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始まりました、志賀十五の壺。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。
矢神ライトです。
数字の十。
1、2、3、4、5、6、7、8、9、10の十っていうのは、
単語の途中、
というか、分かりやすいのは、
助数詞と一緒に出てくるときは、
本来はというかね、
基本的には、
じっていう発音に、
発音で言うのが、
正しいとされております。
まあ、こういうのは例を挙げたほうが分かりやすいんですけど、
じっこ、とかね、
じっぽん、みたいに、
じっという発音になると。
これは、じゅっことか、じゅっぽんっていう人も、
多いと思うというか、そっちのほうが多いと思いますね。
最近では、アナウンサーでも、
別に、拒制せずにね、
じゅっという発音で言っていると思います。
ただ、僕の記憶ではね、
小一の頃だったと思いますけどね、
国語の時間で、
習いました。
じっこ、じっぽんというふうに、
家計というかね、
家というふうに習いましたけど、
ただ、字面の上ではね、
わからないんですよね、じゅって。
漢字で書いてしまえば、
特に問題はないんですよね。
で、発音でも、
別にじゅっこといようがじっこといようが、
まあ、どうでもいいというか、
意味の違いに影響するとかね、
むしろじっこといったほうが、
違和感を覚えるっていうようなね、
そういった状況になりつつあると思います。
まあ、それはそれで仕方ないと思いますね。
なので、このエピソードでもって、
じっこという言い方しましょうとかね、
じゅっこというのは消しからんというつもりは全然なくって、
僕はなんとなくですけどね、
意識的にじっこじっぽんという発音をするようにはしてますけど、
別に人がじゅっこじゅっぽんと言っていても、
よろしいんではないかと思います。
でね、このあたりの話はね、
関連エピソードがあるんですけど、
9と10っていうのは、
ほとんどその一緒ですよね、発音上ね。
小さいゆとうで、
9と10なわけなんですけど、
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9のほうは9こ、
10のほうはじゅっこというふうに、
9のほうは単純にこうとか、
あるいは9本みたいに、
発音変わらずに助数詞がつくわけなんですけど、
10のほうは、
まあ今言ったようにその、
じっこにしろ、
じゅっぽんにしろ、
まあいずれにせよその、
小さい2で書くようなね、
即音という音が入ります。
発音が変わります。
これどういうことかというと、
歴史的金づかいで見ると、
9っていうのはきうっていうふうに書かれていました。
一方10っていうのはじふと書かれてたんですね。
こういうふうに歴史的金づかいで、
違うように表記されていたということは、
当時は発音が違ったということです。
実際にきうとかじふって、
発音されてた時代があったんですよね。
ただ時間がたつにつれて、
きうもじふも、
910とそれぞれ発音が変わってしまって、
まあ現代金づかいではね、
そこに差はないということになっています。
ただもともとの単語の形、発音が違ったので、
助数詞になると、ある意味、
昔の発音の名残みたいなものがね、
復活するということなんですね。
さて、
じっこにしろ、じゅっこにしろ、
即音が入っているわけですけど、
この即音っていう発音は、
そもそも日本語に本来的なものではなかったと考えられてるんですね。
漢語が入ってくるとともにというかね、
漢語の影響でそういった小さい通で書くようなね、
即音っていうのが生まれたと考えられています。
まあ今言っている9とか10っていうのも漢語ですね。
和語だとここのつとうというふうになっております。
で、このじふのふの音は、
後ろが無声シーン、
例えばかぎょうとかね、
パぎょうの音とかもそうですが、
あるいはさぎょう、たぎょう、
こういった音が来た場合、
即音化したんですね。
じっことかじっぽんっていうのは、
かぎょう、パぎょうですので、
だから即音化しています。
現代語でもね、似たような即音化はあるんですよね。
洗濯機が洗濯機になったり、
水族館が水族館になったりするわけですけど、
こういったものはいわば、
