はい、アートテラー・とにのそろそろ美術の話を。この番組は、私アートテラー・とにが、アートに関わる方をゲストにお迎えして、トークを繰り広げるポッドキャスト番組です。
本日は、現代美術家、田村友一郎さんをゲストにトークをしていきたいと思います。
はい、ということでご出演いただきありがとうございます。本日はオンラインでの収録となっております。田村さん、よろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
オンライン収録なうえに、今回初めましてなんですよね。
そうなんですよね。
すいません、急にオファーして、しかもオンラインも顔も出さずに収録している状態なので、電話みたいな感じになってますからね。何者だって多分思われてると思いますけれども。
僕は一方的に存じておりまして、いつかちょっとお会いしたいなと思っててですね、今回オファーさせていただきました。
今ちょうど水戸芸術館の現代美術ギャラリーで田村さんの個展が開催されていまして、この番組にそれこそまた3年ぐらい前ですかね、オンラインで水戸芸術館の井関さんに、井関先輩に出ていただいた回がありましたので、今回も井関さんの展覧会ということで、
井関さんに、ぜひ井関さんと田村さんでこの番組に出てくださいって言ったら、井関さんは繋いどくから後は勝手にやってって、投げられた感じなんですけれども、今回ちょっとそんな感じで田村さんといろいろとお話が伺えたらなと思っておりますけれども、すいません、改めましてというか、こっちからオファーしておいて何なんですけれども、自己紹介していただいてもよろしいでしょうか。
自己紹介はなかなか難しくて。
何で名乗るんですか、自己紹介の時は。
特に名乗ることはあまりなくてですね、紹介されたままというか、アーティストの田村っていう感じで言うことはあまりなくて、名前を言って始める感じが多いですね。
でも田村さん、この後、個展の話もいろいろとしていきたいと思うんですけど、初めましてで何か言葉を選びながら言いますけど、すごく独自のスタイルの作風なので、
そうですか。
いやと思って僕はいるんですけども、例えばこう、田村ですって名乗った後にどういう作品作ってるのって聞かれたらどう答えるんですか、ご本人は。
それもむずいんですよね。
例えば、英語で自己紹介する時に、「Kind of artist」って紹介したり、ある種のアーティストみたいな感じで紹介したりするところがあって、
どういう作品ってなった時に、その時に作品がないことがないので、美術館とかだったらこんな感じって伝えられますけど、普段真っさらな状態でどういう作品って言われるとすごい困りますよね。
本当にその田村さんに言うのもなんですけど、僕もだからいろんなところで田村さんの展覧会を勝手にですよ、この展覧会良かったですって紹介したりするんですよ。別に大売ってるわけじゃなくて。
その時に田村さんってどんなアーティストって言われたら、僕も紹介する時困るんですよ。困るんですよって田村さん本人に言うのもあれなんですけど。
じゃあ、ご本人もだから、結構いつも悩みながらというか。
言葉で言ってもなかなか伝わらないというか。よく言うのは映像とかインスタレーションとかそういうのもいますけど、メディアを決めてるわけではないので、それに限らなかったりするので難しいですね。
イメージとしてだから、僕が番組とか読んでもらったりとか雑誌とかで紹介するときに、田村さんを紹介するときにこんな感じで紹介してるっていうのをちょっと僕が今から自分の例を挙げて、それが違ったら違ったって訂正していただけたらと思うんですけど。
僕は田村さんどんな作家って言われたら、すごくリサーチというか、ここからが悩む。テーマがあって、そのテーマから派生するものがいくつかあって、その一見結びつかない事象がトントンといろいろと出てくるんだけど、最終的にそれが一個にまとまっている映像になったりインスタレーションになったりっていう。
結びつかないと思っていることがポンポンポンポン出てきて、最後に回収するアート作品で毎回僕の中ではストンと落ちるのが、田村さんの作品を見ているときのカタルシスみたいな感じを受けているのがいつも楽しいんですけど、それをご理解であって。
