりとかしたら、ぜひお聞かせいただきたいなと思います。
そうですね、本当に冒頭ご紹介した通りで、
ラビオリを仕込むときは、これだけはまんまの絶対領域だったわけなんですけれども、
なんでこの味が作れるのかと、
当然修行している身からしたら興味がありますよね。
なので、洗い物をしたり仕込みをしながら盗み見るわけなんですけれども、
目を離した隙に出来上がるんですよね、まんまのラビオリがね。
本当の真髄の真髄は、まんま流がちゃんと引き継げているのかどうかというと、
若干の自己流があるというのは事実なんですけれども、
やっぱり仕込むときのちょっとした手遣いというんですかね、
寿司職人が寿司を握るみたいなコツがあるみたいなんですよね。
手作業といえば、日本人の手先の器用さみたいなんですけど、
イタリアの方も手先って器用なもんなんですかね?
いや、どうなんですかね、全体的な民族的とか国民性でいうと、
日本人の方が細かいことは好きなのかなという感じはしますけどもね。
男性女性というわけじゃないんですけれども、
やっぱりまんまのラビオリの旨さというのは、
やっぱり手先の器用さと関係ある気がしますね。
まんまはすごい手芸も好きな人だったので。
そうなんですね。
あと、なかなか日本人には馴染みのないウサギの食材を使っていますけれども、
そのウサギの食材の特徴みたいなものはあるんですか?
これはですね、当店でもあんまりウサギって日本でそれほど多くは流通していないので、
いつもいつも出せるかというと、実はそうでもなかったりするんですけれども、
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ただ、うちの料理を仕込んで、特にこのラビオリを仕込んで出すよという時には、
必ず小ウサギにこだわって仕入れるようにしていますね。
やはり肉がとても柔らかくて臭みがないというのが、小ウサギの美味しさの秘訣かなと思ってますね。
なるほど。
食べてみてですね、この甘い香りというんですか?
鶏肉では味わえないこの甘い香りというのがやっぱりすごい特徴的で、
特徴的になった時にその雰囲気というんですかね、
その美味しさ、うまみみたいなものがしっかり中に閉じ込められて、
それを感じる調理法だなと思ったんですけど、
その辺シェフの何か、この3色の肉が一つの皿に入っているというこだわりというんですかね、
そのポイントというのは、バリエーション感とかそういったものをここで表現しているんでしょうかね?
そうですね、豚と牛だと皆さん日常的に食べ慣れているお肉だと思うんですよね。
もちろんラビオリという格好で食べるのは日本ではそんなに多くないかもわからないんですけども、
お肉自体は結構食べ慣れている味だと思います。
そこにやっぱりウサギ、日本ではそんなに食べる習慣がないと思うので、
ここにミンチにした時にウサギの肉をそれぞれ入れていく。
それも先ほど言ったようにウサギの肉にこだわって入れていくというところで、
今おっしゃっていただいたみたいなちょっとした甘さみたいなものが出てくるんじゃないかなと思いますね。
確かに今大きいと思ったんですけど、日本でも餃子といえばエビ餃子があったり、豚肉の餃子があったり、貝の餃子があったり、
いろんな食感とか香りというのを包んで楽しむ、そういう調理法があると思うんですけど、
まさにこれも同じような感じですよね。いろんなバリエーションがあって、
単純な餃子でもいろんな味が楽しめるというのは、これ一つこの料理の醍醐味だったりしますよね。
そうですね。まるでラビオリという形です。それこそ餃子のように包まれて閉じられているからこそ、
中に何が入っているのかなという楽しみみたいなものがありますよね。
そういうのをちょっと楽しんでいただきたいなという気持ちで作っていますね。
ありがとうございます。おいしかったです。
本当に何が出るかわからない、食べてみて口の中に広がる香りとか、もう存分に楽しませてきました。ありがとうございました。
それでは次のお皿を用意していただきたいなと思います。