1. 志賀十五の壺【10分言語学】
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2023-08-12 10:50

#572 「ダイヤル回して手を止めた」の言語学:連位接続 from Radiotalk

関連エピソード
https://radiotalk.jp/talk/317421

主要参考文献
『言語類型論入門:言語の普遍性と多様性』 (リンゼイ J. ウェイリー、岩波書店)

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育
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始まりました、志賀十五の壺。皆さんいかがお過ごしでしょうか。カバン売りのガラゴです。
今回は、連位接続というものをテーマにお話ししていこうと思います。連位接続。
これについてね、過去話したことがあったかなと思って振り返ってみると
シャープ122でね、そういった話をしてるっぽいんですね。
それ以降もね、たぶんやったことあるんじゃないかなと思うんですけど、
まあとりあえずシャープ122も合わせて聞いていただけたらと思います。概要欄にリンクは貼っておこうと思います。
この連位接続っていうのは、あんまりその
世間には浸透していない言語学用語ではないかなと思います。
それに対して、等位接続とか順位接続と言われるものは、
結構ね、浸透しているものだと思います。
等位接続っていうのは、英語で考えると&を使って文を繋げるようなものです。
この&で繋がれた、そのそれぞれの文、
より正確には節ですけど、それぞれの節っていうのは対等な関係で、
どちらもそれぞれ独立して発話されてもおかしくないようなね、
そういった接続のことを等位接続と言います。
一方順位接続っていうのは、これね結構いろんなものを含むんですけど、等位接続とは違って、
主節と、重属節とかね、いうふうに言われるものからなって、
一方の節に、一方の節が埋め込まれているような関係を重属節と言います。
英語だと&とか&を使うような、そういったものが順位接続と言われるものです。
で、この順位接続が広いって言ったのは、例えばね、関係節っていうのも順位接続に含まれたりとか、
補分節と言われるものが含まれたりとか、英語で言うとこのザット節っていうんですかね、
そういったものも含めて順位節ということがあります。 いずれにせよ、
一方の節がもう一方の節に依存している、埋め込まれているというのが順位接続です。
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それらに対して連位接続というのは、ちょうどね、
統一接続と順位接続の中間みたいな感じなんですね。 ちなみに英語だと統一接続っていうのはコーディネーションと言います。
で、順位接続はサボディネーションなんですよね。 で、連位接続っていうのはコーサボディネーションと言って、まさにその中間みたいな感じがちょっと
あるんですけど、 統一接続のように
なんていうかな並列されているような関係にも見えるし、 一方が一方に依存しているようにも見える、そういったものが連位接続なんですね。
この連位接続っていうのがあんまりその世間一般にね、 知られていないっていうのは一つは
英語みたいな言語でそういったものがないからなんですね。 統一接続とか順位接続っていうのは接続詞を使ってこう表すわけですけど、
まあそういったものは ずっとね記述されてきた、研究されていたんですが
連位接続っていうのは 英語みたいな言語にはないんですよね。
ではどんな言語にあるかというと日本語にあるというふうに 考えられています。
日本語の連用形とかて形と言われるようなものです。 小林明子さんの
歌で恋に落ちてっていうのがありますけど ダイヤル回して手を止めた
サビのとこですよね。 このダイヤル回して手を止めた、これが連位接続と考えられています。
ダイヤル回し手を止めたっていうふうにね、いわゆる連用形を使ってもおそらく 連位接続として分析されると思います。
このダイヤル回すっていうのと手を止めるっていうものの関係を見たときに まあ英語の&に近いような感じはするんですよね。
それぞれの動作出来事がこう並べられているので お互い対等な関係というかねそんな感じがするんですが
一方でね 依存しているようなとこもあるんですね
というのがダイヤル回して手を止めた このダイヤル回すっていう方には
時勢、点数 現在か過去か未来かっていう情報はないんですよね
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ただダイヤル回して手を止めたといった場合 ダイヤル回したのは過去の出来事として解釈されます
それは手を止めたの方の後ろの方の節の 時勢に依存しているということなんですね
もしこれがダイヤル回して手を止めるだったら まあ現在とか未来っていう解釈になりますし
あるいはダイヤル回して手を止めろ っていう風な命令になったとしたら
ダイヤル回すの方も命令としておそらく解釈されるんではないでしょうか こういう風に
時勢とかね あるいは認証
誰がやったかっていう守護の情報とか こういったものが後ろに出てくる
動詞、述語に 依存しているというのが連音接続です
なので途中に出てくるその手形とかね 連用形っていうのはそういった情報がなくって
最後の動詞 最後の述語に全部委ねているみたいな感じです
こういうふうに考えると 統一接続みたいにこう
対等なものが並べられているようにも見えるけど 独自の時勢を持たないみたいなねそういった点から言うと
従属関係にあるということで こういったものが連音接続という言い方をされるんですね
このね 連音接続、コーサボーディネーションという言い方は
RRGっていうねロールアンドリファレンスグラマー っていう言語学の一派がよく用いる
用語なので クローズチェーニングという言い方がされることもあります
これは節連鎖っていう日本語がね多分当てられているのではないかと思います
この連音接続を持っている言語の特徴として
指示転換という現象があります 日本語にはないんですけど
指示転換っていうのは
連音接続で並べられた節が同じ主語なのか 違う主語なのかっていうのを
まあ表す手段があるということなんですね でさっきの恋に落ちてだとダイヤル回して手を止めた
これは普通に解釈すれば 同じ主語、同主語として解釈されます
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ただ日本語のてけっていうのは違う主語、異主語でもよくって 例えば
ここに昔お城があって殿様が住んでいたとか言えば 違う主語を取れることができるんですよね
言語によっては例えばパプア諸語 パプアニューギニアで話されている言語なんかは
同じ主語なのか違う主語なのかによって このて形のての部分が変わるんですね
動詞の形が変わると言ってもいいかもしれません その辺の話をシャープ122でやってますので
ぜひね合わせて聞いていただけたらと思います この同主語異主語っていうことで言うと日本語のながら
っていうのは同主語しか許さないんですね 音楽を聞きながらご飯を食べたといった場合
音楽を聞くのもご飯を食べるのも同じ主語しか許しません そういったものが多少日本語にもありますが
パプア諸語だともっとそれがシステマチックにね 表されるということです
というわけで今回は電位接続というものについてお話しいたしました それではまた次回のエピソードでお会いいたしましょう
お便りも随時募集しております番組フォローも忘れずよろしくお願いします それではお相手はシガー15でした
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