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2024-06-04 07:53

2024年6月4日

2024年6月4日の日記です。安田浩一、金井真紀『戦争とバスタオル』(亜紀書房)を読んだので紹介。

#声日記

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2024年6月4日、そろそろ過去になりますが、今日は最近読んでた本を読み終わったので、ちょっとそれを紹介しようかなと思うんですけど。
秋処防から出ている、戦争とバスタオルという本です。著者が安田光一さんと金井真樹さんというお二人の本で。
もともとは、この後書きを読むと、海外の様々な戦闘とか温泉とかを巡って、その土地でどういう風にお風呂とか戦闘とか公衆浴場みたいなものが場所や土地に根付いているか、
そこではどういう風な文化があって、どういう歴史があってっていうところを、お二人でいろいろ見ていくという、ゆけむりエッセイみたいな立て付けの企画だったらしいんですけど。
その企画を進めていく中で、コロナが発生してしまって、あんまり海外のあちこちに飛び回ってお風呂に入るみたいなことができなくなってしまったので、
途中から結構日本の国内中心の温泉に入っていって、その土地の歴史を調べるみたいな、そういう風な企画にスライドしていたらしいんですね。
その中で、歴史の中でも特に近現代史の、日本が戦争における加害者側としての日本の姿みたいな、そういったものにどんどんテーマがフォーカスしていって、
その中で、例えば戦時中に様々な形で戦争に関わった人とか、戦時中の日本を生きた人、あるいは捕虜として日本の指揮下で工事に従属させられてた人とか、
そういった人の証言とかも出てきて、どんどん戦闘とか温泉みたいなものを出発点にしながら、日本の特に加害者としての戦争での側面みたいな、そういったものに話がスライドしていくというような、
そういうふうな方向に展開していくという、ちょっとびっくりするようなエッセイなんですけど、タイとか韓国とかでも取材というか、温泉に実際に入りつつ、いろんな歴史を聞くこともあったり、沖縄ではやっぱり基地問題の話とかも出てきますし、
後半になってくると、神奈川とか広島で戦時中に毒ガスを作っていたという、そういう工場についての話の中心が進んでいって、毒ガス工場の周辺で暮らしていた人たち、あるいは実際にその工場の中で工員として働いていた日本人の人たち。
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もちろん、毒ガスという兵器を作るという上では加害者なわけですけど、作っている人たちもまた毒ガスの間近にいて、意図せず吸ってしまったりすると、自分自身にも健康被害が出る。
兵器を作っているという意味では海外の人たちにとっては加害者なんですけど、自分たちも毒ガスを作る中で健康被害を受けている。そういう人たちも出てきたりして、そういう証言がすごいどしっと重かったりするんですよね。
だからそういうふうな、銭湯とか温泉という切り口を出発点にしながら、この思わぬ日本の近現代史の決して忘れてはならない側面、加害者としての日本というふうな側面の声をね、そこを生きていた人たちの声とか、
痕跡というものを丁寧に拾い上げて、ちゃんと向き合う作業にだんだん移っていくみたいな、そういう展開の仕方をしていて、すごい読み応えのあるエッセイでしたね。
もちろんそう聞くと、もちろんテーマ自体は重いし、そこで語られることというのはものすごいずっしり来るというか、なかなか言葉に詰まるような、簡単に言葉にできないような、想像するようなムゴイことも多々行われていて、それについては本当にね、そんなにひどいことがあったのかって頭を抱えるしかないんですけど。
その一方で、やっぱりちょっとゆけむりエッセイというかね、温泉についてのエッセイであったりとか、銭湯についてのエッセイでもあるという部分はちゃんとあって、中でもやっぱりお風呂という、完全にみんなが裸になって、本の中でもそういうこと書いてありましたけど、もう完全な非武装地帯なわけですよ、温泉とか風呂っていうのは。
みんな服を脱いで、裸みたいな状態で入っているわけですから、その中で、同じ銭湯とか浴槽の中に使っていると、例えば思想が異なる人であったり、立場が異なる人であったり、あるいはその中でね、韓国人の方でやっぱりまだ日本人に対していい感情を持っていないんだけれども、とはいえお風呂の中で一緒に使っている中で、
そんなに相手を急断したりとか、避難したりとか、出て行けっていうふうに激行するような人はいなくて、もちろん日本に対して複雑な感情を持っているとはいえ、対話をしたりとか、一瞬の時間を過ごすみたいな瞬間っていうのはあるよねっていうこともちゃんと描かれていて、
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そういう意味で、本当に重い怒りとか悲しみとか、無事らしいこともただ描かれてはいる、その日本の戦争加害ということで、ただ描かれてはいるんだけれども、
その一方で、人の優しさとか、親切さとか、誠実さみたいなものに触れる瞬間っていうものの、すごく尊いものを明るい意味での尊さも同時に感じるような、すごい良いエッセイだなというふうに思いました。
何せ文章がめちゃくちゃ読みやすい、すごい本当に重い内容が書かれているんですけども、この安田さんも金井さんもとても読みやすくて柔らかい文章を書かれるし、またこの金井さんがイラストも書いてるんですけど、いろんな都市で出会った人のイラストとか、話の中に出てくる様々な建物の外観とか、いろんな道具とかについてもいろいろとイラストで書いてるんですけど、そのイラストのタッチもとても柔らかくて、
すごい風通しが良いものになっているし、その分スッと入ってくるからこそ、より戦争加害みたいなもの、日本の加害者としての側面っていうものがずっしりね、自分の胸の中に飛び込んでくるような感じになって、非常に良い本だなというふうに思いました。
結構分厚いんですよね、たぶん370何ページとかあるんですけど、でもすごく読みやすくて、とても良い本だなと思いましたので、もしご興味ある方は空き書房から出てますんで、戦争とバスタオル、ぜひ読んでみてください、といったところでバーッと喋りましたが、今日はこの辺で失礼します。おやすみなさい。
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