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2024-07-09 18:09

66 客観的な報道について(中編)[ゲスト:神田大介]

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個人がメディアを持てる時代に。


【今回のゲスト】神田大介さん

朝日新聞ポッドキャストつくってます。1975年に生まれ、1994年にネットを始め、2000年に入社しました。専門分野は何もないんですが、「イスラム国」(IS)、暴力団、ハッカーなど、わりとエッジの立った人たちを多く取材対象としてきました。


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▼出演

・永里 優季(⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠@yuki_ngst⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠

・上水 優輝(⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠@y_uemizu⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠

サマリー

報道の役割は受け手に自分で判断できる材料を提供していますが、最近では主観的な報道が増えています。この問題に対して、個人レベルでは客観性を追求することができますが、会社レベルでは難しいです。 中立であることを重要視するメッセージとして、支持を集めることができればインフルエンサーとして成功することができます。アテンションエコノミー的な感じがします。

受け手の問題と主観的な報道
いや、本当にその2点とも、私も考えているところではあって、まず最初の受け手の問題、要するに受け手がやっぱり自分でいろいろなことを判断できるっていうところ、これをまさに報道を通じてやりたいなとは思ってるんですよね。
皆さんに自分の頭でいろいろなことを考えていただくための材料を提供するっていうことが、報道の役割だろうと思ってるんですが、それが2番目とかかってくるんですが、一方で日本にいても思うのは、それがむしろ最近すごい主観的な報道が増えてるように僕は感じてるんですね。
ジャーナリストって言われる人の中にも一定のイデオロギー、右も左もありますけれども、あるいは右とか左とか関係なく自然主義であったりとか、様々なイデオロギーあるんですが、支持者、ファンに向けて心地の良いような事実を並べるとか、意見を論評するっていうような形の報道。
これはもう既に新聞社も意外と思われる方も多いんですけれども、今から40年前ぐらいだと新聞ってどれ読んでも同じだよねっていうふうに日本では言われてたんですよ。
どれ買ったって別に同じことが書いてあるじゃんっていうふうに。ところが今そういうふうに言う人ってほぼ皆無だと思うんですね。
結構もう政治的な立場って明確になってると思いますし、おそらくスポーツジャーナリズムの世界でも同じで、どちらの立場で書いてるかっていうのが明確になってると。
アメリカで言えばやっぱりCNNであるとかニューヨークタイムズであるっていうのは民主党寄りだし、FOXとか共和党寄りだとかってもうはっきりしてると。
そういうようなことっていうのがしかし、俺それがやりたくて報道の世界に入ったんじゃないんだけどっていう強い違和感があるんですね。
でもそうなんですよ。ページビュー、要するにたくさんの人に読んでもらうっていうことを目指してきたはずなんだけど、いろんなたくさんの人に届けたい情報を届けるっていうことでこの世界を志したんですが、
たくさんの人に届けてももうお金儲かんないんですよね。1人1回ですね、記事を閲覧してもらっても0.02円とかなんで、ということは100万人が読んでも2万円ってことになりますよね。
これもう全く時給で換算しても、新聞社ってたくさんの人が働いてますからもう換算しないような価格になるので、結局サブスクリプション、月々いくらのお金を払っていただくっていう形のやり方になってくるんですけど、
サブスクリプションしてくれる人ってやっぱファンなんですよね。
