できないのに、でも例えばオープニングとかで、 二人で挨拶させてもらうとき、マイク一本になるじゃないですか。
そうするとNERHOLの田中と、みたいになっちゃうんじゃないですか。
言い出して、みたいな話になって、
空気感的に、あ、こいつら何かやるんだ、みたいな。
そういう空気はありますよね。
まさに千葉市美術館の古典のオープニング、 行かせていただいたんですよ。
センターマイクで二人が集まってて、 弾き出てみたときに、タイタンのお笑いコンビかなと思って。
吉本とはない、タイタンっぽい感じというか。
どうぞちゃんと拍手して、タイタンマイク。
ありがとうございます、みたいな。
二人でセンターマイクで立つのが珍しいというか、 仲良いなって思えたんですけど。
仲はいいんですけど、でも二本用意してくれないよね。
そうですね、あんまり二本用意してない。
取材のときとかトークのときだけですよね。
そうだし、あとは身長差があるじゃないですか。
それもまた助長してるよね。
それは別になんだろう。
でも結局、間取りにかからないと 聞こえなくなっちゃうから。
そういうのも全部ね、ちょっと笑いみたいな。
小笑いみたいな。
出てきた時点で笑えるみたいな。
そこで笑い取りたわけじゃないですもんね、 オープニングとしてはね、別に。
こっちのほうに振っていく?
嫌です。
嫌です。
でも、もし人ネタ作って欲しいって言ったら 僕は書けますので。
本当ですか、トニーさん。
僕はお笑い時代でネタ作ってたので。
しかも何組かに作ってあげたこともあるので、
もし寝る頃からどっかでやるって言うなら、 僕は5分くらいの漫才作りますよとしたら。
長くないですか、5分。
3分でいいよ。
1本で作りますよ。
すごいよね。
じゃあぜひ、軽んじるなよっていう突っ込みを ちょっと。
軽んじるなよっていう突っ込みを1個入れて。
最終的に言い言い?
言葉に対しての揺らつきがあると。
うちも軽んじるなよってよく言うよ。
口癖だよ、お二人同士で。
やってるからとかそういう。
そういう意味ね。
知らないとこでやってるからとか。
そういうのも大事ですね。
新しい、ダブルボケはあるけど、 ダブル突っ込み的な。
突っ込みファーストいっぱいくれれば、
2人で突っ込み合うみたいなネタ作ります。
こんなラジオで大丈夫ですよ。
最初から脱線するのも珍しいですけど。
改めて、ネルホルというユニット名というか 両名の説明をまずしてもいいですか。
これは真面目にみんな聞きたいところだと思うんで。
これは、なでそめみたいなのを 話しするのが一番よくて。
僕は元彫刻をやっていて、 田中浦彦デザイナーをやっている。
僕が展覧会で作品を発表したりしているのを 田中さんが見てくれて、
面白いから会いませんかという連絡をくれて、 田中さんの事務所に行って話をしていたら、
始めは全然噛み合わなかったんですけど、
話をしていたら面白いのが最後の方で見つかってきて、
一緒に作品を作りましょうかというところから、
作品制作を見せるとかそういうことは何も考えずに 何か一緒に作ってみましょうということで、
二人の共同が始まったというのがスタート。
ある程度作品ができたので、 展覧会をやりましょうかという話になった時に、
その当時のギャラリーのオーナーさんが 名前を付けたらどうですかとなって、
こういう名前を二人で考えて付けたというところが、
雇用語としてずっと続いているという。
最近はデュオの人だと名前プラス名前みたいな、 そのまま名前でいく人も多い中で、
結構チーム名を決めようというのは 二人の中で盛り上がっているんですか?
本当にこれもよく言うんですけど、
続ける気もそもそもなくて、
ユニットコンビみたいな。
二人じゃないとできないことをやるために、 その作品を作るためにやっていたんですよ。
それが作り終えたので、見せる場を 結果的にいただいた状態になっていて、
その流れで今言ったように、 ギャラリストの人がうちで展示するならば、
二人で作ってみたいになって、
本当に感覚的に考えて適当に言ったのが、
結果的にそのまま続けることになっていたという。
今で結成でいうと何年目になるんですか?