それでいいと思います。
いいですか。
一つの理想的な見方なのかもしれません。
じゃあこれでいいんですね。これからもいろんなところで僕が伝えるときは。
そうですね。テーマとかは結局僕の中であるわけじゃなくて、キュレーターの人が設定する場合があるので、それに対して答えてるっていうところがあるんですけど。
例えば僕がパッと今思いつく、これから個展の話はするとして、これまで見た、何回も田村さんの作品でいろんなところでグループ展とか芸術祭で見てるんですけど、パッとまず思いついたと思い浮かぶのが、
2019年ぐらいだったと思うんですけど、森美術館の六本木クロッシングでMJって作品、年数ちょっと覚えないですけど、六本木クロッシングであってMJっていうタイトルだったんですよね。
で、会場に暗い部屋みたいなところにポンと入ると、体育館の壇上みたいなものがあって、MJとなんだろうと思ってると映像が流れてきて、
マイケルジャクソンが日本に何回か来てるうちの1回で、どっかの小学校だか何だかに行った時があって、その時の話がそこで流れるんですよ。
で、そういうことがあったんだと思って見てたら、急にアポロの話に月面の話みたいになって、MJとアポロはアメリカつながりなのかななんて思ってたら、なんか多分ムーンウォークの話になり、
本当にすみません、数年前に見た記憶あれしかないんですけど、それでMJが言ってた言葉とアポロの乗組員の言葉がリンクしていくみたいな話になって、そこの会場でムーンウォークの足元だけがまた壇上で浮かび上がるみたいな。
ふわっと出てくるんですよね。
っていうのが、結びつくはずないと思ってた2つが結びつくっていうのの面白さというのがすごく印象的だったんですよ。
ああいう作品は、あの時は例えばMJを作ろう、MJが好きでとか、アポロの話をどうしてもしたいとかじゃなく、どういう感じで作っていくんですか、あの場合。
あれは、エイトってアートイニシアチブ東京っていう団体があって、そこからまず最初にコミッションワークというか、東京の北区赤羽に児童養護施設があって、そこで何かできないかって話があって、
他のアーティストはワークショップとかしてるんですけど、僕はワークショップとかできないんで、ちょっとって言ったら、あ、知ってますって言われて。
それはもう取り込み済みでオファーしてるよみたいな。
だからそういうなんか、寄り添う型じゃなくて、アートとしての作品を何か作ってほしいって言われて、納品は映像でって言われたので、そこに行って、スタッフというかエイトの人と行って、
リサーチというか、リサーチ行く前に、何か面白いネタないですかって聞いたら、マイケルジャクソンのファンの聖地になってますっていう。
ちょうどすごいことですよ。養護施設がたくさんある中で引いたやつがそれなんですよ。
マイケルジャクソンって一番その、当時、世界ツアー、一番人気というか絶頂のコーナーですよ。
世界中をツアーに行くわけですけども、先で飛び込みで行くんですよ、養護施設に。
みんなに、子供に会って寄付するみたいな。
その北区の養護施設にも急に連絡があって、マイケルジャクソンが来るっていう。
それを日本のMTVがドキュメンタリーと。
密着してるんですか、ドキュメンタリー。
その時にマイケルが、養護施設集会場の壇上に座って、
壇上に座って、みんなに子供に対して日本語で愛してる。
それがそのMTVの記録に残ってて、そこからマイケルジャクソンのファンにとって、
その壇上、集会場の壇の上がマイケルの聖地になって、
マイケルが亡くなった今でも、年に1回ぐらい集まって、そこでマイケルのビデオを見たり、
っていう話があって、それ面白いのに行って、
それ見に行きたいと言ったら、日程を調整していただいて行ったんですよ。
したら、そのままビデオも見る。
プラス、マイケルが日本ツアーの時に帯同してたシェフが来てて、
マイケルに食べさせた料理をもう1回作ってみんなで食べる。
何食べたんですか、マイケルはその時。
スープとかですね、マイケルってすごい偏食で、あんまり食べなかったんだけど、
