1. 【10分言語学】志賀十五の壺
  2. #799 英語は一種のクレオール..
2025-10-14 11:45

#799 英語は一種のクレオール語か? from Radiotalk

前回エピソード
https://www.youtube.com/watch?v=Cd4y7SiK4jw

関連エピソード
https://radiotalk.jp/talk/910998

主要参考文献
松本克己 (2006)『世界言語への視座: 歴史言語学と言語類型論』東京: 三省堂.

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#落ち着きある #ひとり語り #豆知識 #雑学 #教育

サマリー

今回のエピソードでは、Standard Average European(SAE)の特徴や、その文法がクレオール化の影響を受けている様子を掘り下げています。特に、言語接触による文法の単純化やSVO語順の固定化について詳しく解説しています。

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お便りいただいております。好きな品種は、同志さんからギフトと一緒にいただきました。ありがとうございます。
志賀さん、こんばんは。こんばんは。今回のSAEのトーク、私にとってタイムリーでとても面白く、続編も期待しています。
SAEの特徴
このSAEは、Standard Average European、標準平均的ヨーロッパ語、ないし標準ヨーロッパ語と言われるもので、
前回のね、シャープ798で取り上げました。 まだ聞いてない方はね、ぜひ聞いてください。
サピア・ウォーフはなんとなく知ってましたが、SAEという用語は初めて知りました。 オランダ語を少し勉強し始めたところなのですが、
動詞の前に、あ、じゃない、動詞の後に普通名詞が2つ、何の標識もなく並んで出てきて、
何だこれは、となり、よくよく考えたら英語と同じでした。 動詞プラス余格プラス対格、その子供に本をあげた、の類。
英語は単語そのものにある程度なじみがあるので、格節微字などがなくても察しがつき、気になりませんでしたが、
なじみのない外国語の場合、単語だけ見ても全然わからないので、 まずはいかに格節微字や前置詞などを頼りに文の構造を想像した上で、
文の意味を考えていたかということに気づいたところです。 所有表現余格主語などなど、これからもトーク楽しみにしております。
ということで、好きな品種は動詞さん、お便りどうもありがとうございます。 BGMです。
始まりました4月15のツボ。皆さんいかがお過ごしでしょうか。ゴシップガールです。 前回のエピソードでお話ししたように、標準平均的ヨーロッパ語、SAEには、
まあいくつか特徴があるわけですけど、その特徴の一つとして、 SVO語順、主語動詞目的語という語順がかなり固定化されている。
支配的だというお話をしました。 I hit him. 私は彼を殴ったとか、
I like you とか、 I read the book とか、まあ何でもいいんですけど、そういうSVO語順がかなり支配的で、
そのために、多動詞がかなり優勢というか、他の言語では多動詞を使わないようなところでも、多動詞を使うという特徴があるんですよね。
例えば、所有がそうで、 I have a book. 私は本を持っている。 have のような多動詞を使って、
SAEは所有を表すんですよね。 多くの言語で所有と存在っていうのは連続していて、
日本語もそういうところはありますけど、 彼には妹がいるみたいな言い方で、いるという存在動詞を使って所有を表します。
さらに、彼にはっていう風に、余格主語というかね、 がーという主格と言われる標識以外で、主語を表すことも
日本語含めいろんな言語で見られるんですが、 彼には妹がいる。彼には知識がある。
こういった余格主語はSAEではあんまり見られなくて、 さっきも言ったようにSVO、主語、動詞、目的語という語順がかなり支配的なんですよね。
なんでもかんでもSVOの方に収めようとしがちと言えるかもしれません。 そのために英語を含むSAEは仮主語っていうのが必要なことが多いんですよね。
雨が降るだったら it rains みたいに、この it っていうのが何を表しているかよくわかりませんが、
ある意味主語というスロット、 場所を埋めるために it が存在しています。
あるいは、it is easy to 〇〇することはたやすいみたいな時も、 本主語というかね、本当の主語は to 以下で、仮主語として it があるとかよく言われますが、
これも動詞の前の位置を埋めるために it というのが必要です。 ですのでSAEは主語を落とせない、必ず表さなきゃいけない言語となっていて、
この特徴も、 地域的な特徴というか、他の言語と見比べてみると、もしかしたら珍しい特徴と言えるかもしれません。
SAEはSVOという語順がかなり固定的で、 で、さらにSは必ず埋めなきゃいけない、主語は現れなきゃいけない。