18年目です。
結構長いですね。
めちゃくちゃ長いです。
もうその後、解散の危機とかもなくずっとそのまま?
解散というほど近くに入れるようになったのが最近で。
結成当時はまだ東京にいたんですけど、
その展示が終わる頃にはもう静岡に移動していて、
何ならその後八戸って青井の方に7,8年行っちゃったりとかして、
本当に最近だよね、東京でこれだけ近くに。
八戸は6年で、東京に来て今年の4月で11年目です。
結構長かった。
今僕らはアトリエで収録させていただいているんですけど、
これはお二人のアトリエと?
そうですね。
共同アトリエ?
共同です。
共同というか、完全にネルホルの。
向こうは私のデザイン事務所。
そういうことなんですね。
ただ、結局家賃はひとまとまりになるので、
そこの割合で、ここはネルホルが使うときは必ず使えるような状況を作っている。
同時にもう一個アトリエというか工房的な場所があるので、
それでおのおのやるべきことをやって、
こっちで作ったものをこっちで渡したりとか、
こっちで作ったものをこっちで渡したりとか、
そういう作業ですね。
ここで二人で一緒に作るってことはあんまりないんですね。
やっぱり二人とも仕事をしているので、
どっちかというと最終的に二人で作業することもあるんですけど、
それはもう一個の方でやっていくという感じですね。
その役割分担的にはどんな感じでやっていくんですか、普段は?
私がグラフィックデザイナーで、
普段は結構写真家の作品集とか、
アートブックを結構メインにやっていて、
いわゆる紙媒体の印刷物を取り扱っていることが多いんですよ。
その発生と、
ヒーダーはもともと紙を彫る、彫刻する作家でもあるので、
そこがベースにあることで、
なんとなくそういった分担みたいなのはあるんです。
こっちのアトリエには結構大判のプリンターが2台ぐらい置いてあって、
その撮影した動画を編集して連続写真に落としたりとか、
こういう展覧会のコンセプトみたいなのは、2人で話し合って決めていくということですか?
そうですね。それは結構時間をかけて話し合いますね。
今回出展数は約80点。
作品作りに関しては、先ほど言ったようにラリーとかだったんですけど、
こういう展覧会を決めます。展覧会の作品をこうやっていこうというのは、
2人で話し合って決めていく感じですか?
そうですね。それは本当に展覧会全体の構造になってくるし、
特に今回はその1つの展覧会タイトルが、
作品それぞれの全体に対してかかってくるような展示の仕方をしているので、
結構なかなか決まらなかったですね。
これは実は番組で千葉市美術館で開催された、
ネルホールさんの水平線をという展覧会で番組に取り上げさせていただいて、
あれから1年も経ってなく、
最初は千葉市美術館でやって、次は埼玉でやるっていうから、
巡回してほぼ同じものが来るかと思いきや、
タイトルも違ければほぼ全然違う。
ほぼ新作展だったんですけど、これ最初から決まってたんですか?
そうですね。
本当の始めの始めは巡回的なことを考えたりしてたんですけど、
ただ1つ千葉の展示を作っていくときに、
ほとんど千葉自体に対して出し惜しみができないというか、
そこで1つ全部まとめてみせるということに重点が置かれていった部分があって、
それと同平行して、
埼玉という場所が千葉と埼玉って同じ関東圏なんですし、
そしてライバルですからね。
僕も千葉ですからあれですけど、
飛んで埼玉とかでもバトルするのは千葉と埼玉ですからね。
敵みたいなもんですか?
だからその巡回は珍しいなと思ってました。
まず関東の巡回は珍しいですけど、
千葉と埼玉だと思ってました。
そういうことも踏まえたときに、
新作というか全く違う展示を考えた方がいいということは頭にあったんですよね。
これは今回の展覧会、千葉美術館が終わってからって考えた感じですか?