急遽で日本に来たら、ずっと雇ってたシェフが何かミスか何かして解雇されて、
急遽、日本人のシェフが何かのつって呼ばれて、
マイケルのマネージャーとかに、とりあえず何か作ってみろって言われて、
そこにありあわせの缶詰とか、大量に持ってきてるやつ、アメリカから。
そのありあわせの材料から見つくろって、作れって言われて。
料理の鉄人みたいな感じですね。
日本人のシェフの人が、うまいこと作ったんですよ。
マイケルが食べたら美味しいってなって、合格ってなって、
今日からお前はマイケルのシェフだってなって、
日本ツアーに帯同するわけですよ、そのシェフが。
すごい悲しいですね、その人にとって。
その人のマイケルに与えたご飯、スープかな、を週刊誌で作って、
養護施設がミッション系、クリスチャン。
シスターさんがいっぱいいるんですよ。
シスターさんがまたそのスープをみんなに配るわけ。
全てのレシピ、伝説のレシピみたいになってるんですね。
いろんなものがごちゃ混ぜになってて、
イベントが。
子供たちが壇上に出てきて歌を歌って、
マイケルファンが泣く。
それを見たときに、
カリスマ。
僕らが知っているカリスマってやっぱりマイケルジャクソンじゃないですか。
けど今の若い世代は知らないと思うんですよ、マイケルジャクソンのすごさだったり。
デビュー当時のあれから最後の晩年というか、
人間ばなりした異形の人たちとか、それを受け入れるファンだったり。
いろんなものがあった時に20世紀で、
僕らは実物は見てないじゃないですか。
映像を通してああいうカリスマに触れてたというところで、
20世紀の映像の世紀のカリスマとしてMJの作品で召喚するということを提案して、
それが受け入れられて映像作品を作ることになったんですけども、
それと同時期にポイントクロッシングが決まって、
森美術館でなんかしなさいってなるので、
どうせならこの今触るコンテンツを映像のみならずインスタレーションできたらいいかもしれないということで、
ああいう作品になった。
でもなんか普通のアーティストだったらって言ったらあれですけど、MJのそのエピソードでもう作れちゃいそう。
それでも十分ネタがあるのに、そこに田村さんの場合なんか違うの持ってくるじゃないですか。
今回で言ったアポロの話とか、それはどうやって、どう飛躍していくんですか、そこって。
僕が言ったドキュメンタリー作家じゃないので、ある一つのそれこそカタルシステムを提供しないといけないじゃないですか。
ドキュメンタリーを誰も求めてない。
僕も何が来るんだろうってワクワクしてますからね、田村さんの作品見てて。
そうですね、話を振っていただく学芸員もドキュメンタリーを求めてはなくて、あるフィクションとか、
そういう事実、異なる事実をつなげて、新たな風景というか、そういうものを提示してほしいって言ってはいると思うんですよね。
それはそのためにいっぱい、本当にいろんな引き出しを入ってるなって印象があるんですけど、常にインプットしてるんですか、いろんなものを何か備えてというか。
それはないです。
例えば資料が提供される場合もありますね、学芸員から。
この場合は普段です。
常に作ってるわけじゃないので、お話いただいた時に、一応企画展のテーマとか
いうのに即したものを一度考えて、企画書を出して、それがOKとか反応が良ければ進める。
いまいちだともう一回やり直します。
だから企画作って、テレビ番組作ってるのに近いかもしれないですね。
そうですよ。どっちかというと、ディレクターとかみたいな。
僕は手仕事の技術がないので、あとは全部製作、製作会社なんですけど、テクニシャンにお願いする。
本当はディレクターの仕事って感じですね。
今回の展覧会が、やっぱり田村さんの現段階での集大成というか、これまでの作品もありつつ新作もありつつ、
展覧会全体が一つの作品になっているような印象を受けたんですけど、
今回その展覧会、どんな展覧会ですかって聞かれたら、どういうふうに、田村さん的には。
何か、開庫展みたいなことは言ってますね。開庫展。けど、それを送る新作。
ATM展って何ですかって、改めて聞いても大丈夫ですか?