アメリカのメディアとかは結構そこは明確に言っていて、自分たちのファンになる人たちを増やすっていうことを掲げているような社もあるんですよね。
でもそうするとまさにそういうところから取りこぼされるというか、そういう新聞の考え、テレビの考えについていけないよっていうような人たちってじゃあどうなってしまうのかっていうと上水さんおっしゃったように、
陰謀論に染まってしまったりとか、陰謀論もファン作りみたいなところがあると思うんですよね。
報道のファン作りと陰謀論
旧アノンであったりっていうのも、何かそういう一定のその人の耳に心地いいものを届けることによって囲って、そこからお金を吸い上げるみたいな。
私はやっぱりその客観的な事実でそこを打破したいっていう気持ちがずっとあるんですが、無理ゲーじゃねっていう感じもすごくしていて悩んでます。
会社の中にいる限りは無理なんじゃないですか。個人でその自分はもうギリギリまでの客観性を追求するみたいなことはできると思うけど、まあそのお金の部分どうするか問題はありますけどね。
けど個人レベルではなんか挑戦はできる気はしますけど、会社レベルであるとやっぱり立ち向かないですよね、いろいろね。どうなんでしょうね。
長瀬さんどう思われますか。
結局組織に何か所属していると、その組織の色を出す記事を出さなきゃいけないから、結局そっちに偏らざるを得ないから、自分が表現したいような記事ってのを書けないじゃないですか。
ってなったらやっぱりフリーでやって、自分が求めたいものを求めていくっていう方が、お金の面は置いといて、なんかそっちの方が生きてる心地がするんじゃないかなっていうのは思うんですよね。
まず現場で働いていると、例えば新聞社社説とかあって、結構記事鮮明にこれが良いこれが良くないってのを書いてるんですけど、は全く意識してないんですよ。
私たちはそう思われてる方がすごい多いと思いますけれども、別に会社の社税に合わせて記事書くことはなくて、やっぱり自分の発掘してきた事実っていうのをなるべく広めたい。
あるいは誰も知らないけれども、こんな悪いことをしてるやつがいるとか、こんなふうに人知れず涙を流している人がいるっていうことを皆さんでお伝えしたいっていう気持ちでやってるんですよ。
なので、私の勤務先って朝日新聞社っていうところで、一般に左寄りって見られてるんですが、産経新聞社っていう右寄りって見られている新聞社から転職してくる人いっぱいいるんですよね。
それで、もちろん私の同僚、先輩、後輩にもいますけれども、仕事をしていて、そういうイデオロギーで取材をすることってないんですよ。
ただ、他方、やっぱりそれが世間にパッケージとして出ていくときにはそういうふうに見られるし、あと私も実際に読んでて、そういうふうに偏ってるなっていう部分は感じてます。
国際ニュースの読まれなさ
これは、このやっぱり何か乖離があってどうしようかなっていうのが一つと、フリーになるとですね、私の知り合いにもですね、フリーになった人っていくらもいるんですよね。
それぞれの方で様々なんで、何か一含にはできないんですが、一部分にはですね、逆にフリーになると、その媒体、例えばテレビ局だったり、新聞社はあんまりフリー使わないんですけど、雑誌社、出版社だったりですね。
の、編集方針に合うような原稿を書かなきゃいけなくなるっていう、そういう話も聞くんですよ。
やっぱりそのテレビが求める絵であったり、その出版社がこういう記事の書き方にしてくれないと、雑誌って大変なんですよね。
新聞なんか月決めで撮ってくださる方がほとんどですけど、一冊一冊売っていかなきゃいけないんで、見出しが強いものが撮れないと困るみたいな話とかあって。
かえって会社の中にいる方がですね、あんまりそういうプレッシャーは感じないものだよっていうふうにも言われるんですよね。
新しいメディアを作るとかっていうのはまた違うんですか?そのフリーでやるっていうのと、新しい自身のメディアを作るっていうのは。
たとえばどんな感じのメディアがあったらいいなって思われます?
分野は何ですか?
そうですね。私の主なこれまで取材の対象としてきたのは国際ニュースなんですよ。
私イランっていう中東の国に3年7ヶ月ほどいまして、中東を主にイラクとかシリアとか取材したんですね。
やっぱり今パレスティナがすごく問題になってますけれども、ああいうことを皆さんに知ってほしいなっていう気持ちは強いですね。