ではなぜそのような特徴を持っているか、その理由を考えてみると、 これも多分前回のエピソードでお話ししてますけど、
SAE、英語なんかがわかりやすいですけどは、 名詞にしろ動詞にしろ変化形っていうのがかなり乏しいんですよね。
古典語、ギリシャ語とかラテン語なんかと比べると、 英語はまず名詞の変化形っていうのがほとんどありません。
特に普通名詞は、 単数と複数の区別はありますけど、格変化というのはないんですよね。
主語の時も目的語の時も名詞の形は変わりません。 間接目的語みたいなものは、
toのような前置詞を使って表すので、 名詞自体が形が変わることはないんですよね。
さらに動詞は動詞で、 何が主語で目的語かというのは表しません。
言語によっては、動詞に主語の情報も目的語の情報も 表示させるような言語もあるんですよね。
主要部表示型言語、ヘッドマーキングな言語と言われる言語では、 動詞が主語と目的語の認証や数によっていちいち形を変えます。
そういった言語では、動詞だけ見れば主語と目的語が何なのかというのがわかるので、 語順はある程度自由でも構わないんですよね。
どういう順番で出てきても、動詞を見ればどっちが主語で目的語かというのがわかります。
さらに言うと、ヘッドマーキングの言語では主語も目的語も出てこなくていいんですよね。
しかし英語を含むSAEにおいては、何が主語で何が目的語かっていうのは、 動詞だけではわかりません。
現在形であれば、三人称単数が主語だというのがね、 Sというのがつくのでわかるんですけど、
それ以外、例えば過去形だったら、誰が主語だろうと、 あるいは目的語だろうと動詞の形は全部一緒です。
そうなると、主語と目的語を表すのに、 語順に頼るようになるんですね。
動詞を挟んで、動詞の前が主語、動詞の後が目的語、 そのように固定してしまうことで、
名詞にしろ動詞にしろ、その主語を表す、目的語を表す手段がないことを補っている、 カバーしているということができます。
この辺についてはね、関連エピソードがございますので、 概要欄からぜひ聞いてみていただけたらと思います。
クレオール化の影響
さらにさらにその理由を突き詰めていくと、つまり、 なぜ英語を含むSAEは、名詞にしろ動詞にしろ、
主語や目的語を表す手段を変えてしまったのか。 古い時代の英語には、
もっと名詞にしろ動詞にしろ変化形はあったんですよね。 それがなくなってしまいました。
その結果、SVOという語順で固定されることになったわけですが、 その理由をクレオール化と見る考え方もあります。
クレオール、クレオール語というのは、 言語接触の結果、新しく生まれた言語で、
お互い話が通じない、文字通り話が通じない、 言語が違う者同士がコミュニケーションを取るために、
簡易的にというか、便宜上使われる言語のことをピジンと言います。 そのピジンを母語とする話者が出てくると、それはクレオールと言われるんですね。
このクレオールの特徴として、文法が単純化するというのがあります。 その単純化というのは、すなわち単語の語形変化がなくなるということです。
英語は確かに、ノルマン・コンクエストなんかが代表的ですけど、 歴史上言語接触はあったので、その結果、文法が単純化した。
ここで言う単純化っていうのは、すなわち単語の語形変化がなくなったということですけど、
そういったクレオール化の結果、英語を含むSAEは、 SVOという語順の固定化、そういった地理的な特徴を持つようになったという説もあるんですね。
お便りもう一通いただいております。 ハッシュさんから、こちらもギフトと一緒にいただきました。ありがとうございます。
山登りにはお茶とコーヒーとお菓子は持ってかなあかんでなあ。 行ってらっしゃい。ということで、ハッシュさんお便りどうもありがとうございます。
これはですね、ちょっと山登りに行くぞということを言って、それに対するメッセージということですね。
ありがとうございます。 今回はジンバさんからタカオさんに重走しました。
過去にね、何度かこのルートは歩いたことがあるんですけど、 だいたい7時半ぐらいにジンバさんのふもとにバスで着いて、
午前中いっぱい駆けてタカオさんまで抜けていくっていうような感じですね。
サンリン級の真ん中だったっていうこともあるのかもしれないですけど、 ジンバさんはともかくタカオさんはものすごく人が多くてですね、
ちょっと今後はルートを考え直すか、別の山も選択肢に入れてみるかっていうのを考えているところです。
タカオさんは本当に気軽に登れる山で、 ケーブルカーとかリフトもあって、
そこがいいところではあるんですけど、 ちょっとこの間は人が多すぎましたね。
というわけで今回のエピソードはここまでということで、 また次回のエピソードでお会いいたしましょう。
番組フォローまだの方はよろしくお願い致します。 お相手はシガ15でした。
またねー。
11:45

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