それとも千葉市やるときから同時平行的に、
この埼玉近備の展なんかも何とか考えていたんですか?
展示をすること自体は決まってたんですけど、
中身はもちろん考えていないことはなかったんですけど、
そもそも結果的には千葉が終わってから考えたことが
ほとんど全部投集されているっていうような。
ということは1年間の中?
そうなんですよ。
めちゃくちゃ忙しくないですか?
かつてないぐらい追い込まれてました。
それで普通の人は楽して、
今まで作ってきたものをそれなりにやるんで、
それで何とかお茶を濁すじゃないですけど、
すればいいものをほぼ新作なわけじゃないですか。
それは徹底して曲げなかったよね。
ダメだなと思ったらそれをやった。
もし同じ作品を出すならまた違ったインスタレーションにするのか、
発見がないと難しいだろうなと思ってたし、
巡回するなら場所がもっと離れてたりするんだったら
違うお客さんが来て巡回するっていうのは
場所的な問題として改善できることはあると思うんですけど、
千葉と埼玉はほとんど同じぐらいの距離で、
特に東京の美術ファンが見に行くことが多いわけですから、
でもファンからすれば両方新しいのが見れて嬉しかったですけど。
千葉を経て、
今日も話してたんですけど、
今まで自分たちがやってきたこと、
もちろん自分たちを知らない人たくさんいるので、
断片的に見てくださっている方とかも、
この人たちは十何年も何をやってるんだろう?みたいなところで、
包括されている方ってほとんどいないと思っていて、
その意味でも一つの串刺しというか、
自分たちがそれだけの時間をかけて何をしてきたかということを
伝えたいなという気持ちがすごくあったところは、
二人とも一緒で、
それが故に、その後に埼玉で出演させてもらうということを考えたときに、
ある種、そういう荷が下りているというか、
次に向かえるという気持ちがあったので、
ある種、アイディア自体がどんどん出てくるというか、
やりたいこととか、あるいは更新したいこととかすごいあったんですよ。
時間も限られているし、やれる範囲は決まっていたので、
その意味では、本当に限界までやってギリギリなんとかという感じだったんですけど、
すごく今の考えていることを反映しているという感じですね。
セカンドステージっていいのかわからないですけど、
今までの集大成が千葉市見だとしたら、
第2章が始まったようには見えない。
偉そうなことを言っていたというか。
他の方にもそういったようなことを言われて、
確かに新しいことを望んでいるという意味では、
更新しているんですけど、
大きなタイミングだったのかなという話は。
そういう意味では、お二人にとっては大変だったともちろん思うんですけど、
1年で見れたというのはいいですか?
これが3年とか空いちゃうと、
変わりがちょっと長くなっちゃうけど、
本当に去年から今年のこんだけ変わったというのが、
見る側からしたらすごく新鮮で、
あれがあんまりないじゃないですか。
そこまで大きな古典をこんなタイミングで見れるというのは。
そうですね。
そういう意味では運が良かったというか、
本当に関係者の方に感謝しているというか。
関係者が実は来ているという。
番組に以前出演いただいた朝日新聞の竹部さんが、
少し喋りますか?
喋っていいんですか?
どうぞどうぞ。
すみません、後半からって聞いていたので、完全に油断しました。
そうか、すでに出演されている。
一度だけ。
竹部さんと一緒に組んでやってたってことですか?
今回も何回?
いえいえ、もう完全にお二人の戦略会なので、
僕は本当にずっと陰ながらずっと応援したくらいの感じですけど。
改めてですけど、
埼玉近備の展覧会で、
いろいろと新しい試みをしているということですけど、
ぜひ見てほしい作品、これ、これというのがあれば、
まずいくつか紹介してほしいんですが、どれからいきましょう?