中東のニュースは非常に興味があります。
今の情勢、世界情勢から考えて、たぶん中東の情勢がこれから世界の流れを決めていくんだろうなっていうのは感じてるので、
そこのニュースをできるだけ事実に基づくリアルな情報っていうのは欲しいなって思いますね。
ただこれが全然読まれなくてですね。
イランに2013年から2017年までいて、東京に2017年の4月に戻ってきたんですね。
会社に言われたのが国際ニュースが全然読まれていないので、これを何とかして読んでもらえるように工夫をしろっていうことだったんですよ。
いろんなことをやりましたけど、ただ一般にこれ結構統計の調査なんかでも出てるんですが、国際比較でもですね。
日本の読者の方って国際ニュースにはあんまり関心がないんですよね。
それは国民性ですね。
完全に。
どのような国民性でしょうか。
国際ニュースを日本語にしたとしても、自分たちは島国に住んでるし、自分とは何か関係ないところで起きていることっていう感覚の方が多分強いと思うんですよ。
けど、ヨーロッパとか陸続きに住んでる人たちって国際ニュースの方がむしろ敏感なんですよね。
それは陸続きになっていて、侵略されるっていう危機感っていうのが常にあったからっていう歴史的な流れで。
そういうのがあるから、ヨーロッパだったりアメリカだったりっていう、そういう歴史を踏んできた国々の人たちって、そういう国際ニュースに無意識的に敏感なところがあるんですけど、
日本って結局島国だから、そういう感覚になりきれないんじゃないかなっていうのはあるのかなって思います。
上水さんはどうでしょう。
そうですね。伸びるテーマってあると思うんですよ。伸びるテーマ、伸びないテーマ。
例えば中東とか国際ニュースが伸びないだとすると、力技ですけど、そのトピックで伸ばすっていうのがもう難しいので、
人に興味を持ってもらうっていうところになってしまう気がするんですよね。
神田さん、例えば神田さんという人が熱意を持って中立な報道をしている人だ、みたいなところで、神田さんに注目されることによって中東ニュースが注目されるみたいなことはあるかなと思って。
今のSNSの時代だからこそですね。
だから意外と一人でも突破できなくはない熱量と、ちゃんと適切な発信ができれば、国際ニュースとか伸びないというよりは、人の力で伸ばすことができるかもなとは思ったっていうのが一個かな。
あと日本人は危機感を持てないみたいなのは、まさに島国っていうのは本当そうだなと思ってて、見えないもの、見えづらいものっていうのにも想像力を働かせる人ってやっぱり少ないと思うので、
その絶対数が少ない人に届けると伸びないって問題が起こるから、最初の話に戻るけど、人になったら興味を持ってもらえる可能性がある。
なぜなら身近だから。身近な存在になっていくことによって、その海の外の話も、この人の話を聞いてみようかなということで聞いてもらえるみたいなことはありそうだなと思いました。
中立であることの重要性
なるほど。校舎の方ですけれども、そうですよね。ちょっとまず先に、中立であるっていうところは、私は大事にしたいなと思ってるんですが、
人を介して興味を持ってもらう。要するに、記者がインフルエンサー的になるっていう、そんな意味っていうふうに解釈していいですかね。
もちろんあれですよ。コビを売るために、結局中立じゃないことだったら意味がないんだけど、中立であるということをしっかりとそこに重きを置いてますよっていうメッセージとして、
支持を集めていくっていうことができればっていう意味のインフルエンサーですね。
大平 うん。見せ方ですね、結局は。
そうですね。でもそうだな、アテンションエコノミー的な感じがする。要は、中立であることで人の注意を引きつけるっていうのが、ちょっと道筋として見えづらいなと。
どっかに偏っていて、その支持を受けるっていうのは容易に想像ができるし、既に前例がたくさんあるんですが、私は客観的でございますっていうんだったら、
教科書とか法律の文章でも読んでりゃいいんじゃねっていう感じにはならないかなっていう。
ああ、どうかな。例えば中東の女性とかに、興味がなくはないみたいな人が結構いると思うんですよ。
でも自分で熱心に時間を使って調べるほど熱意はないみたいな時に、ものすごく熱意を持って調べて詳しい方がいて、
