1. 志賀十五の壺【10分言語学】
  2. #344 動詞分類を学ぼう、日本..
2021-08-09 09:29

#344 動詞分類を学ぼう、日本語編! from Radiotalk

関連トーク
「「お前はもう死んでいる」の言語学」
https://radiotalk.jp/talk/362415
「落ちよる vs 落ちとる(西日本方言の仕組み)」
https://radiotalk.jp/talk/297977

参考文献
金田一春彦 (1950)「国語動詞の一分類」『言語研究』15. 48-63.

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育
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始まりました。志賀十五の壺。皆さんいかがお過ごしでしょうか。志賀十五です。暑いですね。
連日30度を超える日が続いております。 どうでしょうね。皆さん体調崩されてないですかね。水分としっかりとってください。
今日のトークのテーマは、アクチオンスワルトっていうものをね、取り上げようと思います。
これはドイツ語です。 言語学用語ですね、完全なね。
別名、語彙的アスペクトと言われるもので、 簡単に言うと、動詞の持っている時間的な特性ということになりますね。
まあ何のこっちゃよくわかんないって感じだと思うんですけど、 今日メインでお話しするのは近代一春彦先生の
その日本語の動詞の分類っていうのがあって、それをご紹介するっていう感じなんですよね。
近代一春彦先生どうかな。皆さんご存知かな。 国語辞典とか作ってらっしゃるので、
近代一秀穂先生のお父さんが近代一春彦先生で、さらにそのお父さんが近代一京介先生っていうことになってるんですよね。
なので言語学会というか国語学会において近代一家っていうのはこう脈々とね、
何というか受け継がれてるっていうか、そういうことになってるんですけど、 さっきも言ったように今日ご紹介するのは近代一春彦先生の
日本語の動詞の分類の仕方ですね。 近代一先生は日本語の動詞を
4種類に分けました。 その
基準というかね、どういう観点で4つに分けたかというと、 さっき言ったアクチオンスワルトによって4つに分けたんですね。
これはね、何から見るのがわかりやすいかな。 やっぱ状態動詞から見るのがわかりやすいかなと思います。
状態動詞というのは、その名が示す通りですね。 状態を表すものです。
動詞というと、どうしても動作っぽいものが イメージされるんですけど、そうではなくて状態を表すようなもの。
具体的には存在動詞ですね。いるとかあるとかいうものです。
こういったものは特徴として、ているっていう形がつかないんですね。
この金田一先生の4分類の基準は、 そのているをつけたときどうなるかということなんですね。
それで4つに分けていて、 まずているがつかないものとして、状態動詞というのがあります。
逆に、必ずているがつくというような動詞もあって、 これは第4種の動詞というふうに言われるんですね。
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その他みたいな感じだと 思います。
例えば、すぐれているとか、そびえているとか、 似ているとかもそうです。
こういったものは、ふつうているというのが つく形であらわれて、
これも状態動詞と同じで、あまり動詞っぽくないものと 言えるかもしれません。
むしろ、形容詞に近いものの 性質を表すという意味です。
まず4分類のうち、ているがつかない動詞として 状態動詞があって、
逆に、ているが必ずつくような動詞として 第4種の動詞というものがあります。
大部分の動詞は、4種類のうちの 残りの2つに分類されます。
1つは継続動詞で、もう1つは瞬間動詞と 言われるものです。
継続動詞というのは、ある時間内に 継続してそのまま 続けて行われるような動詞です。
瞬間動詞もそのままです。瞬間的に 終わってしまうような動詞です。
具体的に言うと、継続動詞は 読むとか 走るとか 笑うとか こういったものです。
一方 瞬間動詞の方は 死ぬとか 消えるとか 落ちるとか 始まるとか 終わるとかです。
こういったものが 瞬間的に 行われているかどうかというと、
徐々に始まるとか 終わるというのが 想像できてしまいます。
そのため 瞬間動詞は 瞬間に 起こっているとも 言えます。
あるいは 動作が起こる前後で 何かしら 変化が起こっているので 変化動詞と 言われます。
死ぬとか まさにそうです。
その動作の 前後で 全然ちがう状態に なっています。
消えるとか 始まるとか 終わるとかも そうです。
さっきも 言ったように 近代値先生の 動詞の分類は テイルが ついたとき どうなるか ということです。
状態動詞は つかなくて 第四種の動詞は 必ずつきます。
継続動詞と 瞬間動詞は どちらも テイルが つくことが できます。
つくことが できますが ついた時に 意味が ちがいます。
継続動詞の方に テイルが つくと 進行形のような 感じに なります。
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読んでいる 笑っている 走っている という 感じです。
一方 瞬間動詞 あるいは 変化動詞の方は 進行ではなく 結果状態が 残っている というか 結果の残存 という 言い方を します。
消えている というと 消えた状態が 今も 残っています。
あるいは 落ちている というと 床にある という 状態を 表しています。
おもしろいです。
同じ テイルが ついていても 走っている という 継続動詞だと 進行に なります。
落ちている という 瞬間動詞だと 結果状態に なります。
今 近代値先生の 動詞の 4分類を お話ししたんですけど 僕は 理屈は わかるんですけど 日本語話者の 感覚として これは 全く わからないんですね。
というのも この テイルが ついて どうのこうの っていう これは いわゆる 共通語の 話なので 僕は ニフシ日本の 方言の 話者なので 全く わかりません。
この 感覚が というのが ニフシ日本出身の方 お住まいの方は わかると思うんですけど ニフシ日本の 方言は 進行は よる というのが ついて 結果状態は とる というのが つくので 別個の形を 使うんですね。
共通語の 場合は その区別が なくて 両方 テイルを 使っているので このような 4分類に なっているのですが つまり 継続動詞でも 走りよる だったら 進行で 走っている だったら 結果状態 あるいは 瞬間動詞の 落ちるの 場合も 同様です。
落ちよる と言ったら 落ちつつ ある 落ちている ところだ という 進行で 落ちとる と言うと 共通語の 落ちている と同じ 結果状態 ということです。
なので 僕の感覚としては 夜だろうが とるだろうが 共通語だったら テイルに 直せば いいんだから 落ちよるも 落ちとるも 両方 落ちている になるので 落ちている というのが 進行を 表せない 結果状態 だけだって 言われても 全く わかんないんですよね。
それが 母語の 面白いとこだな と思います。
そういうふうに 考えれば 西日本方言の方が 合理的と 言えば 合理的ですよね。
進行と 結果状態で 別個の 夜と 取る という形式を 準備しているので 共通語は テイル という 1個の形式が あるだけで それが 継続動詞に つくのか 瞬間動詞に つくのかで 意味が 変わるので ある意味 変わっていると 言えば 変わっている かもしれません。
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というわけで 今日のトークは ここまでということで 最後まで 聞いてくださって ありがとうございました。
よろしかったら 番組 フォロー お願いいたします。では また 次回 お会いいたしましょう。
ごきげんよう。
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