無声シーンが、違う、
無声シーンに母音が挟まれて、
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母音が無声化して、
さらに母音が落ちて、
で、シーン連続が起こって即音化しているっていうふうに、
大雑把にそういうことができると思います。
そもそも無声シーンとは何なのかとかね、
いった話も含めて、
この水族館みたいなね、
ものの話は過去に取り扱っておりますので、
そちらも併せて聞いていただけたらと思います。
無声シーンっていうのは、
声帯の震えを伴わないシーンのことで、
無声音に対して有声音っていうのもあります。
こちらは声帯の震えを伴います。
母音っていうのは有声音で、
その有声音が無声音に挟まれることで、
影響を受けちゃってっていうかね、
それで即音に結果的になっているということです。
それはそれとしてですね、
字符の符っていうのが後ろに無声シーンですね。
影響みたいなものが続いて、
じっこっていうような即音になっているということで、
で、きゅうの方はさっきも言ったように、
きうみたいな母音だったわけなので、
その即音化っていうことは起こんなかったんですよね。
で、これも繰り返しですけど、
字符っていうのが、
まず、はぎょうてんこという音変化があって、
はひふへほうの音が、
五等以外でわいうえおの音になったんですね。
で、じうになって、
さらに日本語っていうのは結構、
日本語に限らずかもしれませんけど、
母音連続っていうのを避けるので、
じうがじゅうというふうに洋音化しました。
それで単独で発音するときは、じゅう。
ただ、後ろに助数詞なんかがつくときは、
その字符っていう発音だった名残として、
即音が現れるということなんですね。
なので、じゅうの後に助数詞が出たときなんかに、
じっことかじっぽんとか言うっていうね。
まあ、基本的にはそれが正しいっていうのは、
歴史的にはそう説明できますが、
和詞にとって歴史っていうのは、
結構どうでもいいことですので、
今話しているものがすべてですので、
じゅうに対してじゅっこじゅっぽん、
でも別に何とも思わないんですね。
思わないんですけど、
ここでね、僕が面白いと思うのは、
いゆっていう動詞がありますね。
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これについてはね、むしろ逆のことが起こっていて、
逆っていうか、
いゆっていうのを、
話し言葉で特にゆうっていう風に言いますよね。
ゆう。
で、これはじゅうがじゅうになったのと全く一緒です。
でも書き言葉の方では、
カタクナにいゆっていうのをこう、
守ってるんですよね。
で、これの過去形も、
まあ過去形ないし、
て形と言われるカタチも、
いったとかいってっていう風になります。
で、これがいわばじっこみたいなものに対応するわけですが、
まあ、話者によっては、
ゆったとかね、ゆってっていう風に、
ゆう人もいると思います。
で、これがまさに、
じゅっことかじゅっぽんみたいなものと一緒ですね。
なので、数詞のじゅうの方では、
結構新しい発音をしてるのに対して、
いうの方は、
まあカタクナにというか、
いうとかいったとかいってっていうのが、
基本的だっていう意識が話者の中にあるんですよね。
ただまあいうの方は動詞なので、
なんていうかな、
言わないとかいった場合は、
言わないよりも、
いっていうのが多分出やすいと思います。
そういったこともあって、
いっていうのが、
なんていうかな、残りやすいっていうか、
語感として意識されやすいっていうかな、
そういったこともあって、
じゅうほど、
その要音化が進んでいないんじゃないかなと思います。
ただ話し言葉ではやっぱり、
ゆうとかね、
まあていうかとかそういうのも含めてですけど、
ゆった、ゆってないとかね、
こういった言い方が、
まあ結構広がっていると思います。
というわけで、
じゅうっていうのと、
いうっていうのでは結構規範意識が違うっていうようなね、
まあそういったお話でございました。
まあ本質はというかね、
歴史的には結構似た音変化なんですけどね。
というわけで今回はここまでということで、
最後まで聞いてくださってありがとうございました。
また次回のエピソードでお会いいたしましょう。
お相手はシガジュウゴでした。
またね。