開庫展は開庫展ですけど、振り返りつつ再構成。
だから一般的に見る開庫展とはやっぱ違いますもんね。会場行ってみて僕も思いましたけど。
そうですね。外的要因っていうのは、例えば、人の古典だと図録が作れるんですよ。
今、紙が高騰したり印刷機が高騰している中で、図録、個人の図録を作るってなかなかできない。
そういった時に、この機会を生かした方がいい。
ただの企画展だけを収録しちゃうと、あんまり使い出がないんです。
この時だけ生きるけど、その後の何か、あんまり生きない。
となると、自分の反省じゃないですけど、15年くらいですけど、
それを収録した、ある意味レゾネというか、個人を記録する書籍を作るのが理想ではある。
そうなると、それに寄せた展示をしないとそういうものはできない。
けど、それをしちゃうと、ただの開庫展になっちゃうので、その開庫展をある新作として括るというのが必要になってくるわけです。
だから、バラエティ番組の総集編だけど、ただただいい映像を流してるじゃなくて、それでまた1本作ってるって感じですもんね、今回。
つまみながらも一つの作品にしてるみたいな。
そうですね。その再構成を僕じゃなくて、AIが今回やってて。
もう一つの要因としては、それなりに広い場所を埋めないといけないというタスクがありますよね。
その時に、全部新作だと予算も追いつかないし、結構労力がかかるんです。
その時に、過去にやった異物が山とあるんですよ、僕の手元に。
それをある断片として、その時の作品のまま出すんじゃなくて、断片として提示する。
それとは新たな結びつきを、ミトの現場で結びつきを可能にさせるためには、そういうものを提示する必要がある。
NTTの断片を最初にやるという構想ですね。
この展覧会名もATMなんですけど、作品としてのATMが今回展覧会の冒頭を飾ってるんですよね。
今回、そのATMという展覧会名の、僕は知ってはいるんですけど、改めてATMってどういう展覧会なんですか?
まず、美都芸術館ってところが、英語略称がアートタワー美都なんです。
ミュージアムでもなくて、ギャラリーでもなくて、タワーなんですね。
確かに、こっちしかないよね。本当だ。
で、あのタワーで別に店なんかやってるわけじゃないのにですもんね。
そう、たしかに。
衝撃。
順番もなんか謎だし、確かに。
で、名刺にもアートタワー美都って書いてあるし、略してATMってなってるんですよ。
ATMって、それもATMじゃないでしょ、みたいな感じで。
けど、ATMって面白いなと思って。
で、最初の方から、タイトルはATMとか、
ATMって響きには惹かれてたのは、事実と言うかですね。
で、一般的にATM店って言って、多分今までずっと聞いてくださってる方も、
ATM店って言ったら、多分頭に浮かんでるのは銀行やコンビニの片隅にあるあれですよね、思い浮かぶ。
そうですね。
今回は、本当にATMのようなマシーンがあるんですよね。
ありますね。
これがまた面白い作品で、ぜひ本人から紹介してもらってもいいですか。
今回言ったら、断片、ものが、残骸みたいな異物みたいなものが陳列されてるわけですけども、
それを結びつけるためにも、ナレーション的なテキストが必要かなと思ったときに、
いつも僕はテキストを書くことが多いんですよ、ナレーションとか、あらすじ的なもの、ストーリー的なものですけど、
今回は開庫展なので、過去に書いた全部のテキストがもう一回再構成されるのが必要かなと思ったときに、
観客がある、例えば今回で言えばアルファベット3桁入れると、僕の過去のテキストが再構成されて出力される、
干熱してピラッと。
モニターがあるんですよね。
モニターがあって、普通だったら、実際銀行のATMだったら数字を打ち込むような感じだけど、