かつ、そこをなるべくリアルなものをありのまま出すということにこだわってますっていう方向性みたいなのもちゃんと示してくれたら、
これがリアルなのかもしれないなみたいな感じで受け取る人はいると思うので、受け取りやすくはなると思うんですよね。
みんながみんな、じゃあそこまで自分の生活の時間を土日全部潰して中東のこと調べますってほど熱意を持ってる方って思ってないと思うから、
30分その記事をじっくり読むみたいなぐらいはしたいと思ってる人はいるかもしれないっていう。
その中間に入れる気はするんですよね、人というのを。
報道の影響力とフリーランスの厳しさ
その話で言うと、まあそうなんですよね。それができるといいなっていうふうには思うんですが、
他方、絶対数としてやっぱりそうですね、これまで私が接してきた数字で言うと、やっぱりどう見ても中東の女性よりも、
例えば地域、日本にもたくさんの地域、都道府県とかありますけれども、とかのニュースの方が、
実は新聞社内では地域ニュースってそこまで重要視されていなかった節があるんですけど、
全然そんなことなくて、めっちゃみんな興味あるんだっていうのが数字でわかってるんですけどね、みたいなのに比べると、
やっぱり物理的な距離が遠いところの話っていうのは、如実に数字はあんまり出ないなと。
で、フリーでやっていくってことになると、本当にそこでこう、死活問題になってきますよね。
会社にいると給料勝手に振り込まれてくるんで、こんなありがたいことはないなって思ってるんです。
ただ、やっぱり自分の筆一本で生きていくっていうときに、読まれませんでしただとなかなか厳しいなっていうのは。
新聞記者って副業できないんですか?
できます。
じゃあ個人で。
始めたらいいじゃないですか。
なるほどね。
できる範囲のことでやって、お金を何らかの集める手段は何にするかちょっと考えた方がいいと思いますけど、かなり。
そこを設計したら、あとはお金が集まり次第、仕事を段階的に減らして移行するみたいな感じに。
確かにね、それ本当にそうですよね。
それは求められてるか求められてないかっていう投票だと思うので、お金という。
投票が集まればそれだけ期待されてるってことなので、期待されていればその分より時間を抑えてそっちにコミットしますよっていう。
その読者にそれこそ委ねて、自分はいい記事を書くことにフルコミットするみたいな。
ただ、今は本業があるので、片手間でしかやれないんだけども、これをもっと届けてほしいんだったらお金出してくださいっていう。
お金が集まればフルコミットしますよっていうことができるから。
なんか読者におもねることをしないというか、自分が思う表現としてというか、本当に中立な報道を自分が目指す中東に限らず、
メディアとして報道はこうなんだっていうのを実現するっていう時間、場所を持つっていうのはとても重要な気はしますけどね。
今の点で言うと、まさに読者におもねるのではなく、だけどやっぱり読者と一緒に成長していきたいみたいな気持ちもあって。
例えば長里さんも自分のプレーに対するファンっていうのはいらっしゃると思うんですけれども、一方でファンがサッカーを見るレベルみたいなのも多分あるんだろうなって推測するんですけど、
そういうのを全体として盛り上げていくみたいなところって、ご自分で考えてやってらっしゃるようなことってあるんですか?
今やってるんですけど、YouTubeチャンネルでサッカーの女子選手のプレーであったり試合であったり、代表の試合のことだったり、
そういうのを分析してYouTubeにアップするっていうのを今実際にやってて、
それはやっぱり見ている側の質を上げないとサッカーの競技レベル自体も上がっていかないっていうのをずっと思ってたんです、代表でプレーしてた時に。
だからその思いがあって、今実際にそれを始めてみて、少しずつファンのコメントとかも見方が変わってきたっていうコメントとかも増えてきて、
それをやることによって、やっぱりそういうメディア、媒体がなかったからファンの人たちって見方が成長していかなかったんだなっていうのを実際に思ったので、
それをやることによって絶対に見る人の質っていうのは絶対的に上がっていくんじゃないかなというふうに思います、どの分野でもこれは。
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