秘伝クレパスの話を。
秘伝クレパスですね。
でも、ごめんなさい、話ずらしちゃったんですけど、
結構、一つの美術館の個展で、
ほぼ新作で、
一つの展示タイトルに向けて、
まとめあげるっていうことはあんまりないなと思っていて、
自分たちとそもそも美術館でご提案してもらってないですけど、
これほど一つのコンセプトに向き合って、
全てが作られていくという状況って、
なかなか機会にないだろうなという感覚があって、
つまり、一個一個もちろん、
そもそも以前から作っているシリーズの更新しているものだったりとか、
以前に出していたものだったりとかもあるんですけど、
同時にすごく新しく作っているシリーズがたくさんあって、
それらが全て展示を勧誘するというか、
展示を仕切ることで、
一つの輪になっていたりするので、
なかなかこれはみたいなのって自分はなくて、
一個一個が一つ一つ、
一個のコンテクトはDTUでもあるし、
単体でこれから続いていくシリーズにもなっているんですけど、
結構難しいなと思うんですけど。
全体でインスタレーションみたいな、
一つの作品みたいな感じもありましたもんね、今回。
同時に美術館の空間自体もそれに加担している部分があるというか、
あの空間を読み解いていくこと自体も、
すごくコンセプトに反映されていたりするので、
なかなか難しいというか、
あそこじゃないと成立しないような組み方をしているのもあるんですよね。
なので、そういう意味で言うと、
例えば入ってすぐのところに、
カーバードというエドワードマイブリッジの連続写真を使用して、
いつものようにレールホールの折り方で彫刻しているものがあるんですけど、
それが千葉にも一部出ていたはずなんですよ。
ただ展示の仕方がすごく変えていて、
円形状の筒形の状態の格子で作品を配置している。
木材で作られた格子ですね。
それを鑑賞者はその空間を回ることによって体感していくというような、
作品が円の円周に飾られてあって、
人が周遊して鑑賞するという。
普段だったらそれが壁面に並んでいる状態だったんですけど、
そうしている理由としては、
ゾートロープという機械のところからヒントを得ていて、
連続に円状に配置されたものをずっとくるくる回すことで、
動画アニメーションのように絵が動いていくような。
アニメの源流と言われているやつですね、数百年くらい前から。
それからヒントを得ていたりして、
原型の原型がマイブリッジの連続写真を撮ろうとしていた。
有名な馬の連続写真みたいなやつですね。
馬が走っている姿を発見するというような。
それも静止画の連続なんだけども、
一定の期間というか距離に対して、
一定の撮影のスピードと時間をうまく利用することで、
連続写真を成功させるみたいな。
そういった流れというか経緯だったりとかを
自分たちに取り込んでいくときに、
ただ単純に掘り上げた作品を併出するということよりも、
鑑賞者自体がゾートロープの一体になるというか、
ある意味今回は逆に鑑賞者がゾートロープ化している状況が。
あまりにもデカいから回すわけにはいかないからですね。
中心にいる人からすれば回っているんですよね。
人の鑑賞体験としてインサレーションに含むということを考えたくて。
引くと最初の話が種巻きとカラスというのも鑑賞者の視点の話だったから、
そことも関連してくるわけですね。
アイティーとしてという意味ですね。
それに合わせたというか、それにも引用されるような作品を
そのままに配置していたりもして。
印象的だったのはマイムマイム。
あれもマイムマイムってことは輪で回るからっていうことですね。
手を繋いで飛び出して踊って円形になってみんなで楽しむ民謡なんですけど。
でも鑑賞者はそんなことを考えなくても、作品を見ていれば
そのインサレーションに取り込まれていくような
アイティーを考えたりしていたので。
同じ作品でもそれだけ鑑賞体験が変わるように
ということは考えてはいましたね。
展覧会は巡回展でもないし、
仮にしたとしてもこれは埼玉でしか見れないことをやっているということですね。
作品が変わるかもしれない。
同じものは見れてもともですね。
そうですね。
空間で強調したいことだったり
配置だったり
それ自体が展覧会の何を占めているのかというところで
扱いが結構変わったりするので
そういった意味では
全然鑑賞体験は違うかなという気がしますね。