アルファベットに26文字があって、3文字打ち込めるようになってるってことですよね。
何をしてもいいんですよね。
もう組み合わせは自由。
そうです。
押すと、今言ったように干熱紙が出てきます。
出てきたところに文字が書いてあるんでしょう、テキストが書いてあるんでしょうね。
そうですね。3つのセンテスで構成される一つのテキストが出てくるんですけども、
よくよく見ると、例えばATMって言ったとしたら、
亜行から始めます。赤獅子の年年。
次Tなので、杖をついた老子。
ローマ字読みしたときに頭になるとですね。
Mなので、松林が。
この赤獅子、杖をついた老子、松林っていうのが全部繋がった一つのテキストができて、
かつそれが英訳されてて、下の3つのセンテンスも全部頭文字がATMで始める。
Aは赤獅子ではなくて、&〇〇。
Cが例えばザ。Mは英語の。
そういうものがあって。
これはすごい技術じゃないですか、パッと押して。
しかも本当に物の数秒でスッと出てくるんですけど、
これがどうやってこの言葉が生み出されてるんですか。
過去の僕のテキストから名詞句が抽出されてて、
全部ア行だったらアに、赤獅子って僕が昔使ってたとしたらアに入ってるんです。
大体AからZまで、ばらつきもありますけど、平均100ぐらい入ってるんですよ。
もう1回同じATMって言ってもまた違う文章が出てくるってことですね。
AIのコロニーもあるので、やたら気に入ったやつ出すのって感じはあるんですけども、
それでも同じテキストを出すことはないですね。
もしATMで同じワードを抽出したとしても、同じセンテンスを出してこないんです。
これの技術協力として朝日新聞のメディア開発の中身の開発を協力していただいてて、
そこの浦川さんって研究者の方は、AIタンク。
AIタワーのマッチを作ってるんで、その人に。
井関さんもアプローチしてきたら、今回作家の田村さんの過去のテキストをもう1回再構成するようなものを
ATMっていう機械からあるアルファベット3桁入れると出てくるっていうものを構想されてます。
どうでしょうか。
その浦川さん含め、朝日の方々が多分興味持っていただいたんだと思うんですけど、
じゃあやりましょうってことで、今回できました。
あれはだから、僕とか田村さん以外が推して出てくると意味深な文章だったりとか、
おおってなって、それが全部元々田村さんが生み出した言葉ってことは、田村さんはちょっとあれ見ると恥ずかしかったりするんですか。
こんなこと俺言ってたんだみたいな。
そこが違って、
メインのエンジンはチャットGPTとか今皆さんが使ってるAIの技術があれをやってるんですけども、
その命令を朝日の研究開発センター浦川さんが作ってるんですけども、
開発段階で2つモデルを提示されたんですよ。
1つは田村さん、
AI夏目漱石みたいな、田村のようなテキストを出す。
予想して出すってことですか。
田村を学習しないといけないんですけども、
その時には多分田村がこう書くって予想というか、今までのパターンをAIが学習してやる。
それにはすごい調教しないといけないんですよ、多分AIを。
これは田村じゃない、これは田村である、みたいなことをしないといけないんですけど、
もう1つはただただ3つの名詞句、田村が使った名詞句をただ繋げる。
例えば、赤シシ、杖をついた老人、松林って3つが選ばれた時に、
ただそれを結びつけるテキストを作る。
そっか、その赤シシの先との言葉が出てくるってことですか。
そうです。
赤シシの先の言葉と、次に杖をついた老人が出てくるので、それに繋がる。
だから3つの単語が出てきて、短い3台話みたいな感じってことですね。
落語で言うとこの、その3つの言葉を入れて文章を作られてるみたいなことなんだ、イメージと。
それはAIが得意なんですよ。
ひるがいって言うと、僕がやってることもそれに近い。
いわゆるマイケル・ジャクソンとアポロ13号、
アポロ13号船長のこの一歩は、人類にとって偉大な一歩という一歩と、
マイケル・ジャクソンの一歩を踏み出していくと、実は後退してるみたいな。
そういう仕組みとはですね。
繋がらないものを繋げるってことをタムラもしてるし、
AIも今回AKMの中ではそういうことをしてます。
でも今回それで始まって、やっぱり繋げるで言うと、
タムラさんのこれまでの作品ってさっきおっしゃってたよ、聞いてより納得したんですけど、
毎回自分の中で作りたいというテーマが決まってて、それっていうよりはその都度その都度そこに合わせて作っていくわけですから、
作品と作品自体は関係ないことが関係ないというか、結びついてないわけじゃないですか、これまでの作品って。
思いは今回展覧会行くと至るところにアルファベット3文字が羅列して書いてあるんですよね、会場のいろんなところに。
で、なんでこんなん書いてあるんだろうって見ていくと、
それこそ会場のある作品の一部としてBMWの車があったりとか、
FAXがあったりとか、FAXだからFAXだなと。
NECのプロジェクターがあるなと。
いろんなところにアルファベット3文字が仕込んであるというか、
アルファベット3文字のものがいろんなところに出てくることに気づいて、
ああ、そうやってつながってるんだって気づいて、なるほどって思わされるっていうのがあったんですけど、
あれはどの段階でつなげていこうと思ったんですか?
自分の過去作の一部をアルファベット3文字でつなげられそうみたいな。
今回は断片が出てるんですけども、
それがあんまり今回の趣旨と離れるとあんまり良くないので、
3文字を中心に出てるっていう。
展示のバックヤードみたいなところには膨大にあって、
出てるのは一部だったと思うんですけど、BMWとかMHCとか。
3文字っていうものを強化しつつ、じゃあBMWっていうのが、
BMWはメジャーですけど、ここがNTTってなったときに、
日本人じゃない人からすると、違う地域でNTTって別の使い方をしてる可能性もある。
なるほど、はいはいはい。
っていう風なところまで飛躍できるというところで、
AからZZZまで。
その中には自分の知ってるものもあるけども、
実際その意味なのかっていうところもあったりするわけですね。
そういうような科目とか、テキスト見えたものはないけども、
暗号見えたものはあって、
そう見る人によってのコンディション背景とか、
生まれ育った国とか地域によって、
違う意味で取れるみたいなことができるといいなっていうことを実践しました。
なんかこれ発明だなというか、それで繋がるんだっていうのは、
僕は別に自分が作ったわけじゃないのに、
すごい一人で納得というか、会場でなるほどって思ったんですけど、
田村さんもこれでいけるじゃないけど、これ思い付いたときは、
やっぱり自分なりにもそういうときって、
最初のMJとアームストロングが一歩で繋がるとかみたいなときに、
自分でやっぱり気持ちいいものなんですか?
自分でこれいけるみたいなの見つけたときって。
一応その仕事なので。
仕事なのである程度の落ち着くというか、
相手が納得するものを提示するのが仕事だったりするところで、
これとこれでみたいな。
それが最善策かって言われると、そうではない。
今回のATMでも一緒で、同じものが出ないわけで、
例えば、人間がやれることって限りがあるので、
一つの選択肢とか出せないですけど、
AIはもうあらゆる選択肢を出してくる。
だから、それはベストかどうかっていうのはちょっとわからないですけど、
あるワンオブゼンです。
今回はちなみに、ご本人は把握して、いくつのアルファベット3文字が会場にあるんですか?
大体いくつぐらいというか、仕込んだというか。
いや、どこに。
数えてはないですか、特に。
いや、数えてない。
でも結構、おすすめの見方を伊関さんに教わって、
多分普通に見てもそうなると思うんですけど、
最初に行くと大体基本的に美術展って、
最初にハンドアウトみたいなのが入り口に置いてあって、
それ見ながら回るんですけど、
この展覧会は最初の場所には置いてないので、
一周はノーヒントで見なきゃいけないっていう、
そういう感じになるじゃないですか。
で、見終わると最後にハンドアウトいただけるんですよね。
で、いただいたものを見ると、
多分これ、田村さんが書いたテキストだと思うんですけど、
テキストの中にいろいろとあらゆると3文字があるようなのが載ってて、
結構そこにもたくさん出てきてますよね。
でも50ぐらいじゃないですか。
でもまあまあ、意外とだから探すとあるんだなって思いましたね、これは。
けどAAからZZZまで1万7千。
そっか、組み合わせてきた。
なるほど、なるほど。
でも、もしかしたら田村さんが意図はしてない
アルファベット3桁を見つける人もいるかもしれないということですよね。
そうですね、もちろんそうです。
勝手に思って、新しい物語を勝手に紡ぎ出す人もいる可能性あるということですよね。
そうですね。
それこそそのアルファベット3桁が壁にすられてるんですけど、
それ眺めるだけでも、
その人が関係する3桁を見つけたとき、
そこは情景を浮かべるじゃないですか。
それは僕は意図してるわけでもなく、
あれは機械的にすられてるので、
そこを新たな装置として、
人によって違うみたいなのが面白いかなと想像したりしてます。
視聴率まで考えてる感じ。
滞在率じゃないですか。
滞在時間。
確かにそうなんですよね。
見とげの、何って訳言えずらいですけど、
展覧会がこれは僕にとってはイマイチだったなと思った時の帰り道があんなに長いかってくらい長いですもんね。
なんか息よりも長く感じるぐらいの時ありますもんね。
そうですね。
大丈夫です。今回は僕はそれなかったです。大丈夫ですよって。
なんか僕が言うのもなんですけど。
いやいや本当に。
ちなみに、展覧会を改めて告知と言いますか、いつまでとか教えていただけたらと思います。
1月26日までになってますね。
1月11日が木曜日か、1月11日土曜日かな。
その日に過去に舞台作品をやったものがあって、それの記録映像の上映があります。
上映じゃなくて申し訳ないんですけど、上映があります。
それは展示室のスペースでどこかで上映するんですか?別の場所があるんですか?
いや、劇場でたぶん上映すると思います。
なるほどなるほど。これはこの日1日だけ。
そうですね。
じゃあ狙いたい方は1月11日。
そうですね。あとは特にこの日ってないですけど、行ける時にいただけると助かります。
田村さんご自身が会場に行く日はあるんですか?この後は。
1月11日行くのと、最終の2月25日、2月26日はいるかもしれないですね。
その後すぐ撤収なので、2月25日はいるくらい。
ちなみに初日とか田村さんいらっしゃって、観客の反応とか見たりするんですか?
初日はね、まあ正しいので。
でもそこそね、建築周りが僕知り合いが多くて、建築家が僕に来ていただいて、建築家サイドには結構バカ受けしてます。
現代アート好きな人はもちろんですが、建築好きも刺されてる中なんですね、そういう意味でいう。
そうですね。だからその建築の人たちが、新建築にちょっとレビュー書くから、編集部に持ち込みで言ったことがあって。
新建築の12月のエキシビションレビューみたいなのがあって、そこに浅子さんっていう建築家の方が書いて。
基本的には建築の展覧会が、そこにこの展覧会が載るんですかね?
そうですね。でも今の建築の人たちって結構美術への関心度、感度が高い。ありがたい。
かつ、そういう磯崎建築だったりするところで、建築のこともちょっと考えてやったので、
でもいいですね。これも踏まえてちょっと皆さんに、いろんな人に来てほしいですね、この展覧会は是非是非。
そうですね。私、ATMの機械自体はすごく誰でも遊べるおみくじマシーンみたいなものなので、本当に誰でも遊べます。
お土産に持って帰れますので、ぜひ皆さん見て、ATMのマシーン。
はい、ということで次回も田村さんをゲストにトークを続けていきたいと思います。